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公開番号2025102836
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2025047199,2022506483
出願日2025-03-21,2020-07-31
発明の名称抗CTLA4/抗PD-1二重特異性抗体及びその使用
出願人康方藥業有限公司,AKESO PHARMACEUTICALS, INC.
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/46 20060101AFI20250701BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、腫瘍治療及び分子免疫学の分野に関し、特には、抗CTLA4/抗PD-1二重特異性抗体及びその使用に関する。
【解決手段】抗CTLA4/抗PD-1二機能性抗体は、PD-1を標的化する第1のタンパク質機能性領域及びCTLA4を標的化する第2のタンパク質機能性領域を含み、EUナンバリングシステムにしたがって、二重特異性抗体中に含まれる免疫グロブリンの重鎖定常領域は、位置234、235及び237のいずれか2つ又は3つにおいて突然変異を有し、且つFcγRIIIa及び/又はC1qに対する二重特異性抗体の親和性定数は、突然変異前のものと比較して突然変異後に低減されている。本発明の二機能性抗体は、CTLA4及びPD-1に良好且つ特異的に結合し、生物においてCTLA4及びPD-1の免疫抑制を特異的に緩和し、且つTリンパ球を活性化させることができ、そのため良好な応用の有望性を有する。
【選択図】 図13
特許請求の範囲【請求項1】
PD-1を標的化する第1のタンパク質機能性領域、及び
CTLA4を標的化する第2のタンパク質機能性領域を含む二重特異性抗体であって、
前記第1のタンパク質機能性領域が免疫グロブリンであり、且つ前記第2のタンパク質機能性領域が単鎖抗体であり;
前記免疫グロブリンの重鎖のアミノ酸配列が配列番号40に記載され、且つ前記免疫グロブリンの軽鎖のアミノ酸配列が配列番号24に記載され;
前記単鎖抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列が配列番号43に記載され、且つ前記単鎖抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列が配列番号44に記載され;
前記第1のタンパク質機能性領域が、第1のリンカー断片を介して前記第2のタンパク質機能性領域に連結されており、且つ前記単鎖抗体の前記重鎖可変領域が、第2のリンカー断片を介して前記単鎖抗体の前記軽鎖可変領域に連結されており、ここで前記第1のリンカー断片及び前記第2のリンカー断片は同一又は異なるものであり;且つ、
前記単鎖抗体が前記免疫グロブリンの重鎖のC末端に連結されている、二重特異性抗体。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記第1のリンカー断片及び前記第2のリンカー断片のアミノ酸配列が配列番号25及び配列番号26から独立して選択される、請求項1に記載の二重特異性抗体。
【請求項3】
前記第1のリンカー断片及び前記第2のリンカー断片のアミノ酸配列が配列番号26に記載される、請求項1又は2に記載の二重特異性抗体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の二重特異性抗体をコードする、単離された核酸分子。
【請求項5】
請求項4に記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
【請求項6】
請求項4に記載の単離された核酸分子又は請求項5に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載の二重特異性抗体及びコンジュゲート化された部分を含む、コンジュゲートであって、前記コンジュゲート化された部分が、検出可能な標識である、コンジュゲート。
【請求項8】
請求項1~3のいずれかに記載の二重特異性抗体又は請求項7に記載のコンジュゲートを含む、キットであって、
前記キットが、前記二重特異性抗体又はその抗原結合性断片を特異的に認識することができる第2の抗体を更に含み;かつ前記第2の抗体が、検出可能な標識、例えば、放射性同位体、蛍光物質、発光物質、有色物質、又は酵素を更に含む、
キット。
【請求項9】
試料中のPD-1及び/又はCTLA4の存在又はレベルを検出するためのキットの調製における、請求項1~3のいずれかに記載の二重特異性抗体又は請求項7に記載のコンジュゲートの使用。
【請求項10】
請求項1~3のいずれかに記載の二重特異性抗体又は請求項7に記載のコンジュゲートを含む、医薬組成物であって、任意選択的に、前記医薬組成物が、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を更に含む、医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍の治療及び分子免疫学の分野に関し、特には、抗CTLA4/抗PD-1二重特異性抗体及びその使用に関する。より特には、本発明は突然変異体抗CTLA4/抗PD-1二重特異性抗体に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
膜貫通型受容体PD-1(プログラム細胞死タンパク質1)はCD28ファミリーのメンバーであり、活性化されたT細胞、B細胞及び骨髄細胞において発現される。PD-1の両方のリガンド、PDL1(プログラム細胞死1リガンド1、又はPDL-1)及びPDL2(プログラム細胞死1リガンド2、又はPDL-2)はB7スーパーファミリーのメンバーである。PDL1は、T細胞、B細胞、内皮細胞及び上皮細胞を含めて様々な細胞において発現され、PDL2は、抗原提示細胞、例えば樹状細胞及びマクロファージにおいてのみ発現される。
【0003】
PD-1/PDL1シグナル伝達経路は、免疫寛容の調節、微小生物感染及び腫瘍免疫回避において重要な役割を果たす。PD-1は、免疫細胞、例えばT細胞において主に発現され、PD-1のリガンドPDL1は複数のヒト腫瘍組織において高発現される。PD-1/PDL1シグナル伝達経路の遮断は、阻害されたT細胞を活性化させて、そのため該T細胞ががん細胞を攻撃し得る。PD-1/PDL1シグナル伝達の遮断は、腫瘍抗原特異的T細胞の増殖を促進し、腫瘍細胞殺傷プロセスを活性化させ、更に局所的な腫瘍成長を阻害することができる(Julie R et al., 2012, N Engl J Med., 366:2455-2465)。追加的に、高いPDL1発現を有する腫瘍は、検出が困難ながんと関連付けられる(Hamanishi et al., 2007, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 104:3360-5)。有効な方法は、抗PD-1抗体を投与してPD-1の発現をモジュレートすることである。PD-1抗体の広い抗腫瘍の有望性及び驚くべき有効性に起因して、PD-1経路を標的化する抗体は様々な腫瘍、例えば、非小細胞肺がん、腎細胞癌、卵巣がん、黒色腫(Homet M. B., Parisi G., et al., 2015, Semin Oncol., 42(3):466-473)、白血病及び貧血(Held SA, Heine A, et al., 2013, Curr Cancer Drug Targets., 13(7):768-74)の治療においてブレイクスルーをもたらすであろうことが産業において広く認められている。
【0004】
細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA4)及びCD28分子は、遺伝子の構造、染色体上の位置、配列相同性及び遺伝子発現の局面において非常に類似している。両方の分子は共刺激分子B7の受容体であり、活性化されたT細胞の表面上に主に発現される。B7へのCTLA4の結合は、マウス及びヒトT細胞の活性化を阻害し、T細胞活性化において負の調節的役割を果たす。
【0005】
CTLA4抗体(若しくは抗CTLA4モノクローナル抗体)又はCTLA4リガンドは、CTLA4がその天然のリガンドに結合することを予防し、それによりT細胞へのCTLA4による負の調節シグナルの伝達を遮断し、且つ様々な抗原に対するT細胞の反応性を増強することができる。これに関して、インビボ及びインビトロの研究は本質的に一貫している。現在、臨床試験中の、又は前立腺がん、膀胱がん、結腸直腸がん、胃腸がん、肝臓がん、悪性黒色腫等を治療するために承認されたCTLA4モノクローナル抗体がある(Grosso JF., Jure-Kunkel MN., 2013, Cancer Immun., 13:5)。
【0006】
インターロイキン2(IL-2)はT細胞により産生される。それは、T細胞亜群を調節する増殖因子であり、免疫応答の調節において重要な因子である。それは活性化B細胞の増殖を促進し、抗体応答、造血及び腫瘍サーベイランスに参加する。組換えヒトIL-2は、黒色腫、腎臓がん等を含めて、悪性腫瘍を治療するために米国FDAにより承認されており、慢性ウイルス感染症を治療するための臨床研究が現在進行中である(Chavez, A.R., et al., 2009, Ann. N.Y. Acad. Sci., 1182:p.14-27)。CTLA4及びCTLA4抗体はT細胞機能の重要な影響因子であり、身体中の免疫微環境に干渉する。CTLA4抗体は、CTLA4の免疫抑制を特異的に緩和し、T細胞を活性化させ、且つIL-2生成を誘導し、疾患、例えば腫瘍及び寄生生物感染症に対する遺伝子療法における広い応用において有望であることをインビトロ及びインビボ研究は実証した。
【0007】
CTLA4抗体は、疾患に対する特有の治療効果及び顕著な有効性を生じさせることができ、伝統的な薬を補うため及び遺伝子療法の新たな手段を探索するために使用され得る。
【0008】
二重特異性抗体は二機能性抗体としても公知であり、これは2つの異なる抗原を同時に標的化する特有の薬物であり、免疫磁気分離により製造され得る。代替的に、それらは遺伝子操作により得られ得る。遺伝子操作は、結合部位最適化、合成形態、収率及び同種のものの局面において柔軟性を有し、そのためある特定の利点を有する。現在、45を上回る形態が実証されている(Dafne Muller, Kontermann R E., 2010, BioDrugs, 24(2):89-98)。多数の開発された二重特異性抗体は、IgG-scFvの形態、即ち、Morrisonフォーマット(Coloma MJ, Morrison SL., 1997, Nat Biotechnol., 15:159-163)であり、これは、天然に存在するIgG形態に対するその類似性並びに抗体操作、発現及び精製における利点のために二重特異性抗体のための理想的な形態の1つであることが実証されている(Miller BR, Demarest SJ, et al., 2010, Protein Eng Des Sel, 23:549-57; Fitzgerald J, Lugovskoy A., 2011, MAbs, 3:299-309)。
【0009】
ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性)は、ウイルス感染細胞又は腫瘍細胞のエピトープへの抗体のFab断片の結合及びキラー細胞の表面上のFc受容体(FcR)への抗体のFc断片の結合により媒介されるキラー細胞(NK細胞、マクロファージ等)による標的細胞の殺傷を指す。
【0010】
CDC(補体依存性細胞傷害性)は、細胞膜表面上の対応する抗原への抗体の特異的結合により複合体が形成されて補体システムを活性化させ、それが標的細胞の表面上にMACを更に形成させて、その後の標的細胞溶解を結果としてもたらすことを指す。補体は、様々な細菌及び他の病原性生物の溶解を引き起こすことがあり、病原性生物の感染に対する重要な防御機構である。
(【0011】以降は省略されています)

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