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公開番号
2025030888
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023136568
出願日
2023-08-24
発明の名称
メタネーションのための触媒およびメタンを製造する方法
出願人
国立大学法人大阪大学
,
岩谷産業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B01J
23/835 20060101AFI20250228BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】500℃以下の温度、常圧条件下で、かつ、低水素濃度であってもメタネーションを進行させることができる触媒、および、メタンを製造する方法を提供すること。
【解決手段】本開示にかかるメタネーションのための触媒は、第1粒子と、第2粒子と、第3粒子と、を含む。前記第1粒子は、ニッケル、コバルト、ルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む金属からなる。前記第2粒子は、ZrSn
1-x
Ce
x
O
4
の組成式で表され、0≦x≦0.5を満たす複合金属酸化物からなる。前記第3粒子は、セラミックス材料からなる。前記第1粒子および前記第2粒子は、前記第3粒子に担持されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1粒子と、第2粒子と、第3粒子と、を含み、
前記第1粒子は、ニッケル、コバルト、ルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む金属からなり、
前記第2粒子は、ZrSn
1-x
Ce
x
O
4
の組成式で表され、0≦x≦0.5を満たす複合金属酸化物からなり、
前記第3粒子は、セラミックス材料からなり、
前記第1粒子および前記第2粒子は前記第3粒子に担持されている、メタネーションのための触媒。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
前記第1粒子の少なくとも一部は前記第2粒子に接触し、
前記第1粒子の含有割合は、前記触媒の質量に対して3質量%以上40質量%以下である、
請求項1に記載のメタネーションのための触媒。
【請求項3】
前記第2粒子の含有割合は、前記第2粒子および前記第3粒子の合計質量に対して5質量%以上60質量%以下である、
請求項1または請求項2に記載のメタネーションのための触媒。
【請求項4】
前記セラミックス材料は、アルミナ、シリカ、コージェライトおよびムライトからなる群から選択された1種以上である、
請求項1または請求項2に記載のメタネーションのための触媒。
【請求項5】
二酸化炭素および水素を含む原料ガスを準備する工程と、
請求項1または請求項2に記載のメタネーションのための触媒に、前記原料ガスを接触させて、二酸化炭素および水素からメタンを生成する工程と、を含む、
メタンを製造する方法。
【請求項6】
前記原料ガスにおける水素濃度が、前記原料ガスの体積を基準として1体積%以上8体積%以下である、
請求項5に記載のメタンを製造する方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタネーションのための触媒およびメタンを製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素(CO
2
)と水素(H
2
)とを原料としてメタンを生成する反応が、メタネーション反応(単にメタネーションということもある。)として知られている。メタネーション反応は次の反応式で表される。
CO
2
+4H
2
→CH
4
+2H
2
O
メタネーションのために用いる触媒が検討されている。例えば特許文献1は、担体と触媒成分とを含むメタネーションのための触媒を開示している。特許文献1に開示された触媒において、担体は、セリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム等の元素からなる群から選択された1種類以上を含み、触媒成分は前記担体に担持されたニッケルを含む。
【0003】
特許文献2は、メタネーションのために用いる触媒として、担体及び担体に担持された触媒金属を開示している。特許文献2に開示された触媒の担体は、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属酸化物を含有する。触媒金属は、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-155227号公報
特開2020-33280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メタネーション反応は発熱反応であるが、約500℃付近からは逆水性ガスシフト反応によって一酸化炭素が生成する。このため、反応効率および安全性を考慮すると、500℃以下、かつ常圧でメタネーションを実施できることが好ましい。また、原料である水素ガスは可燃性であり、空気中での爆発範囲を有する(水素の爆発濃度範囲は、空気中では4.0~75%)。安全性の観点から、爆発限界以下の水素濃度においてメタネーション反応を実施できることが好ましい。そこで本開示は、500℃以下の温度、常圧条件下で、かつ、低水素濃度であってもメタネーションを進行させることができる触媒、および、メタンを製造する方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかるメタネーションのための触媒は、第1粒子と、第2粒子と、第3粒子と、を含む。前記第1粒子は、ニッケル、コバルト、ルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む金属からなる。前記第2粒子は、ZrSn
1-x
Ce
x
O
4
の組成式で表され、0≦x≦0.5を満たす複合金属酸化物からなる。前記第3粒子は、セラミックス材料からなる。前記第1粒子および前記第2粒子は、前記第3粒子に担持されている。
【発明の効果】
【0007】
上記触媒によれば、500℃以下の温度、常圧条件下で、かつ、低水素濃度であってもメタネーションを進行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施例1および比較例1の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とCO
2
転化率との関係を示すグラフである。
実施例1および比較例1の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とメタン収率との関係を示すグラフである。
実施例2~実施例6の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とCO
2
転化率との関係を示すグラフである。
実施例2~実施例6の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とメタン収率との関係を示すグラフである。
実施例7~実施例11の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とCO
2
転化率との関係を示すグラフである。
実施例7~実施例11の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とメタン収率との関係を示すグラフである。
実施例12~実施例17の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とCO
2
転化率との関係を示すグラフである。
実施例12~実施例17の触媒を用いたメタネーションにおける、反応温度とメタン収率との関係を示すグラフである。
本開示にかかる触媒を用いてメタンを製造する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態の概要]
始めに、本開示にかかる触媒および製造方法を列挙して説明する。
本開示にかかるメタネーションのための触媒は、第1粒子と、第2粒子と、第3粒子と、を含む。前記第1粒子は、ニッケル、コバルト、ルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む金属からなる。前記第2粒子は、ZrSn
1-x
Ce
x
O
4
の組成式で表され、0≦x≦0.5を満たす複合金属酸化物からなる。前記第3粒子は、セラミックス材料からなる。前記第1粒子および前記第2粒子は、前記第3粒子に担持されている。
【0010】
メタネーションは、水素によって二酸化炭素をメタンに変換する反応である。メタネーションによれば、二酸化炭素を削減し、生成したメタンを燃料ガスとして再利用することができる。カーボンニュートラルを実現する技術としてメタネーションへの期待が高まっており、メタネーションのための触媒やその使用方法が検討されている。特許文献1では、特定の組成を有する触媒を用いてメタネーションを実施する方法を開示している。特許文献1の実施例では、原料ガスとして、水素80モル%と二酸化炭素20モル%とからなる原料ガス、また、水素8モル%と二酸化炭素2モル%と窒素90モル%とからなる原料ガスが用いられたことが記載されている。
(【0011】以降は省略されています)
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