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公開番号2025113234
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2025009320
出願日2025-01-22
発明の名称脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法、脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物および脂肪族ポリエステル樹脂着色物
出願人日本化薬株式会社
代理人
主分類D06P 5/13 20060101AFI20250725BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】
廃棄やリサイクルの過程において色材の脱色や分解が容易な脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法、脂肪族ポリエステル樹脂着色物、および脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)を脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物を用いて着色する工程を含む脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法であって、
前記脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物が色材(b)を含有し、前記色材(b)が、前記色材(b)を水と有機溶媒に溶解させた色材水溶液を70℃、350時間放置した前後での可視光領域における吸光度の積算値の減少率が50%以上になるものである製造方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)を脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物を用いて着色する工程を含む脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法であって、
前記脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物が色材(b)を含有し、前記色材(b)が、前記色材(b)を水と有機溶媒に溶解させた色材水溶液を70℃、350時間放置した前後での可視光領域における吸光度の積算値の減少率が50%以上になるものである製造方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記脂肪族ポリエステル樹脂(a)が高温多湿環境下において生分解性を有する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記色材(b)が下記式(I)または式(II)で表される構造を有する請求項1または2に記載の製造方法。
TIFF
2025113234000010.tif
49
170
(式中、R

は置換または非置換のアリール基、および置換または非置換のヘテロ環基から選択される置換基を表し、R

、R

およびR

は水素原子または置換基を表し、X

は置換または無置換のヒドロキシ基、アミノ基、またはチオール基を表し、X

は、NR
10
、NH、酸素原子、または硫黄原子を表し、R
10
は置換基を表す。)
TIFF
2025113234000011.tif
44
170
(式中、R

およびR

は無置換、水素原子、または置換基を表し、R

は水素原子または置換基を表し、R

は置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ環基を表し、X

およびX

は各々独立に炭素原子または窒素原子を表す。)
【請求項4】
炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)を着色するための脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物であって、色材(b)を含有し、前記色材(b)が、前記色材(b)を水と有機溶媒に溶解させた色材水溶液が、70℃、350時間経過前後での可視光領域における吸光度の積算値の減少率が50%以上になるものである脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物。
【請求項5】
前記脂肪族ポリエステル樹脂(a)が高温多湿環境下において生分解性を有する請求項4に記載の脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物。
【請求項6】
前記色材(b)が下記式(I)または式(II)で表される構造を有する請求項4または5に記載の脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物。
TIFF
2025113234000012.tif
49
170
(式中、R

は任意の置換または非置換のアリール基、および置換または非置換のヘテロ環基から選択される置換基を表し、R

、R

およびR

は水素原子または置換基を表し、X

は置換または無置換のヒドロキシ基、アミノ基、またはチオール基を表し、X

はNR
10
、NH、酸素原子、または硫黄原子を表し、R
10
は置換基を表す。)
TIFF
2025113234000013.tif
44
170
(式中、R

およびR

は無置換、水素原子、または置換基を表し、R

は水素原子または置換基を表し、R

は置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ環基を表し、X

およびX

は各々独立に炭素原子または窒素原子を表す。)
【請求項7】
色材(b)で着色された、炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)の着色物であって、前記色材(b)が、前記色材(b)を水と有機溶媒に溶解させた色材水溶液が、70℃、350時間経過前後での可視光領域における吸光度の積算値の減少率が50%以上になるものである着色物。
【請求項8】
前記脂肪族ポリエステル樹脂(a)が高温多湿環境下において生分解性を有する請求項7に記載の着色物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法、脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物および脂肪族ポリエステル樹脂着色物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境配慮型の素材が数多く開発されており、中でもポリ乳酸(PLA)などに代表される生物資源由来の脂肪族ポリエステルの樹脂素材や繊維などへの応用が盛んに研究されている。生物資源由来の脂肪族ポリエステルは多くの場合で生分解性を有しているため、その特性に着目した利活用がなされている。一般的にポリエステルの着色は天然に存在する親水性の高い色素によって着色することが難しく、化学合成によって得られる疎水性の高い分散染料や顔料によって着色する場合が多い。しかしながら、分散染料や顔料は生分解過程における分解性やリサイクルにおける脱色性などの環境適性を殆どの場合で考慮していないため、脂肪族ポリエステルを着色すると環境適性を損なうことが課題となっている。
【0003】
特許文献1には代表的な脂肪族ポリエステル繊維であるポリ乳酸繊維に好適な染料や、染色されたポリ乳酸繊維の耐光性や発色性を向上させるための手法が記載されている。しかし、特許文献1には、色材の分解性や脱色性などの環境適性に対する言及はない。
特許文献2には生分解性脂肪族ポリエステルを天然色素で着色した安全性の高い樹脂着色物が開示されている。しかし、適用可能な色素が非常に限定的であり、一般的な分散染料に比べて着色物の再現可能な色域や色濃度、堅牢性に課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-008871号公報
特許第3677543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、廃棄やリサイクルの過程において色材の脱色や分解が容易な脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法、脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物、および脂肪族ポリエステル樹脂着色物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高温環境下、かつ溶解させた状態において分解性を示す色材を用いて着色された脂肪族ポリエステル樹脂着色物は、コンポストなどの高温多湿条件下で分解処理した場合に、その過程で色材の分解も同時に極めて速やかに進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、以下の1)~8)に関する。
1) 炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)を脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物を用いて着色する工程を含む脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法であって、
前記脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物が色材(b)を含有し、前記色材(b)が、前記色材(b)を水と有機溶媒に溶解させた色材水溶液を70℃、350時間放置した前後での可視光領域における吸光度の積算値の減少率が50%以上になるものである製造方法。
2) 前記脂肪族ポリエステル樹脂(a)が高温多湿環境下において生分解性を有する1)に記載の製造方法。
3) 前記色材(b)が下記式(I)または式(II)で表される構造を有する1)または2)に記載の製造方法。
TIFF
2025113234000001.tif
49
170
(式中、R

は置換または非置換のアリール基、および置換または非置換のヘテロ環基から選択される置換基を表し、R

、R

およびR

は水素原子または置換基を表し、X

は置換または無置換のヒドロキシ基、アミノ基、またはチオール基を表し、X

は、NR
10
、NH、酸素原子、または硫黄原子を表し、R
10
は置換基を表す。)
TIFF
2025113234000002.tif
44
170
(式中、R

およびR

は無置換、水素原子、または置換基を表し、R

は水素原子または置換基を表し、R

は置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ環基を表し、X

およびX

は各々独立に炭素原子または窒素原子を表す。)
4) 炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)を着色するための脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物であって、色材(b)を含有し、前記色材(b)が、前記色材(b)を水と有機溶媒に溶解させた色材水溶液が、70℃、350時間経過前後での可視光領域における吸光度の積算値の減少率が50%以上になるものである脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物。
5) 前記脂肪族ポリエステル樹脂(a)が高温多湿環境下において生分解性を有する4)に記載の脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物。
6) 前記色材(b)が下記式(I)または式(II)で表される構造を有する4)または5)に記載の脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物。
TIFF
2025113234000003.tif
49
170
(式中、R

は任意の置換または非置換のアリール基、および置換または非置換のヘテロ環基から選択される置換基を表し、R

、R

およびR

は水素原子または置換基を表し、X

は置換または無置換のヒドロキシ基、アミノ基、またはチオール基を表し、X

はNR
10
、NH、酸素原子、または硫黄原子を表し、R
10
は置換基を表す。)
TIFF
2025113234000004.tif
44
170
(式中、R

およびR

は無置換、水素原子、または置換基を表し、R

は水素原子または置換基を表し、R

は置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ環基を表し、X

およびX

は各々独立に炭素原子または窒素原子を表す。)
7) 色材(b)で着色された、炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)の着色物であって、前記色材(b)が、前記色材(b)を水と有機溶媒に溶解させた色材水溶液が、70℃、350時間経過前後での可視光領域における吸光度の積算値の減少率が50%以上になるものである着色物。
8) 前記脂肪族ポリエステル樹脂(a)が高温多湿環境下において生分解性を有する7)に記載の着色物。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、廃棄やリサイクルの過程において色材の脱色や分解が容易な脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法、脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物および脂肪族ポリエステル樹脂着色物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本願の明細書および特許請求の範囲においては、特に断りの無い限り、実施例等を含めて「部」および「%」は、いずれも質量基準で記載する。
【0010】
本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂着色物の製造方法であって、炭素数3~6の脂肪族カルボン酸に由来する構成単位を有する脂肪族ポリエステル樹脂(a)を脂肪族ポリエステル樹脂用着色組成物を用いて着色する工程を含むことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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