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公開番号
2025087482
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-10
出願番号
2023202175
出願日
2023-11-29
発明の名称
液晶ポリエステル樹脂、成形品、および電気電子部品
出願人
株式会社ENEOSマテリアル
代理人
個人
,
個人
主分類
C08G
63/60 20060101AFI20250603BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】低誘電正接を有しながら、寸法安定性に優れた液晶ポリエステル樹脂の提供。
【解決手段】本発明による液晶ポリエステル樹脂は、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を全構成単位の90モル%以上含んでなる液晶ポリエステル樹脂であって、
前記液晶ポリエステル樹脂が、芳香族モノオールに由来する構成単位、芳香族モノアミンに由来する構成単位、および芳香族モノカルボン酸に由来する構成単位から選択される少なくとも1種をさらに含み、
測定周波数10GHzにおける誘電正接が1.0×10
-3
以下であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の射出成形片の流動方向(MD)および流動方向に直角の方向(TD)の成形収縮率の差(異方性)が、1.00以下であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の融点が280℃以上であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の融点~融点+20℃で、せん断速度1000/sの条件で測定した溶融粘度が25Pa・s以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を全構成単位の90モル%以上含んでなる液晶ポリエステル樹脂であって、
前記液晶ポリエステル樹脂が、芳香族モノオールに由来する構成単位、芳香族モノアミンに由来する構成単位、および芳香族モノカルボン酸に由来する構成単位から選択される少なくとも1種をさらに含み、
測定周波数10GHzにおける誘電正接が1.0×10
-3
以下であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の射出成形片の流動方向(MD)および流動方向に直角の方向(TD)の成形収縮率の差(異方性)が、1.00以下であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の融点が280℃以上であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の融点~融点+20℃で、せん断速度1000/sの条件で測定した溶融粘度が25Pa・s以上であることを特徴とする、液晶ポリエステル樹脂。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を全構成単位の90モル%以上含んでなる液晶ポリエステル樹脂であって、
前記芳香族ヒドロキシカルボン酸が、p-ヒドロキシ安息香酸に由来する構成単位(A)、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する構成単位(B)、および前記構成単位(A)および(B)以外のヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(C)を含み、
前記液晶ポリエステル樹脂が、芳香族モノオールに由来する構成単位(D)、芳香族モノアミンに由来する構成単位(E)、および芳香族モノカルボン酸に由来する構成単位(F)から選択される少なくとも1種をさらに含み、
前記構成単位(A)~(F)の組成比(モル%)が、下記の条件:
10モル%≦構成単位(A)≦35モル%
50モル%≦構成単位(B)≦85モル%
0.01モル%≦構成単位(C)<15モル%
0.01モル%≦構成単位(D)+構成単位(E)+構成単位(F)≦5モル%
を満たすことを特徴とする、液晶ポリエステル樹脂。
【請求項3】
前記構成単位(C)が、4-(4-ヒドロキシフェニル)安息香酸、6-ヒドロキシニコチン酸、m-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸、2-フルオロ-4-ヒドロキシ安息香酸、4-(4-ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、およびクマル酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、請求項2に記載の液晶ポリエステル樹脂。
【請求項4】
前記構成単位(C)が、4-(4-ヒドロキシフェニル)安息香酸、6-ヒドロキシニコチン酸、およびm-ヒドロキシ安息香酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、請求項2に記載の液晶ポリエステル樹脂。
【請求項5】
芳香族ジオールに由来する構成単位(G)および芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位(H)からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、請求項2に記載の液晶ポリエステル樹脂。
【請求項6】
融点が350℃以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶ポリエステル樹脂。
【請求項7】
融点と結晶化点との温度差が30℃以上である、請求項6に記載の液晶ポリエステル樹脂。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶ポリエステル樹脂を含む、繊維状の成形品。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶ポリエステル樹脂を含む、シート状の成形品。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶ポリエステル樹脂を含む、射出成形品。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂に関し、より詳細には、低誘電正接を有する液晶ポリエステル樹脂、該液晶ポリエステル樹脂を含む成形品、および該成形品を備える電気電子部品に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、通信分野における情報通信量の増加に伴い、電子機器や通信機器等において高周波数帯の周波数を有する信号の使用が増加しており、特に、周波数が10
9
Hz以上であるギガヘルツ(GHz)帯の周波数を有する信号の使用が盛んに行われている。例えば、自動車分野においてGHz帯の高周波数帯が使用されている。具体的には、自動車の衝突防止目的で搭載されるミリ波レーダー、準ミリ波レーダーにおいては、それぞれ76~79GHz、24GHzの高周波数が使用されており、今後更なる普及が進んでいくことが予想される。
【0003】
しかしながら、使用される信号の周波数が高くなるに伴い、情報の誤認識を招きうる出力信号の品質低下、すなわち、伝送損失が大きくなる。この伝送損失は、導体に起因する導体損失と、電子機器や通信機器における基板等の電気電子部品を構成する絶縁用の樹脂に起因する誘電損失とからなるが、導体損失は使用する周波数の0.5乗、誘電損失は周波数の1乗に比例するため、高周波帯、特にGHz帯においては、この誘電損失による影響が非常に大きくなる。また、誘電損失は、樹脂の誘電正接にも比例して増大するため、情報の劣化を防ぐため低誘電正接を有する樹脂が求められている。
【0004】
また、電気電子部品を構成する樹脂には、耐熱性および成形性等も要求される。例えば、特許文献1には、耐熱性および成形性に優れるポリエステル樹脂として、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する構成単位を40~75モル%、テレフタル酸に由来する構成単位を8.5~30モル%、4,4’-ジヒドロキシビフェニルに由来する構成単位を8.5~30モル%、およびp-ヒドロキシ安息香酸に由来する構成単位を0.1~8モル%という特定の組成比で含む全芳香族ポリエステル樹脂が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-179776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らは、特許文献1で提案される全芳香族ポリエステル樹脂を用いたとしても、十分な低誘電正接を有しながら、寸法安定性に優れた液晶ポリエステル樹脂が得られないことを知見した。
【0007】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を全構成単位の90モル%以上含んでなる液晶ポリエステル樹脂において、特定の性質(誘電正接、異方性、溶融粘度)や特定の構成単位の組成比を調節することにより、低誘電正接を有しながら、寸法安定性に優れた液晶ポリエステル樹脂を得られることを見出した。
【0008】
したがって、本発明の目的は、低誘電正接を有しながら、寸法安定性に優れた液晶ポリエステル樹脂を提供することである。また、本発明の他の目的は、この液晶ポリエステル樹脂を含む成形品および該成形品を備える電気電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を全構成単位の90モル%以上含んでなる液晶ポリエステル樹脂であって、
前記液晶ポリエステル樹脂が、芳香族モノオールに由来する構成単位、芳香族モノアミンに由来する構成単位、および芳香族モノカルボン酸に由来する構成単位から選択される少なくとも1種をさらに含み、
測定周波数10GHzにおける誘電正接が1.0×10
-3
以下であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の射出成形片の流動方向(MD)および流動方向に直角の方向(TD)の成形収縮率の差(異方性)が、1.00以下であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の融点が280℃以上であり、
前記液晶ポリエステル樹脂の融点~融点+20℃で、せん断速度1000/sの条件で測定した溶融粘度が25Pa・s以上であることを特徴とする、液晶ポリエステル樹脂。
[2] 芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を全構成単位の90モル%以上含んでなる液晶ポリエステル樹脂であって、
前記芳香族ヒドロキシカルボン酸が、p-ヒドロキシ安息香酸に由来する構成単位(A)、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する構成単位(B)、および前記構成単位(A)および(B)以外のヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位(C)を含み、
前記液晶ポリエステル樹脂が、芳香族モノオールに由来する構成単位(D)、芳香族モノアミンに由来する構成単位(E)、および芳香族モノカルボン酸に由来する構成単位(F)から選択される少なくとも1種をさらに含み、
前記構成単位(A)~(E)の組成比(モル%)が、下記の条件:
10モル%≦構成単位(A)≦35モル%
50モル%≦構成単位(B)≦85モル%
0.01モル%≦構成単位(C)<15モル%
0.01モル%≦構成単位(D)+構成単位(E)+構成単位(F)≦5モル%
を満たすことを特徴とする、液晶ポリエステル樹脂。
[3] 前記構成単位(C)が、4-(4-ヒドロキシフェニル)安息香酸、6-ヒドロキシニコチン酸、m-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ-3-メチル安息香酸、2-フルオロ-4-ヒドロキシ安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、4-(4-ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、およびクマル酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、[2]に記載の液晶ポリエステル樹脂。
[4] 前記構成単位(C)が、4-(4-ヒドロキシフェニル)安息香酸、6-ヒドロキシニコチン酸、およびm-ヒドロキシ安息香酸からなる群から選択される少なくとも1種に由来する構成単位である、[2]に記載の液晶ポリエステル樹脂。
[5] 芳香族ジオールに由来する構成単位(G)および芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位(H)からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、[2]~[4]のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂。
[6] 融点が350℃以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂。
[7] 融点と結晶化点との温度差が30℃以上である、[6]に記載の液晶ポリエステル樹脂。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂を含む、繊維状の成形品。
[9] [1]~[7]のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂を含む、シート状の成形品。
[10] [1]~[7]のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂を含む、射出成形品。
[11] [8]に記載の成形品を備える、電気電子部品。
[12] [9]に記載の成形品を備える、電気電子部品。
[13] [10]に記載の成形品を備える、電気電子部品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低誘電正接を有しながら、寸法安定性に優れた液晶ポリエステル樹脂を実現することができる。本発明の液晶ポリエステル樹脂を用いることで、作製した成形品の寸法安定性を向上させることができる。したがって、加工成形し、製品として使用する際には周波数の高い信号を使用する電気電子機器や通信機器における出力信号の品質の低下を防止することができる。
【発明の概要】
発明を実施するための態様
(【0011】以降は省略されています)
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