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公開番号
2025110913
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-30
出願番号
2024004937
出願日
2024-01-17
発明の名称
多段遠心流体機械
出願人
株式会社日立インダストリアルプロダクツ
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
F04D
29/44 20060101AFI20250723BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約
【課題】広作動範囲化とリターンベーン設計の容易さを両立可能な、多段遠心流体機械を提供する。
【解決手段】多段遠心流体機械は、静止流路14が、羽根車1の径方向外側に設けられたディフューザ5と、ディフューザ5から後段の羽根車1へ流体を導く戻り流路6と、戻り流路6に設けられ周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚のリターンベーン8と、を備え、戻り流路6は、ディフューザ5を通過した流体を径方向内側へ向かって案内するリターンベンド7を有し、リターンベンド7は、流体を半径方向外向きから回転軸と同一方向へと転向させる第1湾曲部12と、第1湾曲部12の下流側に位置し流体を回転軸と同一方向から半径方向内向きへと転向させる第2湾曲部13を有し、リターンベーン8の前縁はリターンベンド7の出口の直下流に位置し、ディフューザ5とリターンベンド7は翼なしである。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の羽根車と、前記複数の羽根車が取り付けられた回転軸と、前記羽根車の下流側に設けられ前記羽根車の出口を通過した流体を後段の前記羽根車へと導く静止流路を有する多段遠心流体機械であって、
前記静止流路は、前記羽根車の径方向外側に設けられたディフューザと、前記ディフューザから後段の前記羽根車へ流体を導く戻り流路と、前記戻り流路に設けられ周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚のリターンベーンと、を備え、
前記戻り流路は、前記ディフューザを通過した流体を径方向内側へ向かって案内するリターンベンドを有し、
前記リターンベンドは、前記流体を半径方向外向きから前記回転軸と同一方向へと転向させる第1湾曲部と、前記第1湾曲部の下流側に位置し前記流体を前記回転軸と同一方向から半径方向内向きへと転向させる第2湾曲部を有し、
前記リターンベーンの前縁は前記リターンベンドの出口の直下流に位置し、前記ディフューザと前記リターンベンドは翼なしであって、且つ、前記静止流路は、上流側では羽根車の出口よりも流路幅を狭めた流路幅一定の領域を有し下流側では羽根車の出口よりも流路幅を増大させた拡大流路を有することを特徴とする多段遠心流体機械。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の多段遠心流体機械であって、
前記第1湾曲部は、一定の流路幅を有することを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項3】
請求項2に記載の多段遠心流体機械であって、
前記第1湾曲部の出口から前記第2湾曲部の入口までの間の内径側または外径側の流路の子午面形状の少なくとも一部が、前記回転軸の延伸方向と同一方向に延びる軸方向流路部となっていると共に、前記静止流路における前記流路幅を狭めた流路幅一定の流路の出口は、前記第1湾曲部の出口と前記第2湾曲部の入口の間のリターンベンド内の、何れかの位置に存在することを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項4】
請求項2に記載の多段遠心流体機械であって、
前記羽根車の出口よりも流路幅を狭めた流路幅一定の領域は、前記ディフューザ及び前記第1湾曲部並びに前記リターンベンドの一部を含むことを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項5】
請求項3に記載の多段遠心流体機械であって、
前記静止流路における前記流路幅を狭めた流路幅一定の流路の出口から前記リターンベンドの出口の間にかけて、静止流路下流側における拡大流路領域が設けられていることを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項6】
請求項5に記載の多段遠心流体機械であって、
前記第1湾曲部の出口から前記第2湾曲部の入口までの間の流路幅の拡大率が、前記第2湾曲部の入口から前記リターンベンドの出口までの間の流路幅の拡大率よりも大きいことを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項7】
請求項5に記載の多段遠心流体機械であって、
前記静止流路の流路壁面は、ダイアフラム及びインナーケーシングにより形成され、
前記ダイアフラムは、各段の前記ディフューザと前記リターンベンド及びリターンベーンにより囲まれる部材と、前記リターンベーン及びリターンベーンと次段の羽根車並びにディフューザにより囲まれる部材とが、一体となって形成されることを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項8】
請求項5に記載の多段遠心流体機械であって、
リターンベンド内の拡大流路領域の出口から、前記第2湾曲部の入口との間に、内径側及び外径側の子午面流路形状の何れも軸方向流路部となる流路幅一定領域を有することを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項9】
複数の羽根車と、前記複数の羽根車が取り付けられた回転軸と、前記羽根車の下流側に設けられ前記羽根車の出口を通過した流体を後段の前記羽根車へと導く静止流路を有する多段遠心流体機械であって、
前記静止流路は、前記羽根車の径方向外側に設けられたディフューザと、前記ディフューザから後段の前記羽根車へ流体を導く戻り流路と、前記戻り流路に設けられ周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚のリターンベーンと、を備え、
前記戻り流路は、前記ディフューザを通過した流体を径方向内側へ向かって案内するリターンベンドを有し、
前記リターンベンドは、前記流体を半径方向外向きから前記回転軸と同一方向へと転向させる第1湾曲部と、前記第1湾曲部の下流側に位置し前記流体を前記回転軸と同一方向から半径方向内向きへと転向させる第2湾曲部を有し、
前記リターンベーンの前縁は前記リターンベンドの出口の直下流に位置し、前記ディフューザと前記リターンベンドは翼なしであって、且つ、前記ディフューザの入口から前記リターンベンドの出口までの間の前記静止流路は、上流側は流路の壁面粗さを大きくした流路を有し下流側では流路幅を増大させた拡大流路を有することを特徴とする多段遠心流体機械。
【請求項10】
請求項9に記載の多段遠心流体機械であって、
前記壁面粗さは、50μm以上100μm以下であることを特徴とする多段遠心流体機械。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根車を複数有する多段遠心流体機械に係り、特に、多段遠心流体機械の各段の静止流路部形状に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
各種プラントでは、プロセスガスを昇圧するため、一つの回転軸に複数枚の遠心羽根車を多段に設けた一軸多段遠心圧縮機が用いられている。この一軸多段遠心圧縮機は、吸込流路を形成する吸込ノズルからプロセスガスを吸入して環状流路部の内部に導入した後、回転軸に多段に設けた遠心羽根車により順次圧縮、昇圧し、その後吐出ノズルから排出するように構成されている。これら一軸多段遠心圧縮機には、高効率化や幅広い流量範囲での安定動作の確保(以下、広作動範囲化と称する)が要求される。一軸多段遠心圧縮機において広作動範囲化を実現するためには、プロセスガスの流量変化に伴う圧縮機内部のガス流の流れ角変化に起因する流れの剥離・失速などの不安定流動の発生を、広い流量範囲で抑制する必要がある。剥離・失速などの不安定流量の発生の抑制には、圧縮機内部の静止流路の一部を構成するディフューザやベンド流路などを、翼を設置しないベーンレス流路(以下、VLと称する)として構成することが有効であることが知られている。
【0003】
一軸多段遠心圧縮機において、ディフューザ流路をVLとして構成した従来例が、特許文献1に記載されている。特許文献1では,一軸多段遠心圧縮機のディフューザをVLとして構成すると共に、ディフューザの下流に置かれ、ディフューザから半径方向外方向に吐き出される流れを半径方向内方向に導くリターンベンド部と、リターンベンド部から出た流れを、旋回成分を除去しつつ次段の羽根車に導くリターンベーン部により構成される戻り流路を備えるように構成している。また、リターンベンド部に軸平行流路を設け、この軸平行流路の一部に流れの旋回を除去するための翼を設けている。このように構成することで、リターンベンド部の子午面内の流路長さが小さくなると共に軸平行流路部に設けた翼により流れが転向されて流れの旋回成分が小さくなるため、三次元的な流路長さの減少ならびに流れ角の増大と流れの減速増大が実現でき、リターンベンド部での壁面摩擦損失を低減している。また、リターンベンド部の軸平行流路の一部に翼を設けて流れを子午面方向へと転向させることで、リターンベーン前縁への流れの流入角が大きくなる。これにより、リターンベーン出入口間で除去すべき流れの旋回成分が小さくなるため、リターンベーン出入口間の羽根角度差つまり翼負荷を小さくすることができ、リターンベーンの設計の容易さが確保されるとともに次段圧縮機性能が向上できる。
【0004】
さらに特許文献1では、ベンド部の内側或いは外側流路壁面のどちらか一方に軸平行部を設け、この部分に流れの旋回を除去するための翼を設けるとともに、流路幅を下流に向かって大きくするよう構成している。このように構成することで、リターンベンド部における上述の流れの減速をより一層増大させることができ、リターンベンド部での壁面摩擦損失を低減することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-193600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の通り特許文献1では、ベンド部内の流体の壁面摩擦損失低減ならびにリターンベーンの翼負荷低減を狙い、ベンド部に軸平行流路を設けてそこに流れの旋回を除去するための翼を設置し、さらに翼設置付近の流路の流路幅を拡大する構成としている。しかしながらこのような構成とすることは同時に、定格流量に対する圧縮機の動作流量のずれが大きくなった場合に、ベンド部に設置した翼に流入する流れの流れ角と翼の入口羽根角の間のずれが大きくなって翼面で剥離等が発生し、一軸多段遠心圧縮機の安定動作流量範囲を狭めてしまうという問題があった。広い流量範囲での安定動作を維持するためには、ベンド部もVLとして構成することが必要である。一方、広作動範囲化のためディフューザ部もベンド部もVLで構成すると、今度はリターンベーン前縁に流入するまでに流れの旋回が十分除去されなくなってしまう。この際にはリターンベーンの出入口間で十分旋回を取り切る必要があり、リターンベーンの翼負荷を増大させる必要が出てくる。リターンベーンの翼負荷の増大は今度はリターンベーンの翼間流路内での流れの剥離をもたらすため、リターンベーンの設計が困難になってしまうという問題もあった。
そこで、本発明は、広作動範囲化とリターンベーン設計の容易さを両立可能な、多段遠心流体機械を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る多段遠心流体機械は、複数の羽根車と、前記複数の羽根車が取り付けられた回転軸と、前記羽根車の下流側に設けられ前記羽根車の出口を通過した流体を後段の前記羽根車へと導く静止流路を有する多段遠心流体機械であって、前記静止流路は、前記羽根車の径方向外側に設けられたディフューザと、前記ディフューザから後段の前記羽根車へ流体を導く戻り流路と、前記戻り流路に設けられ周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚のリターンベーンと、を備え、前記戻り流路は、前記ディフューザを通過した流体を径方向内側へ向かって案内するリターンベンドを有し、前記リターンベンドは、前記流体を半径方向外向きから前記回転軸と同一方向へと転向させる第1湾曲部と、前記第1湾曲部の下流側に位置し前記流体を前記回転軸と同一方向から半径方向内向きへと転向させる第2湾曲部を有し、前記リターンベーンの前縁は前記リターンベンドの出口の直下流に位置し、前記ディフューザと前記リターンベンドは翼なしであって、且つ、前記静止流路は、上流側では羽根車の出口よりも流路幅を狭めた流路幅一定の領域を有し下流側では羽根車の出口よりも流路幅を増大させた拡大流路を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る多段遠心流体機械は、複数の羽根車と、前記複数の羽根車が取り付けられた回転軸と、前記羽根車の下流側に設けられ前記羽根車の出口を通過した流体を後段の前記羽根車へと導く静止流路を有する多段遠心流体機械であって、前記静止流路は、前記羽根車の径方向外側に設けられたディフューザと、前記ディフューザから後段の前記羽根車へ流体を導く戻り流路と、前記戻り流路に設けられ周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚のリターンベーンと、を備え、前記戻り流路は、前記ディフューザを通過した流体を径方向内側へ向かって案内するリターンベンドを有し、前記リターンベンドは、前記流体を半径方向外向きから前記回転軸と同一方向へと転向させる第1湾曲部と、前記第1湾曲部の下流側に位置し前記流体を前記回転軸と同一方向から半径方向内向きへと転向させる第2湾曲部を有し、前記リターンベーンの前縁は前記リターンベンドの出口の直下流に位置し、前記ディフューザと前記リターンベンドは翼なしであって、且つ、前記ディフューザの入口から前記リターンベンドの出口までの間の前記静止流路は、上流側は流路の壁面粗さを大きくした流路を有し下流側では流路幅を増大させた拡大流路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、広作動範囲化とリターンベーン設計の容易さを両立可能な、多段遠心流体機械を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一般的な多段遠心流体機械の一例として、一軸多段遠心圧縮機の一部を取り出して示す子午面断面図である。
図1に示す部分を含む一般的な多段遠心流体機械の一例として、一軸多段遠心圧縮機の全体構成を示す子午面断面図である。
本発明の実施例1に係る一軸多段遠心圧縮機のリターンベンド付近の子午断面図である。
本発明の実施例1に係る一軸多段遠心圧縮機における静止流路上流側に相当する、羽根車出口よりも流路幅を狭めた流路の側壁付近における、流れの速度三角形の説明図である。
本発明の実施例1に係る一軸多段遠心圧縮機におけるリターンベーンへの流入流れベクトル及びリターンベーンの翼断面形状の説明図である。
本発明の実施例1に係る一軸多段遠心圧縮機において、羽根車出口よりも流路幅を狭めた流路の出口径を変化させた際に、絶対流れ角がどの程度変化するかを検討した結果の一例を示す図である。
本発明の実施例1に係る一軸多段遠心圧縮機において、リターンベンド第1湾曲部を拡大流路としない場合の、リターンベンド付近の子午断面図である。
本発明の実施例2に係る一軸多段遠心圧縮機のリターンベンド付近の子午断面図である。
本発明の実施例2に係る一軸多段遠心圧縮機の変形例を示すリターンベンド付近の子午断面図である。
本発明の実施例3に係る一軸多段遠心圧縮機のリターンベンド付近の子午断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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