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公開番号2025104169
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2024026074
出願日2024-02-24
発明の名称CO2を循環利用してメタンまたはプロパンを製造する方法
出願人個人,株式会社伊原工業
代理人個人
主分類C07C 1/12 20060101AFI20250702BHJP(有機化学)
要約【課題】 炭化水素の酸化反応を経て生じるCO2の循環利用にあたって、外部からの水素供給を必須としないカーボンニュートラルなメタネーションプロセスを提供する。
【解決手段】 炭化水素の酸化反応を経て生成するCO2を循環利用してメタンまたはプロパンを製造する方法であって、炭化水素の酸化反応を経て水素および/またはCO2を生成するステップ(1)、炭化水素の熱分解により炭素と水素を生成するステップ(2)、ならびに、ステップ(1)および/またはステップ(2)で生成した水素とCOまたはステップ(1)で生成したCO2とを反応させてメタンまたはプロパンを製造するステップ(4)を含み、さらに(I)ステップ(4)で生成したメタンまたはプロパンをステップ(1)の炭化水素として使用するステップ(5)を含むか、(II)ステップ(1)で使用する炭化水素が、ステップ(2)で使用した炭化水素の未反応物である、メタンまたはプロパンの製造方法である。
【選択図】 図6
特許請求の範囲【請求項1】
炭化水素の酸化反応を経て生成するCO

を循環利用してメタンまたはプロパンを製造する方法であって、
炭化水素の酸化反応を経て水素および/またはCO

を生成するステップ(1)、
炭化水素の熱分解により炭素と水素を生成するステップ(2)、ならびに、
ステップ(1)および/またはステップ(2)で生成した水素とCOまたはステップ(1)で生成したCO

とを反応させてメタンまたはプロパンを製造するステップ(4)を含み、さらに下記(I)または(II)の条件を満たす、メタンまたはプロパンの製造方法。
(I)ステップ(4)で生成したメタンまたはプロパンをステップ(1)の炭化水素として使用するステップ(5)をさらに含む。
(II)ステップ(1)で使用する炭化水素が、ステップ(2)で使用した炭化水素の未反応物である。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記ステップ(2)が、循環利用するCO

に対してモル比で1.5倍量以上のメタンまたは5/6倍量以上のプロパンの熱分解により炭素と水素を生成するステップである請求項1に記載のメタンまたはプロパンの製造方法。
【請求項3】
ステップ(4)でCOを使用する場合、ステップ(1)で生成したCO

をステップ(2)で生成した炭素と反応させてCOを生成するステップ(3)で別途用意され、前記ステップ(2)の反応と前記ステップ(3)の反応とを実質的に無水環境下で逐次進行させる、請求項1に記載のメタンまたはプロパンの製造方法。
【請求項4】
前記ステップ(4)が、前記ステップ(1)で生成したCO

と前記ステップ(1)および/またはステップ(2)で生成した水素とを反応させてメタンまたはプロパンを製造するステップである請求項1に記載のメタンまたはプロパンの製造方法。
【請求項5】
前記ステップ(2)でメタンを熱分解する場合、循環利用するCO

に対してモル比で3倍量以上であり、
前記ステップ(4)で製造したメタンの余剰分をステップ(2)で使用する請求項1に記載のメタンまたはプロパンの製造方法。
【請求項6】
前記ステップ(2)の反応が、メタン熱分解反応の触媒作用を有する構造体触媒を用いて行われ、前記ステップ(3)の反応が、前記ステップ(2)の反応で生成した炭素の存在下で行われる、請求項3に記載のメタンまたはプロパンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ガス酸化等により生じるCO

を循環利用してメタンまたはプロパンを製造する方法に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
メタネーションは、2021年6月に策定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において「次世代熱エネルギー産業」に位置づけられ、成長が期待される重要分野とされ、基盤技術の開発が進められている。
【0003】
フランスでは2018年、日本では2021年に、都市ガスを酸化する工場敷地内で下記式(a)により発生したCO

を下記式(b)で表される従来型のメタネーション反応で循環利用するシステムの実証を開始したメーカーもある(非特許文献1、非特許文献2)。
CH

+2O

→CO

+2H

O (a)
4H

+CO

→CH

+2H

O (b)
しかしながら、上記式(b)からも明らかなように、従来型のメタネーション反応においては、1Nm

のメタンを製造し、カーボンニュートラルで利用するのに4Nm

の水素が必要となり(特許文献1)、この水素を事業所内で製造するか外部から供給する必要がある。
【0004】
水素を事業所内で製造する場合、例えば、太陽光発電等の再生可能エネルギー装置、水電解水素製造装置、貯蔵設備、配管等が必要となるが(特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5,特許文献6)、通常事業所内の発生CO

量は膨大であり、到底水素需要を賄えるものではない。そこで事業所外で製造し受け入れることになるが、その場合はさらに、供給側で輸送車、圧縮設備、貯蔵設備、運転手、受け入れ側で貯蔵設備が必要となる。これらは全てイニシャルコスト要因となる。
【0005】
イニシャルコストは、結果的にランニングコストにも反映され、水素自体のコストは、水素1Nm

のCIF価格が2030年で30円、2050年でも20円と見込まれている。したがって、従来型のメタネーション反応では、水素利用のコスト(2030年で120円/Nm

・CH

、2050年で80円/Nm

・CH

)がいままでのメタン単純酸化利用時の価格に上乗せされることになり、将来的に見ても水素のランニングコストの重さが課題といえる(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-66417号公報
特開2022-060640号公報
特表2023-527415号公報
特開2015-196619号公報
特開2005-60137号公報
国際公開第2018/099709号公報
【非特許文献】
【0007】
高木、「メタネーション技術に関する動向」、第1回 メタネーション推進官民協議会資料8、2021年6月(URL: https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/methanation_suishin/pdf/001_08_00.pdf)
デンソーウェブサイト「デンソー、安城製作所電動開発センターでCO2循環プラントの実証実験を開始」、2021年4月7日(URL: https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2021/20210407-01/)
資源エネルギー庁、「水素基本戦略」、12~13ページ、令和5年6月(URL: https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/suiso_seisaku/pdf/20230606_2.pdf#page=12)
資源エネルギー庁、「水素・燃料電池戦略ロードマップの達成に向けた対応状況(2019)」、3ページ、2019年6月25日(URL: https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/suiso_nenryo/roadmap_hyoka_wg/pdf/001_03_00.pdf#page=3)
資源エネルギー庁、「エネルギー源別標準発熱量・炭素排出係数(2018年度改訂)の解説、75ページ、(URL:https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/total_energy/pdf/stte_028.pdf#page=82)
INPEXホームページ (URL:https://www.inpex.co.jp/ir/unit.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
水素を原料とせず、より安価な原料でカーボンニュートラルなメタネーションプロセスを構築できれば、メタネーション自体の普及促進にもつながると考えられる。
【0009】
上記現状に鑑み、本発明は、炭化水素の酸化反応を経て生じるCO

の循環利用にあたって、外部からの水素供給を必須としないカーボンニュートラルなメタネーションプロセスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の1つの側面は、炭化水素の酸化反応を経て生成するCO

を循環利用してメタンまたはプロパンを製造する方法であって、炭化水素の酸化反応を経て水素および/またはCO

を生成するステップ(1)、炭化水素の熱分解により炭素と水素を生成するステップ(2)、ならびに、ステップ(1)および/またはステップ(2)で生成した水素とCOまたはステップ(1)で生成したCO

とを反応させてメタンまたはプロパンを製造するステップ(4)を含み、さらに下記(I)または(II)の条件を満たす、メタンまたはプロパンの製造方法である。
(I)ステップ(4)で生成したメタンまたはプロパンをステップ(1)の炭化水素として使用するステップ(5)をさらに含む。
(II)ステップ(1)で使用する炭化水素が、ステップ(2)で使用した炭化水素の未反応物である。斯かる方法によれば、メタネーション/プロパネーションプロセスで一貫して再エネ水素の供給を必須とせず、メタンまたはプロパンを製造してカーボンニュートラルで利用するのに炭化水素のみを原料とすれば足りることになる。さらに生成する一酸化炭素および/または炭素の一部を販売すれば炭化水素コストを圧縮できる。
(【0011】以降は省略されています)

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