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公開番号2025126774
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024023186
出願日2024-02-19
発明の名称蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス、蓄電デバイスの電極の製造方法、および、蓄電デバイスの製造方法
出願人国立大学法人東海国立大学機構,NU-Rei株式会社
代理人個人
主分類H01M 4/134 20100101AFI20250822BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高い充放電性能を実現でき、かつ、構成が簡素で製造が容易な蓄電デバイス用の電極、および、その電極を備える蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】電極は、第1電極と第2電極とを備え、充電時に、前記第2電極においてイオン化した金属原子が前記第1電極において析出する、充放電可能な蓄電デバイスに用いられ、前記第1電極を構成し、二次元X線検出器によるデバイリングの二次元回折像が、点、または、線分が配列された不連続な円弧状の像として得られ、前記蓄電デバイスの充電時に前記金属原子が表面に析出する金属基板を備える。
【選択図】図5


特許請求の範囲【請求項1】
第1電極と第2電極とを備え、充電時に、前記第2電極においてイオン化した金属原子が前記第1電極において析出する、充放電可能な蓄電デバイス用の電極であって、
前記第1電極の集電体を構成し、二次元X線検出器によるデバイリングの二次元回折像が、点、または、線分が配列された不連続な円弧状の像として得られ、前記蓄電デバイスの充電時に前記金属原子が表面に析出する金属基板を備える、電極。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1記載の電極であって、
前記金属基板の酸素原子の含有量は1原子%未満である、電極。
【請求項3】
請求項1記載の電極であって、
前記金属基板は、平均粒径が50μmより大きく、20mm以下の金属粒子が密に集まっている構成を有する、電極。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電極であって、
前記金属基板は、銅、または、銅合金によって構成されている、電極。
【請求項5】
蓄電デバイスであって、
電解液で満たされた容器と、
電気絶縁性とイオン伝導性とを有し、前記容器の内部空間を第1電極室と第2電極室とに区画するセパレータと、
集電体を構成する金属基板を有し、前記第1電極室に収容されている第1電極と、
前記第2電極室に収容され、イオン化して前記第1電極に移動する金属原子を含む第2電極と、
を備え、
前記金属基板は、二次元X線検出器によるデバイリングの二次元回折像が、点、または、線分が配列された不連続な円弧状の像として得られ、前記第1電極室において表面が前記電解液に直接的に接触するように配置され、充電時に前記金属原子が前記表面に析出する、蓄電デバイス。
【請求項6】
請求項5記載の蓄電デバイスであって、
前記金属基板の酸素原子の含有量は1原子%未満である、蓄電デバイス。
【請求項7】
請求項5記載の蓄電デバイスであって、
前記金属基板は、平均粒径が10μmより大きく、30mm以下の金属粒子が密に集まっている構成を有する、蓄電デバイス。
【請求項8】
請求項5記載の蓄電デバイスであって、
比容量が、8mAh/cm

以上である、蓄電デバイス。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の蓄電デバイスであって、
前記金属基板は、銅、または、銅合金によって構成されている、蓄電デバイス。
【請求項10】
第1電極と第2電極とを備え、充電時に、前記第2電極においてイオン化した金属原子が前記第1電極において析出する、充放電可能な蓄電デバイス用の電極の製造方法であって、
前記第1電極の集電体を構成する金属基板の基材を準備する工程と、
前記金属基板の基材に対して、雰囲気ガス下で400℃以上の温度で所定の時間、加熱する熱処理を施す工程と、
を備える、製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス、蓄電デバイスの電極の製造方法、および、蓄電デバイスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
充放電可能な蓄電デバイスの一態様としては、例えば、二次電池が知られている。通常、二次電池の電極には、集電体の表面に、二次電池の電池反応に関与する物質によって構成された活物質層が形成される。例えば、下記の特許文献1,2に開示されているリチウムイオン二次電池では、正極にリチウム(Li)を含む活物質層が設けられ、負極に炭素(C)によって構成された活物質層が設けられている。
【0003】
これまで、蓄電デバイスの技術分野では、電極の活物質層が充電容量等の充放電性能に大きな影響を与えることが一般的な技術的知見とされ、蓄電デバイスの充放電性能を向上させるために、様々な活物質層の研究が重ねられてきた。例えば、特許文献1では、リチウムイオン二次電池の負極の活物質層を、グラファイト粉を焼成して作製している。また、特許文献2では、リチウムイオン二次電池の負極の活物質層を、カーボンナノウォールの微小黒鉛を焼成して作製することにより、グラファイトを活物質層に用いた場合よりも、充放電性能が向上することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第2668678号公報
特開2010-9980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、活物質層にグラファイト粉を用いる特許文献1のリチウムイオン二次電池では、蓄電デバイスに求められる充放電性能を十分に達成できているとは言えない。また、特許文献2のリチウムイオン二次電池では、カーボンナノウォールを作製した後、さらに、それを微小黒鉛化して焼成する必要があり、その製造コストに見合うだけの充放電性能の向上が得られているとは言い難い。このように、リチウムイオン二次電池においては、その充放電性能を向上させながら、より簡素で、容易に製造できる構成として、製造コストを低減し、量産化を容易にする、という課題について、依然として、十分な工夫がなされてはいなかった。
【0006】
上述したような課題は、リチウムイオン二次電池に限らず、リチウムイオン二次電池以外の種々の二次電池や、その他の蓄電デバイスに共通する。本願は、高い充放電性能を実現でき、かつ、構成が簡素で製造が容易な蓄電デバイス用電極、および、その電極を備える蓄電デバイスを製造可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の発明者は、蓄電デバイス用電極の研究を重ねるうちに、活物質層を用いなくとも高い充放電性能を実現できるという、従来の蓄電デバイスの技術常識を覆すような発見に至った。本願発明の発明者は、この発見により、従来よりも簡素な構成で、かつ、製造が容易で、高い充放電性能を実現できる蓄電デバイス用電極の開発に成功した。本願発明は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
本願発明の一形態は、蓄電デバイス用の電極として提供される。この形態の電極が適用される蓄電デバイスは、充放電が可能であり、第1電極と第2電極とを備え、充電時に、前記第2電極においてイオン化した金属原子が前記第1電極において析出する。この形態の電極は、前記第1電極の集電体を構成し、二次元X線検出器によるデバイリングの二次元回折像が、点、または、線分が配列された不連続な円弧状の像として得られ、前記蓄電デバイスの充電時に前記金属原子が表面に析出する金属基板を備える。
【0009】
本願発明の発明者は、蓄電デバイスの研究を重ねるうちに、雰囲気ガス下で熱処理された金属基板を蓄電デバイスの電極として用いれば、当該電極に活物質層を設けなくとも、蓄電デバイスにおいて高い充放電性能を実現できることを見出した。この形態の電極を構成する金属基板は、二次元X線検出器によって得られるデバイリングの二次元回折像が点、または、線分が配列された不連続な円弧状の像として得られており、金属基板が熱処理された履歴を示している。よって、この形態の電極を用いれば、第1電極に活物質層を設けなくとも、高い充放電性能を有する蓄電デバイスを得ることができる。
【0010】
本願発明は、蓄電デバイス用の電極や、それを用いた蓄電デバイス、電極の製造方法、蓄電デバイスの製造方法以外の種々の形態で実現することが可能である。本願発明は、例えば、蓄電デバイス用電極の製造装置、蓄電デバイスの製造装置、蓄電デバイスを備える発電装置や発電システム、蓄電デバイスを備えるその他の装置やシステム等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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