TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024179167
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023097788
出願日2023-06-14
発明の名称液滴の製造装置及び液滴の製造方法
出願人国立大学法人九州大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類B01J 19/00 20060101AFI20241219BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本発明は、目的の粒子や細胞を効率よく液滴中に封入するマイクロ流体デバイスを用いた液滴生成技術を確立することを課題とする。
【解決手段】本発明は、液滴生成管路を有し、液滴生成管路の少なくとも一部では、粒子状物を含む第1の流体と、第1の流体とは非混和である第2の流体が存在し、液滴生成管路中において渦流により粒子状物が一定時間滞留する、粒子状物を封入した液滴の製造装置に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液滴生成管路を有し、
前記液滴生成管路の少なくとも一部では、粒子状物を含む第1の流体と、前記第1の流体とは非混和である第2の流体が存在し、
前記液滴生成管路中において渦流により粒子状物が一定時間滞留する、粒子状物を封入した液滴の製造装置。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記液滴生成管路には狭窄部が設けられている、請求項1に記載の液滴の製造装置。
【請求項3】
前記第1の流体を流す第1の流体管路と、前記第2の流体を流す第2の流体管路を有し、前記第1の流体管路と前記第2の流体管路が前記液滴生成管路に連結している、請求項1又は2に記載の液滴の製造装置。
【請求項4】
少なくとも2本の第2の流体管路が前記液滴生成管路に連結している、請求項3に記載の液滴の製造装置。
【請求項5】
前記液滴生成管路の連結部に向けて第2の流体管路の管路直径が大きくなっている、請求項3に記載の液滴の製造装置。
【請求項6】
前記狭窄部の最小幅が1mm以下である、請求項2に記載の液滴の製造装置。
【請求項7】
前記液滴生成管路の下流に液滴回収部を備える、請求項1又は2に記載の液滴の製造装置。
【請求項8】
第1の流体は水系流体であり、第2の流体は油系流体である、請求項1又は2に記載の液滴の製造装置。
【請求項9】
粒子状物を含む第1の流体と、前記第1の流体とは非混和である第2の流体を接触させて液滴を形成する工程を含み、
前記第1の流体中において渦流により粒子状物を一定時間滞留させる、粒子状物を封入した液滴の製造方法。
【請求項10】
前記粒子状物のうち少なくとも1個が前記第1の流体内において一定時間滞留し、
滞留した少なくとも1個の粒子状物を含む2個以上の粒子状物が液滴中に封入される、請求項9に記載の液滴の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子状物を封入した液滴の製造装置及び粒子状物を封入した液滴の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、液滴を生成するマイクロ流体デバイスが知られている。このようなマイクロ流体デバイスでは、例えば、分散相と連続相の2つの非混和性の流体が交わり液滴が生成される。また、マイクロ流体デバイスを用いた液滴生成技術を利用し、目的の粒子や細胞を液滴中に封入する技術も検討されている。例えば、特許文献1には、細胞または細胞様構造物を1細胞または構造物単位ずつ液滴中に封入する工程を含む細胞または細胞様構造物中のポリヌクレオチドを増幅する方法が開示されている。また、特許文献2にはデバイス中で液滴を生成させるための方法が開示されており、さらには、第1流体管路、第2流体管路、第1流体管路と第2流体管路との間に開口部を含み、パルスレーザーに連結され、レーザーによって第1流体管路中で1以上のキャビテーション気泡の一時的形成を誘発することを制御するように構成された、コントローラを含む、液滴を生成するためのデバイスが開示されている。
【0003】
そうした中、近年は、細胞間の相互作用の解析や、標的の細胞同士を融合させた融合細胞の作製をするために、微小な構造物を用いて、目的の粒子や細胞を構造物へと捕捉・ペアリングする技術が検討されている。しかしながら、微小な構造物を用いて目的の粒子や細胞をペアリングする手法では、構造物の数によって捕捉・ペアリング可能な粒子や細胞数が規定されるほか、操作後に粒子を回収することが難しいといった課題がある。このため、マイクロ流体デバイスを用いた液滴生成技術を利用し、複数の目的の粒子や細胞を1つの液滴中に封入する技術の開発が進められている。マイクロ流体デバイスを用いた手法では、連続的に細胞を封入した液滴を生成することが可能となり、生成された液滴の回収も容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/216271号
特開2018-034154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マイクロ流体デバイスを用いて液滴を生成する際には、分散相に懸濁している粒子が液滴生成部へとランダムに流れてきた後、液滴へと封入されるため、目的の粒子や細胞の封入効率が低いという課題がある。
【0006】
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、目的の粒子や細胞を効率よく液滴中に封入するマイクロ流体デバイスを用いた液滴生成技術を確立することを目的として検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の具体的な態様の例を以下に示す。
【0008】
[1] 液滴生成管路を有し、
液滴生成管路の少なくとも一部では、粒子状物を含む第1の流体と、第1の流体とは非混和である第2の流体が存在し、
液滴生成管路中において渦流により粒子状物が一定時間滞留する、粒子状物を封入した液滴の製造装置。
[2] 液滴生成管路には狭窄部が設けられている、[1]に記載の液滴の製造装置。
[3] 第1の流体を流す第1の流体管路と、第2の流体を流す第2の流体管路を有し、第1の流体管路と第2の流体管路が液滴生成管路に連結している、[1]又は[2]に記載の液滴の製造装置。
[4] 少なくとも2本の第2の流体管路が液滴生成管路に連結している、[3]に記載の液滴の製造装置。
[5] 液滴生成管路の連結部に向けて第2の流体管路の管路直径が大きくなっている、[3]又は[4]に記載の液滴の製造装置。
[6] 狭窄部の最小幅が1mm以下である、[2]~[5]のいずれかに記載の液滴の製造装置。
[7] 液滴生成管路の下流に液滴回収部を備える、[1]~[6]のいずれかに記載の液滴の製造装置。
[8] 第1の流体は水系流体であり、第2の流体は油系流体である、[1]~[7]のいずれかに記載の液滴の製造装置。
[9] 粒子状物を含む第1の流体と、第1の流体とは非混和である第2の流体を接触させて液滴を形成する工程を含み、
第1の流体中において渦流により粒子状物を一定時間滞留させる、粒子状物を封入した液滴の製造方法。
[10] 粒子状物のうち少なくとも1個が第1の流体内において一定時間滞留し、
滞留した少なくとも1個の粒子状物を含む2個以上の粒子状物が液滴中に封入される、[9]に記載の液滴の製造方法。
[11] 滞留した少なくとも1個の粒子状物のもとに、他の粒子状物が到着することで、2個以上の粒子状物が封入された液滴が形成される、[9]又は[10]に記載の液滴の製造方法。
[12] 第2の流体は少なくとも2方面から供給される、[9]~[11]のいずれかに記載の液滴の製造方法。
[13] 第1の流体は水系流体であり、第2の流体は油系流体である、[9]~[12]のいずれかに記載の液滴の製造方法。
[14] 第1の流体の流量は0.001~100.0μl/minであり、
第2の流体の流量は0.01~1000.0μl/minである、[9]~[13]のいずれかに記載の液滴の製造方法。
[15] 第1の流体の流量をPとし、第2の流体の流量をQとした場合、Q/Pの値が0.1~5000である、[9]~[14]のいずれかに記載の液滴の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、目的の粒子状物を効率よく液滴内に封入することができる。本発明によれば、目的の粒子状物を封入した液滴の製造装置及び液滴の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の液滴製造装置の構成を説明する概略図である。
他の実施形態の液滴製造装置において、合流部構造を説明する概略図である。
本実施形態の液滴製造装置において、合流部における分散相の流れを蛍光ビーズにより可視化した顕微鏡写真である。
本実施形態の液滴製造装置を用いて、細胞を封入した液滴を生成した様子を観察した顕微鏡写真である。
複数細胞が液滴に封入される様子を説明するイメージ図である。
2個以上の細胞が封入された液滴が生成された際の第1の流体および第2の流体の流量の関係を示す結果である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許