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公開番号2025019462
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2023123085
出願日2023-07-28
発明の名称組成比特定方法及びそれを用いた電気分解条件の調整方法
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 31/00 20060101AFI20250131BHJP(測定;試験)
要約【課題】放出される空気に含まれる次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比を特定する技術を提供する。
【解決手段】組成比特定方法は、水酸化ナトリウム水溶液に次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを含む空気(対象空気)を流通させて、次亜塩素酸イオン及び塩化物イオンを含む第1水溶液とする第1工程と、塩素濃度計測器によって第1水溶液に含まれる次亜塩素酸イオンの濃度を特定する第2工程と、チオ硫酸ナトリウム水溶液によって第1水溶液に含まれる次亜塩素酸イオンを還元して塩化物イオンとし、塩化物イオンを含む第2水溶液とする第3工程と、イオンクロマトグラフ分析装置によって第2水溶液に含まれる塩化物イオンの濃度を特定する第4工程と、特定した次亜塩素酸イオンの濃度と、特定した塩化物イオンの濃度とに関する情報に基づいて、水酸化ナトリウム水溶液に流通させた空気に含まれる次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比を特定する第5工程と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを溶解可能なアルカリ性水溶液に次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを含む空気を流通させて、前記アルカリ性水溶液を、次亜塩素酸イオン及び塩化物イオンを含む第1水溶液とする第1工程と、
第1分析手段によって前記第1水溶液に含まれる次亜塩素酸イオンの濃度を特定する第2工程と、
還元剤を含む水溶液によって前記第1水溶液に含まれる前記次亜塩素酸イオンを還元して塩化物イオンとし、前記第1水溶液を、塩化物イオンを含む第2水溶液とする第3工程と、
第2分析手段によって前記第2水溶液に含まれる塩化物イオンの濃度を特定する第4工程と、
前記第2工程において特定した次亜塩素酸イオンの濃度と、前記第4工程において特定した塩化物イオンの濃度とに関する情報に基づいて、前記アルカリ性水溶液に流通させた前記空気に含まれる前記次亜塩素酸ガス及び前記塩素ガスの組成比を特定する第5工程と、
を備える、組成比特定方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1分析手段は、塩素濃度計測器であり、
前記第2分析手段は、イオンクロマトグラフ分析装置である、
請求項1に記載の組成比特定方法。
【請求項3】
前記還元剤を含む水溶液は、前記第2工程において特定した次亜塩素酸イオンの濃度に関する情報に基づいて、所定の還元剤濃度となるように調整されている、
請求項1に記載の組成比特定方法。
【請求項4】
前記還元剤を含む水溶液は、チオ硫酸ナトリウム水溶液である、
請求項3に記載の組成比特定方法。
【請求項5】
前記アルカリ性水溶液は、前記空気を流通させる前に予め所定濃度の塩化物イオンを含んだ状態の水溶液である、
請求項1に記載の組成比特定方法。
【請求項6】
前記アルカリ性水溶液は、水酸化ナトリウム水溶液である、
請求項5に記載の組成比特定方法。
【請求項7】
次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを含む前記空気は、溶質が析出した飽和水溶液状態の塩化ナトリウム水溶液または塩化カリウム水溶液の電気分解を行って生成した次亜塩素酸水溶液と気液接触した空気である、
請求項1に記載の組成比特定方法。
【請求項8】
筐体の内部に塩化ナトリウム水溶液または塩化カリウム水溶液を貯留する貯留部と、
前記貯留部内に設けられ、前記塩化ナトリウム水溶液または前記塩化カリウム水溶液を電気分解して次亜塩素酸水溶液を生成する電解部と、
前記筐体の外部から空気を吸い込み、前記貯留部内に導入する空気導入部と、
前記貯留部内の前記次亜塩素酸水溶液の上方空間の空気を前記筐体の外部に放出する空気放出部と、
を備える空間浄化装置における電気分解条件の調整方法であって、
次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを含む前記空気として、前記空気放出部から空気を放出する放出工程と、
請求項1または7に記載の組成比特定方法によって特定された次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比に関する情報を取得する取得工程と、
前記空気放出部から放出される空気に含まれる塩素ガスの割合が基準値を超えている場合に、前記組成比に関する情報に基づいて、前記空気放出部から放出される空気に含まれる塩素ガスの割合が減少するように、前記電解部における電気分解の設定条件を調整する調整工程と、
を備える、電気分解条件の調整方法。
【請求項9】
前記放出工程、前記取得工程、及び前記調整工程は、空間浄化装置の初期設置時またはメンテナンス時に実行される、
請求項8に記載の電気分解条件の調整方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組成比特定方法及びそれを用いた電気分解条件の調整方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の次亜塩素酸水供給装置において、浄化システムと連動することで次亜塩素酸を供給し、屋内に供給する空気を浄化成分(次亜塩素酸などの活性酸素種)が含まれた気液接触部材部に接触させて放出することで空間を除菌する空気調和システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、従来の次亜塩素酸水供給装置においては、電解槽内の水道水に塩化ナトリウム等の電解質を加えて電気分解を行うことで、次亜塩素酸水を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-133521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の次亜塩素酸水供給装置では、塩化ナトリウム水溶液のpHが酸性側に偏った状態で電気分解したり、塩化ナトリウム水溶液のpHがアルカリ性側に偏った状態であっても高濃度の塩化ナトリウム水溶液を電気分解したりすると、屋内に供給する空気に次亜塩素酸ガスだけでなく塩素ガスが含まれるようになり、空気調和システムの浄化運転において次亜塩素酸ガスの発生効率が低下してしまうことが懸念される。このため、近年では、空気調和システムから放出される空気に含まれる次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比(割合)を精度よく特定して、次亜塩素酸水供給装置における電気分解の設定条件を効率よく調整できるようにすることが求められている。
【0005】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、空気調和システムから放出される空気に含まれる次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比を特定する技術、及びそれを用いた電気分解条件の調整を行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、この目的を達成するために、本発明に係る組成比特定方法は、次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを溶解可能なアルカリ性水溶液に次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを含む空気を流通させて、アルカリ性水溶液を、次亜塩素酸イオン及び塩化物イオンを含む第1水溶液とする第1工程と、第1分析手段によって第1水溶液に含まれる次亜塩素酸イオンの濃度を特定する第2工程と、還元剤を含む水溶液によって第1水溶液に含まれる次亜塩素酸イオンを還元して塩化物イオンとし、第1水溶液を、塩化物イオンを含む第2水溶液とする第3工程と、第2分析手段によって第2水溶液に含まれる塩化物イオンの濃度を特定する第4工程と、第2工程において特定した次亜塩素酸イオンの濃度と、第4工程において特定した塩化物イオンの濃度とに関する情報に基づいて、アルカリ性水溶液に流通させた空気に含まれる次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比を特定する第5工程と、を備える。
【0007】
また、本発明に係る電気分解条件の調整方法は、筐体の内部に塩化ナトリウム水溶液または塩化カリウム水溶液を貯留する貯留部と、貯留部内に設けられ、塩化ナトリウム水溶液または塩化カリウム水溶液を電気分解して次亜塩素酸水溶液を生成する電解部と、筐体の外部から空気を吸い込み、貯留部内に導入する空気導入部と、貯留部内の次亜塩素酸水
溶液の上方空間の空気を筐体の外部に放出する空気放出部と、を備える空間浄化装置における電気分解条件の調整方法であって、次亜塩素酸ガス及び塩素ガスを含む空気として、空気放出部から空気を放出する放出工程と、上述した組成比特定方法によって特定された次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比に関する情報を取得する取得工程と、空気放出部から放出される空気に含まれる塩素ガスが基準値を超えている場合に、組成比に関する情報に基づいて、空気放出部から放出される空気に含まれる塩素ガスの割合が減少するように、電解部における電気分解の設定条件を調整する調整工程と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空気調和システムから放出される空気に含まれる次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの組成比を特定することができるとともに、それを用いて電気分解条件の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の実施の形態1に係る組成比特定方法を示すフローチャート図である。
図2は、各工程で起こる各化学反応式を示す図である。
図3は、対象空気に含まれる次亜塩素酸ガス及び塩素ガスの状態変化を示す図である。
図4は、対象空気を放出する第1例に係る空間浄化装置の構成を示す側方断面図である。
図5は、図4の空間浄化装置を示す上面図である。
図6は、組成比特定方法を用いた電気分解条件の調整方法を示すフローチャート図である。
図7は、対象空気を放出する第2例に係る空間浄化機器の構成を示す概略構成図である。
図8は、図7の空間浄化機器に搭載される空間浄化装置の構成を示す透過斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(【0011】以降は省略されています)

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