TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025108224
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-23
出願番号
2024002004
出願日
2024-01-10
発明の名称
溶媒移動浮遊帯域溶融法による単結晶の製造方法及び単結晶
出願人
国立大学法人山梨大学
代理人
SK弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
29/22 20060101AFI20250715BHJP(結晶成長)
要約
【課題】インピーダンスの低い単結晶を提供する。
【解決手段】本発明によれば、溶媒移動浮遊帯域溶融法による単結晶の製造方法であって、前記単結晶は、金属原子Aがドープされたコバルト酸リチウム単結晶であり、金属原子Aは、アルカリ土類金属及び価数が5以上の遷移金属からなる群から選択され、前記製造方法は、原料棒と種結晶との間に、前記原料棒とは異なる組成の溶媒を含む溶融帯を形成して、前記種結晶上に前記単結晶を成長させる工程を含み、前記原料棒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記原料棒の金属原子A含有率をF
RA
at%としたとき、F
RA
は、2.0at%未満であり、 前記溶媒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記溶媒の金属原子A含有率をS
RA
at%としたとき、S
RA
は、2.0at%未満である、製造方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
溶媒移動浮遊帯域溶融法による単結晶の製造方法であって、
前記単結晶は、金属原子Aがドープされたコバルト酸リチウム単結晶であり、
金属原子Aは、アルカリ土類金属及び価数が5以上の遷移金属からなる群から選択され、
前記製造方法は、原料棒と種結晶との間に、前記原料棒とは異なる組成の溶媒を含む溶融帯を形成して、前記種結晶上に前記単結晶を成長させる工程を含み、
前記原料棒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記原料棒の金属原子A含有率をF
RA
at%としたとき、F
RA
は、2.0at%未満であり、
前記溶媒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記溶媒の金属原子A含有率をS
RA
at%としたとき、S
RA
は、2.0at%未満である、製造方法。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記単結晶中のLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記単結晶の金属原子A含有率C
RA
at%としたとき、2C
RA
は、F
RA
及びS
RA
よりも小さい、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記原料棒に含まれるLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記原料棒のLi原子濃度をF
Li
at%とし、
前記溶媒に含まれるLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記溶媒のLi原子濃度をS
Li
at%とし、
前記単結晶に含まれるLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記単結晶のLi原子濃度をC
Li
at%としたとき、
S
Li
はF
Li
より大きく、及び/又はS
Li
はC
Li
より大きい、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
単結晶であって、
前記単結晶は、金属原子Aがドープされたコバルト酸リチウム単結晶であり、
前記単結晶は、Li
(1-X)
Co
(1-Y)
A
(X+Y)
O
2
で表され、
金属原子Aは、アルカリ土類金属であって、
X+Yは、0超かつ0.015以下である、単結晶。
【請求項5】
前記単結晶の断面における、10μm以上の異相の数が、1個/mm
2
以下である、請求項4に記載の単結晶。
【請求項6】
前記単結晶のa軸方向のイオン伝導度をI
a
S/cm、c軸方向のイオン伝導度をI
c
S/cmとしたとき、I
a
/I
c
が500以上である、請求項4又は請求項5に記載の単結晶。
【請求項7】
正極材、固体電解質、負極材を備えるリチウムイオン電池であって、
前記正極材は、請求項4又は請求項5に記載の単結晶を含む、リチウムイオン電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒移動浮遊帯域溶融法による単結晶の製造方法及び単結晶に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
コバルト酸リチウム(LiCoO
2
)は、次世代リチウムイオン二次電池の正極材として広く使用されている。また、全固体リチウムイオン電池等の次世代リチウムイオン二次電池の正極材基板を開発する観点から、コバルト酸リチウム単結晶の開発が検討されている。
【0003】
特許文献1には、化学式A
x
CoO
2
(0<x≦1,A=Li又はNa)で示される化合物のバルク状単結晶であって、単結晶の縦、横、及び高さがそれぞれ少なくとも1mm以上であることを特徴とする単結晶が開示されている。また、特許文献2には、A
x
CoO
2
粉末をその融点以上の温度に加熱して溶融し、その後冷却することを特徴とする、単結晶の縦、横、及び高さがそれぞれ少なくとも1mm以上であり、化学式A
x
CoO
2
(0<x≦1,A=Li又はNa)で示される化合物のバルク状単結晶の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-189537号公報
特開2008-19165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術により得られるコバルト酸リチウム単結晶は、インピーダンスが十分に低くはなく、全固体リチウムイオン電池等の次世代リチウムイオン二次電池の正極材基板を開発する観点から、正確な電気化学的評価を行うために、さらにインピーダンスの低い単結晶の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、インピーダンスの低い単結晶を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、溶媒移動浮遊帯域溶融法による単結晶の製造方法であって、前記単結晶は、金属原子Aがドープされコバルト酸リチウム単結晶であり、金属原子Aは、アルカリ土類金属及び価数が5以上の遷移金属からなる群から選択され、前記製造方法は、原料棒と種結晶との間に、前記原料棒とは異なる組成の溶媒を含む溶融帯を形成して、前記種結晶上に前記単結晶を成長させる工程を含み、前記原料棒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記原料棒の金属原子A含有率をF
RA
at%としたとき、F
RA
は、2.0at%未満であり、前記溶媒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記溶媒の金属原子A含有率をS
RA
at%としたとき、S
RA
は、2.0at%未満である、製造方法が提供される。
【0008】
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、単結晶を、コバルト酸リチウム単結晶に、特定の金属原子Aをドープした単結晶とし、かつ、溶媒移動浮遊帯域溶融法による製造方法において、溶媒中及び単結晶中の金属原子A濃度を特定の範囲とすることによって、インピーダンスの低い単結晶となることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[1]溶媒移動浮遊帯域溶融法による単結晶の製造方法であって、前記単結晶は、金属原子Aがドープされたコバルト酸リチウム単結晶であり、金属原子Aは、アルカリ土類金属及び価数が5以上の遷移金属からなる群から選択され、前記製造方法は、原料棒と種結晶との間に、前記原料棒とは異なる組成の溶媒を含む溶融帯を形成して、前記種結晶上に前記単結晶を成長させる工程を含み、前記原料棒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記原料棒の金属原子A含有率をF
RA
at%としたとき、F
RA
は、2.0at%未満であり、前記溶媒中のCo原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記溶媒の金属原子A含有率をS
RA
at%としたとき、S
RA
は、2.0at%未満である、製造方法。
[2]前記単結晶中のLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記単結晶の金属原子A含有率C
RA
at%としたとき、2C
RA
は、F
RA
及びS
RA
よりも小さい、[1]に記載の製造方法。
[3]前記原料棒に含まれるLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記原料棒のLi原子濃度をF
Li
at%とし、前記溶媒に含まれるLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記溶媒のLi原子濃度をS
Li
at%とし、前記単結晶に含まれるLi原子、Co原子及び金属原子Aの合計100at%に対する前記単結晶のLi原子濃度をC
Li
at%としたとき、S
Li
はF
Li
より大きく、及び/又はS
Li
はC
Li
より大きい、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]単結晶であって、前記単結晶は、金属原子Aがドープされたコバルト酸リチウム単結晶であり、前記単結晶は、Li
(1-X)
Co
(1-Y)
A
(X+Y)
O
2
で表され、金属原子Aは、アルカリ土類金属であって、X+Yは、0超かつ0.015以下である、単結晶。
[5]前記単結晶の断面における、10μm以上の異相の数が、1個/mm
2
以下である、[4]に記載の単結晶。
[6]前記単結晶のa軸方向のイオン伝導度をI
a
S/cm、c軸方向のイオン伝導度をI
c
S/cmとしたとき、I
a
/I
c
が500以上である、[4]又は[5]に記載の単結晶。
[7]正極材、固体電解質、負極材を備えるリチウムイオン電池であって、前記正極材は、[4]~[6]のいずれかに記載の単結晶を含む、リチウムイオン電池。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る単結晶の製造方法によれば、インピーダンスの低い単結晶を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
国立大学法人山梨大学
パルスプラズマスラスタ
1か月前
国立大学法人山梨大学
藻類とその共生菌を用いた油脂製造方法
2か月前
国立大学法人山梨大学
エルゴチオネイン高含有キノコ栽培が可能な菌床培地
1か月前
アイドラス株式会社
手術用色印具
2か月前
国立大学法人山梨大学
溶媒移動浮遊帯域溶融法による単結晶の製造方法及び単結晶
22日前
国立大学法人山梨大学
陰イオン交換樹脂、電解質膜、電極触媒層形成用バインダーおよび電池電極触媒層
3か月前
東海カーボン株式会社
多孔質カーボン及び固体高分子形燃料電池のカソード用触媒
21日前
SECカーボン株式会社
坩堝
4か月前
SECカーボン株式会社
結晶成長装置
3か月前
株式会社CUSIC
SiC積層体の製造方法
2か月前
住友金属鉱山株式会社
結晶育成装置
1日前
学校法人 東洋大学
マルチカラー結晶の結晶成長方法
3か月前
株式会社SUMCO
単結晶の製造方法
1か月前
株式会社東芝
ウエーハ及びその製造方法
4か月前
信越化学工業株式会社
炭化金属被覆材料
1か月前
コマディール・エス アー
サファイア棒状体の製造方法
2か月前
株式会社C&A
処理装置および方法
2か月前
株式会社レゾナック
SiCエピタキシャルウェハ
3か月前
住友金属鉱山株式会社
圧電性酸化物単結晶基板の製造方法
1か月前
住友金属鉱山株式会社
圧電性酸化物単結晶基板の製造方法
3か月前
信越半導体株式会社
3C-SiC膜の結晶性評価方法
4か月前
住友電気工業株式会社
炭化珪素基板の製造方法
13日前
住友化学株式会社
窒化物積層体の製造方法および窒化物積層体
13日前
信越半導体株式会社
3C-SiC単結晶基板の評価方法
14日前
住友電気工業株式会社
炭化珪素基板の製造方法
13日前
旭化成株式会社
結晶の製造方法、六方晶系半導体結晶及び素子
3か月前
グローバルウェーハズ・ジャパン株式会社
半導体基板の製造方法
2か月前
株式会社Kanazawa Diamond
ダイヤモンド
2か月前
株式会社SUMCO
単結晶シリコンインゴットの製造方法
1か月前
住友化学株式会社
窒化物結晶基板、および窒化物結晶基板の製造方法
1か月前
株式会社プロテリアル
炭化珪素単結晶の製造方法
4か月前
信越半導体株式会社
ヘテロエピタキシャルウェーハの製造方法
1か月前
株式会社豊田中央研究所
種結晶基板および種結晶基板付黒鉛サセプタ
3か月前
住友化学株式会社
窒化物結晶基板の製造方法、および窒化物結晶基板
3か月前
株式会社SUMCO
エピタキシャルシリコンウェーハ及びその製造方法
1か月前
株式会社レゾナック
SiCインゴット及びSiC基板の製造方法
1か月前
続きを見る
他の特許を見る