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公開番号2025081715
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2025031316,2023171986
出願日2025-02-28,2019-12-12
発明の名称高度不飽和脂肪酸またはそのアルキルエステルを含有する組成物およびその製造方法
出願人株式会社ニッスイ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C11C 1/08 20060101AFI20250520BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】3-MCPD脂肪酸エステルの濃度が十分に低い、高度に濃縮された高度不飽和脂肪酸または高度不飽和脂肪酸アルキルエステルを含有する組成物、およびその効率的な製造方法の提供。
【解決手段】脂肪酸または脂肪酸アルキルエステルを主成分として含有する組成物であって、高度不飽和脂肪酸またはそのアルキルエステルを含有し、該組成物の構成脂肪酸中の高度不飽和脂肪酸の割合が、50面積%以上であり、該組成物をアメリカ油化学会公定法Cd29b-13 assay Aにより分析した場合に生じる3-MCPDの濃度が1.80ppm未満である、前記組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
脂肪酸または脂肪酸アルキルエステルを主成分として含有する組成物であって、高度不飽和脂肪酸またはそのアルキルエステルを含有し、該組成物の構成脂肪酸中の高度不飽和脂肪酸の割合が、50面積%以上であり、該組成物をアメリカ油化学会公定法Cd29b-13 assay Aにより分析した場合に生じる3-MCPDの濃度が1.80ppm未満であり、かつ
(1)高度不飽和脂肪酸アルキルエステルのトランス異性体の濃度が、0.01面積%以上であるか、または
(2)コレステロール含有量が、0.01重量%以上である、前記組成物。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
該組成物の構成脂肪酸中の高度不飽和脂肪酸の割合が、70面積%以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該組成物をアメリカ油化学会公定法Cd29b-13 assay Aにより分析した場合に生じる3-MCPDの濃度が、検出限界値未満である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
該組成物をアメリカ油化学会公定法Cd29b-13 assay Aにより分析した場合に生じる3-MCPDの濃度が、0.01ppm以上である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
高度不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、またはそれらの組合せである、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
蒸留物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
原料が魚油、微生物油、植物油、または海産動物油である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高度不飽和脂肪酸またはそのアルキルエステルを含有する組成物およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
3-クロロプロパン-1,2-ジオール(3-MCPD)は発がん性が疑われている化合物であり、
その食品中の濃度についてEU等の各国で規制が設けられている。油脂においても、ジアシルグリセロール(DAG)やモノアシルグリセロール(MAG)が基質となって、3-MCPDが生成することが知られている(非特許文献1)。ジアシルグリセロール(DAG)が豊富な油脂
について3-MCPDの存在が指摘されて以降、様々な方法で油脂中の含有量低減が試みられてきた。例えば、3-MCPDは高温で形成されることが知られており、特許文献1および2には、吸着剤処理、脱臭温度の低下、または処理時間の短縮により油脂中の3-MCPDを生成する物質の濃度を低減させ得ることが開示されている。しかしながら、これらはトリアシルグリセロールの製造において3-MCPDを生成する物質の濃度を低減させるための方法であり、特許文献1および2にはアルキルエステルの製造において3-MCPD脂肪酸エステルの濃度を低減させる方法については記載されていない。
【0003】
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は様々な機能性を有することが知られており、高度に濃縮されたPUFAが食品、サプリメント、医薬品、または化粧品に利用されている。PUFAは、高度濃縮により出発組成物の脂肪酸のうち所望のPUFAの割合を増加させる際に、トリアシルグリセロールを主成分としたグリセリドから、低級アルコールとのアルキルエステルに変換される。したがって、食品、サプリメント、医薬品、または化粧品で使用される高度に精製され濃縮されたPUFAはアルキルエステルである場合が多い。そのような高濃度のPUFAアルキルエステルについて3-MCPD脂肪酸エステルの濃度を低減させる方法は、これまでに知られていない。
【0004】
3-MCPD脂肪酸エステルの生成に影響する因子としては、塩素源、MAGおよびDAGなどの基質、高温での処理時間などが知られている(非特許文献1および2)。しかしながら、PUFAを含有する食品などの原料となる油については、通常、塩素源ならびにMAGおよびDAGなどの3-MCPD脂肪酸エステルの基質の含有量は少量であり、目的物であるPUFAの精製に与える影響は極めて小さいことから、それらを除去する必要性は一般に認識されていない。また、塩素源ならびにMAGおよびDAGなどの基質を完全に除去することは、その技術的な困難性およびPUFAの回収率などの生産性への影響から行われていない。
【0005】
精留は、高い分離能力を期待できる蒸留であるが、内部充填物や還流を必要とするため、150℃以上の高温での加熱が必要とされる場合が多い。分子蒸留および短行程蒸留は、
加熱温度が150℃以下であり、精留と比べて比較的低温で行うことができるが、十分にPUFAを濃縮するためには、繰り返し処理が必要とされる。そのため、PUFAの蒸留においては
、多量の3-MCPDが生成するリスクが存在する。
【0006】
尿素付加法およびHPLC法は、分子を構成する脂肪酸の構造(例えば、鎖長、二重結合の数など)によって分離する方法であるが、原料中に3-MCPDがジまたはモノ脂肪酸エステル体として存在する場合には、それを構成する脂肪酸の種類によっては目的とするアルキルエステルと分離し難く、安定的に3-MCPD脂肪酸エステルを低減した脂肪酸アルキルエステルを得ることは困難である。
【0007】
したがって、脱溶剤や蒸留などの加熱処理を含む精製工程では、3-MCPD脂肪酸エステルが生成する明らかなリスクが存在し、また尿素付加およびHPLCなどの方法でも原料に含まれる多様な3-MCPD脂肪酸エステルを除去できるとは限らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-147435
特開2011-147436
【非特許文献】
【0009】
Eur. J. Lipid Sci. Technol. 114, 1268-1273 (2012)
Eur. J. Lipid Sci. Technol. 115, 735-739 (2013)
J. Agric. Food. Chem. 63(6) 1839-48 (2015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
PUFAを含有する油脂には、原料や搾油(抽出)・精製工程に由来する3-MCPDまたはその脂肪酸エステルが含まれていることが多い。また油脂中のグリセリドをアルキルエステル化すると、MAGおよびDAGが残存するか、むしろその濃度が増大し、3-MCPD脂肪酸エステルが生成しやすい環境となる。さらに、アルキルエステルの精製には、脱溶剤工程ならびに分子蒸留、短行程蒸留、および精留などの蒸留工程が含まれる場合が多く、各工程で3-MCPD脂肪酸エステルが生成し得る。クロマトグラフィーや尿素付加では、温度をかけないため3-MCPD脂肪酸エステルが生成する可能性は低いが、すでに含まれている3-MCPD脂肪酸エステルの濃度を十分に低減させることはできないリスクがある。
本発明は、3-MCPD脂肪酸エステルの濃度が十分に低い、高度に濃縮されたPUFAまたはPUFAアルキルエステルを含有する組成物、およびその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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