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公開番号2025139499
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024038469
出願日2024-03-12
発明の名称可逆燃料電池システム及びその運転方法
出願人国立大学法人九州大学
代理人個人,個人
主分類H01M 8/04 20160101AFI20250918BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】システム構成を簡素化でき、システムの運転に必要な水素の過剰消費を防ぐことができる可逆燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料極と、空気極と、固体電解質とを有し、水電解と発電を可逆的に行うことができる固体酸化物形可逆燃料電池と、水素及び/又は水蒸気を含む燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料供給部と、酸素を含むガスを前記空気極に供給する酸素供給部と、水電解モードと発電モードに切り換える制御部と、を有し、前記燃料供給部が、燃料貯蔵装置と、第1燃料配管と、第2燃料配管とを有し、水電解モード及び発電モードのいずれにおいても燃料ガスの流通方向が同一である可逆燃料電池システム。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
可逆燃料電池システムであって、
燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極との間に設けられた固体電解質とを有し、水電解と発電を可逆的に行うことができる固体酸化物形可逆燃料電池と、
水素及び/又は水蒸気を含む燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料供給部と、
酸素を含むガスを前記空気極に供給する酸素供給部と、
外部から受電して前記可逆燃料電池によって水の電気分解を行う水電解モードと、水素及び酸素を用いて前記可逆燃料電池によって発電する発電モードに切り換える制御部と、
を有し、
前記燃料供給部が、前記燃料ガスを貯蔵する燃料貯蔵装置と、前記燃料貯蔵装置に貯蔵された水素量を計測する水素貯蔵量計測装置と、前記燃料貯蔵装置と前記燃料極を接続して前記燃料貯蔵装置から前記燃料極へ前記燃料ガスを流通させる第1燃料配管と、前記燃料貯蔵装置と前記燃料極を接続して前記燃料極から前記燃料貯蔵装置へ前記燃料ガスを流通させる第2燃料配管とを有し、
前記水電解モード及び前記発電モードのいずれのモードにおいても、第1燃料配管及び第2燃料配管における前記燃料ガスの流通方向が同一であることを特徴とする可逆燃料電池システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
第1燃料配管と第2燃料配管とを接続するバイパス配管を有する請求項1に記載の可逆燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃料貯蔵装置が水素吸蔵合金を有する請求項1に記載の可逆燃料電池システム。
【請求項4】
前記燃料貯蔵装置が加圧タンクを有する請求項1に記載の可逆燃料電池システム。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の可逆燃料電池システムの運転方法であって、
前記水電解モードにおいて、第1配管を介して水蒸気を含む燃料ガスを前記燃料極に供給して水電解を行うことによって水素量が増加した燃料ガスを第2配管に排出し、当該水素量が増加した燃料ガスの一部を、前記バイパス配管を介して第1配管にリサイクルし、
前記発電モードにおいて、第1配管を介して水素を含む燃料ガスを前記燃料極に供給して発電を行うことによって水蒸気量が増加した燃料ガスを第2配管に排出し、当該水蒸気量が増加した燃料ガスの一部を、前記バイパス配管を介して第1配管にリサイクルする、
ことを特徴とする可逆燃料電池システムの運転方法。
【請求項6】
前記水電解モードにおいて製造される水素製造量に基づいて、燃料極を経由した前記水素量が多い燃料ガスのリサイクル量を決定し、
前記発電モードにおいて消費される水素消費量に基づいて、燃料極を経由した前記水蒸気量が多い燃料ガスのリサイクル量を決定する請求項5に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
【請求項7】
所定の期間内で、水電解モードで貯蔵した水素を、発電モードで使い切るように運転する請求項5に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
【請求項8】
前記所定の期間が0.5日以上7日以下である請求項7に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
【請求項9】
可逆燃料電池システムのシステム効率が50%以上になるように水電解モードと発電モードの作動時間を設定する請求項5に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
【請求項10】
請求項1から4のいずれかに記載の可逆燃料電池システムの運転方法であって、
第1発電停止水素量を設定する工程(P1)と、
工程(P1)の後の発電モードにおいて消費される水素消費量を計測し、前記水素消費量が前記第1発電停止水素量を上回ると前記発電モードを停止する工程(P2)と、
を有する可逆燃料電池システムの運転方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、可逆燃料電池システム及びその運転方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
水素製造と発電とを可逆的にできるエネルギーシステムとして、固体酸化物形可逆燃料電池(Reversible Solid Oxide Cell、以下「r-SOC」と記載する場合がある)システムがある。固体酸化物形可逆燃料電池システムは、互いに逆反応である発電技術である固体酸化物形燃料電池(SOFC)と水素製造技術である固体酸化物形水蒸気電解装置(SOEC)を1つのデバイスで可逆的に行うシステムであり、水素を燃料とした発電のみならず、水蒸気電解で製造される水素でエネルギー貯蔵ができる次世代エネルギーシステムとして注目されている。
【0003】
固体酸化物形可逆燃料電池(r-SOC)をシステムに組み込む際には、発熱反応である発電(燃料電池作動)と吸熱反応である水電解(水の電気分解作動)の切り換えを伴う、水素と水(水蒸気)のマネジメントが重要になる。
例えば、特許文献1には、高いラウンドトリップ効率(充放電効率)を得る可逆燃料電池(可逆セル)を用いたシステムが開示されている。このシステムは、水電解(充電)時に燃料極で生成した水素と空気極で生成した酸素をそれぞれ回収して貯蔵しておき、発電時にはこれら貯蔵されていた水素と酸素を用いて発電を行うことができる。可逆燃料電池セルの温度も制御でき、高効率なシステムを構築している。
【0004】
また、特許文献2には、水電解(充電)によって得られるエネルギーを長期間安定して貯蔵できる可逆燃料電池を用いたシステム(蓄エネルギー装置)が開示されている。このシステムは、水電解(充電)時に燃料極で生成した水素を回収して貯蔵し、発電時には貯蔵しておいた水素を用いて発電を行いながら燃料極で生成した水(水蒸気)を貯蔵し、水電解時に貯蔵しておいた水を用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許7306651号公報
特開2021-34131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、可逆燃料電池は発電と水電解と2つの機能を有するデバイスであり、可逆電量電池の2つの機能を作動させるために、可逆燃料電池システムはその構成が複雑化する傾向があった。また、可逆燃料電池システムは、ラウンドトリップ効率といったエネルギー効率の観点から開発が進められてきたが、発電に必要な水素の過剰消費(及び枯渇)といった運用面での検討は十分ではなかった。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、システム構成を簡素化でき、また、システムの運転に必要な水素の過剰防止(及び枯渇)を防ぐことができる可逆燃料電池システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 可逆燃料電池システムであって、
燃料極と、空気極と、前記燃料極と前記空気極との間に設けられた固体電解質とを有し、水電解と発電を可逆的に行うことができる固体酸化物形可逆燃料電池と、
水素及び/又は水蒸気を含む燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料供給部と、
酸素を含むガスを前記空気極に供給する酸素供給部と、
外部から受電して前記可逆燃料電池によって水の電気分解を行う水電解モードと、水素及び酸素を用いて前記可逆燃料電池によって発電する発電モードに切り換える制御部と、
を有し、
前記燃料供給部が、前記燃料ガスを貯蔵する燃料貯蔵装置と、前記燃料貯蔵装置に貯蔵された水素量を計測する水素貯蔵量計測装置と、前記燃料貯蔵装置と前記燃料極を接続して前記燃料貯蔵装置から前記燃料極へ前記燃料ガスを流通させる第1燃料配管と、前記燃料貯蔵装置と前記燃料極を接続して前記燃料極から前記燃料貯蔵装置へ前記燃料ガスを流通させる第2燃料配管とを有し、
前記水電解モード及び前記発電モードのいずれのモードにおいても、第1燃料配管及び第2燃料配管における前記燃料ガスの流通方向が同一である可逆燃料電池システム。
<2> 第1燃料配管と第2燃料配管とを接続するバイパス配管を有する<1>に記載の可逆燃料電池システム。
<3> 前記燃料貯蔵装置が水素吸蔵合金を有する<1>又は<2>に記載の可逆燃料電池システム。
<4> 前記燃料貯蔵装置が加圧タンクを有する<1>から<3>のいずれかに記載の可逆燃料電池システム。
<5> <1>から<4>のいずれかに記載の可逆燃料電池システムの運転方法であって、
前記水電解モードにおいて、第1配管を介して水蒸気を含む燃料ガスを前記燃料極に供給して水電解を行うことによって水素量が増加した燃料ガスを第2配管に排出し、当該水素量が増加した燃料ガスの一部を、前記バイパス配管を介して第1配管にリサイクルし、
前記発電モードにおいて、第1配管を介して水素を含む燃料ガスを前記燃料極に供給して発電を行うことによって水蒸気量が増加した燃料ガスを第2配管に排出し、当該水蒸気量が増加した燃料ガスの一部を、前記バイパス配管を介して第1配管にリサイクルする、可逆燃料電池システムの運転方法。
<6> 前記水電解モードにおいて製造される水素製造量に基づいて、燃料極を経由した前記水素量が多い燃料ガスのリサイクル量を決定し、
前記発電モードにおいて消費される水素消費量に基づいて、燃料極を経由した前記水蒸気量が多い燃料ガスのリサイクル量を決定する、<5>に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
<7> 所定の期間内で、水電解モードで貯蔵した水素を、発電モードで使い切るように運転する<5>または<6>に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
<8> 前記所定の期間が0.5日以上7日以下である<7>に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
<9> 可逆燃料電池システムのシステム効率が50%以上になるように水電解モードと発電モードの作動時間を設定する<5>から<8>のいずれかに記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
【0010】
<1a> <1>から<4>のいずれかに記載の可逆燃料電池システムの運転方法であって、
第1発電停止水素量を設定する工程(P1)と、
工程(P1)の後の発電モードにおいて消費される水素消費量を計測し、前記水素消費量が前記第1発電停止水素量を上回ると前記発電モードを停止する工程(P2)と、
を有する可逆燃料電池システムの運転方法。
<2a> 前記発電モードにおいて水素貯蔵量を計測し、前記水素貯蔵量が第2発電停止水素量を下回ると前記発電モードを停止する工程(Q1)を有する<1a>に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
<3a> 可逆燃料電池システムのシステム効率が50%以上になるように水電解モードと発電モードの作動時間を設定する<1a>または<2a>に記載の可逆燃料電池システムの運転方法。
(【0011】以降は省略されています)

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