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公開番号2025074456
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-14
出願番号2023185267
出願日2023-10-30
発明の名称電力系統安定化システム、電力系統安定化システムの設定装置並びに方法
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類H02J 3/24 20060101AFI20250507BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】系統安定化システムの演算精度向上とそれに伴う電制量の過不足や制御コストを抑制する。
【解決手段】電力系統の事故に関するデータを、それぞれに対応する気象データと組み合わせて教師データを作成する教師データ作成部と、教師データ作成部が作成した教師データを学習した学習モデルを作成する学習モデル作成部と、電力系統の事故を検知すると、その事故に対応する気象データが入力された学習モデルが出力した結果に基づき、事故発生後の残余需要の変動を推定するためのパラメータを切り替えるパラメータ切替部と、切り替えられたパラメータを用いて電力系統を構成する少なくとも1つの電源または負荷に対する電制量を算出する制御情報作成部と、を備えることを特徴とする電力系統安定化システム。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統の事故に関するデータを、それぞれに対応する気象データと組み合わせて教師データを作成する教師データ作成部と、前記教師データ作成部が作成した教師データを学習した学習モデルを作成する学習モデル作成部と、電力系統の事故を検知すると、その事故に対応する気象データが入力された前記学習モデルが出力した結果に基づき、事故発生後の残余需要の変動を推定するためのパラメータを切り替えるパラメータ切替部と、切り替えられたパラメータを用いて電力系統を構成する少なくとも1つの電源または負荷に対する電制量を算出する制御情報作成部と、を備えることを特徴とする電力系統安定化システム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電力系統安定化システムであって、
過去の電力系統の事故に関する実績データを保存するデータベースを備え、前記教師データ作成部は、前記データベースに記憶された過去の電力系統の事故に関する実績データを、それぞれに対応する気象データと組み合わせて教師データを作成することを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電力系統安定化システムであって、
前記教師データ作成部は、前記データベースに保存された実績データを複数のグループに分類し、分類された各実績データまたは分類された各実績データを加工処理したデータをそれぞれに対応する気象データと組み合わせて教師データを作成することを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項4】
請求項3に記載の電力系統安定化システムであって、
前記データベースは、過去の電力系統の事故に関する実績データとして、負荷脱落と再エネ脱落との実績である脱落実績データを記憶し、前記教師データ作成部が分類するグループは、負荷脱落のデータのグループ、再エネ脱落のデータのグループ、または、負荷脱落と再エネ脱落とが混在するデータのグループのうち、少なくともいずれか2つを有することを特徴とすることを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電力系統安定化システムであって、
前記教師データ作成部は、前記脱落実績データを計測したセンサの設置位置に基づいて、前記データベースに保存された実績データを複数のグループに分類することを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項6】
請求項3に記載の電力系統安定化システムであって、
前記データベースは、過去の電力系統の事故に関する実績データとして、負荷脱落と再エネ脱落との実績である脱落実績データと、瞬低実績データとを記憶し、前記教師データ作成部は、脱落実績データを、それぞれに対応する瞬低実績データ及び気象データと組み合わせて教師データを作成することを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項7】
請求項6に記載の電力系統安定化システムであって、
前記パラメータ切替部は、事故発生後の残余需要の変動を推定するためのパラメータとして、負荷脱落または再エネ脱落のパラメータのうち少なくともいずれか1つを、前記学習モデルが出力した値に切り替えることを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項8】
請求項1に記載の電力系統安定化システムであって、
前記気象データは、気象情報提供システムから取得した落雷、風雨、日照、気温に関するデータであることを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項9】
請求項2に記載の電力系統安定化システムであって、
前記教師データ作成部は、前記実績データが教師データとして不足する場合、計測センサの設置個所や負荷・電源構成、送電線短絡容量に関する情報が類似した系統における、前記実績データを統合し統計処理することで、教師データを作成する機能を備えることを特徴とする電力系統安定化システム。
【請求項10】
請求項9に記載の電力系統安定化システムであって、
前記教師データ作成部は、前記実績データが教師データとして不足し、かつ前記類似した系統がない場合、シミュレーションにより仮の実績データを作成する機能を備えることを特徴とする電力系統安定化システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力系統安定化システム、電力系統安定化システムの設定装置並びに方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー(以下、再エネ)による発電量は、気象条件によって変動する。近年の再エネ電源の導入量増大に伴い、気象条件による変動に対応した系統安定化システムが求められている。
【0003】
電力系統において、事故発生時のリアルタイムの気象条件を考慮して電制量を算出する例として、例えば特許文献1と特許文献2がある。
【0004】
特許文献1には、「電力系統の潮流変動に関係する潮流変動関係情報と、前記潮流変動のレベルを示す潮流変動情報との関係を構築する構築部と、前記潮流変動関係情報と前記潮流変動情報との関係に基づいて、予測時間帯における潮流変動関係情報に対する所定レベル以上の潮流変動を予測する予測部と、前記予測部で予測された潮流変動に関する情報を通知する通知部とを備える」ことが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、「領域に対する予測システムであって、構成要素予測プロセッサを備え、前記構成要素予測プロセッサは、領域についての気象および構成要素データを含むデータをデータ記憶装置から受信し、パラメータを各々が含む気象事象を構成要素位置とともに特定するよう前記領域に対するデータセットと、テーブル形式に変換される気象変数のセットとを生成し、気象変数の所与のセットを各々が含む、気象ドライバのセットを生成し、前記データセットを用いて、前記領域内の各構成要素について、気象ドライバの各セットごとに機械学習(ML)モデルを構成し、前記領域内の各気象事象について、反復して、各構成要素について、対応する気象ドライバのセットを、最大瞬間風速および落雷電流を含む気象変数とともに特定し、前記気象変数のセットに対する特定された構成要素に対応する前記MLモデルのための出力値を生成し、前記出力値および前記気象事象に対する前記構成要素データとともに前記MLモデルを更新し、リアルタイムの観測データを、期間にわたって、前記領域における切迫した気象(IW)事象の通信ネットワークを介して受信し、そして、各期間について、反復して、各構成要素について、同じ対応する気象ドライバのセットを気象変数とともに特定し、前記構成要素について最後に実行された反復予測出力値および前記IW事象の前記観測データを用いて、前記気象変数のセットに対する特定された構成要素に対応する前記MLモデルを更新し、前記更新されたMLモデルについて、構成要素ステータスを予測する出力値を、前記期間について、故障しているかまたは故障していないとして生成するよう構成される」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-31481号公報
特開2022-115061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電力系統安定化システムは、電力系統に事故が起きた場合、事故発生後の残余需要の変動を推定し、電制対象及び電制量を計算する。ここで、残余需要Pとは、電力系統全体の電力需要Plから再エネ(太陽光や風力)による発電Presを引いた需要を指す。残余需要の変動の推定に用いられるパラメータとして、再エネ脱落特性がある。再エネ電源の一例である太陽光発電は、出力量が気温や日照等に依存して変動するため、再エネ脱落量も気温や日照等に依存して変動する。したがって、事故発生後の残余需要の変動の推定値は気象条件に影響を受ける。
【0008】
従来は、負荷脱落特性や再エネ脱落特性の設定値は、実績データから算出された一定の統計値が用いられていた。しかし、今後、さらに再エネ導入量が増加すると、気象条件が与える負荷脱落特性・再エネ脱落特性と残余需要の変動の推定への影響が大きくなる。それに伴って、電制量の過不足や制御コストの増大への影響も大きくなると懸念される。
【0009】
この点に関して、特許文献1の潮流変動監視装置は、急激な潮流変動の監視または予測を目的とした発明である。また特許文献2の潮流変動監視装置についてみても、構成要素に対する故障の有無の予測を目的としたものであり、上述したような懸念に対処することは想定されていない。
【0010】
そのため、いずれにおいても事故前後におけるデータ収集の難しさ、負荷脱落と再エネ脱落の切り分けの難しさに対してどのように対処するかの情報は提供されていない。また学習モデルが出力する情報も、潮流変動による安定性評価であり、負荷脱落特性・再エネ脱落特性のような事故時の残余需要の変動を算出するためのパラメータではない。
(【0011】以降は省略されています)

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