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公開番号2025115407
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024007975
出願日2024-01-23
発明の名称断熱材取付用スペーサー及び断熱構造
出願人積水ハウス株式会社
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類E04B 1/76 20060101AFI20250731BHJP(建築物)
要約【課題】柔軟性を有する断熱材を躯体に固定しつつ、外壁材との間に通気用空間を確保することのできる、作業性に優れた断熱材取付用スペーサー及び断熱構造を提供する。
【解決手段】断熱材取付用スペーサー1は、壁面固定部材2と断熱材掛着部材3とを接合して構成される。壁面固定部材2は、壁面(外壁材8)に固着される空間保持部22と、壁面の面直方向に延出する拡開案内部23及び接合軸部24とを具備し、拡開案内部23の周面は空間保持部22側に向けて拡径する。断熱材掛着部材3は接合筒部31と掛着部32とを具備し、接合筒部31にはスリット33が形成され、その接合筒部31が接合軸部24に挿装されて壁面側に押圧されると、接合筒部31の周面が拡開案内部23に沿うように展開して、鉤手状の尖り先部36を有する掛着部32に掛着された断熱材7の表面に押し当てられる。かくして、断熱材7と壁面との間に通気用空間9が形成される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
柔軟性を有する断熱材を適宜の壁面に沿わせて配置するに際し、前記壁面と前記断熱材との間に所定幅の空間を確保するための断熱材取付用スペーサーであって、
前記壁面に固着される壁面固定部材と、前記壁面固定部材に接合される断熱材掛着部材と、を含んで構成され、
前記壁面固定部材は、所定の軸長を有して前記壁面に固着される空間保持部と、前記空間保持部に連続して前記壁面の面直方向に延出する拡開案内部及び接合軸部と、を具備して、
前記拡開案内部は、その周面が前記接合軸部との接続箇所から前記空間保持部との接続箇所に向けて段差なく拡径するように形成され、
前記断熱材掛着部材は、前記接合軸部の軸長よりも大きい軸長を有して前記接合軸部に挿装される接合筒部と、前記接合筒部に連続して前記壁面から離反する向きに延出する掛着部と、を具備して、
前記接合筒部には、その軸方向に延びて前記壁面固定部材側に開口する複数本のスリットが形成されており、
前記壁面固定部材の前記接合筒部に前記断熱材掛着部材の前記接合筒部が挿装され、前記断熱材掛着部材の前記掛着部に前記断熱材が掛着された状態で、前記断熱材掛着部材が前記壁面固定部材側に押圧されると、前記スリットによって分割された前記接合筒部の周面が、前記壁面固定部材の前記拡開案内部に沿うように湾曲しながら展開して前記断熱材の表面に押し当てられることにより、前記断熱材と前記壁面との間に前記空間保持部の軸長に相当する幅の空間が形成される
ように構成された断熱材取付用スペーサー。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
請求項1に記載された断熱材取付用スペーサーにおいて、
前記拡開案内部の周面が、軸心側に凸となる曲線を母線とする回転体形状に形成されている
ことを特徴とする断熱材取付用スペーサー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された断熱材取付用スペーサーにおいて、
前記スリットによって分割された部分が展開したときに前記断熱材掛着部材と前記壁面固定部材とを接合する接合手段が、前記接合軸部の近傍箇所と前記接合筒部の内周面との間に適宜の凹凸係合形態を用いて形成されている
ことを特徴とする断熱材取付用スペーサー。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された断熱材取付用スペーサーにおいて、
前記掛着部の後端に屈折した尖り先部が形成されている
ことを特徴とする断熱材取付用スペーサー。
【請求項5】
請求項1又は2に記載された断熱材取付用スペーサーにおいて、
前記壁面固定部材の前記空間保持部には、前記空間保持部よりも断面積の大きい台座部が設けられている
ことを特徴とする断熱材取付用スペーサー。
【請求項6】
請求項3に記載された断熱材取付用スペーサーの前記壁面固定部材が、前記接合軸部を屋内側に向けて外壁材の裏面に固着され、
前記接合軸部に前記断熱材掛着部材の前記接合筒部が挿装され、
前記断熱材掛着部材の前記掛着部に柔軟性を有する断熱材が掛着され、
前記断熱材が掛着された前記断熱材掛着部材が前記壁面固定部材側に押圧され、前記スリットによって分割された前記接合筒部の周面が前記壁面固定部材の前記拡開案内部に沿うように展開して前記断熱材の表面に押し当てられることにより、前記断熱材と前記外壁材の裏面との間に前記空間保持部の軸長に相当する幅の通気用空間が形成された
ことを特徴とする断熱構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願が開示する発明は、軸組構造を有する建物の外周部分の断熱工法に用いられる断熱材取付用スペーサーと、その断熱材取付用スペーサーを用いて施工された断熱構造に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
鉄骨軸組構造からなる建物の外周部分に採用される断熱工法として、外周部分の柱材と梁材とによって囲まれる躯体軸組の構面内または該構面のやや屋内側に、枠体と断熱材とを一体化した内壁下地パネルを建て込んで、その内壁下地パネルに石こうボードや壁紙等の内壁仕上げ材を施工するとともに、前記内壁下地パネルの屋外側にも断熱材を張り重ねるか或いは建て込んで、内外二重の断熱層を形成することにより、建物の断熱性能を向上させる断熱工法が公知である。内壁下地パネルの枠体は木材又は軽量鉄骨材を用いて形成され、その内壁下地パネルに組み付けられる断熱材にはポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡性樹脂成形体からなるボード状の断熱材がよく用いられる。
【0003】
内壁下地パネルの屋外側に配置される断熱材には、前述と同様のボード状断熱材の他、グラスウールやロックウール等の無機質繊維を樹脂フィルム製の袋に充填するなどして柔軟なマット状に成形した繊維系断熱材も多用される。屋外側に配置される断熱材は、外壁材の裏面に接した状態で配置されると、外壁材と断熱材との間に結露が発生するので、両者の間には通気用空間が設けられる。本出願人も、このような内外二重の断熱層と外壁材裏の通気用空間とを有する外周部分の断熱工法(断熱構造・壁構造等)を、例えば特許文献1~9等において提案し、実用化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平02-108747号公報
特開平02-144437号公報
特開平10-237976号公報
特開平10-266417号公報
特開2010-037873号公報
特開2014-173257号公報
特開2020-094449号公報
特開2021-116559号公報
特開2021-121709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願が開示する発明は、前記従来のような断熱工法の施工性をさらに向上させるために着想されたものであって、外壁材裏の断熱材として繊維系断熱材を用いる場合、その断熱材を躯体軸組に固定しつつ、外壁材との間に適正な間隔の通気用空間を確保することのできる、作業性に優れた断熱材取付用スペーサーと、その断熱材取付用スペーサーを用いた断熱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために本願が開示する発明は、柔軟性を有する断熱材を適宜の壁面に沿わせて配置するに際し、前記壁面と前記断熱材との間に所定幅の空間を確保するための断熱材取付用スペーサーであって、前記壁面に固着される壁面固定部材と、前記壁面固定部材に接合される断熱材掛着部材と、を含んで構成され、前記壁面固定部材は、所定の軸長を有して前記壁面に固着される空間保持部と、前記空間保持部に連続して前記壁面の面直方向に延出する拡開案内部及び接合軸部と、を具備して、前記拡開案内部は、その周面が前記接合軸部との接続箇所から前記空間保持部との接続箇所に向けて段差なく拡径するように形成され、前記断熱材掛着部材は、前記接合軸部の軸長よりも大きい軸長を有して前記接合軸部に挿装される接合筒部と、前記接合筒部に連続して前記壁面から離反する向きに延出する掛着部と、を具備して、前記接合筒部には、その軸方向に延びて前記壁面固定部材側に開口する複数本のスリットが形成されており、前記壁面固定部材の前記接合筒部に前記断熱材掛着部材の前記接合筒部が挿装され、前記断熱材掛着部材の前記掛着部に前記断熱材が掛着された状態で、前記断熱材掛着部材が前記壁面固定部材側に押圧されると、前記スリットによって分割された前記接合筒部の周面が、前記壁面固定部材の前記拡開案内部に沿うように湾曲しながら展開して前記断熱材の表面に押し当てられることにより、前記断熱材と前記壁面との間に前記空間保持部の軸長に相当する幅の空間が形成される、との構成を採用する。
【0007】
この発明においては、前記拡開案内部の周面が、軸心側に凸となる曲線を母線とする回転体形状に形成されていると、スリットによって分割された前記接合筒部の周面を、より円滑に展開させることができて好ましい。
【0008】
また、この発明においては、前記スリットによって分割された部分が展開したときに前記断熱材掛着部材と前記壁面固定部材とを接合する接合手段が、前記接合軸部の近傍箇所と前記接合筒部の内周面との間に適宜の凹凸係合形態を用いて形成されていてもよい。これによれば、スリットによって分割された前記接合筒部の周面が十分に展開した後、前記壁面固定部材と前記断熱材掛着部材とを、容易に分離しない程度にしっかりと接合することができる。
【0009】
また、この発明においては、前記掛着部の後端に屈折した尖り先部が形成されていると、その掛着部に断熱材を掛着させる際の安全性が向上するとともに、掛着部の後端をハンマー等で打撃する際にも都合がよい。
【0010】
さらに、この発明においては、前記壁面固定部材の前記空間保持部に、前記空間保持部よりも断面積の大きい台座部が設けられていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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