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公開番号
2025069099
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-30
出願番号
2024180595
出願日
2024-10-16
発明の名称
樹脂組成物及び成形体
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20250422BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】成形体等として使用中は、ポリマーとしての機能を発揮し、意図しない廃棄後に例えば海水に触れることで、ポリマーの分解が開始する樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも1種以上の酵素、少なくとも1種以上の担持体、及び少なくとも1種以上の樹脂を含み、前記酵素を非共有結合により前記担持体に吸着した酵素担持体を含有する樹脂組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも1種以上の酵素、少なくとも1種以上の担持体、及び少なくとも1種以上の樹脂を含み、前記酵素を非共有結合により前記担持体に吸着した酵素担持体を含有する樹脂組成物。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記担持体が1種以上のイオン性官能基を有し、前記酵素をイオン結合により前記担持体に吸着した前記酵素担持体を含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記酵素担持体を樹脂組成物中に0.5重量%以上50重量%以下含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記担持体がカチオン性官能基を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記担持体がアンモニウム基を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記担持体が生分解性を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記酵素の等電点が7.0以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記酵素が加水分解酵素である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記加水分解酵素がエステラーゼである、請求項8に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
前記加水分解酵素がクチナーゼ又はリパーゼである、請求項8に記載の樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及びその成形体に関する。詳しくは、生分解性を有する樹脂組成物及びその成形体に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
現代社会において、プラスチックは、その軽さ、電気絶縁性、成形加工性、耐久性に優れることから、包装用資材、家電製品資材、建築資材などの身の回りの幅広い用途で使用されている。これらの用途に使用されているプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等がある。しかしながら、これらのプラスチックの成形品は、自然環境下で分解され難いため、使用後に埋設しても地中に残存し易い。また、焼却しても有害ガスを発生して焼却炉を傷めることがあり、近年、世界中で、環境汚染防止の観点から、一般家庭で堆肥にすることが可能な製品(ホームコンポスト可能な製品)などが求められている。
【0003】
上述の問題を解決する手段として、コンポスト中で微生物によって二酸化炭素及び水に分解される生分解性を有する材料についての研究がなされてきた。生分解性材料の代表例としては、ポリ乳酸(以下、「PLA」と略記することがある。)などが挙げられる(非特許文献1)。
【0004】
近年、海洋に廃棄されたプラスチックによる海洋汚染が大きな社会問題となっている。そこで、海洋生分解性の高いプラスチックが開発されれば、プラスチックによる海洋汚染問題の解決が期待される。しかしながら、上述の生分解性プラスチックは、主にコンポスト中での生分解に注力しており、分解菌が少ない海水中において分解性の高いプラスチックについては、十分な検討が行われていない。
一方で、プラスチックを使用する際には、通常、劣化し難いことが求められ、耐加水分解性が高いことが好ましいとされている。そこで、実用的には、生分解性と耐加水分解性を兼ね備えたプラスチックの開発が望まれるものの、生分解性と耐加水分解性は、プラスチックの分解という点で相反する性質であるため、この両性質を兼ね備えたプラスチックの開発は困難であると考えられていた。
【0005】
これに対し、非特許文献2では、酵素を多孔性担体に埋め込んだ生分解性プラスチックが提案されており、具体的には、プロテアーゼK(酵素)を多孔性担体中のビーズ(穴)に物理的に固定・補足させ、ポリ(L-乳酸)(以下「PLLA」と記載することがある。)に混練させたフィルムが開示されている。
非特許文献2では、酵素のみでは熱混練時にダメージを受けて、その後分解活性を発揮しない酵素を、電荷を持たないビーズ状アクリルアミド(多孔性担体)に物理的に固定・補足させてPLLA(ポリマー)に練りこむことで、酵素の分解活性を維持する技術が開示されている。該技術では、多孔性担体が緩衝液に触れることで、酵素が働きはじめ、PLLAの分解が開始されることから、使用時にはポリマーとしての機能を果たし、廃棄後に分解されるポリマーとして有用であると考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Polymer Degradation and Stability 98 (2013) 1089-1096
Biomacromolecules 2020, 21, 3301-3307
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記非特許文献2に開示される技術は、フィルム表面に傷ができ、水分に触れることにより、酵素が放出されて、PLLAの分解が開始されると考えられる。
しかしながら、非特許文献2に開示される技術は、ポリマーとしての通常の使用中であっても、多孔性担体が水分に触れると分解が開始してしまうという問題がある。すなわち、例えば、海洋に意図せず廃棄され海水に触れた際にのみ分解が開始されるといった、分解の開始起点の制御が困難であるとの問題がある。
そこで本発明の課題は、成形体等として使用中は、ポリマーとしての機能を発揮し、意図しない廃棄後に例えば海水に触れることで、ポリマーの分解が開始する樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、酵素を担持体に非共有結合によって吸着させた酵素担持体と樹脂を含む樹脂組成物が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
【0009】
[1]少なくとも1種以上の酵素、少なくとも1種以上の担持体、及び少なくとも1種以上の樹脂を含み、前記酵素を非共有結合により前記担持体に吸着した酵素担持体を含有する樹脂組成物。
[2]前記担持体が1種以上のイオン性官能基を有し、前記酵素をイオン結合により前記担持体に吸着した前記酵素担持体を含有する、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記酵素担持体を樹脂組成物中に0.5重量%以上50重量%以下含有する、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記担持体がカチオン性官能基を有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記担持体がアンモニウム基を有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]前記担持体が生分解性を有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]前記酵素の等電点が7.0以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]前記酵素が加水分解酵素である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]前記加水分解酵素がエステラーゼである、上記[8]に記載の樹脂組成物。
[10]前記加水分解酵素がクチナーゼ又はリパーゼである、上記[8]に記載の樹脂組成物。
[11]前記担持体が天然由来材料を構成成分に含む、上記[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[12]前記担持体がセルロース又はキトサンのいずれかを含有する、上記[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[13]前記樹脂が生分解性樹脂である、上記[1]~[12]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[14]前記生分解性樹脂がポリエステル樹脂である、上記[13]に記載の樹脂組成物。
[15]前記ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオール単位を含む、上記[14]に記載の樹脂組成物。
[16]前記ポリエステル樹脂が、脂肪族ジカルボン酸単位を含む、上記[14]又は[15]に記載の樹脂組成物。
[17]上記[1]~[16]のいずれかに記載の樹脂組成物の成形体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、成形体等として使用中は、ポリマーとしての機能を発揮し、廃棄後にイオン性水溶液に触れることで、ポリマーの分解が開始する樹脂組成物及びその成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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