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公開番号
2024179380
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023098187
出願日
2023-06-15
発明の名称
遺伝子分析方法および遺伝子分析キット
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12Q
1/6844 20180101AFI20241219BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】近接した複数の遺伝子変異がシス型とトランス型のどちらの位置関係で存在しているのか精度よく判定し、定量できる遺伝子分析方法およびキットを提供すること。
【解決手段】複数の遺伝子変異それぞれに対応したプローブを準備する工程、前記複数の遺伝子変異を含む領域を増幅するためのプライマー、前記プローブ、被検生体試料、および酵素を含む溶液を用いて増幅反応を行う工程、前記増幅反応を行う工程の後、増幅産物と前記プローブとの結合を、前記溶液の温度を変化させた融解曲線分析により測定する工程、前記融解曲線分析の結果に基づいて、前記被検生体試料に含まれるDNAにおいて、前記複数の遺伝子変異が同じアレル上にあるシス型であるのかまたは異なるアレル上にあるトランス型であるのかを判定する工程を含む、遺伝子分析方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の遺伝子変異それぞれに対応したプローブを準備する工程、
前記複数の遺伝子変異を含む領域を増幅するためのプライマー、前記プローブ、被検生体試料、および酵素を含む溶液を用いて増幅反応を行う工程、
前記増幅反応を行う工程の後、増幅産物と前記プローブとの結合を、前記溶液の温度を変化させた融解曲線分析により測定する工程、
前記融解曲線分析の結果に基づいて、前記被検生体試料に含まれるDNAにおいて、前記複数の遺伝子変異が同じアレル上にあるシス型であるのかまたは異なるアレル上にあるトランス型であるのかを判定する工程
を含む、遺伝子分析方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記プローブが、蛍光色素を含む、または蛍光色素および消光色素を含み、
前記蛍光色素を用いて前記増幅産物と前記プローブとの結合が測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プローブの3’末端配列と5’末端配列とが相補的な配列部分を有し、前記プローブは遊離状態においてステムループ構造を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記増幅反応を行う工程が、非対称核酸増幅反応により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の遺伝子変異のシス型およびトランス型のそれぞれに対応する融解温度情報を格納した第1のデータベースを用いて、前記被検生体試料に含まれるDNAについての融解温度と比較し、前記複数の遺伝子変異がシス型であるのかまたはトランス型であるのかを判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のデータベースを用いて、前記被検生体試料に含まれるDNAについて、前記遺伝子変異のコピー数、シス型の遺伝子変異のコピー数、およびトランス型の遺伝子変異のコピー数をカウントする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の遺伝子変異のシス型およびトランス型のそれぞれに対応する融解曲線の特徴を格納した第2のデータベースを用いて、前記被検生体試料に含まれるDNAについての融解曲線と比較し、前記複数の遺伝子変異がシス型であるのかまたはトランス型であるのかを判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第2のデータベースに格納する融解曲線の特徴が、融解温度、融解曲線の微分曲線におけるピーク形状の幅の左右バランス、融解曲線の微分曲線における極大値の低温側の極小値の大きさ、融解曲線の微分曲線におけるピークの左右の傾きおよびそのバランス、融解曲線の微分曲線における極大値の高さと極小値の高さ、およびその比率からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第2のデータベースを用いて、前記被検生体試料に含まれるDNAについて、前記遺伝子変異のコピー数、シス型の遺伝子変異のコピー数、およびトランス型の遺伝子変異のコピー数をカウントする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記増幅反応を行う工程において、前記溶液に野生型遺伝子に対応するプローブをさらに添加して増幅反応を行う、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遺伝子変異を分析するための遺伝子分析方法および遺伝子分析キット、より具体的には、融解曲線分析用プローブを用いて複数の遺伝子変異を分析するための遺伝子分析方法および遺伝子分析キットに関する。また本発明は、複数の遺伝子変異に関連する形質(例えば薬剤応答性)を評価するための方法およびキットに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
非小細胞肺がんは肺がん全体の8~9割を占めるがんで、EGFR(Epidermal Growth Factor Receptor)を始めとするドライバー遺伝子変異が多く観察され、それに対する分子標的薬が開発されている。EGFR遺伝子変異に対する分子標的薬であるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は、第一世代としてゲフィチニブおよびエルロチニブが、第二世代としてアファチニブおよびダコミチニブが開発された。しかし、EGFR遺伝子変異を有し、これらのEGFR-TKIが奏功しても治療開始から1年程度でT790Mという耐性変異が生じてしまう。そこで、T790M変異を有する患者にも奏功する第三世代のEGFR-TKIとしてオシメルチニブが開発された。しかしながら、オシメルチニブの耐性変異としてC797Sが生じて、オシメルチニブが奏功しないことが新たな問題となっていた。
【0003】
近年、T790MとC797Sの遺伝子変異の位置関係により、治療効果が変わることが明らかになった(非特許文献1)。T790MとC797Sがトランス型で存在する(異なるアレル上に存在する)場合、T790Mにはオシメルチニブが、C797Sには第一、第二世代EGFR-TKIが有効であるため、既存のEGFR-TKIの組み合わせにより治療が奏功する。一方、T790MとC797Sがシス型で存在する(同じアレル上に存在する)場合、既存のEGFR-TKIの組み合わせを含むすべてのEGFR-TKIの効果が見られないことが分かった。このような治療への感受性・耐性に関わる変異がどのような位置関係にあるかを判別することで、有効な治療薬を開発したり、その治療薬の投与可否を決めることができるため、遺伝子変異のシス・トランス判別方法は重要である。
【0004】
これまでに報告されているT790MとC797Sのシス・トランス判別方法としては、次のようなものがある。まず、T790MとC797Sのそれぞれに対応し、別の蛍光色素で標識した加水分解プローブを用意する。検体にPCRに必要となるDNAポリメラーゼ、プライマー、プローブと酵素を添加し、デジタルPCRを行う。デジタルPCRでは反応液をウェルまたはドロップレットなどの微小区画に分割し、微小区画内で増幅する。トランス型の検体では、T790MとC797Sが別の遺伝子に存在するため、1つの微小区画内にはどちらかの遺伝子変異しか含まず、片方の蛍光しか検出されない。シス型の検体では、T790MとC797Sが同じ遺伝子に存在するため、1つの微小区画内に両方の遺伝子を含み、2種類の蛍光が検出される。そこで、1種類の蛍光しか検出されない微小区画と2種類の蛍光が検出される微小区画の数をそれぞれカウントすることで検体中に存在する遺伝子の変異がシス・トランスのどちらなのかを判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-108063号公報(US2019/0352699A1)
【非特許文献】
【0006】
Uchibori,et al.,Nat.Commun.,8,14768,2017
Nakagawa,et al.,Anal.Chem.,92,11705-11713,2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、2種類の蛍光色素で標識した加水分解プローブを用いたデジタルPCRでは、コピー数が多いと、分画するときに1つの微小区画にT790MとC797Sのトランス型DNAが同時に入る確率が高くなり、シス型DNAとして誤って検出されてしまう。また、確率的に1つの微小区画にT790MとC797Sのトランス型DNAが同時に入るため、シス型とトランス型が混在しているとその比率を正確に定量することが難しい。
【0008】
そこで本発明の目的は、近接した複数種類の遺伝子変異がシス型とトランス型のどちらの位置関係で存在しているのか精度よく判定し、定量できるDNA検出方法およびDNA検出キットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、加水分解プローブの代わりにモレキュラービーコンのような分解されないプローブを用いることでデジタルPCRに融解曲線分析を組み合わせ、増幅後、融解曲線分析により高感度かつ高マルチプレックスに対象遺伝子の遺伝子型を同定する技術を開発している(特許文献1、非特許文献2)。近接した複数種類の遺伝子変異に対応して設計したモレキュラービーコンを用意し、融解曲線分析を行うと、モレキュラービーコン同士の立体障害からシス型とトランス型では融解曲線の形状が変化し、融解曲線から算出される融解温度(Tm)も異なることを見出した。この融解曲線および融解温度の相違に基づき、複数の遺伝子変異のシス型とトランス型を判定し定量することができるという知見を得、本発明の完成に至った。
【0010】
本発明は、一態様において、
複数の遺伝子変異それぞれに対応したプローブを準備する工程、
前記複数の遺伝子変異を含む領域を増幅するためのプライマー、前記プローブ、被検生体試料、および酵素を含む溶液を用いて増幅反応を行う工程、
前記増幅反応を行う工程の後、増幅産物と前記プローブとの結合を、前記溶液の温度を変化させた融解曲線分析により測定する工程、
前記融解曲線分析の結果に基づいて、前記被検生体試料に含まれるDNAにおいて、前記複数の遺伝子変異が同じアレル上にあるシス型であるのかまたは異なるアレル上にあるトランス型であるのかを判定する工程
を含む、遺伝子分析方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
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