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公開番号2024178332
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2024164132,2020106327
出願日2024-09-20,2020-06-19
発明の名称可搬型溶接ロボットの制御方法、溶接制御装置、可搬型溶接ロボット及び溶接システム
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B23K 9/12 20060101AFI20241217BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】ワークの角部とガイドレールの曲線部が同心円上になく、かつワークの角部とガイドレールの曲線部の曲率差が大きい場合においても、良好なビード外観を確保できる可搬型溶接ロボットの制御方法を提供する。
【解決手段】角部を有するワークWoに対してガイドレールを設置し、ガイドレール上を移動してワークWoをアーク溶接する可搬型溶接ロボット100と、可搬型溶接ロボット100を制御する溶接制御装置600とを備える。可搬型溶接ロボット100は、溶接トーチ200及び溶接トーチ200を溶接線方向に可動する可動部を有する。本制御方法は、トーチ位置判定部605によってワークWo上のトーチ位置を判定するステップと、トーチ角度算出部606によってトーチ位置におけるトーチ角度を算出するステップと、算出されたトーチ角度に基づき、可動部によってトーチ角度を制御するステップと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
角部を有するワークに対してガイドレールを設置し、前記ガイドレール上を移動して前記ワークをアーク溶接する可搬型溶接ロボットと、前記可搬型溶接ロボットを制御する溶接制御装置と、を有する溶接システムを用いた可搬型溶接ロボットの制御方法であって、
前記可搬型溶接ロボットは、溶接トーチ及び前記溶接トーチを溶接線方向に可動する可動部を有し、
前記溶接制御装置は、
前記ワーク上のトーチ位置を判定するトーチ位置判定部と、
前記トーチ位置におけるトーチ角度を算出するトーチ角度算出部と、
を有し、
タッチセンシング、レーザーセンシング、視覚センシングのうち、少なくとも一つのセンシング手段に基づいて少なくとも前記ワークと前記ガイドレールの位置情報を取得するステップと、
前記トーチ位置判定部によって前記ワーク上のトーチ位置を判定するステップと、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記溶接トーチの前記ワーク上の位置と、が共に直線部にある第1領域と、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記溶接トーチの前記ワーク上の位置と、のうち一方が直線部にあり他方が曲線部にある第2領域と、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記溶接トーチの前記ワーク上の位置と、が共に曲線部にある第3領域と、
の領域に分けるステップと、
前記トーチ角度算出部によって、少なくとも前記ワークと前記ガイドレールの位置情報に基づいて前記トーチ位置におけるトーチ角度を前記領域ごとに算出するステップと、
算出された前記トーチ角度に基づき、前記可動部によって前記トーチ角度を制御するステップと、
を備えることを特徴とする可搬型溶接ロボットの制御方法。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記トーチ位置判定部は、前記センシング手段により前記トーチ位置を判定する、又は、あらかじめ定めた教示点位置によって前記トーチ位置を判定することを特徴とする請求項1に記載の可搬型溶接ロボットの制御方法。
【請求項3】
前記トーチ角度算出部は、ワーク情報、及びガイドレール情報に基づいて前記トーチ角度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の可搬型溶接ロボットの制御方法。
【請求項4】
前記溶接制御装置は、前記トーチ位置における前記トーチ角度以外の他の溶接条件を算出する溶接条件算出部を含み、
前記他の溶接条件の制御は、溶接電流、アーク電圧、チップ-母材間距離及びロボット移動速度のうち少なくとも一つの条件を制御することを特徴とする請求項1に記載の可搬型溶接ロボットの制御方法。
【請求項5】
前記可動部は、前記ワークの直線部における前記トーチ角度を基準として、前記ワークの直線部及び角部における前記トーチ角度が略一定となるように、前記トーチ角度を制御することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の可搬型溶接ロボットの制御方法。
【請求項6】
前記トーチ角度算出部は、前記トーチ位置における、前記ワークの角部における曲率半径値と、前記ガイドレールの曲線部における曲率半径値に基づいて、前記トーチ角度を算出することを特徴とする請求項3に記載の可搬型溶接ロボットの制御方法。
【請求項7】
前記ワークの直線部における入熱量に対する、前記角部の入熱量並びに前記直線部及び前記角部の境界領域の入熱量が、それぞれ±20%の範囲となるよう前記他の溶接条件の制御を行うことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の可搬型溶接ロボットの制御方法。
【請求項8】
角部を有するワークに対してガイドレールを設置し、前記ガイドレール上を移動して前記ワークをアーク溶接する可搬型溶接ロボットを制御するための溶接制御装置であって、
前記ワーク上のトーチ位置を判定するトーチ位置判定部と、
前記トーチ位置におけるトーチ角度を算出するトーチ角度算出部と、
を有し、
タッチセンシング、レーザーセンシング、視覚センシングのうち、少なくとも一つのセンシング手段に基づいて少なくとも前記ワークと前記ガイドレールの位置情報を取得し、
前記トーチ位置判定部は、前記ワーク上のトーチ位置を判定し、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記トーチの前記ワーク上の位置と、が共に直線部にある第1領域と、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記トーチの前記ワーク上の位置と、のうち一方が直線部にあり他方が曲線部にある第2領域と、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記トーチの前記ワーク上の位置と、が共に曲線部にある第3領域と、
の領域に分け、
前記トーチ角度算出部は、少なくとも前記ワークと前記ガイドレールの位置情報に基づいて前記トーチ位置におけるトーチ角度を前記領域ごとに算出し、
算出された前記トーチ角度に基づき、前記トーチ角度を制御することを特徴とする溶接制御装置。
【請求項9】
角部を有するワークに対してガイドレールを設置し、前記ガイドレール上を移動して前記ワークをアーク溶接する、請求項8に記載の溶接制御装置によって制御される可搬型溶接ロボットであって、
溶接トーチ及び前記溶接トーチを溶接線方向に可動する可動部を備え、
前記トーチ角度算出部によって算出された前記トーチ角度に基づき、前記可動部が前記トーチ角度を制御することを特徴とする可搬型溶接ロボット。
【請求項10】
角部を有するワークに対してガイドレールを設置し、前記ガイドレール上を移動して前記ワークをアーク溶接する可搬型溶接ロボットと、前記可搬型溶接ロボットを制御する溶接制御装置と、を有する溶接システムであって、
前記可搬型溶接ロボットは、溶接トーチ及び前記溶接トーチを溶接線方向に可動する可動部を有し、
前記溶接制御装置は、
前記ワーク上のトーチ位置を判定するトーチ位置判定部と、
前記トーチ位置におけるトーチ角度を算出するトーチ角度算出部と、
を有し、
タッチセンシング、レーザーセンシング、視覚センシングのうち、少なくとも一つのセンシング手段に基づいて少なくとも前記ワークと前記ガイドレールの位置情報を取得し、
前記トーチ位置判定部は、前記ワーク上のトーチ位置を判定し、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記溶接トーチの前記ワーク上の位置と、が共に直線部にある第1領域と、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記溶接トーチの前記ワーク上の位置と、のうち一方が直線部にあり他方が曲線部にある第2領域と、
前記可搬型溶接ロボットの前記ガイドレール上の位置と、前記溶接トーチの前記ワーク上の位置と、が共に曲線部にある第3領域と、
の領域に分け、
前記トーチ角度算出部は、少なくとも前記ワークと前記ガイドレールの位置情報に基づいて前記トーチ位置におけるトーチ角度を前記領域ごとに算出し、
算出された前記トーチ角度に基づき、前記可動部によって前記トーチ角度を制御することを特徴とする溶接システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドレール上を移動しながら自動で溶接を行うことができる可搬型溶接ロボットの制御方法、溶接制御装置、可搬型溶接ロボット及び溶接システムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、造船、鉄骨、橋梁等における溶接構造物の製造において、工場内における溶接作業は自動化が進み、大型の多軸溶接ロボットが多用されている。一方、大型の多軸溶接ロボットが適用できない現場溶接作業においても、半自動溶接といった手動の溶接から作業員が一人で運ぶことができる軽量小型の可搬型溶接ロボットを適用した溶接方法へと自動化が進められている。このような可搬型溶接ロボットの適用は、これまで手動で溶接が進められてきた溶接現場において、溶接効率を向上させることができる。
【0003】
この可搬型溶接ロボットを適用した技術として、例えば、特許文献1がある。特許文献1では、建設現場で用いられている多角形角型鋼管に対して、直線部と曲線部とを有したコーナユニットを用いたガイドレールを、溶接対象である多角形角型鋼管の外周に取り付ける。そして、ガイドレールに対し溶接ロボットを摺動可能に設ける。制御装置の制御部は、溶接ロボットにより溶接する溶接部分の曲率中心の位置と、コーナユニットにおいて、溶接部分を溶接するときの溶接ロボットが所在する位置の曲率中心の位置とが異なる場合に、溶接ロボットによる単位時間あたりの溶接部分の長さ(以下、「ビード長さ」とも言う)が一定となるように、溶接ロボットの移動速度を制御する。これにより、多様な形状の角形鋼管を効率的に溶接している。なお、溶接ロボットによる単位時間あたりのビード長さのことを「溶接速度」とも言う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-58078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、特許文献1では、溶接ロボットの移動速度(以下、「ロボット速度」とも言う)を制御し、ワークの角部とガイドレール(以下、「レール」とも言う)の曲線部が非同心円上である場合であっても、溶着量を合わせるように溶接速度を変更することで、効率の良い溶接を可能としている。しかしながら、特許文献1の技術は、ロボット速度の制御しか考慮されておらず、ワークの角部とレールの曲線部が非同心円上になる場合に問題となる、トーチ角度の影響について考慮されていない。すなわち、以下のような事象が発生する。
(1)ロボットがレールの曲線部上に存在し、かつ、トーチ先端部がワークの平行部上に存在する場合において、ワーク平行部でのトーチ角度が前進角又は後退角となる。
(2)ロボットがレールの曲線部上に存在し、かつ、トーチ先端部がワークの角部上に存在する場合において、ワークの角部でのトーチ角度が前進角又は後退角となる。
【0006】
そして、上記トーチ角度が前進角又は後退角になった場合、例えば、以下の問題が発生し得る。
(前進角の場合)
前方へスパッタが発生し易くなり、溶接作業性の悪化につながる。
(後退角の場合)
後方の溶融池を押し上げることになり、結果としてワーク上の角部と直線部の境界近傍に凸ビードが発生し、ビード外観不良の原因となる。
なお、ワークの角部の曲率が小さくなって、レールの曲率との曲率差が広がるほど、トーチ角度の変化量が大きくなり、直線部と角部の境界におけるビード外観は更に悪化する。
【0007】
ここで例えば、曲率半径の異なるワークとして、建築構造用ロール成形多角形角型鋼管(BCP)、建築構造用ロール成形多角形角型鋼管(BCR)が挙げられる。一般的にBCPの曲率半径は、板厚tに対して3.5tで算出されるが、BCRでの曲率半径は2.5tとなる。すなわち、板厚が同じBCPとBCRにおいて、レールの曲率半径を一定とした場合、ワークとレールの曲率半径の差はBCRの方が大きくなる。ゆえに、BCRの方が、ワークに対しレールの曲線部におけるトーチ角度の変化量は大きく、直線部と角部の境界におけるビード外観不良が発生しやすい特徴がある。
【0008】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワークの角部とレールの曲線部が同心円上になく、かつ、ワークの角部とレールの曲線部の曲率差が大きい場合においても、良好なビード外観を確保できる可搬型溶接ロボットの制御方法、溶接制御装置、可搬型溶接ロボット及び溶接システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の上記目的は、可搬型溶接ロボットの制御方法に係る下記(A)の構成により達成される。
【0010】
(A)角部を有するワークに対してガイドレールを設置し、前記ガイドレール上を移動して前記ワークをアーク溶接する可搬型溶接ロボットと、前記可搬型溶接ロボットを制御する溶接制御装置と、を有する溶接システムを用いた可搬型溶接ロボットの制御方法であって、
前記可搬型溶接ロボットは、溶接トーチ及び前記溶接トーチを溶接線方向に可動する可動部を有し、
前記溶接制御装置は、前記ワーク上のトーチ位置を判定するトーチ位置判定部と、前記トーチ位置におけるトーチ角度を算出するトーチ角度算出部とを有し、
前記トーチ位置判定部によって前記ワーク上のトーチ位置を判定するステップと、
前記トーチ角度算出部によって前記トーチ位置におけるトーチ角度を算出するステップと、
算出された前記トーチ角度に基づき、前記可動部によって前記トーチ角度を制御するステップと、
を備えることを特徴とする可搬型溶接ロボットの制御方法。
(【0011】以降は省略されています)

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