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公開番号2025108400
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025004033
出願日2025-01-10
発明の名称熱的熱分解処理のための動力学的強化、混成熱的-電気的熱分解、及び関連のシステム及び方法
出願人モダン ハイドロジェン インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01B 3/58 20060101AFI20250715BHJP(無機化学)
要約【課題】熱的熱分解システムを提供する。
【解決手段】動力学的ブースター構成要素を熱的熱分解システムの中に組み込むシステム及び方法を本明細書に開示する。例えば、本発明の技術による方法は、炭化水素反応物のサプライから炭化水素反応物の投入物流れを受け入れること、次に、投入物流れを改質して改質投入物流れを発生させることを含むことができる。改質投入物流れは、未改質流れよりも低い活性化エネルギを有することができ、及び/又は熱分解反応のための1又は2以上の触媒を含むことができる。本方法は、次に、熱分解反応炉の熱分解チャンバ内で改質投入物流れを加熱することを含むことができる。加熱工程は、固体炭素と水素ガスを発生する改質投入物流れ内の熱分解反応を促進することができる。本方法は、次に、熱分解反応炉からの産出物流れ内で固体炭素の少なくとも一部分を水素ガスから除去することを含むことができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素熱分解システムを作動させる方法であって、
炭化水素反応物のサプライから前記炭化水素反応物の投入物流れを受け入れること、
前記投入物流れを改質して改質投入物流れを発生させること、
前記改質投入物流れ内において固体炭素と水素ガスとを含む産出物流れを発生する熱分解反応を促進するために、熱分解反応炉の熱分解チャンバ内で前記改質投入物流れを加熱すること、及び
前記産出物流れ内の前記水素ガスを精製するために前記産出物流れから前記固体炭素の少なくとも一部分を除去すること、
を含む方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記改質投入物流れを発生させることは、前記投入物流れに固体炭素微粒子を追加することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記産出物流れから除去された前記固体炭素の一部分を前記改質投入物流れの中に再生利用することを更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、前記投入物流れの第1の部分を反応炉前置ブースター構成要素を通るように向けることを更に含み、
前記反応炉前置ブースター構成要素が、前記投入物流れの前記第1の部分での前記炭化水素反応物の初期熱分解反応を通じて炭素微粒子を発生するように構成され、
前記改質投入物流れを発生させることは、前記反応炉前置ブースター構成要素からの産出物を前記熱分解反応炉から上流の原料混合器内で前記投入物流れの第2の部分と組み合わせることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記反応炉前置ブースター構成要素は、熱電加熱構成要素を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記反応炉前置ブースター構成要素は、プラズマブースター構成要素を含む請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記改質投入物流れを発生させることは、前記投入物流れを非酸化性触媒ブースターに露出することを含み、
前記非酸化性触媒ブースターは、W、Mo、Pt、Ru、Rh、Ir、Fe、Ni、Cu、Mn、Zn、及び/又はBiのうちの1又は2以上を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記改質投入物流れを発生させることは、前記投入物流れを1又は2以上の反応性化学種でドーピングすることを含み、
前記1又は2以上の反応性化学種は、C2、C3、及び/又はポリ芳香族化学種の1又は2以上の分子を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記産出物流れから固体炭素を除去した後に、前記水素ガスは、前記産出物流れの少なくとも75%を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記産出物流れ内の前記水素ガスの一部分を前記熱分解チャンバに熱的に結合された燃焼構成要素に向けることを更に含み、
前記熱分解チャンバを加熱することは、前記燃焼構成要素に向けられた前記水素ガスの前記部分を燃焼させることを含む、
請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、2024年1月10日出願の米国仮特許出願第63/619,667号及び2024年7月23日出願の米国仮特許出願第63/674,770号に対する優先権を主張するものであり、これらの開示は、各々が全体的に引用によって本明細書に組み込まれている。
続きを表示(約 4,300 文字)【0002】
本発明の技術は、一般的に熱的熱分解システムに関連し、一部の実施形態では炭化水素の熱的熱分解に対して動力学的強化を提供するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
炭化水素熱分解反応炉は、二酸化炭素放出を殆ど又は全く伴わずに水素を生成することができる。一般的に、熱分解反応炉は、炭化水素投入物(「炭化水素原料」、「炭化水素反応物」、「反応物原料」、及び/又は「反応燃料」などとしても呼ばれる)を熱分解反応のための温度点(又はそれよりも高い)まで無酸素環境で加熱することによって機能し、次に、熱を加え続けて反応が完全に起こるように促進する。熱分解反応では、炭化水素は、様々な組成物に分裂し、固体炭素と水素ガスとを含む産出物流れをもたらす。固体炭素は、次に、炭素回収システム内で産出物流れから濾過することができる。その結果、熱分解反応炉は、炭化水素投入物(例えば、メタン、天然ガス、エタンバイオガス、プロパン、及び/又は別の適切な炭化水素)を燃料から炭素を分離しながら可燃性水素に変形することができる。更に、水素ガスは、メタン、天然ガス、エタンバイオガス、プロパン、及び/又は別の適切な炭化水素を使用するように設計された多くのシステムによって使用することができる。すなわち、熱分解反応炉は、炭素をメタン、天然ガス、又は他の炭化水素から除くことにより、二酸化炭素、一酸化炭素、及び他の温室効果ガス放出を有意に低減する機会を生成する。従って、炭化水素(例えば、天然ガス)は、それらが燃焼又は反応する(例えば、住居、炉内、ボイラー内、及びエンジン内などを加熱するために)前に脱炭素処理することができる。更に、炭素副産物は、アスファルト生産でのビチューメンに対する部分的代替物のような様々な下流用途に組み込むことができる。その結果、炭化水素から除去された炭素はまた、他の生成物のカーボンフットプリントの低減を助けるのに生産的に使用することができる。熱分解システムの利益は、しかし、反応チャンバ内で炭化水素を固体炭素と水素ガスとに変換する際のそれらの効率によって制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許公開第2021/0380407号明細書
米国特許公開第2022/0315424号明細書
米国特許公開第2022/0120217号明細書
米国特許公開第2022/0387952号明細書
米国特許出願第18/925,643号明細書
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の技術の実施形態に従って構成された熱分解システムの概略ブロック図である。
本発明の技術の実施形態に従って構成された混成熱分解システムの概略ブロック図である。
本発明の技術の更に別の実施形態に従って構成された混成熱分解システムの概略ブロック図である。
本発明の技術の様々な特定の実施形態に従って構成された混成熱分解システムの概略ブロック図である。
本発明の技術の実施形態に従って構成された熱分解システムを作動させるための工程の流れ図である。
本発明の技術の様々な特定の実施形態に従って構成された熱分解システムを作動させるための工程の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面は、必ずしも正確な縮尺で作図したものとは限らない。同様に、一部の構成要素及び/又は作動は、本発明の技術の実施のうちの一部の議論の目的で異なるブロックに分離する又は単一ブロックに組み合わせることができる。更に、本発明の技術は、様々な修正及び代替形態に対して余地があるが、特定の実施を例示的に図面に示しており、かつ下記でより詳細に説明する。本発明は、しかし、本発明の技術を説明する特定の実施に限定するものではない。
【0007】
概説
熱分解反応炉は、炭化水素反応物(例えば、メタン、天然ガス、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ガソリン、軽油、及び/又は灯油など)を加熱し、それらを水素ガスと固体炭素と様々な生成物とに分解する。例えば、熱分解反応炉は、天然ガス内のメタン、エタン、プロパン、及び他の炭化水素成分を分解して水素ガスを発生させることができる。メタンの例では、熱分解反応は次式になる:
CH4(ガス)→C(固体)+2H2(ガス)
水素ガスは、次に、天然ガス又は他の炭化水素が使用されてきたと考えられるいずれの場所でも燃焼燃料として代用することができる。例えば、水素ガスは、様々な加熱ユニット(例えば、暖房炉、温水加熱器、湯沸器、及び/又は蒸気ボイラーなど)、燃焼エンジン、燃料電池及び/又は発電機(例えば、予備発電機)、熱電併給システム、調理ユニット(例えば、ガスストーブ)によって及び/又は様々な他の適切な用途で消費することができる。これに加えて又はこれに代えて、水素は、様々なアンモニアベースの生成物(例えば、アンモニア肥料)を生成すること、処理熱を供給することのような様々な産業工程及び/又は他の化学処理工業に対して使用すること、及び/又は天然ガスパイプラインの中に注入し戻してパイプライン内の天然ガスを部分的に脱炭素処理することができる。これらの利益は、熱分解システムをローカル消費に関して水素ガスを発生させるために配備し、水素消費者が既存天然ガス供給網を利用することを可能にすることができる場合に特に強力である。更に、固体炭素は、回収して様々な下流用途に使用することができる。単に一例として、固体炭素生成物は、アスファルト生成物の結合剤を部分的に置換し、それによって炭化水素反応物からの炭素を実質的に封じ込めることができる。その結果、炭化水素熱分解からの生成物は、複数の異なる業界に関連付けられた温室効果ガス放出の低減を助けることができる。
【0008】
炭化水素熱分解の利益は、しかし、熱分解システムの効率及び全水素産出量によって制限を受ける。例えば、熱分解を推進するのに必要とされるエネルギ投入が、水素ガスと固体炭素との生成に関連付けられた炭素放出低減量よりも多い場合に、この熱分解反応は、カーボンポジティブである。投入エネルギに対する必要性はまた、工学的複雑性をもたらす。例えば、熱的熱分解システムは、望ましい効率及び/又は生産速度を提供するために、多くの場合に高温(例えば、セ氏100度(℃)よりも高い)及び/又は他の極限条件(例えば、高圧)を必要とする。工学設計を複雑化するのに加えて、極限条件は、熱分解システムを広範な状況で配備するには過度に危険なものにする場合がある。すなわち、極限条件は、ローカル消費(住居的に、商業建物内で、及び/又は製造施設でなど)に関して水素ガスを発生させるために熱分解システムを配備することを阻む可能性がある。
【0009】
本明細書では、熱分解システムのエネルギ効率、作動条件、及び/又は産出量を改善するためのシステム及び方法を開示する。例えば、下記でより詳細に議論するように、本発明の技術に従って熱分解システムを作動させる方法は、炭化水素反応物のサプライ(例えば、天然ガスユーティリティ配管)から炭化水素反応物(例えば、メタン、天然ガス、エタンバイオガス、プロパン、及び/又は別の適切な炭化水素)の投入物流れを受け入れてそれを改質することを含むことができる。これらの改質は、熱的熱分解の効率及び/又は熱分解反応炉からの産出の効率を高めるために投入物流れを1又は2以上の動力学的ブースターを通るように向けることを含むことができる。下記でより詳細に議論するように、動力学的ブースターは、熱分解システムの投入エネルギ要件を低減すること及び/又は熱分解システムの変換率の増加を助けるために流入炭化水素反応物を改質するためのシステム又は構成要素である。例えば、動力学的ブースターは、熱的熱分解反応炉での熱分解反応の完了を推進することを助けるために全システム投入エネルギの一部分を用いて炭化水素反応物の化学組成を改質することができる。別の例では、動力学的ブースターは、熱的熱分解反応炉での熱分解反応の完了を推進することを助けるために流入炭化水素反応物の流れにドーピングすることを含む。投入物流れが改質された状態で、本方法は、改質された投入物流れを熱分解反応炉の熱分解チャンバ内で加熱することを含む。この加熱工程は、改質された投入物流れの中に固体炭素及び水素ガス(及び/又は様々な副産物及び/又は未反応炭化水素)の産出物を発生させる熱分解反応を促進する。次に、本方法は、産出物流れ内の水素ガスを精製するために及び/又は下流用途に関して炭素を捕捉するために産出物流れから固体炭素の少なくとも一部分を除去することを含む。
【0010】
動力学的ブースターからの改質は、様々な作動機構を有することができる。例えば、一部のブースター(例えば、プラズマチャンバ)は、投入物流れ内の炭化水素反応物(本明細書では時として「反応物原料」、「炭化水素原料」、「炭化水素反応物」、及び/又は「反応燃料」などと呼ぶ場合がある)にエネルギを追加する。初期エネルギ注入は、炭化水素反応物を水素と炭素とに変換するために熱分解システムが追加しなければならないエネルギを低減することができる。これに加えて又はこれに代えて、プラズマは、炭化水素反応物の一部分を水素と炭素とに変換すること及び/又はより低い活性化エネルギを有する中間化学種に変換することを助けることができる。特定の非限定例では、プラズマは、メタン(CH
4
)を水素ガスと炭素とに更に分解するのにより低い活性のみを有することができる中間化学種(本明細書では時として「ラジカル」と呼ぶ場合もあり、例えば、CH
3
*
+H
*
)に変換することを助けることができる。更に、一部の実施形態では、プラズマブースターは、炭化水素反応物に触媒作用を及ぼすことを助ける1又は2以上のガス、例えば、空気、酸素(O
2
)、窒素(N
2
)、及び/又は二酸化炭素(CO
2
)など(本明細書では時として「ガス触媒」と呼ぶ)を炭化水素反応物にドーピングする。
(【0011】以降は省略されています)

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