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公開番号
2025102694
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2024213736
出願日
2024-12-06
発明の名称
タンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置及びイオン移動度分析法
出願人
株式会社島津製作所
代理人
弁理士法人京都国際特許事務所
主分類
G01N
27/622 20210101AFI20250701BHJP(測定;試験)
要約
【課題】イオン移動度分析分野に関し、具体的にはタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置及びイオン移動度分析法を提供する。
【解決手段】タンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置はUMA(U-shaped ion Mobility Analyzer)の基礎構造にイオン解離装置を増設することにより、目標移動度範囲内のイオン及び当該イオン解離後のフラグメントイオンに対するイオンモビリティスペクトル分析を実現でき、分解能がより高くなる。また、イオンが第一通路内に蓄積されるように第一通路の電界を配置すれば、目標イオン移動度範囲内のイオンを選択して放出する時に、残りの目標イオン移動度範囲外の分析待ちのイオンは第一通路内に引き続き保存され、後に放出して分析することもでき、これによってイオンの利用効率が向上する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
タンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置であって、
互いに対向する第一電極アレイと第二電極アレイを有し、前記第一電極アレイにはイオン入口が設置され、前記第二電極アレイには第一イオン転移口が設置され、前記イオン入口と前記第一イオン転移口が第一通路の延在方向にずらして設置される前記第一通路と、
互いに対向する第三電極アレイと第四電極アレイを有し、前記第三電極アレイには第二イオン転移口が設置され、前記第四電極アレイにはイオン出口が設置され、前記第一イオン転移口と前記第二イオン転移口が接続されるとともに第二通路の延在方向に沿っており、前記イオン出口が前記第二イオン転移口の前記イオン入口寄りの側にずらして設置される前記第二通路と、
前記第一通路と前記第二通路に気流を供給する気流供給部と、
前記第一電極アレイ、前記第二電極アレイ、前記第三電極アレイ及び前記第四電極アレイにそれぞれ電気的に接続されるとともに、前記第一通路と前記第二通路内のイオンに、気流によるイオンへの作用力と逆方向の電界力を印加するように配置された電源と、
第一通路からのイオンを受け取り解離させ、解離によって生成したフラグメントイオンを第二通路に放出するように配置されたイオン解離装置と、を含む、ことを特徴とするタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記電源は、
第一時間帯において、目標移動度範囲内のイオンが前記第一通路の目標イオン高濃度エリアに蓄積されるとともに目標移動度範囲外の少なくとも一部のイオンが前記第一通路の端部に位置する非目標イオン高濃度エリアに入り濃縮されるように、前記第一通路に第一電界が印加され、
第二時間帯において、前記第一時間帯で前記非目標イオン高濃度エリアに濃縮された少なくとも一部のイオンが前記第一イオン転移口へ移動して前記第一イオン転移口を通過するように、前記第一通路に第二電界が印加されるように配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項3】
前記非目標イオン高濃度エリアは前記第一通路の両端に位置する、ことを特徴とする請求項2に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項4】
前記イオン解離装置は、目標領域内のイオンに対して解離を行い、前記目標領域は前記第二通路の前記第二イオン転移口に近接する端部に設置され、前記第二イオン転移口よりも前記イオン出口から離れている、ことを特徴とする請求項1に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項5】
前記電源は、
前記目標領域に対応する前記第二通路に第三電界を印加し、イオンを前記目標領域内に拘束するように配置される、ことを特徴とする請求項4に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項6】
前記イオン解離装置は、前記第一イオン転移口と前記第二イオン転移口との間に設置された目標領域内のイオンに対して解離を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項7】
前記イオン解離装置は、前記第二通路に設置され、前記第二イオン転移口を起点として、前記イオン出口に向かって延在する部分を構成する目標領域内のイオンに対して解離を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項8】
前記第二通路は、前記フラグメントイオンをイオン移動度順に前記第二通路の異なる位置に配列し、前記イオン出口を介して順次放出するように配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項9】
前記イオン解離装置は、衝突誘起解離装置、電子転移解離装置、赤外多光子解離装置、紫外光子解離装置、ラジカル誘導解離装置、表面誘起解離装置のうちの一種又は複数種である、ことを特徴とする請求項1に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置。
【請求項10】
イオン移動度分析法であって、請求項1-9のいずれか1項に記載のタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置を使用し、
第一時間帯において、目標移動度範囲内のイオンが前記第一通路の目標イオン高濃度エリアに蓄積され、また目標移動度範囲外の少なくとも一部のイオンが、前記第一通路の端部にある非目標イオン高濃度エリアに入って濃縮するように、前記第一通路に第一電界を印加するイオン選択ステップと、
第二時間帯において、前記第一時間帯において前記非目標イオン高濃度エリアに濃縮された少なくとも一部のイオンを前記第一イオン転移口へ移動させて前記第一イオン転移口を通過させるように、前記第一通路に第二電界を印加する濃縮イオン放出ステップと、
前記イオン選択ステップにおいて及び/又は前記濃縮イオン放出ステップにおいて前記第一通路から放出されたイオンを受け取り解離させ、解離によって生成したフラグメントイオンを前記第二通路に放出する解離ステップと、を含む、ことを特徴とするイオン移動度分析法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン移動度分析分野に関し、具体的にはタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置及びイオン移動度分析法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
イオンモビリティスペクトロメトリーは、イオン移動度に応じてイオンを分離する技術である。通常、質量分析では識別できない異性体を識別することができるため、イオンモビリティスペクトロメトリーは生物学分析分野において広く用いられている。
【0003】
近年、分析が依存するパラメータ次元を増加させるために、イオンモビリティスペクトロメトリー装置と他の装置とのタンデム形式が数多く採用されている。
【0004】
一般的には、イオンモビリティスペクトロメトリー装置と質量分析計を一つのタンデム型質量分析機器に結合し、異なるイオンをイオン移動度の性質の違いによってさらに分離することで、イオン識別の能力を向上させる。例えば、特許文献1では、TIMS技術とDIA/DDA技術を組み合わせて、Parallel Accumulation SErial Fragmentation(PASEF)テクノロジーを発見した。
【0005】
さらにいくつかの研究では、イオンモビリティスペクトロメトリーのイオンのイオン移動度に対する分離効率(分解能)を向上させるために、二つのイオンモビリティスペクトロメトリー装置をタンデム結合とすることが提案されている。特許文献2では、IMSとFAIMSの異なる物理メカニズムに基づいて、FAIMSとIMS機器を結合してより大きい分離効率(分解能)を実現することが提案されている。
【0006】
特許文献3では、複数のタンデムフィルタ装置を用いて気相イオンを正確に識別する方法及び装置が提案され、二つのDMAsタンデム組合せに基づいてIMS検出の特異性及び感度を向上させることが提案されている。そのうちの一つのDMAsは、少なくとも非線形移動度範囲内の高電界で操作されるが、DMAsのフィルタモード自体の制限により、一つの走査周期において、目標イオン移動度範囲内のイオンのみを選択することができるが、残りのイオンは全て損失されてしまう。そのため、DMAsのイオンの利用効率が低くなってしまい、システム全体のデューティ比も低い。
【0007】
いくつかの複雑な混合物の中にある微量物質のイオン移動度分析について、特許文献4では、イオン分析法及び当該イオン分析法に適したタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置がさらに提案され、当該タンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置は、二つのタンデムTIMS(Trapped Ion Mobility Spectrometer)アナライザ、及び二つのタンデムTIMSアナライザの間に設置されたイオンゲートと破砕手段を含む。以上のようなタンデムTIMSイオンモビリティスペクトロメトリー装置により、イオンに対してイオン移動度の予備分離を行ってから、さらに目標のイオン移動度範囲内のイオンを意図的に破砕した後、発生したフラグメントイオンに対してイオン移動度分析を行うことができる。TIMSの分解能が高く、且つ第一TIMSにおいてイオンを蓄積することができ、これによってタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置のデューティ比を向上させる。
【0008】
しかし、タンデムTIMSアナライザの制約の一つは、第一TIMSがイオン移動度区間内のイオンを初期選別する過程において、目標移動度範囲内に含まれないイオンが損失され、デューティ比をさらに向上させることができない。また、TIMSは軸方向に限ってイオンを輸送させるため、目標移動度範囲外のイオンを排除する(kill)には、第一TIMSのイオン出口にイオンゲートなどの装置を設置して、非目標移動度のイオンをさらに除去する必要があり、システム構成が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
米国特許US9891194
米国特許US7148474B2
米国特許US7855360B2
米国特許US10794861B2
中国特許CN109003877A
中国特許CN109003876A
中国特許CN115223844A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の問題に対して、本発明は、少なくとも上記従来技術の問題の一部を解決することができるタンデムイオンモビリティスペクトロメトリー装置及びイオン移動度分析法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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