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公開番号2025069251
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-30
出願番号2025011979,2023020336
出願日2025-01-28,2020-12-24
発明の名称乳酸菌の発酵促進剤
出願人株式会社明治
代理人個人,個人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20250422BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】乳酸菌の発酵を促進するための手段を提供する。また、発酵乳における乳酸菌のコハク酸の産生を促進するための手段を提供する。
【解決手段】リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸を含んでなる、乳酸菌の発酵促進剤が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸を含んでなる、乳酸菌の発酵促進剤。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
核酸原料と併用するための、請求項1に記載の発酵促進剤。
【請求項3】
前記核酸原料が、ギ酸および2位の炭素原子に水素原子が結合したプリン骨格を有する化合物から選択される少なくとも一つのものである、請求項2に記載の発酵促進剤。
【請求項4】
前記乳酸菌がラクトバチルス属菌を含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の発酵促進剤。
【請求項5】
ラクトバチルス属菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・サリバリウスおよびラクトバチルス・ペントサスからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項4に記載の発酵促進剤。
【請求項6】
乳酸菌と、リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸とを含んでなる、乳酸菌スターター。
【請求項7】
核酸原料をさらに含んでなる、請求項6に記載の乳酸菌スターター。
【請求項8】
リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸の存在下で乳酸菌発酵させることを含んでなる、発酵乳を製造する方法。
【請求項9】
前記有機酸と核酸原料の共存下で乳酸菌発酵させることを含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記発酵乳がコハク酸を含んでなる、請求項8または9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【関連出願の参照】
【0001】
本特許出願は、2019年12月27日に出願された日本国特許出願2019-239455号に基づく優先権の主張を伴うものであり、かかる先の特許出願における全開示内容は、引用することにより本明細書の一部とされる。
続きを表示(約 3,100 文字)【技術分野】
【0002】
本発明は、新規な乳酸菌の発酵促進剤に関する。
【背景技術】
【0003】
微生物による発酵物や代謝物を工業的に生産するにあたり、発酵時間の短縮は、製造コストの削減や衛生管理の上で重要である。乳酸菌の発酵を促進して発酵時間を短縮する技術として、核酸の原料となる物質が、乳酸菌の発酵を促進することが報告されている(特許文献1)。また、特許文献2には、アブラナ科植物種子の有機酸抽出物等を有効成分とする微生物生産性向上剤が記載されている。しかしながら、発酵乳を工業的スケールで効率的に生産する観点からは、乳酸菌の代謝や発酵作用を簡便に促進する新たな技術的手段が依然として必要とされている。
【0004】
一方で、近年の健康志向の高まりに伴い、食品添加物の使用量を低減させて味わいのよい発酵乳を製造することが求められている。特に、コハク酸は、うま味物質でありながら、体重増加抑制作用や耐糖能改善作用、癌増殖抑制作用といった有用な生理機能も有することから、食品添加物としてしばしば使用される。消費者の需要を喚起する観点からは、コハク酸についても食品添加物を使用せず、発酵乳内で産生することが好ましい。
【0005】
近年、コハク酸の産生機構に関し、嫌気的条件ではピルビン酸またはフォスフォエノールピルビン酸から炭酸固定を介してオキザロ酢酸が生成し、TCAサイクルの逆ルートでコハク酸が生産する場合があることが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、乳酸菌がTCAサイクルの逆ルートを利用しうることについては、何ら報告はされていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
星野達雄、Microbiol. Cult. Coll., 2011, 27(2), p. 83-88
【特許文献】
【0007】
特開2017-221157号公報
特開平04-141083号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明は、乳酸菌の発酵を促進するための新たな技術的手段を提供する。また、本発明は、発酵乳における乳酸菌のコハク酸の産生を促進するための新たな技術的手段を提供する。
【0009】
本発明者らは、今般、リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸が乳酸菌の発酵を促進しうることを見出した。さらに、本発明者らは、上記有機酸が発酵乳における乳酸菌のコハク酸の産生を促進しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0010】
本発明によれば、以下の発明が包含される。
[1]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸を含んでなる、乳酸菌の発酵促進剤。
[2]核酸原料と併用するための、[1]に記載の発酵促進剤。
[3]上記核酸原料が、ギ酸および2位の炭素原子に水素原子が結合したプリン骨格を有する化合物からなる群から選択される少なくとも一つのものである、[2]に記載の発酵促進剤。
[4]上記乳酸菌がラクトバチルス属菌を含んでなる、[1]~[3]のいずれか一つに記載の発酵促進剤。
[5]ラクトバチルス属菌が、ラクトバチルス・デルブルッキー、ラクトバチルス・デルブルッキー・サブスピーシーズ・ブルガリクス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・サリバリウスおよびラクトバチルス・ペントサスからなる群から選択される少なくとも一つである、[4]に記載の発酵促進剤。
[6]乳酸菌と、リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸とを含んでなる、乳酸菌スターター。
[7]核酸原料をさらに含んでなる、[6]に記載の乳酸菌スターター。
[8]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸の存在下で乳酸菌発酵させることを含んでなる、発酵乳を製造する方法。
[9]上記有機酸と核酸原料の共存下で乳酸菌発酵させることを含んでなる、[8]に記載の方法。
[10]上記核酸原料が、ギ酸および2位の炭素原子に水素原子が結合したプリン骨格を有する化合物から選択される少なくとも一つのものである、[9]に記載の方法。
[11]上記発酵乳がコハク酸を含んでなる、[8]~[10]のいずれか一つに記載の方法。
[12]上記コハク酸が、上記乳酸菌により産生される内因性の有機酸である、[11]に記載の方法。
[13][8]~[12]のいずれか一つに記載の方法により得られる発酵乳であって、
上記発酵乳が、乳酸菌とコハク酸とを含んでなる、発酵乳。
[14]上記コハク酸が、前記乳酸菌により産生される内因性の有機酸である、[13]に記載の発酵乳。
[15]上記コハク酸の含有量が、発酵乳全量に対して0.15mM以上である、[14]に記載の発酵乳。
[16]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸をさらに含んでなる、[13]~[15]のいずれかに記載の発酵乳。
[17]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸の存在下で乳酸菌発酵させることを含んでなる、乳酸菌の発酵促進方法。
[18]核酸原料をさらに含んでなる、[17]に記載の乳酸菌の発酵促進方法。
[19]上記核酸原料が、ギ酸および2位の炭素原子に水素原子が結合したプリン骨格を有する化合物から選択される少なくとも一つのものである、[18]に記載の乳酸菌の発酵促進方法。
[20]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸の存在下で乳酸菌を培養させることを含んでなる、乳酸菌スターターを製造する方法。
[21]上記有機酸と核酸原料の共存下で乳酸菌を培養させることを含んでなる、[20]に記載の方法。
[22]上記乳酸菌スターターが、乳酸菌と、リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸とを含んでなる、[20]または[21]に記載の方法。
[23]上記乳酸菌スターターがコハク酸をさらに含んでなる、[22]に記載の方法。
[24]上記コハク酸が、前記乳酸菌により産生される内因性の有機酸である、[23]に記載の方法。
[25]コハク酸の含有量が、発酵乳全量に対して0.15mM以上である発酵乳。
[26]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸をさらに含んでなる、[25]に記載の発酵乳。
[27]上記コハク酸が、前記乳酸菌により産生される内因性の有機酸である、[25]または[26]に記載の発酵乳。
[28]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸の存在下で乳酸菌発酵させることを含んでなる、乳酸菌発酵代謝物の産生方法。
[29]乳酸菌発酵代謝物が細胞外多糖(EPS)である、[28]に記載の産生方法。
[30]リンゴ酸およびフマル酸から選択される少なくとも1つの有機酸の存在下で乳酸菌発酵させることを含んでなる、乳酸菌発酵代謝物の産生を促進する方法(以下、「産生促進方法」とも記載する)。
[31]乳酸菌発酵代謝物が細胞外多糖(EPS)である、[30]に記載の方法。
(【0011】以降は省略されています)

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