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公開番号2025094076
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2025043259,2021018169
出願日2025-03-18,2021-02-08
発明の名称熱膨張性組成物、及び耐火材
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C09K 21/02 20060101AFI20250617BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】耐火性を有し、かつ成形性に優れた耐火材を製造可能な熱膨張性組成物を提供する。
【解決手段】エラストマー成分からなる群から選択される一種以上のマトリックス成分と熱膨張性黒鉛を含有する熱膨張性組成物であって、前記熱膨張性組成物のゲル分率が50~87%である熱膨張性組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エラストマー成分からなる群から選択される一種以上のマトリックス成分と熱膨張性黒鉛を含有する熱膨張性組成物であって、
前記熱膨張性組成物のゲル分率が50~87%である熱膨張性組成物。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記熱膨張性黒鉛を30質量%以上含有する、請求項1に記載の熱膨張性組成物。
【請求項3】
前記マトリックス成分が、ハロゲン原子、又はスチレン若しくはアクリロニトリル由来の構成単位の少なくともいずれかを有する成分を含有する、請求項1又は2に記載の熱膨張性組成物。
【請求項4】
前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が150℃以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱膨張性組成物。
【請求項5】
リン成分を含有しない、請求項1~4のいずれか1項に記載の熱膨張性組成物。
【請求項6】
請求項1~5に記載の熱膨張性組成物からなる耐火材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱膨張性組成物、及び耐火材に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
建築分野では、防火のために、建具、柱、壁材等の建築材料に耐火材が用いられる。耐火材としては、樹脂に、ゴム及び熱膨張性黒鉛などが配合された耐火材等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような耐火材は、加熱により膨張して燃焼残渣が耐火断熱層を形成し、耐火断熱性能を発現する。
熱膨張性黒鉛を含有する耐火材は、例えば、建築物の開口部に設けられるドア、窓などの建具と、これらを包囲するドア枠、窓枠などの枠との隙間に設けられ、火災時には該シートが厚み方向に膨張して、建具と枠材の隙間を閉塞し、延焼を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-141463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゴムを含有する耐火材は、ゴムが結晶化傾向を示すことなどにより硬くなったり、耐火材が脆くなったりする場合がある。特に寒冷地での使用に際しては、その傾向が顕著に表れ、硬くなることで施工性が悪化したり、あるいは、表面に亀裂が発生してしまうなどの不具合が発生しやすく、取り扱い性に問題があった。
上記問題点を踏まえ、ゴムの結晶化傾向を阻害し、耐火材の脆性を改善するために、凍結点の低い可塑剤を、耐火材の製造時に添加する方法も考えられる。しかし、その場合、耐火材として利用する際には、シートが柔らかくなるため高膨張する一方、残渣硬さが脆くなり、耐火性が低下してしまう。
そこで本発明は、脆性が改善されて優れた耐寒性を有し、かつ残渣硬さの強度が高いことで耐火性にも優れる耐火材を形成できる熱膨張性組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、エラストマー成分と熱膨張性黒鉛から構成される熱膨張性組成物において、ゲル分率を50~87%に調整することで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]を提供する。
[1]エラストマー成分からなる群から選択される一種以上のマトリックス成分と熱膨張性黒鉛を含有する熱膨張性組成物であって、前記熱膨張性組成物のゲル分率が50~87%である熱膨張性組成物。
[2]前記熱膨張性黒鉛を30質量%以上含有する、[1]に記載の熱膨張性組成物。
[3]前記マトリックス成分が、ハロゲン原子、又はスチレン若しくはアクリロニトリル由来の構成単位の少なくともいずれかを有する成分を含有する、[1]又は[2]に記載の熱膨張性組成物。
[4]前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が150℃以上である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の熱膨張性組成物。
[5]リン成分を含有しない、[1]~[4]のいずれか1項に記載の熱膨張性組成物。
[6][1]~[5]に記載の熱膨張性組成物からなる耐火材。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、優れた耐寒性を有し、かつ耐火性にも優れた耐火材を製造可能な熱膨張性組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について実施形態を用いて説明する。
[熱膨張性組成物]
本発明の熱膨張性組成物は、エラストマー成分からなる群から選択される一種以上のマトリックス成分と熱膨張性黒鉛を含有する熱膨張性組成物である。
【0008】
<ゲル分率>
本発明の熱膨張性組成物は、ゲル分率が50~87%となるものである。ゲル分率が50%未満であると、耐火材の残渣硬さが低くなり、耐火性が損なわれたり、耐寒性が低くなったりする。他方、ゲル分率が87%を超えると、熱膨張性組成物が硬くなりすぎて、耐火材の膨張が十分進まなかったり残渣が脆くなったりして、耐火性も損なわれる。これら観点を踏まえると、ゲル分率が55~85%であることが好ましく、60~82%であることがより好ましく、65~80%がさらに好ましい。
なお、本発明におけるゲル分率の調整方法は、上記範囲に調整可能であれば特に限定されないが、具体的には、架橋剤、架橋促進剤の使用、電子線の照射などが挙げられる。この中では、架橋剤、架橋促進剤の使用が好ましい。
ゲル分率の測定方法は、実施例記載の通りであるが、後述するとおり有機溶剤(キシレン)の不溶分をゲル分として、ゲル分率を測定する。したがって、ゲル分には、熱膨張性組成物に含まれる無機充填材、熱膨張性黒鉛などの有機溶剤不溶分も含まれる。
【0009】
熱膨張性組成物は、架橋剤が配合されることが好ましい。架橋剤としては、特に限定されず、熱膨張性組成物のゲル分率を上記範囲に調整できるものであればよい。具体的には、硫黄系架橋剤、金属酸化物系架橋剤、過酸化物系架橋剤、樹脂系架橋剤、アミン系架橋剤、オキシム系架橋剤などが挙げられる。
本発明の熱膨張性組成物において架橋剤を使用する場合、熱膨張性組成物のゲル分率を所望の範囲に調整しやすくする観点から、硫黄系架橋剤を使用することが好ましく、金属酸化物系架橋剤と併用して硫黄系架橋剤を使用することがより好ましい。
硫黄系架橋剤としては、硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、塩化硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄等の無機系のものでもよいが、含硫黄有機架橋剤であってもよい。含硫黄有機架橋剤としては、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N,N’-ジチオ-ビス(ヘキサヒドロ-2H-アゼピノン-2)、チウラムポリスルフィド、2-(4’-モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。また、これらの中では、架橋性の観点から無機系のものが好ましく、硫黄がより好ましい。
【0010】
金属酸化物系架橋剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられる。本発明において金属酸化物を使用する場合、酸化亜鉛を使用することが好ましい。
架橋剤は、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種を併用して使用してもよいが、熱膨張性組成物のゲル分率を所望の範囲に調整しやすくする観点から、2種を併用して使用することが好ましく、上記のとおり、金属酸化物系架橋剤と硫黄系架橋剤とを併用することがより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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