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公開番号2025087293
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201851
出願日2023-11-29
発明の名称自然循環型原子炉、および、自然循環型原子炉の出力制御方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類G21C 15/26 20060101AFI20250603BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】圧力容器内部の流動の安定性の低下を抑制可能な自然循環型原子炉を提供する。
【解決手段】炉心流量、水位、および、給水流量を計測データを取得する監視装置と、制御棒および給水流量を制御する制御装置とを有する。制御装置は、監視装置が取得した炉心流量を基に、チムニ内で生じる炉心出力の変化に対する炉心流量の変化の時間遅れΔtを式(3)を用いて算出し、時間遅れΔtの期間に給水流量を変化させて水位を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器内に収容された炉心と、前記炉心を覆うシュラウドと、前記シュラウド内で前記炉心の上部に設けられたチムニと、前記炉心に配置された制御棒と、を備える自然循環型原子炉であって、
前記炉心に流入する冷却材の炉心流量を計測する炉心流量計と、
前記原子炉圧力容器内の前記冷却材の水位を計測する水位計と、
前記原子炉圧力容器に接続された前記冷却材の給水流量を計測する給水流量計と、
前記炉心流量、前記水位、および、前記給水流量の計測データを取得する監視装置と、
前記制御棒および前記給水流量を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記監視装置が取得した前記炉心流量を基に、前記チムニ内で生じる炉心出力の変化に対する炉心流量の変化の時間遅れΔtを下記式(3)を用いて算出し、前記制御棒の操作開始から前記時間遅れΔtの期間に前記給水流量を変化させて前記水位を制御する
自然循環型原子炉。
TIFF
2025087293000010.tif
12
153
〔ただし、Hchはチムニ高さ、jは冷却材の平均上昇速度、ρLは液相密度、Acは炉心の冷却水流路面積、Gcは炉心流量である。〕
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記制御装置は、計測された現在の前記炉心流量と、目標炉心流量と差を基に、前記給水流量の変化量、および、前記水位の変化量とを算出する
請求項1に記載の自然循環型原子炉。
【請求項3】
前記制御装置は、前記給水流量を変化させた後、前記給水流量を制御して前記炉心流量を一定に保持する
請求項1に記載の自然循環型原子炉。
【請求項4】
前記制御装置は、制御棒操作の開始から前記制御棒操作の終了までに、前記給水流量を変化させる
請求項1に記載の自然循環型原子炉。
【請求項5】
前記炉心出力を計測する出力計測部を有し、
前記制御装置は、前記式(3)に前記チムニ内のボイド率の影響を加味した下記式(5)を用いて前記時間遅れΔtを算出する
請求項1に記載の自然循環型原子炉。
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2025087293000011.tif
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〔ただし、Hchはチムニ高さ、jは冷却材の平均上昇速度、ρLは液相密度、Acは炉心の冷却水流路面積、Gcは炉心流量、αはチムニ内ボイド率である。〕
【請求項6】
前記制御装置は、算出した前記給水流量の変化量によって前記水位が上限に達すると判断した場合、制御棒操作の開始後に、前記制御棒操作を一時的に停止し、前記給水流量を低下させる
請求項2に記載の自然循環型原子炉。
【請求項7】
前記制御装置は、算出した前記給水流量の変化量によって前記水位が下限に達すると判断した場合、制御棒操作の開始後に、前記制御棒操作を一時的に停止し、前記給水流量を増加させる
請求項2に記載の自然循環型原子炉。
【請求項8】
前記制御装置は、前記式(3)に給水系ラインの時間遅れ及びダウンカマの時間遅れによる影響を加味した下記式(5)を用いて前記時間遅れΔtを算出する
炉心流量の時間差を水位、給水ポンプから圧力容器までの距離を用いて下記式(6)によって算出する
請求項1に記載の自然循環型原子炉。
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2025087293000012.tif
13
164
〔ただし、Hchはチムニ高さ、jは冷却材の平均上昇速度、Lは給水ポンプから原子炉圧力容器までの距離、Hは水位、vは給水系配管の流速である。〕
【請求項9】
原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器内に収容された炉心と、前記炉心を覆うシュラウドと、前記シュラウド内で前記炉心の上部に設けられたチムニと、前記炉心に配置された制御棒と、を備える自然循環型原子炉の出力制御方法であって、
前記炉心に流入する冷却材の炉心流量を計測し、
前記原子炉圧力容器内の前記冷却材の水位を計測し、
前記原子炉圧力容器に接続された前記冷却材の給水流量を計測し、
取得した前記炉心流量を基に、前記チムニ内で生じる炉心出力の変化に対する炉心流量の変化の時間遅れΔtを下記式(3)を用いて算出し、制御棒操作の開始から前記時間遅れΔtの期間に前記給水流量を変化させて前記水位を制御する
自然循環型原子炉の出力制御方法。
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〔ただし、Hchはチムニ高さ、jは冷却材の平均上昇速度、ρLは液相密度、Acは炉心の冷却水流路面積、Gcは炉心流量である。〕

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自然循環型原子炉、および、自然循環型原子炉の出力制御方法に係わる。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉は、核燃料棒を正方配置した燃料集合体を用いて、燃料棒間を流れる冷却材(液体)を核反応によって沸騰させる。そして、沸騰水型原子炉は、発生した蒸気を発電に利用する。沸騰水型原子炉は、燃料棒の反応熱が直接冷却材に伝わる。このため、沸騰水型原子炉は、効率的な蒸気生成、及び、燃料棒の冷却が維持される。
【0003】
また、沸騰水型原子炉として、冷却水の再循環ポンプを排除して炉内構造物を簡素化し、冷却材を自然循環させる自然循環型沸騰水型原子炉(以降、自然循環型原子炉、または、自然循環炉と称する)がある(例えば、特許文献1参照)。自然循環炉は、冷却水の自然循環力によって炉心の冷却を維持する。自然循環炉は、主に制御棒の操作によって炉心の熱出力を調整して、炉心流量を調整する。炉心流量は、炉心出力の変化速度やチムニ内の平均ボイド率の変化に基づいて決まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特願2006-49478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、自然循環炉では、炉心出力の変化速度が大きくなると、炉心出力の変化速度に対して、チムニ内の平均ボイド率の変化に遅れが生じる。このため、炉心出力の変化に対し、炉心流量の変化が遅れてしまう。例えば、出力増加(制御棒引き抜き)運転を行う場合に、先に炉心出力が増加するのに対して、遅れて炉心流量が増加する現象が生じてしまう。この結果、炉心出力が高い状態に対して炉心流量が少ない状態となり、圧力容器内部の流動の安定性が低下する可能性がある。
【0006】
上述した問題の解決のため、本発明においては、圧力容器内部の流動の安定性の低下を抑制可能な自然循環型原子炉、および、自然循環型原子炉の出力制御方法を提供する。
【0007】
また、本発明の上記の目的及びその他の目的と本発明の新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の自然循環型原子炉は、原子炉圧力容器と、原子炉圧力容器内に収容された炉心と、炉心を覆うシュラウドと、シュラウド内で炉心の上部に設けられたチムニと、炉心に配置された制御棒と、を備える自然循環型原子炉である。自然循環型原子炉は、炉心に流入する冷却材の炉心流量を計測する炉心流量計と、原子炉圧力容器内の冷却材の水位を計測する水位計と、原子炉圧力容器に接続された冷却材の給水流量を計測する給水流量計とを有する。また、自然循環型原子炉は、炉心流量、水位、および、給水流量の計測データを取得する監視装置と、制御棒および給水流量を制御する制御装置とを有する。制御装置は、監視装置が取得した炉心流量を基に、チムニ内で生じる炉心出力の変化に対する炉心流量の変化の時間遅れΔtを下記式(3)を用いて算出し、制御棒の操作開始から時間遅れΔtの期間に給水流量を変化させて水位を制御する。
【0009】
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【0010】
ただし、Hchはチムニ高さ、jは冷却材の平均上昇速度、ρLは液相密度、Acは炉心の冷却水流路面積、Gcは炉心流量である。〕
(【0011】以降は省略されています)

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