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公開番号2025077339
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189448
出願日2023-11-06
発明の名称車両用視認装置の仮保持構造および仮保持クリップ
出願人株式会社村上開明堂
代理人個人
主分類B60R 1/06 20060101AFI20250512BHJP(車両一般)
要約【課題】一旦車両のドアパネルに組み付けられたドアミラー等の視認装置をドアパネルから外す際に仮保持クリップがベースピンから抜けて外れるのを抑制する。
【解決手段】仮保持構造40は取付ベース12の取付面12aに突出形成されたベースピン20と、ベースピン20の空洞42に収容保持される仮保持クリップ44とを有する。仮保持クリップ44が空洞42に収容保持された状態で、仮保持クリップ44の第2片44cの凸の円弧状または凸の楕円弧状の先端44f,44f’は空洞42の奥部42bの凹の円弧状または凹の楕円弧状の内壁面42c,42c’に第2片44cの弾性力で押圧当接する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
車両用視認装置を該車両用視認装置の取付ベースを介して車両のドアパネルに仮保持するための、該取付ベースに配置される仮保持構造において、
前記仮保持構造は前記ドアパネルに対面する前記取付ベースの取付面に突出形成されたベースピンと、帯状の板ばねを板厚方向に屈曲して形成した構造を有し前記ベースピンに収容保持される仮保持クリップとを有し、
前記ベースピンは該ベースピンの内部に該ベースピンの突出方向に延在して形成された空洞を有し、
前記空洞は該空洞の延在方向に沿って前記ベースピンの先端面から該ベースピンの軸部にかけて開口する開口部と、前記ベースピンの先端面側から見て前記開口部よりも奥側に位置する該開口部が形成されていない奥部と、該奥部において前記開口部の延長上に位置しかつ該空洞の延在方向に直交する方向の断面が凹の円弧状または凹の楕円弧状に形成された内壁面とを有し、
前記仮保持クリップは該仮保持クリップを構成する前記板ばねの延在方向について、第1片と、該第1片の一端部で鋭角に屈曲する第1屈曲部を介して形成された第2片と、前記第1片の他端部で前記第1屈曲部と同じ側に鋭角に屈曲する第2屈曲部を介して形成された第3片とを有し、
前記第2片の自由端部の先端は該第2片の板厚方向から見て凸の円弧状または凸の楕円弧状に形成され、
前記第3片はその延在方向の途中位置に前記第1片に近づく側に屈曲して山部を構成する第3屈曲部を有し、
前記仮保持クリップは前記第1屈曲部を前記空洞の前記奥部に収容しかつ前記第1片を前記空洞の延在方向に沿わせた姿勢で該空洞に収容保持され、
該仮保持クリップが該空洞に収容保持された状態で、前記第2片の前記自由端部の前記凸の円弧状または凸の楕円弧状の先端は前記空洞の前記奥部の前記凹の円弧状または凹の楕円弧状の内壁面に該第2片の弾性力で押圧当接し、前記第3片の前記第3屈曲部は前記ベースピンの軸部に開口する前記開口部から前記空洞の外部空間に突出し、該第3片の自由端部は前記空洞の前記奥部に収容される
仮保持構造。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記ベースピンは樹脂製であり、前記仮保持クリップは金属製である請求項1に記載の仮保持構造。
【請求項3】
前記仮保持クリップは前記第1片の幅方向の両側に張り出して形成されたフランジを有し、
前記ベースピンは前記空洞の前記内壁面に、前記各フランジを該空洞の延在方向に摺動可能に支持する各レールを有する
請求項1に記載の仮保持構造。
【請求項4】
前記第3片の自由端部の先端は前記第2片の自由端部の先端の凸の円弧状または凸の楕円弧状と相補形状の凹の円弧状または凹の楕円弧状を有する請求項1から3のいずれか1つに記載の仮保持構造。
【請求項5】
請求項1に記載の仮保持構造に使用可能な仮保持クリップにおいて、
前記仮保持クリップは帯状の板ばねを板厚方向に屈曲して形成した構造を有し、
前記仮保持クリップは該仮保持クリップを構成する前記板ばねの延在方向について、第1片と、該第1片の一端部で鋭角に屈曲する第1屈曲部を介して形成された第2片と、前記第1片の他端部で前記第1屈曲部と同じ側に鋭角に屈曲する第2屈曲部を介して形成された第3片とを有し、
前記第2片の自由端部の先端は該第2片の板厚方向から見て凸の円弧状または凸の楕円弧状に形成され、
前記第3片はその延在方向の途中位置に前記第1片に近づく側に屈曲して山部を構成する第3屈曲部を有する
仮保持クリップ。
【請求項6】
前記第1片の幅方向の両側に張り出して形成されたフランジを有する請求項5に記載の仮保持クリップ。
【請求項7】
前記第3片の自由端部の先端は前記第2片の自由端部の先端の凸の円弧状または凸の楕円弧状と相補形状の凹の円弧状または凹の楕円弧状を有する請求項5または6に記載の仮保持クリップ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明はドアミラー等の車両用視認装置を車両のドアパネルに組み付ける際に、該車両用視認装置を該ドアパネルに仮保持するための構造に関する。また、この発明は該仮保持構造に使用可能な仮保持クリップに関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来よりドアミラーを車両に組み付ける作業は次のようにして行われている。作業者はドアミラーの取付ベースの取付面に突設されている複数本のボルトをドアパネルのボルト通し穴に該ドアパネルの車外面側から差し込んでドアミラーをドアパネルに引っ掛ける。このときドアミラーから手を離してもドアミラーがドアパネルから落下しないように仮保持構造でドアミラーをドアパネルに仮保持する。次いでドアパネルの車内面側に突出しているボルトにナットをそれぞれねじ込んでドアミラーをドアパネルに本止め固定する。これでドアミラーはドアパネルに組み付けられた状態となる。このような組み付け作業において仮保持に使用される仮保持構造が従来より様々提案されている。従来提案されていた仮保持構造として例えば特許文献1~4に記載されたものがあった。特許文献1~4に記載の仮保持構造のほかに、従来実施されていた仮保持構造として、金属板ばね製の仮保持クリップを使用したものがあった。
【0003】
従来実施されていた金属板ばね製仮保持クリップを使用した仮保持構造について説明する。図2Aは一般的なドアミラー10の、ドアパネルに組み付ける前の単体を、そのミラー本体部14を取付ベース12に対して展開位置(使用位置)の姿勢に配して車両室内側に相当する位置から見た様子を示す。図2Bはドアミラー10を、車両のドアパネル28に組み付けた状態で車両後方側から見た様子を示す。ドアミラー10は強化樹脂製の取付ベース12と、ミラー本体部14を有する。ミラー本体部14は展開位置と格納位置(非使用位置)とに変位可能に取付ベース12に回転可能に支持されている。取付ベース12の取付面12aにはドアミラー10を車両のドアパネル28に本止め固定するための3本の金属製ボルト16,17,18が突設されている。ボルト16,17の近傍にはベースピン20,21が取付ベース12と一体成形でそれぞれ突出形成されている。ベースピン20,21は本来的にはドアミラーをドアパネルに組み付ける際の位置決め用に用意されている。ここでは上側のベースピン20に仮保持構造を構成している。これにより、上側のベースピン20に位置決め機能と仮保持機能の両方を持たせている。なお、ベースピン20,21の先端部はドアパネル28を構成するインナープレートとアウタープレートの間の空隙に配置されるので図2Bには現れていない。
【0004】
図3はベースピン20に構成された従来の仮保持構造22を示す。仮保持構造22はベースピン20の内部の空洞24に仮保持クリップ26を、仮保持クリップ26の弾性力に抗して押し込んで収容保持した構成を有する。仮保持クリップ26は金属製で帯状の板ばねを板厚方向に屈曲して側面形状が概ね三角形を呈するように形成した構造を有する(図5B)。ベースピン20の構造を図4A~図4Cに示す。図4Aはベースピン20の斜視図、図4Bは図4AのA矢視図、図4Cは図4BのB-B矢視断面図(縮小して示す)である。仮保持クリップ26の構造を図5A~図5Dに示す。図5Aは仮保持クリップ26の展開図、図5Bは仮保持クリップ26の側面図(ベースピン20に組み込まれる前の状態を示す)、図5Cは同底面図、図5Dは同斜視図をそれぞれ示す。ベースピン20の空洞24(図4A~図4C)に仮保持クリップ26を、仮保持クリップ26の弾性力に抗して押し込んで収容保持して仮保持構造22(図3)が構成される。図6Aは仮保持構造22の断面図(図4Cと同じ位置の断面図)で、ドアミラー10がドアパネル28に仮保持されているときの状態を示す。図6Bは図6Aの概ねC-C矢視位置(仮保持クリップ26の第2片26cの先端26dに対面する位置)の断面図である。図6Aに示されているように、仮保持クリップ26の山部26hがベースピン20の軸部における、空洞24の開口部24aからベースピン20の外部空間に突出している。
【0005】
図6Aの仮保持状態について説明する。ドアパネル28にはドアミラー10の取付ベース12の取付面12aに配置されたボルト16,17,18をそれぞれ差し込むための3個の本止め用ボルト通し穴(図示せず)と、ベースピン20を差し込むための位置決め穴30(仮止め兼用位置決め穴)と、ベースピン21を差し込むための位置決め穴(図示せず)がそれぞれ形成されている。正確にはドアミラー10を組み付ける箇所のドアパネル28はインナープレート(車内側の板)とアウタープレート(車外側の板)の2枚の金属プレートを空隙を介して対面させて相互に連結した構造を有する(本出願人の出願に係る特開2011-051434号公報参照)。上側のボルト16はアウタープレートおよびインナープレートに連続形成されたボルト通し穴を貫通してインナープレートにナットで固定される。下側のボルト17,18はアウタープレートにそれぞれ形成されたボルト通し穴を貫通してアウタープレートにナットで固定される。ベースピン20,21はアウタープレートにそれぞれ形成された位置決め穴にそれぞれ差し込まれる。図6Aにおいてドアパネル28はアウタープレートであり、ベースピン20はドアパネル28に形成された位置決め穴30に差し込まれている。ベースピン20,21の先端はインナープレートとアウタープレートの間の前記空隙(図6AにGで示した位置)に配置される。
【0006】
図6Aの仮保持状態は次のような作業を経て得られる。作業者はドアミラー10を手で支持して取付ベースの取付面12aに配置された3本のボルト16,17,18と2本のベースピン20,21をドアパネル28の3個のボルト通し穴および2個の位置決め穴にそれぞれ差し込み、仮保持クリップ26の弾性力に抗して押し込む。これにより仮保持クリップ26が撓んで仮保持クリップ26の山部26hが位置決め穴30の内周面を当接摺動しながら高さを低くして位置決め穴30を乗り越える。山部26hが位置決め穴30を乗り越えると仮保持クリップ26の撓みが戻されて山部26hが高さを高くしていく。ドアミラー10の押し込みは取付ベース12の所定箇所がドアパネル28の所定箇所に当接して係止される。このとき、仮保持クリップ26はその弾性力により位置決め穴30の内周面に押圧当接した状態となる。以上により、ドアミラー10がドアパネル28から容易には落下しない図6Aの仮保持状態が得られる。
【0007】
以上の構成の仮保持構造22によれば、仮保持構造の全長(図6Aの仮保持構造22について言えば、ベースピン20の軸方向の全長+ベースピン20の上端面から仮保持クリップ26が上方に突出する量)を小さくできるので、インナープレートとアウタープレートの間の前記空隙が狭い場合にも採用できる利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2018-095173号公報
特開2000-033818号公報
特開2011-051434号公報
特開2003-212044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来実施されていた仮保持構造22においては作業者がドアミラー10をドアパネル28に押し込んで仮保持する際に、仮保持クリップ26の山部26hが位置決め穴30を乗り越えるときのクリック感が弱く、作業者は仮保持が完了したことを明確に感じ取ることができなかった。そこで、仮保持クリップ26の山部26hの高さを高くして(つまり山部26hの傾斜を急峻にして)クリック感を高めたところ新たな問題が生じた。すなわち、ドアミラーにおいては該ドアミラーが何らかの理由でドアパネルに誤って組み付けられたときに備えて、ドアパネルから取り外せるようにしておく必要がある。ところが、仮保持クリップ26の山部26hの高さを高くしてクリック感を高めた仮保持構造を採用したところ、仮保持クリップ26がベースピン20から抜けて外れてしまう問題が生じた。この様子を図7に示す。ドアミラー10がドアパネル28に本止め固定された状態から、ナットを緩めてボルト16,17,18から外し図7の工程(i)に示す仮止め状態に戻す。この状態からドアミラー10を手で引いてドアパネル28から外そうとすると、仮保持クリップ26の山部26hが高いため、山部26hが位置決め穴30を乗り越えるのに大きな力が必要となる。その結果、山部26hが位置決め穴30を乗り越える前に仮保持クリップ26がベースピン20から抜けて外れてしまう(図7の工程(ii))。
【0010】
従来実施されていた仮保持構造22においては別の問題も生じていた。この様子を図8に示す。ベースピン20の内部の空洞24に仮保持クリップ26を収容する作業はベースピン20の先端側から仮保持クリップ26を空洞24に押し込むことにより行われる。この押し込み作業には比較的大きな力が必要であり、作業者が手作業で行うのは難しいためロボット等の機械が用いられる。機械による押し込み作業ははじめに仮保持クリップ26をベースピン20の開口部24aに仮置きし、次に機械で仮保持クリップ26を空洞24に押し込む。このとき仮保持クリップ26がベースピン20の軸部の開口部24aを通して倒れて押し込みが失敗することがあった。
(【0011】以降は省略されています)

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