TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025061711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-11
出願番号2025004843,2020083935
出願日2025-01-14,2020-05-12
発明の名称偏光板及び偏光板の製造方法並びにその偏光板を用いた画像表示装置
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250404BHJP(光学)
要約【課題】層間充填構成の画像表示装置に用いられた場合においても、高温環境下での透過率の低下が小さく、耐久性に優れる偏光板およびその製造方法を提供することである。更に本発明の別の目的は、高温環境下での表示特性が改善された耐久性を備えた画像表示装置を提供することである。
【解決手段】ヨウ素を吸着配向させてなるポリビニルアルコール系樹脂偏光素子、前記偏光素子の少なくとも一方の面に形成された尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体から選ばれる少なくとも一種を含有する尿素系化合物含有層、及び透明保護フィルムを有することを特徴とする偏光板。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ヨウ素を吸着配向させてなるポリビニルアルコール系樹脂偏光素子、
前記偏光素子の少なくとも一方の面に形成された
尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体から選ばれる少なくとも一種を含有する尿素系化合物含有層、及び
透明保護フィルム
を有することを特徴とする偏光板。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記尿素系化合物含有層が接着剤層であり、前記透明保護フィルムが該接着剤層を介して貼合されていることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記接着剤層が、更にポリビニルアルコール系樹脂を含有することを特徴とする請求項2に記載の偏光板。
【請求項4】
前記接着剤層に含有される尿素系化合物の合計含有量が、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対し、1重量部以上400重量部以下であることを特徴とする請求項3に記載の偏光板。
【請求項5】
前記尿素系化合物が、尿素誘導体及び/又はチオ尿素誘導体であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項6】
前記接着剤層の厚みが、0.01~7μmであることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項7】
前記尿素系化合物含有層が接着剤層以外の樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
【請求項8】
前記偏光板が、層間充填構成を有する画像表示装置に用いられるものであることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の偏光板。
【請求項9】
偏光素子の少なくとも一方の面に透明保護フィルムが貼合された偏光板を製造する方法であって、
ヨウ素が吸着配向された延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光素子の少なくとも一方の面に、
ポリビニルアルコール系樹脂、及び
尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有する接着剤組成物を用いて接着剤層を形成する工程、
上記接着剤層を形成する工程と同時又は形成後、該接着剤層を介し透明保護フィルムを貼合する工程を含むことを特徴とする偏光板の製造方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の偏光板が画像表示セルの視認側表面に粘着剤層を介して貼り合わされている画像表示パネル、及び
前記画像表示パネルの視認側偏光板面に粘着剤層を介して貼り合わされた透明部材、
を有することを特徴とする画像表示装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板およびその製造方法に関する。さらに、本発明は当該偏光板の一方の面が画像表示セルと貼り合せられ、他方の面がタッチパネルや前面板等の透明部材と貼り合せられた画像表示装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)は、液晶テレビだけでなく、パソコン、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途などで広く用いられている。通常、液晶表示装置は、液晶セルの両側に粘着剤で偏光板を貼合した液晶パネル部材を有し、バックライト部材からの光を液晶パネル部材で制御することにより表示が行われている。
また、有機EL表示装置も近年、液晶表示装置と同様に、テレビ、携帯電話等のモバイル、カーナビ等の車載用途で広く用いられて来ている。
有機EL表示装置では、外光が金属電極(陰極)で反射され鏡面のように視認されることを抑止するために、画像表示パネルの視認側表面に円偏光板(偏光素子とλ/4板を含む積層体、以下では単に偏光板ということがある。)が配置される場合がある。
【0003】
偏光板は上記のように、液晶表示装置や有機EL表示装置の部材として、車に搭載される機会が増えて来ている。車載用の画像表示装置に用いられる偏光板は、それ以外のテレビや携帯電話等のモバイル用途に比較して、高温環境下に曝されることが多く、より高温での特性変化が小さいこと(高温耐久性)が求められる。
一方、外表面から衝撃による画像表示パネルの破損防止等を目的として、画像表示パネルの偏光板よりもさらに視認側に、透明樹脂板やガラス板等の前面板(「ウインドウ層」等とも称される。)を設ける構成が増えて来ている。また、タッチパネルを備える表示装置では、画像表示パネルの偏光板よりもさらに視認側にタッチパネルが設けられ、タッチパネルよりもさらに視認側に前面板を備える構成が広く採用されている。
【0004】
このような構成において、画像表示パネルと前面板やタッチパネル等の透明部材との間に空気層が存在すると、空気層界面での光の反射による外光の映り込みが生じ、画面の視認性が低下する傾向がある。そのため、画像表示パネルの視認側表面に配置される偏光板と前透明部材との間の空間を、これらの材料と屈折率が近い材料で充填する構成(以下「層間充填構成」と称する場合がある)を採用する動きが広まっている。層間充填材としては、界面での反射による視認性の低下を抑止すると共に、各部材間を接着固定する目的で、粘着剤やUV硬化型接着剤が用いられる(例えば特許文献1参照)。
【0005】
上記の層間充填構成は、屋外で使用されることが多い携帯電話等のモバイル用途での採用が広がっている。また、近年の視認性に対する要求の高まりから、カーナビゲーション装置等の車載用途においても、画像表示パネル表面に前面板を配置し、パネルと前面板との間を粘着剤層等で層間充填された構成の採用が検討されている。
しかし、このような構成を採用する場合、加熱耐久試験(95℃で200時間等)の結果、偏光板面内中央部に、透過率の著しい低下が見られること、その一方、偏光板単独では95℃で1000時間でも著しい透過率の低下は見られないことが報告されており、これらの結果から、高温環境における偏光板の透過率の著しい低下は、偏光板の一方の面が画像表示セルと貼り合せられ、他方の面がタッチパネルや前面板等の透明部材と貼り合せられている層間充填構成を採用する画像表示装置が高温環境に暴露された場合に特有の問題であることも報告されている(特許文献2)。
【0006】
そして、上記特許文献2には層間充填構成で透過率が著しく低下した偏光板は、ラマン
分光測定で1100cm
-1
付近(=C-C=結合に由来)および1500cm
-1
付近(-C=C-結合に由来)にピークを有していることから、ポリエン構造(-C=C)

-を形成していると考え、偏光素子を構成するポリビニルアルコールが脱水によりポリエン化されて生じたものであると推定している(特許文献2、段落[0012])。
また、本発明者らは、層間充填構成で高温耐久試験を行ったサンプルのラマン分光測定を行い、透過率の低下に応じて、1100cm
-1
付近および1500cm
-1
付近のピーク面積の和が増加していることを観察している。
【0007】
特許文献2ではその問題の解決策として、偏光板の単位面積当たりの水分量を規定量以下とし、なおかつ偏光素子に隣接する透明保護フィルムの飽和吸水量を規定量以下とすることにより透過率の低下を抑制する方法を提案している。
しかし、本発明者等の追試の結果、上記解決策の低下抑制効果は必ずしも十分なものではなく、さらに、パネル作製時に偏光板の水分を減少させるために、偏光板や偏光板を貼合したパネルの加熱が必要となり、パネルの生産性を低下させる問題が新たに生じることが分かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平11-174417号公報
特開2014-102353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のような状況に鑑みて、本発明の課題、すなわち本発明が解決しようとする課題は、層間充填構成の画像表示装置に用いられた場合においても、高温環境下での透過率の低下が小さく、耐久性に優れる偏光板およびその製造方法を提供することである。更に本発明の別の目的は、高温環境下での表示特性が改善された耐久性を備えた画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は鋭意検討の結果、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素を吸着配向させてなる偏光素子の少なくとも一方の面に接着剤層を介して透明保護フィルムが設けられる構成に於いて、接着剤層に尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体から選ばれる少なくとも一種(以降、尿素、尿素誘導体、チオ尿素及びチオ尿素誘導体を単に「尿素系化合物」とも称する。)を含有させることで、偏光板の一方の面が画像表示セルと貼り合せられ、他方の面がタッチパネルや前面板等の透明部材と貼り合せられている層間充填構成において、高温環境下での透過率の低下を抑止できることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

住友化学株式会社
エチレン系重合体
9日前
住友化学株式会社
細胞外小胞分離用粉体
11日前
住友化学株式会社
細胞外小胞分離用粉体
10日前
住友化学株式会社
積層体および表示装置
4日前
住友化学株式会社
樹脂組成物およびシートモールディングコンパウンド
3日前
住友化学株式会社
窒化物結晶基板
2日前
住友化学株式会社
塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
6日前
住友化学株式会社
カルコゲニド含有化合物、固体電解質、正極材、誘電体、及び電池
3日前
住友化学株式会社
酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びに塩
4日前
住友化学株式会社
酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びに塩
3日前
住友化学株式会社
酸発生剤、塩、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
10日前
住友化学株式会社
着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、表示装置、及び固体撮像素子
6日前
住友化学株式会社
酸発生剤、塩、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
10日前
住友化学株式会社
酸発生剤、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びに塩
4日前
住友化学株式会社
酸発生剤、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びに塩
3日前
住友化学株式会社
酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びに塩及び樹脂
16日前
住友化学株式会社
酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びに塩及び樹脂
16日前
住友化学株式会社
カルボン酸塩、カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
6日前
住友化学株式会社
リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極、および、リチウム二次電池
11日前
住友化学株式会社
カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びにカルボン酸塩
4日前
住友化学株式会社
カルボン酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びにカルボン酸塩
3日前
住友化学株式会社
レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びにスルホン酸塩及びスルホン酸発生剤
6日前
住友化学株式会社
カルボン酸発生剤、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びにカルボン酸塩
3日前
住友化学株式会社
カルボン酸発生剤、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法並びにカルボン酸塩
4日前
住友化学株式会社
レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
3日前
住友化学株式会社
樹脂組成物およびシートモールディングコンパウンド、ならび樹脂組成物に使用されるアルミナ粒子
3日前
住友化学株式会社
樹脂組成物およびシートモールディングコンパウンド、ならび樹脂組成物に使用されるアルミナ粒子
3日前
住友化学株式会社
樹脂組成物およびシートモールディングコンパウンド、ならび樹脂組成物に使用されるアルミナ粒子
3日前
住友化学株式会社
偏光板及び偏光板の製造方法並びにその偏光板を用いた画像表示装置
2日前
住友化学株式会社
リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池用正極、リチウム二次電池、およびリチウム二次電池用正極活物質の製造方法
11日前
株式会社コシナ
撮像レンズ
4日前
ビアメカニクス株式会社
光反射装置
3日前
株式会社ニデック
眼鏡レンズ加工用治具
5日前
キヤノン株式会社
光学機器
5日前
個人
内面計測装置用ヘッド、及び内面計測装置
3日前
住友化学株式会社
積層体および表示装置
4日前
続きを見る