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公開番号
2024178979
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023097429
出願日
2023-06-14
発明の名称
化学強化ガラスおよびカバーガラス
出願人
AGC株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C03C
3/083 20060101AFI20241219BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】落下強度に優れる化学強化ガラスの提供。
【解決手段】板状の化学強化ガラスであって、電子プローブマイクロアナライザによる分析で得られる上記化学強化ガラスの板厚方向のNaプロファイルおよびSiプロファイルについて、下記式(I)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(I) R
Na/Si_100
-R
Na/Si_C
≧0.055
式(I)中、R
Na/Si_100
は、上記化学強化ガラスの板厚方向の距離を深さとした際に、上記化学強化ガラスの一方の表面から深さ91~110μmの範囲における、上記Siプロファイルの検出強度に対する上記Naプロファイルの検出強度の比であるNa/Si検出強度比の平均値である。
式(I)中、R
Na/Si_C
は、上記化学強化ガラスの板厚中央位置から深さ±25μmの範囲における、上記Na/Si検出強度比の平均値である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
板状の化学強化ガラスであって、
電子プローブマイクロアナライザによる分析で得られる前記化学強化ガラスの板厚方向のNaプロファイルおよびSiプロファイルについて、下記式(I)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(I) R
Na/Si_100
-R
Na/Si_C
≧0.055
式(I)中、R
Na/Si_100
は、前記化学強化ガラスの板厚方向の距離を深さとした際に、前記化学強化ガラスの一方の表面から深さ91~110μmの範囲における、前記Siプロファイルの検出強度に対する前記Naプロファイルの検出強度の比であるNa/Si検出強度比の平均値である。
式(I)中、R
Na/Si_C
は、前記化学強化ガラスの板厚中央位置から深さ±25μmの範囲における、前記Na/Si検出強度比の平均値である。
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
さらに下記式(II)の関係を満たす、請求項1に記載の化学強化ガラス。
式(II) R
Na/Si_50
-R
Na/Si_C
≧0.110
式(II)中、R
Na/Si_50
は、前記表面から深さ41~60μmの範囲における、前記Na/Si検出強度比の平均値である。
【請求項3】
さらに下記式(III)の関係を満たす、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
式(III) R
Na/Si_100_0
-R
Na/Si_C
≧0.155
式(III)中、R
Na/Si_100_0
は、前記Na/Si検出強度比のプロファイルにおいて、前記表面から深さ91~110μmの範囲から第1の回帰直線を作成し、前記第1の回帰直線から、前記表面の位置における前記Na/Si検出強度比を求めた値である。
【請求項4】
電子プローブマイクロアナライザによる分析で得られる前記化学強化ガラスの板厚方向のKプロファイルおよびSiプロファイルについて、下記式(VI)の関係を満たす、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
式(VI) R
K/Si_2_0
-R
K/Si_C
≦0.310
式(VI)中、R
K/Si_2_0
は、前記Siプロファイルの検出強度に対する前記Kプロファイルの検出強度の比であるK/Si検出強度比のプロファイルにおいて、前記表面から深さ1~3μmの範囲から第2の回帰直線を作成し、前記第2の回帰直線から、前記表面の位置における前記K/Si検出強度比を求めた値である。
式(VI)中、R
K/Si_C
は、前記化学強化ガラスの板厚中央位置から深さ±25μmの範囲における、前記K/Si検出強度比の平均値である。
【請求項5】
前記板厚中央位置における組成が、酸化物基準のモル百分率表示で、
SiO
2
を55~75%
Al
2
O
3
を8~20%
Li
2
Oを3~15%
Na
2
Oを1~5%
K
2
Oを0~3%
MgOを0~10%
Y
2
O
3
を0~3%
ZrO
2
を0~3%
CaOを0~10%
SrOを0~5%
ZnOを0~5%
TiO
2
を0~3%
SnO
2
を0~1%
P
2
O
5
を0~5%
B
2
O
3
を0~10%含有し、
Y
2
O
3
の含有量およびZrO
2
の合計の含有量に対するZrO
2
の含有量の比が0.0~0.7であり、
Y
2
O
3
の含有量およびZrO
2
の含有量の合計が0.0%超3.0%以下である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項6】
前記板厚中央位置における組成について、Na
2
Oの含有量に対するK
2
Oの含有量の比が、0.0~1.8である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
【請求項7】
前記板厚中央位置における組成について、[Al
2
O
3
]-[Na
2
O]-[K
2
O]+[Li
2
O]で表される値が15.0~26.0である、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
ただし、[Al
2
O
3
]、[Na
2
O]、[K
2
O]および[Li
2
O]は、それぞれ、Al
2
O
3
、Na
2
O、K
2
OおよびLi
2
Oの各成分の酸化物基準のモル百分率表示による含有量を表す。
【請求項8】
板状の化学強化ガラスであって、
電子プローブマイクロアナライザによる分析で得られる前記化学強化ガラスの板厚方向のNaプロファイルおよびSiプロファイルについて、下記式(II)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(II) R
Na/Si_50
-R
Na/Si_C
≧0.110
式(II)中、R
Na/Si_50
は、前記化学強化ガラスの板厚方向の距離を深さとした際に、前記化学強化ガラスの一方の表面から深さ41~60μmの範囲における、前記Siプロファイルの検出強度に対する前記Naプロファイルの検出強度の比であるNa/Si検出強度比の平均値である。
式(II)中、R
Na/Si_C
は、前記化学強化ガラスの板厚中央位置から深さ±25μmの範囲における、前記Na/Si検出強度比の平均値である。
【請求項9】
板状の化学強化ガラスであって、
電子線マイクロアナライザによる分析で得られる前記化学強化ガラスの板厚方向のNaプロファイルおよびSiプロファイルについて、下記式(III)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(III) R
Na/Si_100_0
-R
Na/Si_C
≧0.155
式(III)中、R
Na/Si_100_0
は、前記化学強化ガラスの板厚方向の距離を深さとした際に、前記Siプロファイルの検出強度に対する前記Naプロファイルの検出強度の比であるNa/Si検出強度比のプロファイルにおいて、前記表面から深さ91~110μmの範囲から第1の回帰直線を作成し、前記第1の回帰直線から、前記表面の位置における前記Na/Si検出強度比を求めた値である。
【請求項10】
請求項1、2、8または9に記載の化学強化ガラスを含む、カバーガラス。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学強化ガラスに関する。
また、本発明は、化学強化ガラスを含むカバーガラスに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、スマートフォン、および、タブレット端末等のディスプレイ装置の保護ならびに美観を高める目的で、カバーガラスが用いられている。これらの用途のカバーガラスには、衝撃等による破損を抑制するため、優れた強度が求められている。
【0003】
従来から、硝酸カリウム溶融塩等にガラスを浸漬して化学強化処理をすることにより、ガラスの面強度を高める手法が知られている。例えば、特許文献1では、硝酸カリウム溶融塩にガラスを浸漬して化学強化処理をすることにより、ガラス板の面強度を向上させることが開示されている。より具体的には、Liを含むガラスに対して、Naを含む溶融塩、および、Kを含む溶融塩で順に化学強化処理を施すことにより、ガラス板の強度が向上することが開示されている。また、このような化学処理によるガラス板の強度の強化機構は、アルカリ金属の交換によって生じる圧縮応力によるものであると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-027424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、カバーガラスは、さらなる強度の向上が求められている。携帯端末等のカバーガラスは、落下した時などの変形によって割れることがあり、より高い位置から落下させてもカバーガラスが割れないこと(より高い落下強度を有すること)が求められている。
本発明者らが、特許文献1に記載のカバーガラスについて検討したところ、落下強度について、改善の余地があることを知見した。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、落下強度に優れる化学強化ガラスの提供を課題とする。
また、本発明は、カバーガラスの提供も課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、Naの板厚方向の分布を特定の状態とすることで、より高い落下強度が得られることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
〔1〕 板状の化学強化ガラスであって、
電子プローブマイクロアナライザによる分析で得られる上記化学強化ガラスの板厚方向のNaプロファイルおよびSiプロファイルについて、下記式(I)の関係を満たす、化学強化ガラス。
式(I) R
Na/Si_100
-R
Na/Si_C
≧0.055
式(I)中、R
Na/Si_100
は、上記化学強化ガラスの板厚方向の距離を深さとした際に、上記化学強化ガラスの一方の表面から深さ91~110μmの範囲における、上記Siプロファイルの検出強度に対する上記Naプロファイルの検出強度の比であるNa/Si検出強度比の平均値である。
式(I)中、R
Na/Si_C
は、上記化学強化ガラスの板厚中央位置から深さ±25μmの範囲における、上記Na/Si検出強度比の平均値である。
〔2〕 さらに下記式(II)の関係を満たす、〔1〕に記載の化学強化ガラス。
式(II) R
Na/Si_50
-R
Na/Si_C
≧0.110
式(II)中、R
Na/Si_50
は、上記表面から深さ41~60μmの範囲における、上記Na/Si検出強度比の平均値である。
〔3〕 さらに下記式(III)の関係を満たす、〔1〕または〔2〕に記載の化学強化ガラス。
式(III) R
Na/Si_100_0
-R
Na/Si_C
≧0.155
式(III)中、R
Na/Si_100_0
は、上記Na/Si検出強度比のプロファイルにおいて、上記表面から深さ91~110μmの範囲から第1の回帰直線を作成し、上記第1の回帰直線から、上記表面の位置における上記Na/Si検出強度比を求めた値である。
〔4〕 電子プローブマイクロアナライザによる分析で得られる上記化学強化ガラスの板厚方向のKプロファイルおよびSiプロファイルについて、下記式(VI)の関係を満たす、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の化学強化ガラス。
式(VI) R
K/Si_2_0
≦0.310
式(VI)中、R
K/Si_2_0
は、上記Siプロファイルの検出強度に対する上記Kプロファイルの検出強度の比であるK/Si検出強度比のプロファイルにおいて、上記表面から深さ1~3μmの範囲から第2の回帰直線を作成し、上記第2の回帰直線から、上記表面の位置における上記K/Si検出強度比を求めた値である。
式(VI)中、R
K/Si_C
は、上記化学強化ガラスの板厚中央位置から深さ±25μmの範囲における、上記K/Si検出強度比の平均値である。
〔5〕 上記板厚中央位置における組成が、酸化物基準のモル百分率表示で、
SiO
2
を55~75%
Al
2
O
3
を8~20%
Li
2
Oを3~15%
Na
2
Oを1~5%
K
2
Oを0~3%
MgOを0~10%
Y
2
O
3
を0~3%
ZrO
2
を0~3%
CaOを0~10%
SrOを0~5%
ZnOを0~5%
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、落下強度に優れる化学強化ガラスを提供できる。
また、本発明によれば、カバーガラスも提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の化学強化ガラスについて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施できる。
本明細書において、ガラス組成は酸化物基準のモル百分率表示で示し、モル%を単に%と記載することがある。また、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
(【0011】以降は省略されています)
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