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公開番号2025008019
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023109847
出願日2023-07-04
発明の名称異常型タンパク質の検出方法及び神経変性疾患の検査方法
出願人国立大学法人東海国立大学機構,岐阜市
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G01N 33/68 20060101AFI20250109BHJP(測定;試験)
要約【課題】試料中の異常型タンパク質をより高感度に検出する技術を提供すること。
【解決手段】(A)試料、基質である自己凝集性タンパク質、及び界面活性剤を含有し、且つ前記界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度以上である溶液を攪拌すること、及び(B)工程(A)後に異常型タンパク質の凝集体を検出すること、を含む、試料中の異常型タンパク質の検出方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)試料、基質である自己凝集性タンパク質、及び界面活性剤を含有し、且つ前記界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度以上である溶液を攪拌すること、及び
(B)工程(A)後に異常型タンパク質の凝集体を検出すること、
を含む、試料中の異常型タンパク質の検出方法。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記界面活性剤がノニオン界面活性剤である、請求項1に記載の検出方法。
【請求項3】
前記ノニオン界面活性剤がポリエチレングリコール鎖及び炭化水素鎖を含むノニオン界面活性剤である、請求項2に記載の検出方法。
【請求項4】
前記溶液中の前記界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度の3倍以上である、請求項1に記載の検出方法。
【請求項5】
前記溶液中の前記界面活性剤の濃度が0.01質量%以上である、請求項1に記載の検出方法。
【請求項6】
前記溶液が尿素を含有する、請求項1に記載の検出方法。
【請求項7】
前記自己凝集性タンパク質がTDP-43及び/又はアミロイドβである、請求項1に記載の検出方法。
【請求項8】
前記溶液の攪拌時間が2時間以上である、請求項1に記載の検出方法。
【請求項9】
前記溶液が異常型タンパク質の凝集体に結合する色素を含有する、請求項1に記載の検出方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の検出方法により試料中の異常型タンパク質を検出することを含み、且つ前記試料が被検体由来の試料である、神経変性疾患の検査方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、異常型タンパク質の検出方法、神経変性疾患の検査方法等に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
RT-QUIC法は神経変性疾患の一つであるプリオン病の診断法として2011年に開発された手法であり、プリオン病患者の脳や髄液に蓄積する異常型プリオンを高感度検出(数fg)で検出できる技術である(非特許文献1)。この技術を用いて、異常型αシヌクイン、異常型タウの高感度検出の成功例もある(非特許文献2、3)。一方で、アルツハイマー病やALSでそれぞれ蓄積する異常型アミロイドβや異常型TDP-43に関しては、RT-QUIC法による検出の報告はあるものの、感度が低い(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Atarashi, Ryuichiro, et al. "Ultrasensitive human prion detection in cerebrospinal fluid by real-time quaking-induced conversion." Nature medicine 17.2 (2011): 175-178
Groveman, Bradley R., et al. "Rapid and ultra-sensitive quantitation of disease-associated α-synuclein seeds in brain and cerebrospinal fluid by αSyn RT-QuIC." Acta neuropathologica communications 6.1 (2018): 1-10.
Saijo, E., et al. (2020). "4-Repeat tau seeds and templating subtypes as brain and CSF biomarkers of frontotemporal lobar degeneration." Acta Neuropathol 139(1): 63-77.Dong TT, Satoh K. The Latest Research on RT-QuIC Assays-A Literature Review. Pathogens. 2021 Mar 5;10(3):305
Scialo, C., et al. (2020). "TDP-43 real-time quaking induced conversion reaction optimization and detection of seeding activity in CSF of amyotrophic lateral sclerosis and frontotemporal dementia patients." Brain Commun 2(2): fcaa142.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RT-QUICは、異常型タンパク質が正常型タンパク質を基質として凝集体を形成する現象(プリオン現象)を試験管内で再現することで、異常型タンパク質を数百万倍に増幅して高感度検出することを原理とする。しかし、アミロイドβや異常型TDP-43のように基質となる正常型タンパク質の自己凝集性が高いと、異常型タンパク質の非存在下でも凝集が進行してしまう。すなわち、異常型タンパク質を含まない陰性対照サンプルも陽性となってしまうため、異常型タンパク質の検出感度が低くなり、偽陽性率が高くなってしまう。
【0005】
本発明は、試料中の異常型タンパク質をより高感度に検出する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、(A)試料、基質である自己凝集性タンパク質、及び界面活性剤を含有し、且つ前記界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度以上である溶液を攪拌すること、及び(B)工程(A)後に異常型タンパク質の凝集体を検出すること、を含む、試料中の異常型タンパク質の検出方法、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0007】
項1. (A)試料、基質である自己凝集性タンパク質、及び界面活性剤を含有し、且つ前記界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度以上である溶液を攪拌すること、及び
(B)工程(A)後に異常型タンパク質の凝集体を検出すること、
を含む、試料中の異常型タンパク質の検出方法。
【0008】
項2. 前記界面活性剤がノニオン界面活性剤である、項1に記載の検出方法。
【0009】
項3. 前記ノニオン界面活性剤がポリエチレングリコール鎖及び炭化水素鎖を含むノニオン界面活性剤である、項2に記載の検出方法。
【0010】
項4. 前記溶液中の前記界面活性剤の濃度が臨界ミセル濃度の3倍以上である、項1~3のいずれかに記載の検出方法。
(【0011】以降は省略されています)

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