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公開番号2025099579
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023216358
出願日2023-12-22
発明の名称光硬化性樹脂組成物、燃料電池およびシール方法
出願人株式会社スリーボンド
代理人
主分類C08F 290/04 20060101AFI20250626BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】
本発明は、硬化物の低アウトガス性に優れるとともにリン元素が溶出しない光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
下記の(A)~(C)成分を含み、
(A)成分100質量部に対し(C)成分を1~20質量部含む、光硬化性樹脂組成物。
(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1以上と、-[CH2C(CH3)2]-単位を含むポリイソブチレン樹脂
(B)成分:イソボルニル(メタ)アクリレート
(C)成分:ケタール系光ラジカル重合開始剤
【選択図】 なし


特許請求の範囲【請求項1】
下記の(A)~(C)成分を含み、
(A)成分100質量部に対し(C)成分を1~20質量部含む、光硬化性樹脂組成物。
(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1以上と、-[CH

C(CH



]-単位を含むポリイソブチレン樹脂
(B)成分:イソボルニル(メタ)アクリレート
(C)成分:ケタール系光ラジカル重合開始剤
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記(C)成分がベンジルケタール系光ラジカル重合開始剤である請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)成分が2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンである請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに(D)成分として炭素数5~30の直鎖状または分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(但し前記(B)成分を除く)を含むことを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
前記(A)成分100質量部に対して、(B)成分30~130質量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
アシルフォスフィン系光ラジカル重合開始剤を含まないことを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を含む、シール剤。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物または請求項7のシール剤に対して光照射することにより得られる硬化物。
【請求項9】
燃料電池における隣り合うセパレーター同士のシール、燃料電池のフレームおよび電解質膜の間のシール並びに燃料電池のフレームおよび電解質膜電極接合体との間のシールからなる群のいずれかを含む燃料電池であって、前記いずれかのシールが、請求項8に記載の硬化物である、燃料電池。
【請求項10】
少なくとも2つのフランジを有する被シール部品の当該少なくとも2つのフランジの間の少なくとも一部をシールする方法であって、前記フランジの少なくとも一方のフランジに、請求項1~6のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を塗布する工程と、前記塗布した光硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して前記光硬化性樹脂組成物を硬化させ、前記光硬化性樹脂組成物の硬化物からなるガスケットを形成する工程と、他方のフランジを前記ガスケット上に配置して、前記光硬化性樹脂組成物を塗布した一方のフランジと前記他方のフランジとを前記ガスケットを介して圧着し、前記少なくとも2つのフランジの間の少なくとも一部をシールする工程と、を含む、シール方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性樹脂組成物、燃料電池およびシール方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、自動車や家庭用の新しいエネルギーシステムとして燃料電池が注目されている。燃料電池とは、水素と酸素とを化学的に反応させることにより電気を取り出す発電装置である。また、燃料電池は、発電時のエネルギー効率が高く、水素と酸素との反応により水が生成されることからクリーンな次世代の発電装置である。燃料電池は、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、および固体酸化物型燃料電池の4つの方式があるが、中でも固体高分子型燃料電池は、運転温度が比較的低温(80℃前後)でありながら高発電効率であるので、自動車用動力源、家庭用発電装置、携帯電話などの電子機器用小型電源、非常電源等の用途で期待されている。
【0003】
固体高分子形燃料電池に用いられるシール剤としては、耐気体透過性、低透湿性、耐熱性、耐酸性、可とう性に優れるゴム弾性体であることから、ポリイソブチレン系重合体光硬化性樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2022/044596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年固体高分子形燃料電池に用いられる樹脂組成物には硬化時や硬化後に発生するアウトガスを抑止することが求められているが、反応性の低い光開始剤を使用するとアウトガスが発生してしまう。そこでアウトガス発生抑制のために反応性の高い光開始剤を使用すると、燃料電池の発電時に生成された水と硬化物が触れた際にリン元素が溶出し、燃料電池の発電効率を低下させるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑みてされたものであり、硬化物の低アウトガス性とリン元素未溶出を両立した硬化物を与える光硬化性樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]下記の(A)~(C)成分を含み、
(A)成分100質量部に対し(C)成分を1~20質量部含む、光硬化性樹脂組成物。
(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1以上と、-[CH

C(CH



]-単位を含むポリイソブチレン樹脂
(B)成分:イソボルニル(メタ)アクリレート
(C)成分:ケタール系光ラジカル重合開始剤
[2]前記(C)成分がベンジルケタール系光ラジカル重合開始剤である[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[3]前記(C)成分が2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンである請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
[4]さらに(D)成分として炭素数5~30の直鎖状または分岐状アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(但し前記(B)成分を除く)を含むことを特徴とする[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[5]前記(A)成分100質量部に対して、(B)成分30~130質量部を含むことを特徴とする[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[6]アシルフォスフィン系光ラジカル重合開始剤を含まないことを特徴とする[1]に記載の光硬化性樹脂組成物。
[7][1]~[6]のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を含む、シール剤。
[8][1]~[6]のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物または[7]のシール剤に対して光照射することにより得られる硬化物。
[9]燃料電池における隣り合うセパレーター同士のシール、燃料電池のフレームおよび電解質膜の間のシール並びに燃料電池のフレームおよび電解質膜電極接合体との間のシールからなる群のいずれかを含む燃料電池であって、前記いずれかのシールが、[8]に記載の硬化物である、燃料電池。
[10]少なくとも2つのフランジを有する被シール部品の当該少なくとも2つのフランジの間の少なくとも一部をシールする方法であって、前記フランジの少なくとも一方のフランジに、[1]~[6]のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を塗布する工程と、前記塗布した光硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して前記光硬化性樹脂組成物を硬化させ、前記光硬化性樹脂組成物の硬化物からなるガスケットを形成する工程と、他方のフランジを前記ガスケット上に配置して、前記光硬化性樹脂組成物を塗布した一方のフランジと前記他方のフランジとを前記ガスケットを介して圧着し、前記少なくとも2つのフランジの間の少なくとも一部をシールする工程と、を含む、シール方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、低アウトガス性とリン元素未溶出を両立した硬化物を与える光硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態は、下記の(A)~(C)成分を含み、
(A)成分100質量部に対し(C)成分を1~20質量部含む、光硬化性樹脂組成物。
(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1以上と、-[CH2C(CH3)2]-単位を含むポリイソブチレン樹脂
(B)成分:イソボルニル(メタ)アクリレート
(C)成分:ケタール系光ラジカル重合開始剤
本発明によれば、低アウトガス性とリン元素未溶出を両立した硬化物を与える光硬化性樹脂組成物が提供される。
以下に発明の詳細を説明する。なお、本明細書において、「X~Y」は、その前後に記載される数値(XおよびY)を下限値および上限値として含む意味で使用し、「X以上Y以下」を意味する。また、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。
【0010】
<(A)成分>
本発明に用いられる(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を1以上有する、-[CH

C(CH



]-単位を含むポリイソブチレン樹脂(ポリイソブチレン骨格を有するポリマー)であれば特に限定されるものではない。(A)成分としては、例えば、-[CH

C(CH



]-単位(ポリイソブチレン骨格)を有すればよく、「-[CH

C(CH



]-単位以外の他の構成単位」を含むポリマーであってもよい。(A)成分は、-[CH

C(CH



]-単位を、構成単位全量に対して、例えば70質量%以上含み、好ましくは75質量%以上含み、より好ましくは80質量%以上含むことが適当である。また、(A)成分は、-[CH

C(CH



]-単位を、構成単位全量に対して、例えば100質量%未満含み、別の態様では95質量%以下含み、また別の態様では90質量%以下含むことが適当である。(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を、好ましくは1~12個、より好ましくは2~8個、さらに好ましくは2~4個、特に好ましくは2個有することが適当である。なお、本発明において、ポリマーとは、理論にとらわれないが、例えば、ポリマーの主鎖にモノマーの繰り返し単位を伴う構造で、100以上の繰り返し単位からなる化合物を指すと定義できる。また、(メタ)アクリロイル基は分子の側鎖、および/または、末端のいずれに存在していてもかまわないが、低アウトガス性に優れた硬化物を与える光硬化性樹脂組成物が得られるとの観点から、分子の末端に存在することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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