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公開番号2025077125
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189091
出願日2023-11-06
発明の名称内燃機関の燃料噴射制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 41/06 20060101AFI20250512BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】 気化しにくい成分を含む燃料を用いた燃料直噴式の内燃機関に於いて、低温下での燃焼安定性を確保しつつ、排気系の触媒へ流入する未燃燃料をできるだけ抑えるように燃料噴射を実行する。
【解決手段】 燃料噴射制御装置10に於いて、噴射作動制御手段は、燃料の噴射開始時期から噴射期間長さの経過後の時点である噴射終了時点が点火時期以降となるときには、点火時期以降から噴射終了時点までに噴射されるべき燃料の噴射を次の圧縮行程の開始後まで遅らせるよう構成される。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
燃料が筒内へ噴射される直噴式の内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
一の燃焼行程のために噴射されるべき燃料噴射量を決定する燃料噴射量決定手段と、
前記燃料噴射量を噴射するのに要する噴射期間の長さを決定する噴射期間長さ決定手段と、
前記燃料の噴射開始時期を決定する噴射開始時期決定手段と、
点火時期を取得する点火時期取得手段と、
前記筒内へ前記燃料を噴射する燃料噴射器の作動を制御する噴射作動制御手段と
を含み、
前記噴射作動制御手段が、前記燃料の前記噴射開始時期から前記噴射期間長さの経過後の時点である噴射終了時点が前記点火時期以降となるときには、前記点火時期以降から前記噴射終了時点までに噴射されるべき燃料の噴射を次の圧縮行程の開始後まで遅らせるよう構成されている装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に係り、より詳細には、直噴式に燃料が供給される内燃機関の燃料噴射制御装置に係る。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関の燃料として、アルコール含有燃料を用いる場合、燃料が気化しにくいので、燃料直噴式の内燃機関に於いて、従前から利用されているガソリン燃料を用いる場合とは異なる態様の燃料噴射制御が種々提案されている。例えば、特許文献1では、低温始動後の内燃機関に於いて、より安定した良好な燃焼状態を確保するために、機関温度パラメータ、アルコール濃度及び内燃機関の負荷に応じて、吸気行程において燃料を噴射する吸気行程噴射と圧縮行程において燃料を噴射する圧縮行程噴射とのうちの一方を選択することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-180550
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、燃料直噴式の内燃機関に於いて、燃焼安定性を向上すべく、燃料の気化を改善するためには、筒内温度が燃料成分の沸点を上回る条件下で燃料噴射を開始することが好ましい。この点に関し、アルコール含有燃料などの気化しにくい成分を含む燃料を用いる場合、特に、機関始動時などの低温下では、筒内温度が最高温度に達する圧縮行程の上死点直前で噴射開始させることが有効である。しかしながら、内燃機関の運転条件の変動(エンジン回転数、負荷率、燃圧等) によって、噴射期間が狙いより長くなり、噴射終了時期が点火時期以降となる可能性があり、その場合、点火時期以降に噴射された燃料の殆どは未燃燃料として排気系へ流入し、触媒内に付着することとなる。そうすると、燃料噴射カット時に筒内で燃焼が発生しないために触媒へ流入する酸素により、触媒内で付着した未燃燃料が酸化反応を起こし、触媒温度が高温に達して触媒の溶損を惹起し得ることとなる。かかる状況を回避するためには、例えば、点火時期以降に噴射されることとなる燃料分が、次の燃焼サイクルで筒内にて燃焼されるように、燃料噴射を実行することが考えられる。
【0005】
かくして、本発明の主な課題は、気化しにくい成分を含む燃料を用いた燃料直噴式の内燃機関に於いて、低温下でも燃焼安定性を確保しつつ、排気系の触媒へ流入する未燃燃料をできるだけ抑えるように燃料噴射を実行する内燃機関の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の課題は、燃料が筒内へ噴射される直噴式の内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
一の燃焼行程のために噴射されるべき燃料噴射量を決定する燃料噴射量決定手段と、
前記燃料噴射量を噴射するのに要する噴射期間の長さを決定する噴射期間長さ決定手段と、
前記燃料の噴射開始時期を決定する噴射開始時期決定手段と、
点火時期を取得する点火時期取得手段と、
前記筒内へ前記燃料を噴射する燃料噴射器の作動を制御する噴射作動制御手段と
を含み、
前記噴射作動制御手段が、前記燃料の前記噴射開始時期から前記噴射期間長さの経過後の時点である噴射終了時点が前記点火時期以降となるときには、前記点火時期以降から前記噴射終了時点までに噴射されるべき燃料の噴射を次の圧縮行程の開始後まで遅らせるよう構成されている装置によって達成される。
【0007】
上記の構成に於いて、内燃機関は、自動車等の車両に搭載される内燃機関であってよく、特に、本発明に於いては、燃料として、エタノール燃料といったアルコール含有燃料などの気化しにくい成分を含む燃料が用いられる内燃機関であってよい。一の燃焼行程のために噴射されるべき「燃料噴射量」、「噴射期間の長さ」、「噴射開始時期」、及び「点火時期」は、それぞれ、機関回転数、筒内温度、要求負荷、燃料の気化に要する時間、燃料吐出圧等に基づいて適宜設定されてよい。「燃料噴射器」は、この分野で採用される通常の態様の、制御された噴射開始時期に開弁して、筒内へ燃料を噴射する装置であってよい。なお、上記の各手段は、コンピュータ装置によるプログラムに従った作動により実現されてよい。
【0008】
上記の本発明の対象となる直噴式の内燃機関の燃料噴射制御に於いて、「噴射開始時期」は、燃料が良好に気化できるように筒内温度が上昇した段階に設定されるので、筒内温度が低いほど、圧縮上死点に近い時期に設定されることとなる(即ち、筒内温度が高いほど、噴射開始時期は、圧縮上死点からより遠くに設定される。)。この点に関し、特に、気化しにくい成分を含む燃料の場合には、燃焼室である筒内の温度がより高温に達する時期に設定される必要があることから、噴射開始時期が圧縮上死点のより近くに設定される。しかしながら、そうすると、既に触れた如く、一の燃焼行程にて供給されるべき燃料の噴射が終了する前に点火時期が到来する場合があり、燃料が、点火時期以降に噴射されると、未燃燃料となって排気系へ流出する量が増大することとなっていた。この状況は、特に、筒内温度が低い低温始動時に発生する。
【0009】
そこで、本発明の装置に於いては、上記の如く、噴射開始時期、噴射期間の長さ、点火時期は、通常の態様にて決定されるところ、特に、低温作動時に発生する、噴射開始時期から噴射期間の長さの経過後の噴射終了時点が点火時期よりも後になる状況のときには、点火時期以降から噴射終了時点までに噴射されるべき燃料が、次の圧縮行程の開始後以降に噴射される。即ち、本発明に於いて、燃料は、噴射開始時期から噴射が開始されるが、点火時期に於いて一旦噴射が停止され、一の燃焼行程のために噴射されるべき燃料噴射量のうちの残りの、噴射開始時期から点火時期までに噴射されなかった燃料は、行程が次の圧縮行程の開始後、即ち、次の圧縮下死点の経過後に筒内へ噴射される。かかる構成によれば、噴射開始時期は、一の圧縮行程に於いて噴射された燃料が充分に気化する時期に設定され、噴射開始時期から点火時期までに噴射された燃料は良好に気化することが期待され、また、噴射開始時期から点火時期までに噴射されなかった燃料は、次の圧縮行程で噴射されることで、次の燃焼行程で燃焼されることとなり、未燃燃料の排気系への流出量が抑制される。また、内燃機関の1サイクル当たりに供給される燃料量は、一の燃焼行程のために噴射されるべき燃料量とほぼ一致するので、内燃機関は、要求通りに駆動力を出力することとなる。
【0010】
上記の本発明の構成に於いて、一の圧縮行程に於いて噴射されるべき燃料量のうちの点火時期までに噴射されなかった分を次の圧縮行程の開始後に噴射する際、その噴射を開始する時期は、次の圧縮行程の開始後の任意の時期であってよいところ、燃料ができるだけ早く筒内に供給されて、その気化が進むように、次の圧縮行程の開始直後であってよい。なお、一の圧縮行程に於いて噴射されるべき燃料量のうちの点火時期までに噴射されなかった分の噴射終了時点は、次の噴射開始時期よりも後にならないように設定され、かかる次の噴射開始時期にて噴射される燃料は良好に気化されるようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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