発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、光バースト送信機の高効率化に関する。 続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】 【0002】 近年、映像サービス等によりインターネットトラフィックが急増しており、それを支える光アクセスシステムの高速化・高度化が急務となっている。光アクセスシステムの多くでは、PON(Passive Optical Network)と呼ばれるトポロジーを用いたシステムによって構築されている。 【0003】 図1は、従来のPONシステムの概念を示す図である。PONシステムは、光ファイバ伝送路中に設置された光スプリッタ2を介して、収容局に設置された1台の終端装置(OLT:Optical Line Terminal)1に対して、複数の加入者宅に設置された宅内装置(ONU:Optical Network Unit)3 1 -3 N を収容する。光ファイバ伝送路4、光スプリッタ2、およびOLT1を、複数の加入者間で共有する光アクセスシステムである。OLT1からONU3 1 -3 N への下り信号(DN0)は、時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)され、光スプリッタ2で分岐されて(DN1-DNN)各加入者に伝送される。ONU3 1 -3 N からの上り信号(UP1-UPN)は、各加入者から時分割多元アクセス(TDMA:Time Division Multiple Access)により多重化されて(UP0)OLT1に伝送される。このとき、各ONUのからの上り信号の干渉を防ぐために、ガードタイムTを設定している。 【0004】 PONシステムは、ITU-Tにおいては、B-PON、G-PON、XG-PON、NG-PON2が標準化されており、IEEEにおいては、GE-PON、10GE-PONが標準化されている。それぞれ、1波長あたりの伝送レートは10Gbpsまで高速化されている。さらなるPONシステムの高速化、および高度化を目指し、次世代PONシステムの検討がされており、ITU-Tでは50G-PON、IEEEでは25G-EPONと呼ばれるシステムの議論が始まっている。これらのPONシステムでは、1波長あたりの伝送レートが従来の10Gbpsを超えた、25Gbps、50Gbpsにて検討されている。 【0005】 このような高速な伝送レートを実現するためには、光送受信機の高速化が必要である。PONシステムにおいては、1台のOLTに複数台のONUを収容するため、各ONUから任意のタイミングで光信号を発生または消光する必要があり、それを実現するための光バースト送信機の高速化が欠かせない。また、高速化に伴い受信機での受信感度が劣化することから、10Gbps級のシステムと同様のバジェットを確保するために、光バースト送信機の高出力化も欠かせない。 【0006】 図2に、従来の光バースト送信機の構成を示す。光バースト送信機10は、バースト信号用MACチップ11、バースト信号用直接変調用レーザドライバ12、および直接変調用レーザ13が順に接続されている。バースト信号用MACチップ11からデータ信号およびバースト制御信号が出力される。このデータ信号およびバースト制御信号は、バースト信号用直接変調用レーザドライバ12に入力される。バースト信号用直接変調用レーザドライバ12に、バースト制御信号のON信号が入力されたとき、バースト信号用直接変調用レーザドライバ12はONとなりバーストデータ信号が出力される。このバーストデータ信号が直接変調用レーザ13に入力され、光バーストデータ信号が発生する。バースト信号用直接変調用レーザドライバ12に、バースト制御信号のOFF信号が入力されたとき、バースト信号用直接変調用レーザドライバはOFFとなりバーストデータ信号は出力されない。 【0007】 光バースト送信機の高速化には、これらのすべての部品の高速化が欠かせない。しかしながら、実用レベルの高速な直接変調レーザの速度は、高速化の研究がなされているが、現在25Gbps級レベルまでとなっている。また、直接変調用レーザを高速化するために、レーザの共振器長を短くする必要がある。これに伴って、出力光のパワーが低下するので、高速化と高出力化の両立が課題である。 【0008】 図3に、従来の外部変調器と半導体光増幅器を用いた光バースト送信機の構成を示す。上述した課題を解決する方法として、直接変調用レーザの代わりに外部変調器と半導体光増幅器を使用した方法がある(例えば、非特許文献参照)。光バースト送信機20は、外部変調器24によって高速化を、半導体光増幅器25によって高出力化を実現している。光バースト送信機20においては、バースト信号用MACチップ21から発生しているデータ信号は、ドライバ22を介して外部変調器24へ入力される。外部変調器24にはレーザ23から無変調の光信号も入力されており、外部変調器24から、変調された光データ信号が半導体光増幅器25へ入力される。バースト信号用MACチップ21から出力されているバースト制御信号は、半導体光増幅器25に入力され、バースト制御信号がONのとき半導体光増幅器25から光バーストデータ信号が出力され、バースト制御信号がOFFのとき半導体光増幅器25では光データ信号が消光され、光バーストデータ信号は出力されない。光バースト送信機20は、バースト信号専用のデバイスはMACチップのみとなっており、その他は、通常の連続信号用のデバイスを使用可能である.従って、光バースト送信機の低コストが可能である。 【0009】 図4を参照して、従来の光バースト送信機の課題を説明する。バースト制御信号がONからOFFへ遷移するとき、光バーストデータ信号の立ち下りにおいて、数10nsec~数100nsの遅延d DN が生じる。同様に、バースト制御信号がOFFからONへ遷移するとき、光バーストデータ信号の立ち上がりにおいても遅延d UP が生じる。図1に示したように、各ONUからの上り信号を切り替える時の干渉を防ぐために、ガードタイムが設定されている。光バーストデータ信号の立ち下りの遅延および立ち上りの遅延が生じている場合、このガードタイムを長くとる必要があり、データ伝送が非効率となる。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0010】 Katsuhisa Taguchi, et al., "High Output Power and burst extinction ratio ONU using a simple configuration booster SOA with gain peak detuning for WDM/TDM-PON", OFC 2014 (C) OSA 2014, W3G.7.pdf 【発明の概要】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する