TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025028352
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-28
出願番号2024225133,2020030335
出願日2024-12-20,2020-02-26
発明の名称レンズユニットおよびカメラモジュール
出願人マクセル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 7/02 20210101AFI20250220BHJP(光学)
要約【課題】最も物体側に位置されるレンズとこれに隣接するレンズとの間のレンズ間空間内を接着媒体により気密に保持してレンズ間空間内への水蒸気の侵入を抑制できるとともに、接着媒体に伴うレンズの割れ現象も防止できるレンズユニットおよびカメラモジュールを提供する。
【解決手段】本発明のレンズユニット11において、第1および第2のレンズ13,14は、光軸方向で互いに対向してレンズの径方向に延びる円環状の対向面13a,14aを有し、これらの対向面13a,14a同士が対向する対向領域Rの径方向外側端縁Pよりも径方向外側で、第1のレンズ13と第2のレンズ14との間のレンズ間空間S1内が外部に対して密閉されるように接着媒体40が第1のレンズ13および/または第2のレンズ14の外表面に塗布されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、該レンズ群を収容保持するための内側収容空間を有する筒状の鏡筒とを有するレンズユニットにおいて、
前記レンズ群は、最も物体側に位置される第1のレンズと、この第1のレンズとその像側で隣接する光学要素とを有し、
前記第1のレンズと前記鏡筒との間には、前記鏡筒の内側のレンズ群を外部に対してシールするシール部材が介挿され、
前記第1のレンズおよび前記光学要素は、光軸方向で互いに対向してレンズの径方向に延びる円環状の対向面を有し、これらの対向面同士が対向する対向領域の径方向外側端縁よりも径方向外側で、前記第1のレンズと前記光学要素との間の空間内が外部に対して密閉されるように、接着媒体が、前記シール部材が介挿される前記第1のレンズと前記鏡筒との間の通路に面する前記第1のレンズおよび/または前記光学要素の外表面に塗布されることを特徴とするレンズユニット。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記光学要素は、第1のレンズとその像側で隣接する第2のレンズであることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記接着媒体は、前記第1のレンズの外表面と前記第2のレンズの外表面とにわたって塗布されることを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記接着媒体は、前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの外表面と前記鏡筒の内面とを接着することを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記接着媒体は、前記第2のレンズの外表面と前記鏡筒の内面とを接着することを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項6】
前記対向領域の円環の厚みの50%以上の範囲に前記接着媒体が塗布されないことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のレンズユニット。
【請求項7】
前記対向領域の径方向内側で前記接着媒体が塗布されないことを特徴とする請求項6に記載のレンズユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のレンズユニットを備えるとともに、前記レンズユニットにより形成される像を受光する位置に撮像素子が配置されることを特徴とするカメラモジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成し得るレンズユニットおよびカメラモジュールに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラ等のカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒(バレル)と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特に車載カメラ用のレンズユニットでは、少なくとも一部が車外に設置される場合、防水および防塵のため、図8に示されるように、鏡筒102の内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、レンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ100と鏡筒102との間にOリング104が介挿され、鏡筒102の内側のレンズ群L内に水や塵埃が侵入しないようにしている。この場合、例えば、第1のレンズ100の外周側面100aに、該レンズ100の像側部分で径が小さくなった段差状の縮径部100bが設けられ、この縮径部100bにOリング104が装着されて、第1のレンズ100の外周側面100aと鏡筒102の内周面102aとの間でOリング104が径方向で圧縮されることにより、鏡筒102の物体側端部が封止された状態となっている。
【0004】
さらに、鏡筒102は、その内側収容空間S内にレンズ群Lが組み込まれて収容保持された状態で、その物体側の端部(図8において上端部)のカシメ部123が径方向内側にカシメられることにより、第1のレンズ100をこのカシメ部123で鏡筒102の物体側端部に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-231993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述したようにOリング104によって防水対策を行なっても、湿気(水蒸気)は様々な経路を通じてレンズユニット内に侵入し得る。そのため、外気温とレンズユニット内の温度との間の差が大きくなると、レンズユニット内の水蒸気が凝縮してレンズ表面に結露が生じる。特に、外部との温度差の影響が最も大きい第1のレンズ100とこれに隣接する第2のレンズ101との間のレンズ間空間S1内で、とりわけ第1のレンズ100の裏面100cに結露が生じ易い。
【0007】
外気温とレンズユニット内の温度との間の差が大きくなる要因としては、外気が冷たい冬期にレンズユニット内の温度が上昇すること、例えばレンズユニットを通じて集光される光を受光して電気信号に変換するための常時通電されたイメージセンサ(撮像素子)から伝わる熱によりレンズユニット内の温度が上昇すること、あるいは、前記イメージセンサや周囲環境(例えば車両のエンジン)からの熱によりレンズユニット内の温度が高い状態で第1のレンズ100の表面100dが外気や雨等に晒されたりするなどして第1のレンズ100が冷却されることなどが挙げられる。
【0008】
また、レンズユニット内への水蒸気の侵入を許容する経路としては、例えば、鏡筒102のカシメ部123と第1のレンズ100との間の隙間からOリング104の周囲の一部並びに第1のレンズ100と鏡筒102および/または第2のレンズ101との間の隙間を通じてレンズ間空間S1等へと至る経路、あるいは、鏡筒102を形成する透湿性の樹脂を介しての経路などを挙げることができる。さらに、レンズユニットの像側に配置されたイメージセンサ(撮像素子)は動作時に100度前後に上昇するが、その際イメージセンサが搭載された基板に含まれる水分が水蒸気化してレンズ間空間S1に到達する経路もある。
【0009】
いずれにしても、このような経路を通じて水蒸気がレンズユニット内に侵入し、前述したような要因により外気とレンズユニット内との間で温度差が生じると、レンズ間空間S1内で、とりわけ第1のレンズ100の裏面100cに結露が起こり、撮像画像がぼやけて、所望の解像度が得られなくなる(視認性が悪化する)。したがって、レンズユニットの気密性を更に一層確保して、レンズ間空間S1内への水蒸気の侵入を抑制することが求められる。
【0010】
そのため、例えば、第1のレンズ100および第2のレンズ101の対向面100e,101a同士を接着媒体により接着してレンズ間空間S1内を気密に保持することも考えられる。しかしながら、そのような場合、接着媒体の硬度によっては、所定の状況下でレンズに割れが生じる虞がある。特に、第1のレンズ100がガラス製で且つ第2のレンズ101が樹脂製である場合など線膨張係数が異なるレンズの組み合わせにおいて、接着媒体が例えばエポキシ系の接着剤などの水を透過し難い硬質な接着剤(例えば、硬度がショア硬度でD80前後)である場合には、接着剤の高硬度に起因してレンズ100,101間を強固に接着できるものの、レンズ100,101同士の線膨張係数差に伴う温度変化時のレンズの膨張収縮量の違いに起因するレンズ100,101同士の径方向の相対変位によって接着剤がガラス製の第1のレンズ100から剥がれ、それに伴って第1のレンズ100に作用する応力により第1のレンズ100の表面に割れが生じる場合がある。特に、このような割れ現象は、レンズの形状やレンズ同士の接合形態にも起因して応力集中が生じ易いレンズ100,101同士の対向領域の径方向内側で起こり易い。また、このような問題は、第1のレンズ100と第2のレンズ101との間に中間スペーサが介在している場合において、ガラス製の第1のレンズ100と樹脂製の中間スペーサとの間においても生じ得る。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

マクセル株式会社
抗菌剤
3日前
マクセル株式会社
電気化学式酸素センサ
3日前
マクセル株式会社
空中浮遊映像表示装置
3日前
マクセル株式会社
電磁波反射体、およびこれを用いた電磁波吸収シート
3日前
マクセル株式会社
受信装置
6日前
マクセル株式会社
撮像装置
10日前
マクセル株式会社
受信装置
10日前
マクセル株式会社
受信装置
10日前
マクセル株式会社
受信装置
10日前
マクセル株式会社
表示制御方法
3日前
マクセル株式会社
コンテンツの保護方法
6日前
マクセル株式会社
半導体装置用基板および半導体装置
3日前
マクセル株式会社
レンズユニットおよびカメラモジュール
10日前
マクセル株式会社
携帯情報端末及びオブジェクト表示方法
10日前
マクセル株式会社
アライメントマーク、アライメントマークの形成方法、及びアライメントマークを備えるメタルマスク
3日前
個人
ライトグリップ
17日前
株式会社ハセガワ
眼鏡
7日前
恵和株式会社
光学素子
17日前
住友化学株式会社
光学積層体
24日前
住友化学株式会社
光学積層体
24日前
個人
ヘッドホン装着眼鏡
3日前
矢崎総業株式会社
光トランシーバ
21日前
沖電気工業株式会社
光導波路素子
3日前
新光技研株式会社
光マイクロスイッチ
4日前
キヤノン株式会社
画像表示装置
17日前
キヤノン株式会社
画像表示装置
24日前
クアーズテック合同会社
蛍光体プレート
17日前
株式会社メガネトップ
眼鏡フレーム及び丁番構造
3日前
株式会社小糸製作所
画像投影装置
24日前
日東電工株式会社
光学積層体
24日前
シャープ株式会社
光走査装置及び画像形成装置
4日前
エクシオグループ株式会社
コネクタ作業用治具
10日前
キヤノン株式会社
光学系および撮像装置
3日前
デクセリアルズ株式会社
拡散板
24日前
スタンレー電気株式会社
光偏向器
3日前
国立大学法人 名古屋工業大学
疑似モスアイ構造とその作製方法
24日前
続きを見る