発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本開示は、対象とするモデルを暗号化する暗号化装置、暗号化方法および暗号化プログラム、並びに、最適化システムに関する。 続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】 【0002】 量子アニーリングやシミュレーテッドアニーリングに基づくイジングマシンは、クラウドコンピューティングによる形態で利用されることが多い。その場合、イジングマシンの提供者が、クラウドマシンを利用する利用者が用いる組合せ最適化問題の情報を盗み見ることは、原理的に可能である。 【0003】 組合せ最適化問題の情報が漏洩することは好ましくない。そこで、イジングマシンに送信された情報を盗み見ても、どのような最適化問題を解いているか分からなくするような暗号化を行えることが望ましい。 【0004】 例えば、非特許文献1では、暗号化に関連する技術として、イジングモデルで用いられる変数の符号をランダムに反転させることによって、イジングマシンに入力されるイジングモデルを暗号化する手法が提案されている。 【0005】 なお、非特許文献2には、量子ビットの冗長化について記載されている。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0006】 D. O'Malley and J. K. Golden, "Homomorphic Encryption for Quantum Annealing with Spin Reversal Transformations," 2020 IEEE High Performance Extreme Computing Conference (HPEC), Waltham, MA, USA, 2020, doi: 10.1109/HPEC43674.2020.9286176. K. L. Pudenz, T. Albash, and D. A. Lidar. "Error-corrected quantum annealing with hundreds of qubits," Nature communications 5.1, 2014 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 非特許文献1に記載された方法による暗号化は、変数の符号を変更するだけであるため、制約条件等が推測される可能性が高く、十分に暗号化できているとは言い難い。 【0008】 そこで、本開示は、もとのモデルの内容を推測困難に暗号化できる暗号化装置、暗号化方法および暗号化プログラム、並びに、その暗号化装置を用いた最適化システムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本開示による暗号化装置は、ハミルトニアンで表わされたモデルの入力を受け付けるモデル入力手段と、モデルに含まれる変数から選択される一の変数を、同じ値になる制約が課せられる複数のダミー変数に書き換えた書換後モデルを生成するモデル書換手段とを備え、モデル書換手段が、ダミー変数の係数の総和が一の変数の係数になるように、書換後モデルを生成することを特徴とする。 【0010】 本開示による最適化システムは、ハミルトニアンで表わされたモデルの最適化処理を実行するイジングマシンと、イジングマシンにモデルを送信して、最適化処理を実行させる暗号化装置とを備え、暗号化装置が、ハミルトニアンで表わされたモデルの入力を受け付けるモデル入力手段と、モデルに含まれる変数から選択される一の変数を、同じ値になる制約が課せられる複数のダミー変数に書き換えた書換後モデルを生成するモデル書換手段と、イジングマシンに書換後モデルの最適化処理を実行させる実行手段とを含み、モデル書換手段が、ダミー変数の係数の総和が一の変数の係数になるように、書換後モデルを生成することを特徴とする。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する