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公開番号
2024167004
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023083507
出願日
2023-05-19
発明の名称
波形発生特定方法およびプログラム
出願人
株式会社リコー
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
A61B
5/245 20210101AFI20241122BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】IEDの特徴的な波形情報が現れる時刻およびセンサについて、より正確な解析結果を抽出することができる波形発生特定方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数のセンサにより測定された生体信号の波形データを取得する取得ステップと、波形データにIEDの特徴的な波形情報が現れているか否かのラベルを付与したものを教師データとして学習した深層学習のモデルを用いて、波形データから確率情報を算出する確率算出ステップと、確率情報に基づいて特徴的な波形情報が現れる時刻およびセンサを抽出する第1抽出ステップと、を有し、確率算出ステップは、波形データから特徴マップを抽出する第2抽出ステップと、特徴マップからアテンションマップを生成する生成ステップと、特徴マップとアテンションマップとを掛け合わせたものに基づく情報を入力して、確率情報を識別する識別ステップと、を有することを特徴とする。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のセンサにより測定された生体信号の波形データを取得する取得ステップと、
取得した前記波形データにIED(Interictal Epileptiform Discharge)の特徴的な波形情報が現れているか否かのラベルを付与したものを教師データとして学習した深層学習のモデルを用いて、該波形データから、前記特徴的な波形情報が現れる確率情報を算出する確率算出ステップと、
前記確率情報に基づいて、前記波形データにおいて前記特徴的な波形情報が現れる時刻および前記センサを抽出する第1抽出ステップと、
を有し、
前記確率算出ステップは、
前記波形データから、該波形データの特徴を示す特徴マップを抽出する第2抽出ステップと、
前記特徴マップから、注視領域を示すアテンションマップを生成する生成ステップと、
前記特徴マップと前記アテンションマップとを掛け合わせたものに基づく情報を入力して、前記確率情報を識別する識別ステップと、
を有する波形発生特定方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記第1抽出ステップでは、前記確率情報に基づいて、前記生成ステップで生成した前記アテンションマップが示す注視された領域の前記時刻および前記センサを抽出する請求項1に記載の波形発生特定方法。
【請求項3】
前記識別ステップでは、前記特徴マップと前記アテンションマップとを掛け合わせたものに、さらに該特徴マップを加算した情報を入力して、前記確率情報を識別する請求項1または2に記載の波形発生特定方法。
【請求項4】
前記確率算出ステップで算出された前記確率情報が所定の閾値以上であるか否かを判定する閾値処理ステップを、さらに有し、
前記第1抽出ステップでは、前記閾値処理ステップで前記閾値以上と判定した前記確率情報に基づいて、前記波形データにおいて前記特徴的な波形情報が現れる前記時刻および前記センサを抽出する請求項1または2に記載の波形発生特定方法。
【請求項5】
前記確率算出ステップでは、教師データとして、さらに予め準備された、前記特徴的な波形情報が現れた前記時刻および前記センサの情報であるマスタ情報を用い、該マスタ情報と、前記生成ステップで生成された前記アテンションマップとの差分が小さくなるようにして学習した前記モデルを用いる請求項1または2に記載の波形発生特定方法。
【請求項6】
前記確率算出ステップでは、前記生成ステップで生成した前記アテンションマップを手動で修正したものを用いて学習した前記モデルを用いる請求項1または2に記載の波形発生特定方法。
【請求項7】
前記取得ステップで取得した前記波形データに対して、少なくとも所定区間の波形データを切り出す処理を含む前処理を行う前処理ステップを、さらに有し、
前記確率算出ステップでは、前記前処理をなされた前記波形データから、前記モデルを用いて前記確率情報を算出する請求項1または2に記載の波形発生特定方法。
【請求項8】
前記確率算出ステップでは、ABN(Attention Branch Network)に基づく前記モデルを用い、
前記生成ステップは、前記ABNのAttention branchの機能により処理され、
前記識別ステップは、前記ABNのPerception branchの機能により処理される請求項1または2に記載の波形発生特定方法。
【請求項9】
前記確率算出ステップでは、Deep U-Netに基づく前記モデルを用い、
前記第2抽出ステップは、前記Deep U-Netのエンコーダの機能により処理され、
前記識別ステップは、前記Deep U-Netのデコーダの機能により処理される請求項1または2に記載の波形発生特定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数のセンサにより測定された生体信号の波形データを取得する取得ステップと、
取得した前記波形データにIED(Interictal Epileptiform Discharge)の特徴的な波形情報が現れているか否かのラベルを付与したものを教師データとして学習した深層学習のモデルを用いて、該波形データから、前記特徴的な波形情報が現れる確率情報を算出する確率算出ステップと、
前記確率情報に基づいて、前記波形データにおいて前記特徴的な波形情報が現れる時刻および前記センサを抽出する第1抽出ステップと、
を実行させるためのプログラムであって、
前記確率算出ステップは、
前記波形データから、該波形データの特徴を示す特徴マップを抽出する第2抽出ステップと、
前記特徴マップから、注視領域を示すアテンションマップを生成する生成ステップと、
前記特徴マップと前記アテンションマップとを掛け合わせたものに基づく情報を入力して、前記確率情報を識別する識別ステップと、
を有するプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、波形発生特定方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
臨床における脳磁計、脳波計を用いたてんかんの診断では、等価電流双極子法と称する手法を用いて脳におけるてんかん病変部の局在性を評価する。等価電流双極子法では、頭皮上で計測された磁場を生み出す電流源(ダイポール)を推定する。ダイポールを推定するためには、複数のセンサにより検出された時系列のデータから、発作間欠期てんかん性放電(IED:Interictal Epileptiform Discharge)と称する特徴的な波形情報が発生した時刻、および当該波形情報が出現しているセンサの絞り込みが必要となる。従来のてんかんについての脳波図および脳磁図の解析では、医師または技師が手動でIEDの探索を行っているが、1人あたり30分程度、2000[Hz]程度のサンプリング周波数、および多数のセンサで検出されているため、個別のIEDについて手動で解析することは困難であり、かつ時間を要する。そのため、深層学習を用いてIEDの発生時刻およびセンサを同定する方法が提案されている。
【0003】
このようなIEDの特徴的な波形情報(以下、単に、特徴的な波形情報と称する場合がある)が現れた時刻およびセンサを抽出する(同定する)ための技術として、Object DetectionまたはSegmentaitonといった深層学習のアルゴリズムにより、各センサで検出された波形データの時刻ごとに特徴的な波形情報が出現する確率を算出し、当該波形情報が現れている時刻およびセンサを同定する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のIEDの特徴的な波形情報が現れた時刻およびセンサを抽出するための深層学習を用いた技術では、抽出された時刻およびセンサが医師等の専門家による解析結果に沿わない結果となる場合があり、誤検出および見逃しが発生する可能性があるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、IEDの特徴的な波形情報が現れる時刻およびセンサについて、より正確な解析結果を抽出することができる波形発生特定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のセンサにより測定された生体信号の波形データを取得する取得ステップと、取得した前記波形データにIED(Interictal Epileptiform Discharge)の特徴的な波形情報が現れているか否かのラベルを付与したものを教師データとして学習した深層学習のモデルを用いて、該波形データから、前記特徴的な波形情報が現れる確率情報を算出する確率算出ステップと、前記確率情報に基づいて、前記波形データにおいて前記特徴的な波形情報が現れる時刻および前記センサを抽出する第1抽出ステップと、を有し、前記確率算出ステップは、前記波形データから、該波形データの特徴を示す特徴マップを抽出する第2抽出ステップと、前記特徴マップから、注視領域を示すアテンションマップを生成する生成ステップと、前記特徴マップと前記アテンションマップとを掛け合わせたものに基づく情報を入力して、前記確率情報を識別する識別ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、IEDの特徴的な波形情報が現れる時刻およびセンサについて、より正確な解析結果を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、第1の実施形態に係る生体信号計測システムの全体構成の一例を示す図である。
図2は、第1の実施形態に係るサーバの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図5は、第1の実施形態に係る情報処理装置の確率算出部のモデル構成の一例を示す図である。
図6は、IEDの確率マップの一例を示す図である。
図7は、閾値処理後のIEDの確率マップの一例を示す図である。
図8は、アテンションマップを用いた抽出処理後のIEDの確率マップの一例を示す図である。
図9は、抽出されたセンサ数の拡張方法の一例を示す概念図である。
図10は、第1の実施形態に係る情報処理装置の学習処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11は、第1の実施形態に係る情報処理装置のダイポール推定処理の流れの一例示すフローチャートである。
図12は、第2の実施形態に係る情報処理装置の確率算出部のモデル構成の一例を示す図である。
図13は、第3の実施形態に係る情報処理装置の確率マップ算出部のモデル構成の一例を示す図である。
図14は、第4の実施形態に係る情報処理装置の確率マップ算出部のモデル構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る波形発生特定方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
[第1の実施形態]
(生体信号計測システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る生体信号計測システムの全体構成の一例を示す図である。図2は、第1の実施形態に係るサーバの機能ブロックの構成の一例を示す図である。図1および図2を参照しながら、本実施形態に係る生体信号計測システム1の全体構成について説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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