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公開番号2025007008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108120
出願日2023-06-30
発明の名称(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社,国立大学法人九州大学
代理人個人,個人,個人
主分類C07C 67/03 20060101AFI20250109BHJP(有機化学)
要約【課題】原料エステルを大過剰としなくても、高収率で(メタ)アクリル酸エステルを製造できる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法の提供。
【解決手段】亜鉛触媒の存在下に、下記一般式(1)で表される化合物とアルコールとをエステル交換反応させて(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、前記エステル交換反応により副生するアルコールを吸着剤に吸着させて除去しながら、目的の(メタ)アクリル酸エステルを製造する、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
CH2=CR1-COOR2 ・・・(1)
(一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2はメチル基又はエチル基である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
亜鉛触媒の存在下に、下記一般式(1)で表される化合物とアルコールとをエステル交換反応させて(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
前記エステル交換反応により副生するアルコールを吸着剤に吸着させて除去しながら、目的の(メタ)アクリル酸エステルを製造する、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
CH

=CR

-COOR

・・・(1)
(一般式(1)中、R

は水素原子又はメチル基であり、R

はメチル基又はエチル基である。)
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記吸着剤が合成ゼオライトである、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【請求項3】
前記エステル交換反応をヘキサンの存在下で行う、請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【請求項4】
前記エステル交換反応を重合禁止剤の存在下で行う、請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【請求項5】
前記重合禁止剤が2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、請求項4に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【請求項6】
前記2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルの使用量が、前記アルコール1モルに対して0.05~0.5モルである、請求項5に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル酸エステルは、炭素-炭素二重結合を有する(メタ)アクリル酸部分と、(メタ)アクリル酸エステルに機能を付与するアルコール部分とからなり、幅広い用途で使用されている。(メタ)アクリル酸部分は、熱、光、過酸化物等で重合してポリマー主鎖を構築する。これに対して機能性を有するアルコールを用いることで、重合後のポリマーに耐水性、可撓性、耐熱性、耐候性、低収縮性、高屈折率、水溶性、硬化性、密着性、低表面張力、撥水撥油性等の性能や、高硬度の特徴を持たせることができる。そのため、(メタ)アクリル酸部分とアルコール部分とを結合させる、すなわち(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法は非常に重要である。
【0003】
(メタ)アクリル酸エステルの製造方法として、有機金属化合物等の触媒の存在下に、アクリル酸メチルと、目的の(メタ)アクリル酸エステルに対応するアルコール(以下、「原料アルコール」ともいう。)とをエステル交換反応させ、副生するメタノールを除去する方法が知られている(例えば非特許文献1参照)。
エステル交換反応は平衡反応であり、副生するアルコール(以下、「副生アルコール」ともいう。)を反応系外に留去することで反応を生成系に偏らせ、収率を高めることができる。そのため、副生アルコールの沸点に応じてエステル交換反応の温度を設定し、副生アルコールを気化させて除去しつつエステル交換反応を行う。例えば、メタノールが副生する場合、80℃程度の温度でエステル交換反応を行うことができる。エステル交換反応の温度が低いほど、目的の(メタ)アクリル酸エステルの色調は良好となる傾向にある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Xue Zhao,外4名、 “Chemical Science”、2023年、第14巻、p.566-572
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エステル交換反応では、反応を生成系に偏らせるために、副生アルコールを留去することに加えて、原料として用いるアクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル(以下、「原料エステル」ともいう。)を必要量よりも多く、大過剰に用いるため、生産効率は必ずしも高くない。
また、原料エステルとしてアクリル酸メチルを用いる場合、副生するメタノールとアクリル酸メチルの沸点が近く、また、互いの相溶性も非常に高い。そのため、アクリル酸メチルを大過剰に用いるとメタノールが分離しにくく、メタノールを十分に除去できなくなり、その結果、エステル交換反応が生成系に偏りにくくなり、必ずしも十分な収率が得られない。
さらに、原料エステルを大過剰に用いると、未反応の原料エステルも多く残ってしまうため、未反応の原料エステルの除去に手間がかかる。
【0006】
本発明は、原料エステルを大過剰としなくても、高収率で(メタ)アクリル酸エステルを製造できる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] 亜鉛触媒の存在下に、下記一般式(1)で表される化合物とアルコールとをエステル交換反応させて(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、
前記エステル交換反応により副生するアルコールを吸着剤に吸着させて除去しながら、目的の(メタ)アクリル酸エステルを製造する、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
CH

=CR

-COOR

・・・(1)
(一般式(1)中、R

は水素原子又はメチル基であり、R

はメチル基又はエチル基である。)
[2] 前記吸着剤が合成ゼオライトである、前記[1]の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
[3] 前記エステル交換反応をヘキサンの存在下で行う、前記[1]又は[2]の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
[4] 前記エステル交換反応を重合禁止剤の存在下で行う、前記[1]~[3]のいずれかの(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
[5] 前記重合禁止剤が2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルである、前記[4]の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
[6] 前記2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルの使用量が、前記アルコール1モルに対して0.05~0.5モルである、前記[5]の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原料エステルを大過剰としなくても、高収率で(メタ)アクリル酸エステルを製造できる(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
(メタ)アクリル酸エステルの製造装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明は後述する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
また、本発明において、「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。例えばA~BはA以上B以下と同義である。
また、以下の説明で用いる図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なる場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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