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公開番号2025091548
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023206816
出願日2023-12-07
発明の名称歯ブラシ
出願人ライオン株式会社,キタノ製作株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A46B 3/04 20060101AFI20250612BHJP(ブラシ製品)
要約【課題】十分な植毛強度を有するアンカーレスの歯ブラシを提供する。
【解決手段】複数のフィラメントが束ねられた毛束と、厚さ方向の正面側に位置する植毛面に背面側に窪んで形成され、毛束が植設される植毛穴を有するヘッド部と、を備え、正面視で同一形状、且つ、同一サイズである1つ以上の植毛穴を1つの群としたときに、少なくとも一つの群における毛束は、長さ方向の一端側に複数のフィラメントが溶融固化された固化部を有し、ヘッド部は、植毛穴の内面から突出し固化部の正面側に位置する固定部を有し、植毛面と平行で長軸方向と直交する短軸方向に関して植毛穴が最大寸法となる範囲の中央位置における植毛穴の長軸方向の距離と、長軸方向に関して植毛穴が最大寸法となる範囲の中央位置における植毛穴の短軸方向の距離のうち、距離が短い方向を幅方向とした断面において、固化部は、幅方向の最大寸法が厚さ方向の最大寸法よりも大きい扁平形状である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
複数のフィラメントが束ねられた毛束と、
長軸方向に延びるハンドル部の先端側に設けられ、厚さ方向の正面側に位置する植毛面に背面側に窪んで形成され、前記毛束が植設される植毛穴を有するヘッド部と、
を備え、
正面視で同一形状、且つ、同一サイズである１つ以上の前記植毛穴を１つの群としたときに、少なくとも一つの前記群における前記毛束は、長さ方向の一端側に複数の前記フィラメントが溶融固化された固化部を有し、
前記ヘッド部は、前記植毛穴の内面から突出し前記固化部の前記正面側に位置する固定部を有し、
前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する短軸方向に関して前記植毛穴が最大寸法となる範囲の中央位置における前記植毛穴の前記長軸方向の距離と、前記長軸方向に関して前記植毛穴が最大寸法となる範囲の中央位置における前記植毛穴の前記短軸方向の距離のうち、前記距離が短い方向を幅方向とした断面において、前記固化部は、前記幅方向の最大寸法が前記厚さ方向の最大寸法よりも大きい扁平形状である、歯ブラシ。
続きを表示（約 610 文字）【請求項２】
前記固化部の断面形状は、前記背面側に膨らむ略半円形状である、
請求項１に記載の歯ブラシ。
【請求項３】
前記固定部の前記正面側に設けられ、前記植毛穴の内側に向かうにつれて前記正面側に延び、先端が前記植毛面よりも前記正面側の位置で前記フィラメントに接する突起部を有する、
請求項１または２に記載の歯ブラシ。
【請求項４】
前記幅方向に最大寸法となる前記固化部の前記厚さ方向の位置から前記植毛面までの距離は、前記幅方向に最大寸法となる前記固化部の前記厚さ方向の位置から前記ヘッド部における前記厚さ方向で前記植毛面と逆側の面までの距離よりも短い、
請求項１または２に記載の歯ブラシ。
【請求項５】
前記植毛穴における底部の前記厚さ方向の位置は、前記固化部における前記幅方向の最大寸法に応じて異なる、
請求項１または２に記載の歯ブラシ。
【請求項６】
前記ヘッド部は、前記厚さ方向の最大寸法が１．４ｍｍ以上、３．０ｍｍ以下である、
請求項１または２に記載の歯ブラシ。
【請求項７】
前記長軸方向において、前記ヘッド部の先端から最も後端側に位置する前記植毛穴における穴縁の位置までのヘッド面積に対する前記植毛穴の総面積の割合は、５５％以上である、
請求項１または２に記載の歯ブラシ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、歯ブラシに関するものである。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、二つ折りにした用毛の毛束を平線によってヘッド部に植設する方法に代えて、平線を用いないアンカーレス歯ブラシの登場により多種多様な仕様の歯ブラシが提供されている。この種の歯ブラシは、アンカーレスならではの毛束形状やブラシ形状を活かした使用感や外観で差別性を生み出し競合優位性を確保しようとしている。
【０００３】
アンカーレス歯ブラシとしては、毛束の長手方向の片側を熱で溶融させて焼玉を作製し、焼玉をヘッド部に形成された植毛穴に挿入した後、ヘッド部に熱と圧力をかけることで毛束をヘッド部に固定するＰＴｔ（Pressure Temperature time）式の歯ブラシが知られている（例えば、特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
国際公開第２０１８／１７７５９４号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１に開示された歯ブラシでは、焼玉が球形であるため、植毛穴に挿入された焼玉は、植毛穴の内壁付近の断面形状において、毛束の抜け止めとなる上側の壁と接する接線の向きが上下方向に近づくため、十分な植毛強度が確保しにくいという問題があった。
【０００６】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、十分な植毛強度を有するアンカーレスの歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は下記の態様を有する。
［１］複数のフィラメントが束ねられた毛束と、長軸方向に延びるハンドル部の先端側に設けられ、厚さ方向の正面側に位置する植毛面に背面側に窪んで形成され、前記毛束が植設される植毛穴を有するヘッド部と、を備え、正面視で同一形状、且つ、同一サイズである１つ以上の前記植毛穴を１つの群としたときに、少なくとも一つの前記群における前記毛束は、長さ方向の一端側に複数の前記フィラメントが溶融固化された固化部を有し、前記ヘッド部は、前記植毛穴の内面から突出し前記固化部の前記正面側に位置する固定部を有し、前記植毛面と平行で前記長軸方向と直交する短軸方向に関して前記植毛穴が最大寸法となる範囲の中央位置における前記植毛穴の前記長軸方向の距離と、前記長軸方向に関して前記植毛穴が最大寸法となる範囲の中央位置における前記植毛穴の前記短軸方向の距離のうち、前記距離が短い方向を幅方向とした断面において、前記固化部は、前記幅方向の最大寸法が前記厚さ方向の最大寸法よりも大きい扁平形状である、歯ブラシ。
［２］前記固化部の断面形状は、前記背面側に膨らむ略半円形状である、前記［１］に記載の歯ブラシ。
［３］前記固定部の前記正面側に設けられ、前記植毛穴の内側に向かうにつれて前記正面側に延び、先端が前記植毛面よりも前記正面側の位置で前記フィラメントに接する突起部を有する、前記［１］または前記［２］に記載の歯ブラシ。
［４］前記幅方向に最大寸法となる前記固化部の前記厚さ方向の位置から前記植毛面までの距離は、前記幅方向に最大寸法となる前記固化部の前記厚さ方向の位置から前記ヘッド部における前記厚さ方向で前記植毛面と逆側の面までの距離よりも短い、前記［１］から前記［３］のいずれか一つに記載の歯ブラシ。
［５］前記植毛穴における底部の前記厚さ方向の位置は、前記固化部における前記幅方向の最大寸法に応じて異なる、前記［１］から前記［４］のいずれか一つに記載の歯ブラシ。
［６］前記ヘッド部は、前記厚さ方向の最大寸法が１．４ｍｍ以上、３．０ｍｍ以下である、前記［１］から前記［５］のいずれか一つに記載の歯ブラシ。
［７］前記長軸方向において、前記ヘッド部の先端から最も後端側に位置する前記植毛穴における穴縁の位置までのヘッド面積に対する前記植毛穴の総面積の割合は、５５％以上である、前記［１］から前記［６］のいずれか一つに記載の歯ブラシ。
【発明の効果】
【０００８】
本発明では、十分な植毛強度を有するアンカーレスの歯ブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
本発明の実施の形態を示す図であって、第１実施形態に係る歯ブラシ１の部分正面図である。
図１におけるII－II線視断面図である。
幅方向に沿った加熱圧縮処理前のヘッド部３を示す断面図である。
固化部の断面が球形状であるヘッド部３を示す部分断面図である。
固化部の断面が扁平形状であるヘッド部３を示す部分断面図である。
幅方向に沿った加熱圧縮処理後のヘッド部３を示す部分断面図である。
第２実施形態に係る歯ブラシ１のヘッド部３を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明の歯ブラシの実施の形態を、図１から図７を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
（【００１１】以降は省略されています）

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