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公開番号2025097496
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2023213715
出願日2023-12-19
発明の名称活物質の回復処理方法
出願人日産自動車株式会社,ルノー エス.ア.エス.,RENAULT S.A.S.
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 10/54 20060101AFI20250624BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】結着剤の熱分解によるフッ化水素の生成を抑制しつつ、低下した活物質の活性を向上させることができる活物質の回復処理方法を提供する。
【解決手段】活物質の回復処理方法は、リチウムイオン電池が備える活物質の低下した活性を向上させる処理方法であって、活物質又は活物質を含有する電極合剤にリチウム化合物を混合し、リチウムイオン電池が有する結着剤の熱分解温度未満の温度で加熱処理する加熱工程を有する。そして、リチウム化合物の混合量は、リチウム化合物の総表面積を活物質の総表面積で除して得られた値が0.05以上となる量である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リチウムイオン電池が備える活物質の低下した活性を向上させる処理方法であって、
前記活物質又は前記活物質を含有する電極合剤にリチウム化合物を混合し、前記リチウムイオン電池が有する結着剤の熱分解温度未満の温度で加熱処理する加熱工程を有し、
前記リチウム化合物の混合量は、前記リチウム化合物の総表面積を前記活物質の総表面積で除して得られた値が0.05以上となる量である活物質の回復処理方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記リチウム化合物の総表面積は、前記リチウム化合物の全粒子のうち粒径10μm以上の粒子の表面積の総合計である請求項1に記載の活物質の回復処理方法。
【請求項3】
前記リチウム化合物は水溶性である請求項1又は請求項2に記載の活物質の回復処理方法。
【請求項4】
前記リチウム化合物は、その水溶液がアルカリ性を示すものである請求項1又は請求項2に記載の活物質の回復処理方法。
【請求項5】
前記リチウム化合物が水酸化リチウムである請求項1又は請求項2に記載の活物質の回復処理方法。
【請求項6】
前記加熱工程における加熱処理の雰囲気の酸素分圧が0.2atm以上である請求項1又は請求項2に記載の活物質の回復処理方法。
【請求項7】
前記加熱工程の前に、前記電極合剤から前記結着剤を除去する除去工程を有する請求項1又は請求項2に記載の活物質の回復処理方法。
【請求項8】
前記除去工程を実施した後の前記電極合剤に残存する前記結着剤の量は、前記除去工程を実施した後の前記電極合剤全体の1.2質量%以下である請求項7に記載の活物質の回復処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活物質の回復処理方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池が備える活物質は、リチウムイオン電池の使用に伴ってリチウムイオンが脱離するため活性が低下するが、回復処理を施すことによって活性を向上させることができる。例えば特許文献1には、正極活物質及び結着剤を含有する電極合剤にリチウム化合物を混合し、該リチウム化合物の溶融開始温度以上の温度(例えば750℃)に加熱することによって、低下した正極活物質の活性を向上させる技術が開示されている。特許文献1に開示の技術においてはリチウム化合物は溶融しているので、正極活物質とリチウム化合物の固-液界面での反応によって、正極活物質にリチウムイオンが挿入されて、正極活物質の活性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2021/177362号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術においては、正極活物質及びリチウム化合物とともに結着剤も高温に加熱される。結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)が用いられる場合が多いが、ポリフッ化ビニリデンが高温により熱分解するとフッ化水素(HF)が生成するため、活物質とフッ化水素が反応してフッ化リチウム(LiF)が生成することとなる。その結果、活物質内のリチウム量が減少するため活物質の性能が低下し、リチウムイオン電池の充放電容量が低下するおそれがあった。
本発明は、結着剤の熱分解によるフッ化水素の生成を抑制しつつ、低下した活物質の活性を向上させることができる活物質の回復処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る活物質の回復処理方法は、リチウムイオン電池が備える活物質の低下した活性を向上させる処理方法であって、活物質又は活物質を含有する電極合剤にリチウム化合物を混合し、リチウムイオン電池が有する結着剤の熱分解温度未満の温度で加熱処理する加熱工程を有し、リチウム化合物の混合量は、リチウム化合物の総表面積を活物質の総表面積で除して得られた値が0.05以上となる量であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、結着剤の熱分解によるフッ化水素の生成を抑制しつつ、低下した活物質の活性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
正極活物質のc軸格子定数を示すグラフである。
正極活物質のc軸格子定数を示すグラフである。
正極活物質のc軸格子定数を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態について以下に説明する。なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
【0009】
本実施形態に係る活物質の回復処理方法は、リチウムイオン電池が備える活物質の低下した活性を向上させる処理方法であって、活物質又は活物質を含有する電極合剤にリチウム化合物を混合し、リチウムイオン電池が有する結着剤の熱分解温度未満の温度で加熱処理する加熱工程を有する。そして、リチウム化合物の混合量は、リチウム化合物の総表面積を活物質の総表面積で除して得られた値が0.05以上となる量である。
【0010】
本実施形態に係る活物質の回復処理方法は、結着剤の熱分解によるフッ化水素の生成を抑制しつつ、低下した活物質の活性を向上させることができる。本実施形態に係る活物質の回復処理方法の作用効果について、さらに詳細に説明する。
本実施形態に係る活物質の回復処理方法においては、結着剤の熱分解温度未満の温度(例えば350℃未満)で加熱処理する加熱工程を有しているので、電極合剤にリチウム化合物を混合して加熱処理を行った場合であっても、電極合剤に含有される結着剤の熱分解が生じにくく、フッ化水素が生成しにくい。そのため、活物質とフッ化水素の反応によるフッ化リチウムの生成が抑制されるので、活物質内のリチウム量の減少が抑制される。すなわち、活物質が有するリチウムがフッ化リチウムとなると、活物質を構成するリチウムの量が減少し、充放電に必要な活物質の内部の稼働リチウム量が減少するが、そのような反応が抑制される。その結果、加熱工程中の活物質の性能の低下が抑制されるため、低下した活物質の活性を十分に向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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