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公開番号2025005635
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105888
出願日2023-06-28
発明の名称データ処理装置、プログラム及びデータ処理方法
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人扶桑国際特許事務所
主分類G06N 99/00 20190101AFI20250109BHJP(計算;計数)
要約【課題】複数ビット遷移を効率よく評価する。
【解決手段】等価スピン保持回路23は組合せ最適化問題の評価関数に含まれる異値または同値の2以上の2値変数からなる複数の変数群のそれぞれの、2以上の2値変数のうちの1つの値である代表値を保持する。等価結合係数メモリ21は複数の変数群の間の相互作用の大きさを表す複数の第1結合係数を記憶する。ΔE算出回路26は複数の変数群のそれぞれの代表値の変化に伴う評価関数の値の第1変化量の特定に用いられる第1局所場を用いて第1変化量を算出する。遷移等価スピン選択回路29は第1変化量に基づき複数の変数群の何れかの代表値の変化を受け入れ、等価スピン更新回路22は変化が受け入れられた第1変数群の代表値を更新する。等価局所場更新回路24は複数の第1結合係数のうち、第1変数群の第1識別番号に基づいて読み出された第2結合係数を用いて第1局所場を更新する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
組合せ最適化問題の評価関数に含まれる異値または同値の2以上の2値変数からなる複数の変数群のそれぞれの、前記2以上の2値変数のうちの1つの値である代表値を保持する第1保持回路と、
前記複数の変数群の間の相互作用の大きさを表す複数の第1結合係数を記憶する第1メモリと、
前記複数の変数群のそれぞれの前記代表値の変化に伴う、前記評価関数の値の第1変化量の特定に用いられる第1局所場を保持する第2保持回路と、
前記第1局所場を用いて、前記第1変化量を、前記複数の変数群のそれぞれに対して算出する変化量算出回路と、
前記複数の変数群のそれぞれに対して算出された前記第1変化量に基づいて、前記複数の変数群の何れかの前記代表値の変化を受け入れる選択回路と、
前記複数の変数群のうち、前記代表値の変化が受け入れられた第1変数群の前記代表値を更新する第1更新回路と、
前記第1メモリに記憶されている前記複数の第1結合係数のうち、前記第1変数群の第1識別番号に基づいて読み出された第2結合係数を用いて、前記第1局所場を更新する第2更新回路と、
を有するデータ処理装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記第1保持回路、前記第1メモリ、前記第2保持回路、前記変化量算出回路、前記選択回路、前記第1更新回路、前記第2更新回路と、を含む第1回路部と、
前記複数の変数群を含む、前記評価関数の複数の2値変数のそれぞれの値の変化に伴う、前記評価関数の値の第2変化量に基づいて、前記複数の2値変数の何れか1つの値の変化を受け入れる第2回路部と、
前記第1回路部による処理と、前記第2回路部による処理とを切り替える制御回路と、
を有する請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記第1識別番号に基づいて、前記第1変数群に含まれる前記2以上の2値変数を特定する2以上の第2識別番号を出力するデコーダ回路を、さらに有し、
前記第2回路部は、前記2以上の第2識別番号に対応する前記2以上の2値変数の値を更新する、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記複数の変数群の前記代表値の変化を許容するか否かを示すイネーブル信号を生成するイネーブル判定回路をさらに有し、
前記イネーブル判定回路は、前記第2回路部が前記複数の2値変数のうち、第1の2値変数の値の変化を受け入れた場合、前記複数の変数群のうち、前記第1の2値変数を含む第2変数群に関する前記イネーブル信号の値を反転させる、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記第2回路部は、
前記評価関数の、前記複数の2値変数のそれぞれの値を保持する第3保持回路と、
前記複数の2値変数のそれぞれの間の相互作用の大きさを表す複数の第3結合係数を記憶する第2メモリと、
前記第2変化量の特定に用いられる第2局所場を保持する第4保持回路と、
を有し、
前記データ処理装置は、前記第2回路部の処理により得られた、前記複数の2値変数の値と、前記複数の第3結合係数及び前記第2局所場を用いて、前記第1局所場の初期値を算出する初期値算出回路を、さらに有する、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記第2回路部は、
前記評価関数の、前記複数の2値変数のそれぞれの値を保持する第3保持回路と、
前記複数の2値変数のそれぞれの間の相互作用の大きさを表す複数の第3結合係数を記憶する第2メモリと、
前記第2変化量の特定に用いられる第2局所場を保持する第4保持回路と、
を有し、
前記第1回路部は、
前記複数の第3結合係数のうち、前記複数の変数群に含まれる2値変数が関係する複数の第4結合係数を記憶する第3メモリをさらに有し、
前記第2更新回路は、前記第2回路部が前記複数の2値変数のうちの第1の2値変数の値の変化を受け入れたとき、前記第1の2値変数の値の変化量と、前記第1の2値変数が関係する前記複数の第4結合係数の何れかを用いて、前記第1局所場を更新する、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記第1回路部と前記第2回路部の一部が共通化されている、請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
組合せ最適化問題の評価関数に含まれる異値または同値の2以上の2値変数からなる複数の変数群のそれぞれの、前記2以上の2値変数のうちの1つの値である代表値を保持し、
前記複数の変数群の間の相互作用の大きさを表す複数の第1結合係数をメモリに記憶し、
前記複数の変数群のそれぞれの前記代表値の変化に伴う、前記評価関数の値の第1変化量の特定に用いられる第1局所場を保持し、
前記第1局所場を用いて、前記第1変化量を、前記複数の変数群のそれぞれに対して算出し、
前記複数の変数群のそれぞれに対して算出された前記第1変化量に基づいて、前記複数の変数群の何れかの前記代表値の変化を受け入れ、
前記複数の変数群のうち、前記代表値の変化が受け入れられた第1変数群の前記代表値を更新し、
前記メモリに記憶されている前記複数の第1結合係数のうち、前記第1変数群の第1識別番号に基づいて読み出された第2結合係数を用いて、前記第1局所場を更新する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータが、
組合せ最適化問題の評価関数に含まれる異値または同値の2以上の2値変数からなる複数の変数群のそれぞれの、前記2以上の2値変数のうちの1つの値である代表値を保持し、
前記複数の変数群の間の相互作用の大きさを表す複数の第1結合係数をメモリに記憶し、
前記複数の変数群のそれぞれの前記代表値の変化に伴う、前記評価関数の値の第1変化量の特定に用いられる第1局所場を保持し、
前記第1局所場を用いて、前記第1変化量を、前記複数の変数群のそれぞれに対して算出し、
前記複数の変数群のそれぞれに対して算出された前記第1変化量に基づいて、前記複数の変数群の何れかの前記代表値の変化を受け入れ、
前記複数の変数群のうち、前記代表値の変化が受け入れられた第1変数群の前記代表値を更新し、
前記メモリに記憶されている前記複数の第1結合係数のうち、前記第1変数群の第1識別番号に基づいて読み出された第2結合係数を用いて、前記第1局所場を更新する、
データ処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、プログラム及びデータ処理方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ノイマン型コンピュータが不得意とする大規模な離散最適化問題を計算する装置として、イジング型の評価関数を用いたイジングマシンがある。イジングマシンを用いる場合、組合せ最適化問題が磁性体のスピンの振る舞いを表すイジングモデルに変換される。イジングマシンは、疑似焼き鈍し法やレプリカ交換法(パラレルテンパリング法などとも呼ばれる)などのマルコフ連鎖モンテカルロ法により、イジング型の評価関数の値が極小になるイジングモデルの状態を探索する。以下、マルコフ連鎖モンテカルロ法を、MCMC(Markov-Chain Monte Carlo)法と略す。評価関数の極小値のうちの最小値になる状態が最適解となる。イジングモデルの状態は、複数の2値変数の値の組合せにより表現できる。各2値変数の値として、0または1を用いることができる。このため、2値変数はビットと表記されてもよい。
【0003】
イジング型の評価関数は、たとえば、以下の式(1)で定義される。
【0004】
TIFF
2025005635000002.tif
16
163
【0005】
右辺の1項目は、イジングモデルの全2値変数の全組合せについて、漏れと重複なく、2つの2値変数の値(0または1)と重み値(結合係数とも呼ばれる)との積を積算したものである。x

は、識別番号がiの2値変数、x

は、識別番号がjの2値変数であり、W
ij
は、識別番号がiとjの2値変数間の相互作用の大きさを表す結合係数である。右辺の2項目は、各識別番号についてのバイアス係数と2値変数との積の総和を求めたものである。b

は、識別番号=iについてのバイアス係数を示している。
【0006】
また、x

の値の変化に伴う評価関数の値の変化量(ΔE

)は、以下の式(2)で表される。
【0007】
TIFF
2025005635000003.tif
23
163
【0008】
式(2)において、x

が1から0に変化するとき、Δx

は-1となり、x

が0から1に変化するとき、Δx

は1となる。なお、h

は局所場と呼ばれ、ΔE

を特定する変数である。Δx

に応じてh

に符号(+1または-1)を乗じたものがΔE

となる。
【0009】
イジングマシンは、たとえば、ΔE

が、乱数と温度パラメータの値に基づいて得られるノイズ値より小さい場合、x

の値を反転させ局所場を更新する、という処理を繰り返すことで解の探索を行う。なお、評価関数の符号を変えれば、評価関数の値が極大になる状態を探索することもできる。
【0010】
ΔE

の算出やx

の値を反転させるか否かの判定などの処理は、複数並列に行うことができるため、複数の2値変数に対する並列試行が可能である。
従来、MCMC法による処理の1試行あたりに2値変数の値の変化(以下、遷移ということもある)を許容する数を1とする処理(以下単一ビット遷移処理という)がある。しかし、単一ビット遷移処理では、解が局所解に嵌まった場合に、その局所解から脱出することが難しくなり、探索速度が低下する場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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