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公開番号
2024172574
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023090369
出願日
2023-05-31
発明の名称
流体用容器および水素発生用水分解装置
出願人
三菱ケミカル株式会社
,
人工光合成化学プロセス技術研究組合
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
C01B
3/04 20060101AFI20241205BHJP(無機化学)
要約
【課題】設置、交換などの作業が容易であり、且つ大型化が容易な、水素発生用水分解装置を実現する。
【解決手段】本発明の一態様に係る流体用容器(10)は、光触媒を内部に有し、光透過性を有する高分子フィルムで構成された、流体を収容可能な袋部(11)を備え、袋部(11)は、少なくとも1つの第1の開口(12)と、少なくとも1つの第2の開口(13)と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光触媒を内部に有する流体用容器であり、
光透過性を有する高分子フィルムで構成された、流体を収容可能な袋部を備え、
前記袋部は、流体を内部に導入するための、少なくとも1つの第1の開口と、
前記光触媒により前記流体から生成されたガスを前記袋部から取り出すための、少なくとも1つの第2の開口と、
を備える、流体用容器。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
前記流体が水を含む液体である、請求項1に記載の流体用容器。
【請求項3】
前記光触媒は、基材上に担持されている、請求項1記載の流体用容器。
【請求項4】
前記基材は、シート状部材である、請求項3に記載の流体用容器。
【請求項5】
前記袋部を構成する前記高分子フィルムの厚みが、1μm以上、1mm以下である、請求項1に記載の流体用容器。
【請求項6】
前記袋部は、平面視において略長方形形状であり、当該略長方形形状の短辺の長さが10cm以上である、請求項1に記載の流体用容器。
【請求項7】
前記略長方形形状の長辺の長さが1m以上、300m以下である、請求項6に記載の流体用容器。
【請求項8】
前記袋部を構成する前記高分子フィルムは、引張弾性率が10MPa以上、1000MPa以下である、請求項1に記載の流体用容器。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の流体用容器と、
当該流体用容器を保持する枠部材と、
を備える、水素発生用水分解装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体用容器、および当該流体用容器を備える水素発生用水分解装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
再生可能エネルギーとして太陽エネルギーを利用した高性能な光エネルギー変換システムの開発は、地球温暖化の抑制、および枯渇しつつある化石資源依存からの脱却を目指す観点から、近年になって急激にその重要性が増している。中でも、太陽エネルギーを用いて水を分解し水素を製造する技術は、現行の石油精製、アンモニア、メタノールの原料供給技術としてのみならず、燃料電池のエネルギーキャリアとして活用できる技術となり、その技術開発に対する社会的要請が益々高まっている。
【0003】
光触媒粒子上での酸性水溶液中における水の分解反応は、次のように推定されている(非特許文献1)。水の分解反応によって生成される水素は高エネルギー物質であり、エネルギー源として注目されている。
2H
2
O+4h
+
→O
2
+4H
+
(1)
4H
+
+4e
-
→2H
2
(2)
【0004】
このような光触媒を用いて水を分解する水素発生用水分解装置は、実用化時には10km×10kmレベルの広大な敷地に装置を設置して水素を製造することになる。現在、人工光合成装置は、最も大きいものでも、モジュールの一辺が1m程度である。また、賦形されたモジュールが用いられることが一般的である(例えば、非特許文献2)。また、水分解用のプラントとしては、このようなモジュールが複数連結されたものをさらに繋げて、例えば1辺が100mほどになるプラントが試作建設されている。例えば非特許文献3には、25cm角のモジュールを繋げて、100mサイズのプラントとしたことが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Blaise A. Pinaud et.al., Energy & Environmental Science 6, 1983-2002(2013)
Goto et al., Joule, 2, 509-520(2018)
Nishiyama et al., Nature Vol 598, 304-307(2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、広大な敷地での実用化のために、一辺が1m程度のモジュールを無数に製造して、広大な敷地に敷設するのは非効率である。また、上述のような方形などに賦形されたモジュールを用いる場合、数を減らそうとしてモジュールのサイズを大きくすると、今度は設置作業や、損傷したりした場合の交換作業の際に、大変な労力を要する。また、これらの作業のための作業者用通路を確保する必要があり、その分、モジュールを設置できる面積が減るなどの問題を生じる。
【0007】
そこで本発明者らは、水素発生用水分解装置における流体を収容するための容器として、もともと賦形されたモジュールを用いる代わりに、高分子フィルムで構成された袋状のモジュールを使用することにより、袋をたたんで所望の場所に運び、そこで袋を展開して設置した後に、そこで袋内に水等を入れることにより、モジュールの設置、交換等の作業が容易になること、これらの作業を行なう作業員用の通路を別途設ける必要がなくなるために、その分モジュールを大型化できることに着目し、本発明に到達した。
【0008】
本発明の一態様は、設置、交換等の作業が容易であり、且つ大型化が容易な、水素発生用水分解装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明の一態様は以下である。
【0010】
[1]光触媒を内部に有する流体用容器であり、
光透過性を有する高分子フィルムで構成された、流体を収容可能な袋部を備え、
前記袋部は、
流体を内部に導入するための、少なくとも1つの第1の開口と、
前記光触媒により前記流体から生成されたガスを前記袋部から取り出すための、少なくとも1つの第2の開口と、
を備える、流体用容器。
(【0011】以降は省略されています)
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