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公開番号2025007398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108765
出願日2023-06-30
発明の名称有機電気化学デバイス及び有機電気化学デバイスの製造方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 27/414 20060101AFI20250109BHJP(測定;試験)
要約【課題】従来よりも簡便な方法で製造可能な有機電気化学デバイス及び有機電気化学デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】導電性ポリマー及びグリコサミノグリカンを含むチャネルと、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを備え、前記グリコサミノグリカンがN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸、イズロン酸及びガラクトースからなる群から選択される少なくとも1種の糖との2糖の繰返し構造からなるグリコサミノグリカンであり、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記チャネルと接触して電気的に接続しており、前記ゲート電極及び前記チャネルと接触する電解質が存在すれば前記ゲート電極は前記チャネルと前記電解質を介して電気的に接続可能であり、前記電解質は電解質溶液及びイオン液体からなる群から選択される少なくとも1種である、有機電気化学デバイス。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
導電性ポリマー及びグリコサミノグリカンを含むチャネルと、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを備え、
前記グリコサミノグリカンがN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸、イズロン酸及びガラクトースからなる群から選択される少なくとも1種の糖との2糖の繰返し構造からなるグリコサミノグリカンであり、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記チャネルと接触して電気的に接続しており、
前記ゲート電極及び前記チャネルと接触する電解質が存在すれば前記ゲート電極は前記チャネルと前記電解質を介して電気的に接続可能であり、前記電解質は電解質溶液及びイオン液体からなる群から選択される少なくとも1種である、
有機電気化学デバイス。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記導電性ポリマーがPEDOT:PSSである、請求項1に記載の有機電気化学デバイス。
【請求項3】
前記グリコサミノグリカンがヒアルロン酸である、請求項1に記載の有機電気化学デバイス。
【請求項4】
前記電解質が体液である、請求項1に記載の有機電気化学デバイス。
【請求項5】
前記体液が血液である、請求項4に記載の有機電気化学デバイス。
【請求項6】
グルコースセンサである、請求項1~5のいずれか1項に記載の有機電気化学デバイス。
【請求項7】
前記ゲート電極が前記チャネルと前記電解質溶液を介して電気的に接続されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の有機電気化学デバイス。
【請求項8】
有機電気化学トランジスタである、請求項7に記載の有機電気化学デバイス。
【請求項9】
導電性ポリマー及びグリコサミノグリカンを含むチャネル形成用組成物を調製し、
前記チャネル形成用組成物をソース電極及びドレイン電極が配置された絶縁体基板上に、前記チャネル形成用組成物が前記ソース電極及びドレイン電極と接触するように塗布してチャネルを形成し、
前記チャネルと電解質を介して電気的に接続可能であるようにゲート電極を配置する、
有機電気化学デバイスの製造方法であって、
前記グリコサミノグリカンがN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸、イズロン酸及びガラクトースからなる群から選択される少なくとも1種の糖との2糖の繰返し構造からなるグリコサミノグリカンである、
有機電気化学デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記ゲート電極が前記絶縁体基板上に配置されている、請求項9に記載の有機電気化学デバイスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電気化学デバイス及び有機電気化学デバイスの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
有機電気化学センサ等において、糖類の検知にグルコース脱水素酵素及びグルコースオキシダーゼ等グルコース測定用酵素が用いられている。しかし、酵素の製造、保存安定性や酵素の価格が問題となっている。
【0003】
近年、酵素を用いない有機電気化学トランジスタ(Organic electrochemical transistor,略称:OECT)を用いた非酵素型グルコースOECTセンサが注目されている。非酵素型グルコースOECTセンサにおいては煩瑣なデバイス作製過程が課題となっている(非特許文献1)。既往の研究ではグルコースを感知する官能部位であるフェニルボロン酸(Phenylboronic Acid,略称:PBA)を電解重合などの重合反応によって活性層内に埋め込むプロセスが一般的である(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Wustoni, S.、外4名、“Enzyme-Free detection of Glucose with a Hybrid Conductive Gel Electrode”、Advanced Materials Interfaces、2019年、第6巻、1800928
Tseng, A. C.、外1名、“Direct Electrochemical Signaling in Organic Electrochemical Transistors Comprising High-Conductivity Double-Network Hydrogels”、ACS Applied Materials & Interfaces、2022年、第14巻、p.24729-24740
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、既報の非酵素型グルコースOECTセンサは、一般的なデバイス作製に用いられるスピンコート法やデジタル印刷技術への適合が難しい。
【0006】
本発明は、従来よりも簡便な方法で製造可能な有機電気化学デバイス及び有機電気化学デバイスの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、グルコース検知部位として従来のPBAではなく、グルコースと類似の化学構造を有する多糖類を用い、これを単に活性材料に混合することで機能性膜を作製することを知得し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
【0008】
[1] 導電性ポリマー及びグリコサミノグリカンを含むチャネルと、ソース電極と、ドレイン電極と、ゲート電極とを備え、
前記グリコサミノグリカンがN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸、イズロン酸及びガラクトースからなる群から選択される少なくとも1種の糖との2糖の繰返し構造からなるグリコサミノグリカンであり、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記チャネルと接触して電気的に接続しており、
前記ゲート電極及び前記チャネルと接触する電解質が存在すれば前記ゲート電極は前記チャネルと前記電解質を介して電気的に接続可能であり、前記電解質は電解質溶液及びイオン液体からなる群から選択される少なくとも1種である、
有機電気化学デバイス。
[2] 前記導電性ポリマーがPEDOT:PSSである、[1]に記載の有機電気化学デバイス。
[3] 前記グリコサミノグリカンがヒアルロン酸である、[1]又は[2]に記載の有機電気化学デバイス。
[4] 前記電解質が体液である、[1]~[3]のいずれかに記載の有機電気化学デバイス。
[5] 前記体液が血液である、[4]に記載の有機電気化学デバイス。
[6] グルコースセンサである、[1]~[5]のいずれかに記載の有機電気化学デバイス。
[7] 前記ゲート電極が前記チャネルと前記電解質溶液を介して電気的に接続されている、[1]~[3]のいずれかに記載の有機電気化学デバイス。
[8] 有機電気化学トランジスタである、[7]に記載の有機電気化学デバイス。
[9] 導電性ポリマー及びグリコサミノグリカンを含むチャネル形成用組成物を調製し、
前記チャネル形成用組成物をソース電極及びドレイン電極が配置された絶縁体基板上に、前記チャネル形成用組成物が前記ソース電極及びドレイン電極と接触するように塗布してチャネルを形成し、
前記チャネルと電解質を介して電気的に接続可能であるようにゲート電極を配置する、
有機電気化学デバイスの製造方法であって、
前記グリコサミノグリカンがN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸、イズロン酸及びガラクトースからなる群から選択される少なくとも1種の糖との2糖の繰返し構造からなるグリコサミノグリカンである、
有機電気化学デバイスの製造方法。
[10] 前記ゲート電極が前記絶縁体基板上に配置されている、[9]に記載の有機電気化学デバイスの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来よりも簡便な方法で製造可能な有機電気化学デバイス及び有機電気化学デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の有機電気化学デバイスの一実施形態を示す図である。
本発明の有機電気化学デバイスの他の実施形態を示す図である。
図3は、成膜方法を説明する概要図である。
図4は、最大トランスコンダクタンス値の箱ひげ図である。
図5は、グルコース応答性評価の結果を示すプロットである。
図6は、グルコース応答性実験の結果を示す片対数プロットである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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