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公開番号
2025000860
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-07
出願番号
2024171460,2020062907
出願日
2024-09-30,2020-03-31
発明の名称
多能性幹細胞から外胚葉系細胞を分化誘導する方法及び製造方法
出願人
東ソー株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/10 20060101AFI20241224BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】多能性幹細胞から外胚葉細胞への分化誘導効率に優れ、培養操作性に優れる外胚葉細胞への分化誘導方法及び製造方法を提供する。
【解決手段】(1)細胞接着性及び細胞増殖性を有する領域と有しない領域を有する細胞培養基材上に、マトリゲル、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン及びコラーゲンからなる群より選択される単一又は複数の物質の被覆、及び多能性幹細胞1の播種を行う工程。(2)播種された多能性幹細胞を未分化性維持培地の存在下、フィーダーフリーで接着培養し、細胞培養基材上に接着した多能性幹細胞凝集体2を形成する工程。(3)形成された多能性幹細胞凝集体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、胚葉体3を形成する工程。(4)形成された胚葉体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、外胚葉系細胞凝集体4を形成する工程。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
多能性幹細胞から外胚葉系細胞を分化誘導する方法であり、以下の(1)~(4)工程を含むことを特徴とする、分化誘導方法。
(1)下記(A)及び(B)の2つの領域を有する細胞培養基材上に、マトリゲル、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン及びコラーゲンからなる群より選択される単一又は複数の物質の被覆、及び多能性幹細胞の播種を行う工程。
(A)細胞接着性及び細胞増殖性を有する面積0.001~5mm
2
の島状の領域。
(B)前記(A)領域に隣接し、細胞接着性又は細胞増殖性を有しない領域。
(2)前記(1)工程で播種された多能性幹細胞を未分化性維持培地の存在下、フィーダーフリーで接着培養し、細胞培養基材上に接着した多能性幹細胞凝集体を形成する工程。
(3)前記(2)工程で形成された多能性幹細胞凝集体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、胚葉体を形成する工程。
(4)前記(3)工程で形成された胚葉体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、外胚葉系細胞凝集体を形成する工程。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、分化誘導効率及び培養操作性に優れる、多能性幹細胞から外胚葉系細胞への分化誘導方法及び製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
筋委縮性側索硬化症(ALS)等の神経変性疾患に対して、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から分化誘導した神経細胞を用いた創薬への関心が高まっている。疾患患者由来iPS細胞を活用することによって、従来困難であった疾患メカニズムの解明、創薬研究及び再生医療の発展が期待される。一般的に神経細胞への分化誘導においては、胚葉体と呼ばれる多能性幹細胞凝集体の形成工程、ニューロスフェアと呼ばれる神経幹細胞凝集体の形成工程をたどって各末梢神経細胞へ分化誘導される。また、目的細胞への分化誘導過程における胚葉体の状態は、分化経路等の細胞運命に大きく寄与することが知られており、均質な胚葉体をいかに効率良く作製できるかが課題となっている。
【0003】
従来の方法では、Hanging drop培養(例えば、特許文献1)やNon-adhesive surface培養(例えば、特許文献2)等の浮遊培養法によって胚葉体及びニューロスフェアを作製していた(例えば、特許文献3)。しかしながら、前記培養方法では形成される凝集体サイズが不均一であるため、個体間で分化誘導効率に差異を生じやすいという問題があった。
【0004】
また、サイズの異なる細胞凝集体が三次元的に配置されるため、局所的に栄養不足になる恐れもある。浮遊培養法を利用した他の方法としては、表面に微細凹凸構造を有する細胞非接着性の基材上に細胞播種し、細胞を沈降させることで凹凸サイズに応じた細胞凝集体の形成を利用するものがある(例えば、特許文献4)。しかし、特許文献4の方法では、細胞凝集体が基材表面に固定化されていないことから、培地交換の際に細胞凝集体の一部が培地と供に除去されてしまう等、培養操作に習熟が必要であるという課題があった。また基材の性質上、培地の全量交換が困難であるため分化誘導因子等の栄養不足が起こりやすく、分化誘導効率に劣ることが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開2008/001938号
国際公開2017/123791号
特開2002-291469号公報
国際公開2018/123663号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の目的は、分化誘導効率及び培養操作性に優れる、多能性幹細胞から外胚葉系細胞への分化誘導方法及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、島状に形成された細胞接着領域を有する細胞培養基材に多能性幹細胞を播種することで細胞培養基材上に接着した胚葉体を形成し、接着状態の胚葉体を分化誘導することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明によれば、多能性幹細胞から外胚葉系細胞を分化誘導する方法及び外胚葉系細胞の製造方法であり、以下の(1)~(4)工程を含む。
<1>多能性幹細胞から外胚葉系細胞を分化誘導する方法であり、以下の(1)~(4)工程を含むことを特徴とする、分化誘導方法。
(1)下記(A)及び(B)の2つの領域を有する細胞培養基材上に、マトリゲル、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン及びコラーゲンからなる群より選択される単一又は複数の物質の被覆、及び多能性幹細胞の播種を行う工程。
(A)細胞接着性及び細胞増殖性を有する面積0.001~5mm
2
の島状の領域。
(B)前記(A)領域に隣接し、細胞接着性又は細胞増殖性を有しない領域。
(2)前記(1)工程で播種された多能性幹細胞を未分化性維持培地の存在下、フィーダーフリーで接着培養し、細胞培養基材上に接着した多能性幹細胞凝集体を形成する工程。
(3)前記(2)工程で形成された多能性幹細胞凝集体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、胚葉体を形成する工程。
(4)前記(3)工程で形成された胚葉体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、外胚葉系細胞凝集体を形成する工程。
【0009】
<2>前記細胞培養基材が親水性高分子による層を表面に含有し、(A)領域がプラズマ処理、紫外線処理、コロナ放電処理のいずれか、またはこれらの組み合わせによって前記親水性高分子による層の一部を分解又は改質した領域であることを特徴とする、<1>に記載の分化誘導方法。
<3>前記(3)工程における分化誘導因子が、外胚葉誘導因子、中胚葉誘導因子及び内胚葉誘導因子を含有することを特徴とする、<1>または<2>に記載の分化誘導方法。
<4>前記(4)工程で形成された外胚葉系細胞凝集体が、PAX6及びSOX1を有していることを特徴とする、<1>~<3>のいずれか一項に記載の分化誘導方法。
<5>外胚葉系細胞が、神経幹細胞又は神経細胞であることを特徴とする、<1>~<4>のいずれか一項に記載の分化誘導方法。
<6>外胚葉系細胞が、運動神経細胞であることを特徴とする、<1>~<5>のいずれか一項に記載の分化誘導方法。
【0010】
<7>多能性幹細胞から外胚葉系細胞に分化誘導された細胞の製造方法であり、以下の(1)~(4)工程を含むことを特徴とする、細胞の製造方法。
(1)下記(A)及び(B)の2つの領域を有する細胞培養基材上に、マトリゲル、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン及びコラーゲンからなる群より選択される単一又は複数の物質の被覆、及び多能性幹細胞の播種を行う工程。
(A)細胞接着性及び細胞増殖性を有する面積0.001~5mm
2
の島状の領域。
(B)前記(A)領域に隣接し、細胞接着性又は細胞増殖性を有しない領域。
(2)前記(1)工程で播種された多能性幹細胞を未分化性維持培地の存在下、フィーダーフリーで接着培養し、細胞培養基材上に接着した多能性幹細胞凝集体を形成する工程。
(3)前記(2)工程で形成された多能性幹細胞凝集体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、胚葉体を形成する工程。
(4)前記(3)工程で形成された胚葉体を、分化誘導因子を含有する培地の存在下、細胞培養基材上に接着した状態で培養し、外胚葉系細胞凝集体を形成する工程。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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