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公開番号
2025081315
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-27
出願番号
2025008258,2022564820
出願日
2025-01-21,2021-04-29
発明の名称
重鎖定常領域が修飾された多重特異性重鎖抗体
出願人
テネオバイオ, インコーポレイテッド
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
C07K
16/46 20060101AFI20250520BHJP(有機化学)
要約
【課題】有利な特性を付与する改変された重鎖定常領域を有する多重特異性ヒト重鎖抗体を提供する。
【解決手段】変異S228P、F234A、L235A、及びT366Wを含む変異ヒトIgG4定常領域を含む第1の重鎖ポリペプチドサブユニット;ならびに変異S228P、F234A、L235A、T366S、L368A、及びY407Vを含む変異ヒトIgG4定常領域を含む第2の重鎖ポリペプチドサブユニットを含む、単離された多重特異性抗体が提供される。さらに、抗体の作製方法、医薬組成物などの組成物、及び本明細書に記載の1つ以上の結合標的の発現によって特徴付けられる障害を治療するためのそれらの使用が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
変異S228P、F234A、L235A、及びT366Wを含む変異ヒトIgG4定常領域を含む第1の重鎖ポリペプチドサブユニット;ならびに
変異S228P、F234A、L235A、T366S、L368A、及びY407Vを含む変異ヒトIgG4定常領域を含む第2の重鎖ポリペプチドサブユニット
を含む、単離された多重特異性抗体。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記第1の重鎖ポリペプチドサブユニットの前記変異ヒトIgG4定常領域または前記第2の重鎖ポリペプチドサブユニットの前記変異ヒトIgG4定常領域が、CH1ドメインを欠損している、請求項1に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項3】
前記第1の重鎖ポリペプチドサブユニットの前記変異ヒトIgG4定常領域が、配列番号73または55の配列を含み、前記第2の重鎖ポリペプチドサブユニットの前記変異ヒトIgG4定常領域が、配列番号72または54の配列を含む、請求項1または2に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項4】
配列番号36の配列を含むCDR1配列、配列番号37の配列を含むCDR2配列、及び配列番号38の配列を含むCDR3配列を含む重鎖可変ドメイン;ならびに
配列番号39の配列を含むCDR1配列、配列番号40の配列を含むCDR2配列、及び配列番号41の配列を含むCDR3配列を含む軽鎖可変ドメイン
を含む、CD3に対する結合特異性を有する第1の結合部分をさらに含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項5】
前記第1の結合部分の前記重鎖可変ドメイン内の前記CDR1、CDR2及びCDR3配列が、ヒトVHフレームワークに存在し;
前記第1の結合部分の前記軽鎖可変ドメイン内の前記CDR1、CDR2及びCDR3配列が、ヒトVκフレームワークに存在する、請求項4に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項6】
前記第1の結合部分の前記重鎖可変ドメインが、配列番号42に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み;
前記第1の結合部分の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号43に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む、
請求項5に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項7】
前記第1の結合部分の前記重鎖可変ドメインが、配列番号42の配列を含み;
前記第1の結合部分の前記軽鎖可変ドメインが、配列番号43の配列を含む、
請求項6に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項8】
CD3以外のタンパク質に対する結合特異性を有する第2の結合部分をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項9】
前記第2の結合部分が、一価または二価の構成で単一の重鎖可変領域を含む、請求項8に記載の単離された多重特異性抗体。
【請求項10】
前記第1の結合部分が、軽鎖ポリペプチドサブユニット及び重鎖ポリペプチドサブユニットを含み、前記第2の結合部分が、重鎖ポリペプチドサブユニットを含む、請求項9に記載の単離された多重特異性抗体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月29日に出願された米国仮特許出願第63/017,589号、及び2020年11月2日に出願された米国仮特許出願第63/108,796号の出願日の優先権を主張し、その出願の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
続きを表示(約 3,400 文字)
【0002】
本発明は、有利な特性を付与する修飾された重鎖定常領域を有する多重特異性ヒト重鎖抗体(例えば、UniAbs(商標))に関する。本発明はさらに、そのような抗体の作製方法、そのような抗体を含む医薬組成物などの組成物、及び本明細書に記載の結合標的の1つ以上の発現を特徴とする障害を治療するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
修飾されたFc領域
タンパク質工学の進歩により、2つ以上の標的に対して結合親和性を有する多重特異性抗体の製造及び臨床利用は成功を収めている。しかしながら、それらのヘテロ二量体の性質により、多重特異性抗体において、所望の組み合わせの結合配列、したがってポリペプチドサブユニットの適切な対形成を容易にするために、適切な手段を利用しなければならない。Wang et al.,mAbs 10:8,1226-1235(2018)。
【0004】
不対合ポリペプチドサブユニットの問題を回避する1つのアプローチは、「ノブイントゥホール」(KiH)として知られており、これは、CH2及び/またはCH3ドメインに変異を導入して接触界面を改変することによって2つの異なる抗体重鎖の対形成を強制することを目的としている。一方の鎖では、かさばるアミノ酸を短い側鎖を有するアミノ酸に置き換えて「ホール」を創出する。逆に、大きな側鎖を有するアミノ酸をもう一方の重鎖に導入して「ノブ」を創出する。これらの2つの重鎖を共発現させることにより、ノブ-ホール対合のより好ましい安定性により、ヘテロ二量体形成(「ノブ-ホール」)が、ホモ二量体形成(「ホール-ホール」または「ノブ-ノブ」)に対してより高い収率で観察される(Ridgway,J.B.,et al,Protein Eng.9(1996)617-621;及びWO96/027011)。
【0005】
この戦略は、所望のヘテロ二量体を達成するのに魅力的であるように思われるが、得られる多重特異性抗体の他の特性は、Fc領域の特定のアミノ酸配列、すなわち、例えば補体依存性細胞傷害(CDC)及び抗体依存性細胞傷害(ADCC)などのエフェクター機能に大きく依存する。さらに、エフェクター機能活性はサイトカインの産生を誘発する可能性があり、これは望ましくない炎症反応の「サイトカインストーム」をもたらし得る。Gupta et al.,Journal of Interferon & Cytokine Research 40:1,19-23(2019)。したがって、特定の状況では、例えば、多重特異性抗体が結合する免疫細胞(例えば、T細胞)の損傷または死滅を回避するために、及び/または望ましくないサイトカイン産生とその結果生じる望ましくない炎症反応を回避するために、エフェクター機能を低減または完全に排除する必要がある。
【0006】
さらに、タンパク質へのアミノ酸改変の導入は、重大な欠点を有する可能性があり、すなわち、非天然配列の存在に基づいて、タンパク質に対する患者による免疫応答を誘発する可能性がある。そのため、多重特異性抗体の開発には、天然の抗体(IgA、IgD、IgE、IgG、IgMなど)と一般的な構造が非常に類似しており、天然の配列からの逸脱が最小限であるが、同時に、所望のヘテロ二量体化を促進するという目標を達成する一方で、1つ以上のエフェクター機能の低減または排除も達成することができる改変を成功裏に組み込む配列を同定することが必要とされる。
【0007】
これらの競合する要件のバランスを取るために、本発明者らは、天然配列が比較的低レベルのエフェクター機能活性を有することが知られているIgG4 Fcに注目した。Crescioli et al.,Curr Allergy Asthma Rep 16:7(2016)。しかしながら、このような表面的な利点にもかかわらず、IgG4は、その特定のヒンジ領域配列に起因して、in vivoで鎖交換反応を起こすことが知られており、所望のヘテロ二量体化を達成するうえで、さらなる複雑さを呈している。Labrijn et al.,Nature Biotechnology 27,767-71(2009)。したがって、所望のヘテロ二量体化を達成し、エフェクター機能を低減または排除する修飾を組み込み、同時にIgG4の鎖交換反応を低減または排除する修飾を組み込む、修飾された重鎖定常領域配列が必要とされている。本明細書に記載の分子は、これら及び他の課題に対処する。
【0008】
重鎖抗体
従来のIgG抗体では、重鎖と軽鎖の会合は、軽鎖定常領域と重鎖のCH1定常ドメインとの間の疎水性相互作用に部分的に起因している。重鎖フレームワーク2(FR2)及びフレームワーク4(FR4)領域にも、重鎖と軽鎖の間のこの疎水性相互作用に寄与する追加の残基が存在する。
【0009】
しかしながら、ラクダ科の動物(ラクダ、ヒトコブラクダ、及びラマを含むTylopoda亜目)の血清には、対になったH鎖のみからなる主要なタイプの抗体(重鎖のみ抗体またはUniAbs(商標))が含まれていることが知られている。ラクダ科(Camelus dromedarius、Camelus bactrianus、Lama glama、Lama guanaco、Lama alpaca及びLama vicugna)のUniAbs(商標)は、単一の可変ドメイン(VHH)、ヒンジ領域及び2個の定常ドメイン(CH2及びCH3)からなる固有の構造を有し、これら定常ドメインは、古典的な抗体のCH2及びCH3ドメインと高度に相同性がある。これらUniAbs(商標)は、ゲノム中に存在するが、mRNAプロセシング中にスプライシング除去される定常領域(CH1)の第1のドメインを欠損している。CH1ドメインがないということが、UniAbs(商標)に軽鎖がないことを説明しており、なぜなら、このドメインが軽鎖の定常ドメインの固定場所であるからである。そのようなUniAbs(商標)は、従来の抗体またはその断片に由来する3つのCDRによって、その抗原結合特異性及び高親和性を付与するように自然進化した(Muyldermans,2001;J Biotechnol 74:277-302、Revets et al.,2005;Expert Opin Biol Ther 5:111-124)。サメなどの軟骨魚も、IgNARと呼ばれる独特のタイプの免疫グロブリンを進化させており、これは、軽鎖ポリペプチドを欠損し、完全に重鎖からなる。IgNAR分子を、分子工学によって操作し、単一の重鎖ポリペプチド(vNAR)の可変ドメインを生成することができる(Nuttall et al.Eur.J.Biochem.270,3543-3554(2003)、Nuttall et al.Function and Bioinformatics 55,187-197(2004)、Dooley et al.,Molecular Immunology 40,25-33(2003))。
【0010】
軽鎖を欠く重鎖のみの抗体が抗原に結合する能力は、1960年代に確立された(Jaton et al.(1968)Biochemistry,7,4185-4195)。軽鎖から物理的に分離された重鎖免疫グロブリンは、四量体抗体と比較して抗原結合活性の80%を保持していた。Sitia et al.(1990)Cell,60,781-790は、再構成したマウスμ遺伝子由来のCH1ドメインを除去することにより、哺乳類細胞培養物中において、軽鎖を欠損した重鎖のみの抗体が産生されることを示した。産生された抗体は、VH結合特異性を保持するとともに、エフェクター機能を有していた。
(【0011】以降は省略されています)
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