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公開番号
2024172830
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023090828
出願日
2023-06-01
発明の名称
固形状組成物
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
A23L
33/105 20160101AFI20241205BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】保存時の色調変化が抑制されたコーヒー豆抽出物含有固形状組成物を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)~(C);
(A)コーヒー豆抽出物
(B)ステアリン酸塩 1~9質量%、及び
(C)セルロース誘導体
を含み、成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.03~11である、固形状組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)コーヒー豆抽出物
(B)ステアリン酸塩 1~9質量%、及び
(C)セルロース誘導体
を含み、
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.03~11である、
固形状組成物。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
成分(A)が、生コーヒー豆抽出物及び浅焙煎コーヒー豆抽出物から選択される1以上である、請求項1記載の固形状組成物。
【請求項3】
成分(A)の含有量は、固形状組成物中の(A
1
)クロロゲン酸類の含有量が3~35質量%となる量である、請求項1又は2記載の固形状組成物。
【請求項4】
成分(C)が、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース及びアルキルセルロースから選択される1以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の固形状組成物。
【請求項5】
成分(D)として、賦形剤を更に含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の固形状組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形状組成物に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、健康増進等を目的として植物由来の機能性成分が注目されている。例えば、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸類は、抗酸化作用や血圧降下作用等の生理作用を有することが報告されており、クロロゲン酸類を多く含む素材としてコーヒー豆が知られている。クロロゲン酸類の生理機能を享受するには、クロロゲン酸類を長期間継続して摂取することが有効であり、手軽に無理なく摂取可能な形態の一つとして、コーヒー豆抽出物を含有する固形状組成物がある。しかし、植物抽出物を含有する固形状組成物は、一般に保存時の吸湿等により色調が変化しやすく、その色調変化は、植物抽出物を高含有させると、より一層顕著になる。
【0003】
従来、植物抽出物等を含有する固形状組成物の色調変化を抑制すべく様々な検討がなされている。例えば、オンジ抽出物を含有する内服組成物に、ステアリン酸塩をオンジ抽出物に対して一定の量比で含有させることで、経時的な変色を抑制できることが報告されている(特許文献1)。また、清肺湯エキス末を含む錠剤に、ステアリン酸マグネシウム、並びに二酸化ケイ素及び/又はケイ酸塩を含有させることで、吸湿による清肺湯エキス末の変色を抑制できるとの報告もある(特許文献2)。更に、紅麹及び/又はその加工物を含む固形製剤に、ステアリン酸カルシウムを配合することで、当該固形製剤の変色を抑制できることも報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-75141号公報
特開2019-6749号公報
特開2022-93587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、本願出願前において、ステアリン酸塩は植物抽出物等を含有する固形状組成物の色調変化の抑制に有効であることが知られていたところ、本発明者の検討により、コーヒー豆抽出物をステアリン酸塩と共存させると、意外なことに、保存時の色調変化が促進されるという、上記した従来技術とは相反する作用を示すことが新たに判明した。そして、その色調変化は、ステアリン酸塩の増量に伴い増強することが本発明者の検討により確認された。
本発明の課題は、保存時の色調変化が抑制されたコーヒー豆抽出物含有固形状組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題に鑑み検討した結果、コーヒー豆抽出物とステアリン酸塩を含有する固形状組成物に、セルロース誘導体をステアリン酸塩に対して特定の量比で含有させることで、保存時の色調変化を抑制できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔5〕を提供するものである。
〔1〕次の成分(A)~(C);
(A)コーヒー豆抽出物
(B)ステアリン酸塩 1~9質量%、及び
(C)セルロース誘導体
を含み、
成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が0.03~11である、
固形状組成物。
〔2〕成分(A)が、生コーヒー豆抽出物及び浅焙煎コーヒー豆抽出物から選択される1以上である、前記〔1〕記載の固形状組成物。
〔3〕成分(A)の含有量は、固形状組成物中の(A
1
)クロロゲン酸類の含有量が3~35質量%となる量である、前記〔1〕又は〔2〕記載の固形状組成物。
〔4〕成分(C)が、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース及びアルキルセルロースから選択される1以上を含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の固形状組成物。
〔5〕成分(D)として、賦形剤を更に含有する、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の固形状組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、保存時の色調変化が抑制されたコーヒー豆抽出物含有固形状組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<固体状組成物>
(コーヒー豆抽出物)
本発明の固形状組成物は、成分(A)としてコーヒー豆抽出物を含有する。
コーヒー豆抽出物は、生コーヒー豆抽出物でも、焙煎コーヒー豆抽出物でもよい。
焙煎コーヒー豆抽出物は、クロロゲン酸類含量の観点から、浅焙煎コーヒー豆抽出物が好ましい。ここで、本明細書において「浅焙煎コーヒー豆」とは、L値が30以上60以下の焙煎コーヒー豆をいい、「L値」とは、黒をL値0とし、白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。色差計として、例えば、スペクトロフォトメーター SE2000((株)日本電色株式会社製)を用いることができる。また、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸及び5-カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3-フェルラキナ酸、4-フェルラキナ酸及び5-フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸を併せての総称である。本発明においては、上記6種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、クロロゲン酸類は、塩や水和物の形態であってもよい。塩としては生理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩を挙げることができる。
【0010】
浅焙煎コーヒー豆のL値は、クロロゲン酸類含量の観点から、33以上が好ましく、36以上がより好ましく、40以上が更に好ましく、また風味の観点から、58以下が好ましく、56以下が更に好ましい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、好ましくは33~60であり、より好ましくは36~58であり、更に好ましくは40~56である。
なお、成分(A)は、単独で用いても、2以上を併用してもよい。また、コーヒー豆の豆種及び産地は特に限定されず、豆種や産地の異なるコーヒー豆を1又は2以上使用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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