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公開番号
2025072182
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-09
出願番号
2023182761
出願日
2023-10-24
発明の名称
アルミニウム製シームレス缶の洗浄方法及び洗浄水
出願人
東洋製罐株式会社
,
日本パーカライジング株式会社
代理人
弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類
C23G
1/36 20060101AFI20250430BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】環境負荷が低減されていると共に、排水中のスラッジの生成が有効に抑制され、生産性や経済性を損なうことがないアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法を提供する。
【解決手段】脱脂工程、第1水洗工程、表面処理工程、第2水洗工程を少なくともこの順で備え、第1水洗工程に使用する洗浄水が第2水洗工程の排水であり、脱脂工程において、界面活性剤濃度が3500ppm以下、硫酸イオン濃度が25000ppm以下、鉄イオン濃度が300ppm以上である脱脂剤を用いて脱脂を行い、第1水洗工程において、第1水洗工程の洗浄水が、脱脂工程由来の鉄化合物及び鉄イオンの鉄元素としての質量モル濃度(a)とアルミニウム化合物及びアルミニウムイオンのアルミニウム元素としての質量モル濃度(b)との合計に対し、第1水洗工程に供給される第2水洗工程排水のキレート剤の質量モル濃度(c)を(c)/((a)+(b))=0.1~0.8とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
脱脂工程、第1水洗工程、表面処理工程、第2水洗手段(第2水洗工程)を少なくともこの順で備えており、前記第1水洗工程に使用する洗浄水が前記第2水洗工程の排水であるアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法において、
前記脱脂工程において、界面活性剤濃度が3500ppm以下、硫酸イオン濃度が25000ppm以下、鉄イオン濃度が300ppm以上である脱脂剤を用いて脱脂を行い、
前記第1水洗工程において、第1水洗工程の洗浄水が、脱脂工程由来の鉄化合物及び鉄イオンの鉄元素としての質量モル濃度(a)とアルミニウム化合物及びアルミニウムイオンのアルミニウム元素としての質量モル濃度(b)との合計に対し、第1水洗工程に供給される第2水洗工程排水のキレート剤の質量モル濃度(c)を(c)/((a)+(b))=0.1~0.8となるようにキレート剤を添加して成る洗浄水を用いることを特徴とするアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記キレート剤が、カルボン酸、アミノカルボン酸及びそれらの塩である請求項1記載のアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法。
【請求項3】
前記カルボン酸が、酢酸、クエン酸及びそれら塩の少なくとも1種以上である請求項2記載のアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法。
【請求項4】
前記第2水洗工程の排水がリン酸を含有し、該リン酸イオンを含有する排水に50~300g/Lキレート剤溶液を添加して、前記第1水洗工程の洗浄水とする請求項1又は2記載のアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法。
【請求項5】
アルミニウムシームレス缶の脱脂処理後の第1水洗工程での洗浄に用いられる洗浄水であって、前記洗浄水が、脱脂工程由来の鉄化合物及び鉄イオンの鉄元素としての質量モル濃度(a)とアルミニウム化合物及びアルミニウムイオンのアルミニウム元素としての質量モル濃度(b)との合計に対し、第1水洗工程に供給される第2水洗工程水洗排水のキレート剤の質量モル濃度(c)を(c)/((a)+(b))=0.1~0.8となるようにキレート剤を添加してなることを特徴とする洗浄水。
【請求項6】
脱脂手段、第1水洗手段、表面処理手段、第2水洗手段を少なくともこの順で備えているアルミニウム製シームレス缶の洗浄装置において、
前記脱脂手段が、界面活性剤濃度が3500ppm以下、硫酸イオン濃度が25000ppm以下、鉄イオン濃度が300ppm以上である脱脂剤を用いて脱脂処理を施し、
前記第1水洗手段が、脱脂工程由来の鉄化合物及び鉄イオンの鉄元素としての質量モル濃度(a)とアルミニウム化合物及びアルミニウムイオンのアルミニウム元素としての質量モル濃度(b)との合計に対し、第1水洗工程に供給される第2水洗工程水洗排水のキレート剤の質量モル濃度(c)を(c)/((a)+(b))=0.1~0.8となるようにキレート剤を添加して成る洗浄水を用いて脱脂処理後のアルミニウム製シームレス缶の洗浄を行うことを特徴とするアルミニウム製シームレス缶の洗浄装置。
【請求項7】
前記第1水洗手段における洗浄水が、第2水洗手段から排出された排水に50~300g/Lのキレート剤溶液を添加して成る洗浄水である請求項6記載のアルミニウムシームレス缶の洗浄装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム製シームレス缶の洗浄方法に関するものであり、より詳細には、環境負荷低減が可能であると共に、排水中のスラッジを低減可能な洗浄方法及び洗浄水並びに洗浄装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、両者を合わせて「アルミニウム」ということがある)から成る圧延板、缶及び容器などの成形加工品は広く使用されており、これらの成形加工品には、潤滑剤やアルミニウム粉末(スマット)等が付着していることから、成形後に脱脂洗浄することが必要である。中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金板から成るシームレス缶は、アルミニウム板に絞りしごき加工等の過酷な加工を施すことにより得られることから、一般に潤滑剤やクーラントを用いて成形される。その結果、絞りしごき加工後のシームレス缶(DI缶)にはアルミニウム粉末の他、潤滑剤及びクーラント由来の油汚れが付着している。
このような潤滑剤等が付着したシームレス缶においては、次いで行われる塗装・印刷工程に付される前に、付着した潤滑剤等を除去する必要があり、この脱脂工程、水洗工程における優劣は、次いで行われる表面処理や塗装の品質に大きな影響を及ぼすことになる。
【0003】
アルミニウム製シームレス缶を脱脂するために現在工業的に使用されている脱脂剤としては、硫酸、硫酸鉄及び界面活性剤を含有する硫酸水溶液等が使用されている。これによりアルミニウムの酸化物又は水酸化物を主成分とする酸化物層を形成してアルミニウム表面を化学的に不活性にして、ブラウンスポットと呼ばれる外観不良の発生を防止することができる等、多くの利点を有している(特許文献1)。
【0004】
近年、環境負荷低減の観点から、二酸化炭素排出量及び水使用量を低減することが求められており、アルミニウム製シームレス缶の洗浄においても、脱脂工程で用いられる脱脂剤における薬剤濃度を低減して、次いで行われる水洗工程での洗浄を容易化し、水使用量を低減させることや、或いは脱脂剤中の鉄イオンの含有量を多くすることにより、従来よりも低温での脱脂を可能とする等、種々の対策が講じられている。
【0005】
アルミニウム製シームレス缶の洗浄においては、上述した脱脂工程及び水洗工程(第1水洗工程)の後に、リン酸処理、リン酸ジルコニウム処理或いはジルコニウム処理等の表面処理を行う表面処理工程、及び表面処理工程における表面処理剤を除去する水洗工程(第2水洗工程)を備えており、水道水または工業用水の使用量低減の観点から、第2水洗工程において洗浄水はフィルターを通して循環再利用しながら清浄度合いに応じて一部を排水しており、この排水は第1水洗工程の洗浄水として使用している。この洗浄水には、表面処理工程で用いた薬剤成分であるリン酸が含有されている。その一方、第1水洗工程においてもフィルターを通して循環再利用しながら清浄度合いに応じて一部を排水しており、更に第1水洗工程は脱脂工程を経たアルミニウム製シームレス缶を洗浄する工程であることから、第1水洗工程からの排水には脱脂工程により缶表面に付着したアルミニウムイオンや鉄イオンが含有されている。実際にはそのアルミニウムイオンや鉄イオンの濃度は、脱脂剤の濃度に対しそれぞれ1/200から1/1000程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5007482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したような、環境負荷低減のために脱脂剤の組成を変更することによって、第1水洗工程のタンク循環水を濾過するためのフィルター及び排水を濾過するためのフィルターに目詰まりが生じて、フィルターの清掃及び交換の頻度が高くなり、生産性や経済性が低下するという、新たな問題が生じた。
すなわち、第1水洗工程のタンク循環水及び排水にはアルミニウムイオンや鉄イオンが含有されていると共に、第2水洗工程からの排水にはリン酸が含有されており、また前述したように、鉄イオン含有量が多く且つ硫酸イオン含有量を低減させた脱脂剤を用いると、第1水洗工程からの排水は中性に近い状態となることから、第1水洗工程の排水中のリン酸とアルミニウムイオンや鉄イオンとリン酸とが反応しやすくなる結果、リン酸アルミニウムやリン酸鉄が析出し、この析出物(スラッジ)が第1水洗工程のタンク循環水を濾過するためのフィルター及び排水を濾過するためのフィルターの目詰まりを生じさせる原因であることがわかった。
【0008】
従って本発明の目的は、環境負荷低減が可能であると共に、排水中のスラッジの生成が有効に抑制され、生産性や経済性を損なうことがないアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法及び洗浄水並びに洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、脱脂工程(脱脂手段)、第1水洗工程(第1水洗手段)、表面処理工程(表面処理手段)、第2水洗工程(第2水洗手段)を少なくともこの順で備えており、前記第1水洗工程に使用する洗浄水が前記第2水洗工程の排水であるアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法において、前記脱脂工程において、界面活性剤濃度が3500ppm以下、硫酸イオン濃度が25000ppm以下、鉄イオン濃度が300ppm以上である脱脂剤を用いて脱脂を行い、前記第1水洗工程において、第1水洗工程の洗浄水が、脱脂工程由来の鉄化合物及び鉄イオンの鉄元素としての質量モル濃度(a)とアルミニウム化合物及びアルミニウムイオンのアルミニウム元素としての質量モル濃度(b)との合計に対し、第1水洗工程に供給される第2水洗工程排水のキレート剤の質量モル濃度(c)を(c)/((a)+(b))=0.1~0.8となるようにキレート剤を添加して成る洗浄水を用いることを特徴とするアルミニウム製シームレス缶の洗浄方法が提供される。
【0010】
本発明の上記アルミニウム製シームレス缶の洗浄方法においては、
(1)前記キレート剤が、カルボン酸、アミノカルボン酸、及びそれらの塩であること、
(2)前記カルボン酸及びその塩が、酢酸、クエン酸及びそれらの塩の少なくとも1種以上であること、
(3)前記第1水洗工程に使用する洗浄水に前記第2水洗工程の排水にキレート剤を添加して成る洗浄水を用いること、
(4)前記第2水洗工程の排水がリン酸を含有し、該リン酸を含有する排水に50~300g/Lキレート剤溶液を添加して、前記第1水洗工程に使用する洗浄水とすること、
が好適である。
(【0011】以降は省略されています)
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