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公開番号2025082370
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-29
出願番号2023195639
出願日2023-11-17
発明の名称超音波放射ユニット
出願人本多電子株式会社
代理人個人
主分類B06B 1/06 20060101AFI20250522BHJP(機械的振動の発生または伝達一般)
要約【課題】耐エロージョン性に優れるため長寿命であり、かつ振動変位分布の均一性に優れるため洗浄ムラの少ない超音波放射ユニットを低コストで実現する。
【解決手段】超音波放射ユニット21は、振動板12と複数の振動体ユニットU1とを備える。振動体ユニットU1は、複数の超音波振動子31と、共振子51と、超音波振動子31の振動を共振子51に伝達する連結板61とを含む。連結板61は、両側縁に山部62及び谷部63を有することで幅広部64と幅狭部65とが交互に形成され、幅広部64の中心部にボルト挿通孔67が透設されている。隣接する連結板61同士は、谷部63に山部62が入り込んだ状態で互い違いに近接配置される。連結板61の複数のボルト挿通孔67を介して突出する複数のボルト15に対し、複数の超音波振動子31及び共振子51が締結固定されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
超音波を放射する放射面、及び、前記放射面の反対側に位置する非放射面を有し、前記非放射面に複数のボルトが突設された振動板と、
複数の超音波振動子と、複数の前記超音波振動子の間に配置された共振子と、複数の前記超音波振動子及び前記共振子を機械的に結合して複数の前記超音波振動子の振動を前記共振子に伝達する連結板とを含んで構成された複数の振動体ユニットと、
を備え、
前記連結板は、両側縁に山部及び谷部を有することで複数の幅広部と幅狭部とが交互に形成されるとともに、複数の前記幅広部の中心部に複数の前記ボルトが挿通可能な複数のボルト挿通孔がそれぞれ透設され、
隣接する前記連結板同士は、前記谷部に前記山部が入り込んだ状態となるように互い違いにして近接配置され、
前記連結板の複数の前記ボルト挿通孔を介して突出する複数の前記ボルトに対し、複数の前記超音波振動子及び前記共振子が締結固定されることで、前記非放射面側に複数の前記振動体ユニットが設置されている
ことを特徴とする超音波放射ユニット。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
複数の前記超音波振動子及び前記共振子は、ともに前記振動体ユニットの幅方向に沿って千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波放射ユニット。
【請求項3】
特定の前記振動体ユニットを基準ユニットとし、特定の前記振動体ユニットに隣接する前記振動体ユニットを隣接ユニットとした場合において、前記基準ユニットに属する複数の前記超音波振動子に外接する線分を想定したときに、当該線分に対して、前記隣接ユニットに属する前記超音波振動子及び前記共振子の外周が交接することを特徴とする請求項2に記載の超音波放射ユニット。
【請求項4】
前記山部及び前記谷部は、等ピッチで規則的に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の超音波放射ユニット。
【請求項5】
前記連結板は、複数の正六角形板を平面方向に配列して接続一体化した構造を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波放射ユニット。
【請求項6】
隣接する前記連結板同士は、0.1mm以上かつ縦振動波長の1/8以下の隙間を隔てて近接配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波放射ユニット。
【請求項7】
前記連結板の厚さは、縦振動波長の1/200以上かつ1/10以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波放射ユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動子から超音波を放射する超音波放射ユニットに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、洗浄液中に超音波を照射することにより、被洗浄物の洗浄(超音波洗浄)を行う超音波放射ユニットを備えた超音波洗浄装置が実用化されている。超音波洗浄は、超音波による物理的作用と洗浄液による化学的作用との組み合わせにより、複雑な形状をなす被洗浄物の細部にまで作用して効率良く洗浄することができる。そのため、精密機械部品、光学部品、液晶ディスプレイ、半導体等の製造には不可欠なものとなっている。
【0003】
図15に示される従来の超音波洗浄装置200は、輻射板とも呼ばれる振動板201を備えている。振動板201は、多くの場合、洗浄槽202の底部を兼ねており、厚さ数mmのステンレス板によって形成されている。超音波放射ユニットを構成する振動板201の非放射面203には、ボルト締めランジュバン型の超音波振動子204が複数本接合されている。振動板201において非放射面203の反対側に位置する面は、超音波の放射面205となっている。そして、例えば数10kHzの超音波を発生する超音波放射ユニットを用いた場合、洗浄液206中の超音波が引き起こすキャビテーションの強い衝撃波により被洗浄物207が洗浄される超音波洗浄装置200を構成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-058883号公報(図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、超音波洗浄装置200の洗浄エリアが広くなると、それに伴って振動板201の放射面も大きくなる。ゆえに、超音波放射ユニットを構成するにあたり、放射面の大きな振動板201に対して多数の超音波振動子204を設置することが本来的には望ましい。ところが、多数の超音波振動子204を用いて超音波放射ユニットを構成しようとすると、装置の製造コストが増大してしまう。その一方で、振動板201の大きさに見合う数の超音波振動子204が設置されていないと、隣接する振動子間に隙間(振動子がないエリア)が生じてしまう。その結果、キャビテーションに起因して振動板201にエロージョン208が発生するという問題がある。また、振動板201における振動変位分布の不均一さ(即ち音圧分布のバラツキ)に起因して洗浄ムラが発生するといった問題もある。
【0006】
そこで本願発明者らは、複数の超音波振動子の間に棒状の共振子を配置した構造の超音波放射ユニットを既に提案している(例えば、特許文献1参照)。この構成によると、非放射面において振動子や共振子がないエリアを減らすことができる。しかしながら、このような構成であっても、振動子や共振子の間にはまだ隙間が存在しており、エロージョンの低減や振動変位分布の均一化が十分に達成されているとは、必ずしも言えない状況にある。
【0007】
さらに本願発明者らは、複数の超音波振動子の間に棒状の共振子を配置した上記構造の超音波放射ユニットにおいて、連結板を用いることを検討している。即ち、超音波振動子及び共振子を機械的に結合する連結板を用い、その連結板を介して超音波振動子及び共振子を振動板の非放射面に設置することで、超音波振動子の振動を共振子に伝達することを検討している。しかしながら、このような構成であっても、超音波振動子や共振子を十分密に配置することは容易ではないものと予想される。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐エロージョン性に優れるため長寿命であり、かつ振動変位分布の均一性に優れるため洗浄ムラの少ない超音波放射ユニットを低コストで実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、超音波を放射する放射面、及び、前記放射面の反対側に位置する非放射面を有し、前記非放射面に複数のボルトが突設された振動板と、複数の超音波振動子と、複数の前記超音波振動子の間に配置された共振子と、複数の前記超音波振動子及び前記共振子を機械的に結合して複数の前記超音波振動子の振動を前記共振子に伝達する連結板とを含んで構成された複数の振動体ユニットと、を備え、前記連結板は、両側縁に山部及び谷部を有することで複数の幅広部と幅狭部とが交互に形成されるとともに、複数の前記幅広部の中心部に複数の前記ボルトが挿通可能な複数のボルト挿通孔がそれぞれ透設され、隣接する前記連結板同士は、前記谷部に前記山部が入り込んだ状態となるように互い違いにして近接配置され、前記連結板の複数の前記ボルト挿通孔を介して突出する複数の前記ボルトに対し、複数の前記超音波振動子及び前記共振子が締結固定されることで、前記非放射面側に複数の前記振動体ユニットが設置されていることを特徴とする超音波放射ユニットをその要旨とする。
【0010】
従って、請求項1に記載の発明によると、複数の超音波振動子と共振子とを連結板を介して機械的に結合してなる複数の振動体ユニットを用いているため、超音波振動子の振動に伴う共振現象により共振子が励振される。このとき、連結板は複数の超音波振動子及び共振子からなる振動体の放射板として機能するので、比較的広い放射面において一様な縦振動を得ることができる。しかも、隣接する連結板同士は、谷部に山部が入り込んだ状態となるように互い違いにして近接配置されるため、超音波振動子や共振子を十分密に配置することができる。その結果、振動体ユニット間の隙間で生じる曲げ振動が抑制されることとなって、振動板におけるエロージョンの発生が少なくなり、かつ均一な振動変位分布が得やすくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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