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公開番号2025113800
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-04
出願番号2024008139
出願日2024-01-23
発明の名称セラミックパッケージおよびその製造方法
出願人KOA株式会社
代理人個人,個人
主分類H05K 1/02 20060101AFI20250728BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】セラミックパッケージのキャビティ内壁面に信頼性の高い配線パターンを容易に形成する。
【解決手段】セラミックグリーンシートを積層してなるセラミックパッケージは、電子部品を収容するためのキャビティを有し、積層方向上部におけるキャビティの開口の内周縁部に、キャビティの内壁の周方向に延びる所定長の直線辺状部を備え、その直線辺状部より、キャビティの底面に向かって傾斜する傾斜部を形成する。傾斜部の表面にはキャビティの開口の外周縁部から傾斜部の底面側の端部近傍まで延びる配線パターンが形成され、傾斜部の両側縁部にはその両側縁部をキャビティ内の他の部位と離隔させる離間部が形成されている。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
複数のセラミックグリーンシートを積層した積層体の積層方向上方に開口部を有し所定の部品を収容するためのキャビティを備えるセラミックパッケージであって、
前記開口部の内周縁部において前記キャビティの内壁の周方向に延びる1またはそれ以上の所定長の直線辺状部と、
前記直線辺状部より前記キャビティの底面に向かって傾斜する傾斜部と、
前記傾斜部の表面に形成され、前記開口部の外周縁部から前記傾斜部の前記底面側の端部近傍まで延びる配線パターンと、
を備え、
前記傾斜部は前記直線辺状部ごとに個別に形成され、前記キャビティ内において該傾斜部の両側縁部を他の部位から離隔させる離間部が形成されていることを特徴とするセラミックパッケージ。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記積層体の最下層に位置し、前記キャビティの底面を覆う底面部をさらに備え、
前記傾斜部のうち前記底面側の所定領域が前記底面部と面状に接し、前記配線パターンのうち前記所定領域に位置する部位が、前記キャビティ内に収容された前記所定の部品との接続部になることを特徴とする請求項1に記載のセラミックパッケージ。
【請求項3】
前記傾斜部は前記複数のセラミックグリーンシートのいずれか1層のセラミックグリーンシートで形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックパッケージ。
【請求項4】
前記傾斜部は前記離間部を有しながら、前記キャビティ内において単一の傾斜部を構成し、あるいは前記キャビティ内において内周方向に隣り合う複数の傾斜部を構成し、あるいは前記キャビティ内において対向する複数の傾斜部を構成することを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックパッケージ。
【請求項5】
前記傾斜部は第1の傾斜部と第2の傾斜部からなり、前記第1の傾斜部は前記複数のセラミックグリーンシートのいずれか1層のセラミックグリーンシートで形成され、前記第2の傾斜部は前記複数のセラミックグリーンシートのうち前記1層を除く他のいずれか1層のセラミックグリーンシートで形成され、
前記第1の傾斜部は前記離間部を有しながら、前記キャビティ内で前記積層方向と直交する第1の方向において対向する2つの傾斜部からなり、前記第2の傾斜部は前記離間部を有しながら、前記キャビティ内で前記第1の方向と直交する第2の方向において対向する2つの傾斜部からなることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックパッケージ。
【請求項6】
所定の部品を収容するためのキャビティを有するセラミックパッケージの製造方法であって、
前記キャビティを形成するための第1のセラミックグリーンシートと、前記キャビティの内壁に傾斜部を形成するための第2のセラミックグリーンシートと、前記キャビティの底面を形成するための第3のセラミックグリーンシートとを準備する工程と、
前記キャビティの内径寸法に合わせて、前記第1のセラミックグリーンシートの各層ごとに内径の異なる貫通穴を形成する工程と、
前記第2のセラミックグリーンシートの前記傾斜部となる部位の表面に配線用パターンを形成するとともに、前記傾斜部の形状および寸法に合わせて孔または切れ目を形成する工程と、
前記第3のセラミックグリーンシートの上に、前記貫通穴が形成された前記第1のセラミックグリーンシートを積層し、該積層した第1のセラミックグリーンシートの上に、前記配線用パターンと前記孔または切れ目が形成された前記第2のセラミックグリーンシートを積層して未圧着積層体を形成する積層工程と、
前記未圧着積層体に等方圧を印加して多層構造の未焼成ブロック体を形成する圧着工程と、
前記未焼成ブロック体を焼成する焼成工程と、
を備え、
前記積層工程において、前記第1のセラミックグリーンシートによって、前記キャビティの開口側の内周縁部に1またはそれ以上の所定長の直線辺状部と、前記キャビティの内壁に該直線辺状部から前記キャビティの底面に至る階段状部とを形成し、
前記圧着工程において、前記第2のセラミックグリーンシートによって、前記階段状部を下地とする前記傾斜部を形成することで、前記配線パターンが前記開口側の外周縁部から、前記傾斜部のうち前記キャビティの底面側の端部近傍まで延びるように配置されるとともに、前記キャビティ内において前記傾斜部の両側縁部を他の部位から離隔させる離間部を形成することを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。
【請求項7】
前記第1のセラミックグリーンシートより選択したセラミックグリーンシートに前記配線用パターンと前記孔または切れ目を形成し、前記選択したセラミックグリーンシートによって前記キャビティの内壁に前記傾斜部を形成することを特徴とする請求項6に記載のセラミックパッケージの製造方法。
【請求項8】
複数のセラミックグリーンシートの積層体を加圧、焼成して製造されたセラミックパッケージの積層方向上方に開口部を有するキャビティに所定の部品を収容した電子装置であって、
前記キャビティの前記開口部の内周縁部に形成された1またはそれ以上の所定長の直線辺状部と、
前記直線辺状部より前記キャビティの底面に向かって傾斜する傾斜部と、
前記傾斜部の表面に形成され、前記開口部の外周縁部から前記傾斜部の前記底面側の端部近傍まで延びる配線パターンと、
を備え、
前記セラミックパッケージは、前記キャビティの前記開口部の内周縁部と外周縁部間に、他の機器との電気的な接続を可能にする回路接続部を有し、前記配線パターンの一方端が前記所定の部品に接続され、他方端が前記回路接続部に接続されており、前記キャビティ内において前記傾斜部の両側縁部を他の部位から離隔させる離間部が形成されていることを特徴とする電子装置。
【請求項9】
前記所定の部品は、少なくとも発光ダイオード(LED)、センサ素子を含む電子部品であることを特徴とする請求項8に記載の電子装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が配置されるキャビティを有するセラミックパッケージ、セラミックパッケージの製造方法、およびセラミックパッケージを使用した電子装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
セラミックグリーンシートの積層体を加圧・焼成して、電子部品を配置するためのキャビティを有するセラミックパッケージは、積層体の表層のみならず、層間にも配線パターンなどを設けることができるため、回路の高密度化に好適である。特に近年では、可動部があり、応力に弱いなどにより、直接封止ができないMEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)などの電子デバイスが収まるとともに、強度などの耐久性、耐熱などの耐候性、および高放熱性があり、形状が小型で、環境に対応可能な低コストのセラミックパッケージが求められる。
【0003】
セラミックパッケージにおけるキャビティは、例えば、特許文献1に記載の手順で作製される。すなわち、最初に、セラミック多層基板の各層に対応するセラミックグリーンシートのうち、上層側に配置される複数層のグリーンシートにキャビティ用の透孔を形成する。その際、各層ごとに透孔の口径が互いに異なるようにしておき、口径の小さいグリーンシートから順次、キャビティ用透孔を有さないグリーンシート上に積層していく。
【0004】
すなわち、積層しようとするグリーンシートのキャビティ用透孔は、その下層に位置するグリーンシートのキャビティ用透孔よりも大きく、最上層に積層されるグリーンシートのキャビティ用透孔の口径が最も大きくなるように、必要枚数のグリーンシートを積層する。その結果、口径の異なる各透孔の周縁部分によって階段状の壁面が形成され、この階段状の壁面が電子部品の搭載面を包囲するキャビティの内壁面となる。したがって、このようにグリーンシートを積層してなる積層体を加圧して焼成することにより、電子部品を配置できるキャビティを有するセラミック多層基板が得られる。
【0005】
キャビティのないセラミック基板とキャビティを有するセラミックパッケージとを対比すると、キャビティがないセラミック基板の場合、その表層に搭載される電子部品の導通路となる配線の引回しは、ビアホールを縦列させて表層と層間の配線パターンどうしを導通させるという配線構造よりも、表層に導通路を集約させるという配線構造の方が製造が容易であり、生産性、導通信頼性の向上が図れる。
【0006】
一方、キャビティを有する従来のセラミックパッケージの場合、キャビティ内に配置される電子部品の導通路を表層に集約させようとすると、その配線パターンを、複数のグリーンシートによって構成されるキャビティの内壁に形成される階段状の内壁面に沿って設けなければならないため、製造工程が煩雑化し、導通の信頼性も低下する。つまり、キャビティの内壁面が複数のグリーンシートによって階段状に形成されていると、キャビティ内に配線パターンを設けることが容易でなくなるという問題が生じる。
【0007】
セラミックパッケージのキャビティ内に搭載される電子部品がチップLEDなどの発光素子である場合には、キャビティの内壁面に銀などの反射素材からなる反射膜を設けることによって明るさを増大させることが可能となるが、キャビティの内壁面の形状が階段状であると、その内壁面に反射膜を設けても光が乱反射して、反射光が有効利用できないという問題が生じる。そのため、セラミックパッケージの表層となるグリーンシートにあらかじめメタライズ印刷し、キャビティの内壁に沿うよう型で押圧させ、メタライズ印刷されたグリーンシートの一部がキャビティの側面となるように形成する方法が知られている(例えば、特許文献3)。なお、特許文献2は、キャビティの内壁面に配線パターンや反射膜を形成する方法について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平7-193163号公報
特開2008-85211号公報(特許第4958509号)
特開2006-181779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したセラミックパッケージにおいて、例えば特許文献2または特許文献3に記載のセラミック基板のようにキャビティ用の透孔が例えば丸い形状、すなわち、積層しようとするグリーンシートのキャビティ用透孔が円形の場合、表層のグリーンシートにおけるキャビティの側面となる箇所は、押圧した際に広がる方向に延び、特に貫通孔に近いほど延びるため、グリーシートに亀裂が入る、あるいは配線パターンに亀裂が入る恐れがある、という問題がある。また、仮に製造時に不具合が生じなかった場合でも、経年劣化によってキャビティ側面のセラミック表面や配線パターンに亀裂が生じる恐れがあり、それによりセラミックパッケージの信頼性が低下するという問題もある。
【0010】
また、特許文献2に記載の多層基板では、内壁面の配線パターンとキャビティ内底面の配線パターンが別々に形成されているため、内壁面の配線パターンとキャビティ内底面の配線パターンを接続する場合、製造時の不具合または経年劣化によって接続箇所が断線する恐れがある。
(【0011】以降は省略されています)

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