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公開番号
2024162508
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023078070
出願日
2023-05-10
発明の名称
光学部材
出願人
株式会社デンソー
,
トヨタ自動車株式会社
,
株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人
弁理士法人ゆうあい特許事務所
主分類
G02B
5/00 20060101AFI20241114BHJP(光学)
要約
【課題】ハーフミラーレス構造としつつも、射出面側からの外光によるノイズが低減された光学部材を提供する。
【解決手段】導光体2は、光透過性材料で構成され、外景光が入射する入射面2aと、複数の突起状のプリズム部3、5が連続して繰り返し配列されてなり、入射面2aに交差する方向に延設される射出部2bと、射出部2bと対向する平滑面2cとを備える。導光体2は、射出部2bと平滑面2cとの間に位置する内部に、互いに離れて同一平面上に配置される複数の反射層4とを有する。複数の反射層4は、平滑面2cと向き合う面が反射面である。反射面4aで反射された入射光の平滑面2cに対する入射角をφ
1
とし、導光体2の屈折率をn
1
とし、導光体2に接する媒質の屈折率をn
0
として、導光体2は、sinφ
1
>n
0
/n
1
を満たす。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
外景光を内部で反射させて導光する光学部材であって、
前記外景光が入射する入射面(2a)と、複数の突起状のプリズム部(3、5)が連続して繰り返し配列されてなり、前記入射面に交差する方向に延設される射出部(2b)と、前記射出部と対向する平滑面(2c)と、前記射出部と前記平滑面との間において互いに離れて同一平面上に配置される複数の反射層(4)とを有してなり、光透過性材料により構成される導光体(2)を備え、
複数の前記反射層は、前記導光体の内部に配置されるとともに、前記平滑面と向き合う面である反射面(4a)が前記平滑面と平行であり、
複数の前記プリズム部は、前記入射面と平行な面である射出面(3a、5a)を有し、
前記反射面は、前記入射面からの入射光を前記平滑面の側に反射し、
前記反射面で反射された前記入射光の前記平滑面に対する入射角をφ
1
とし、前記導光体の屈折率をn
1
とし、前記導光体に接する媒質の屈折率をn
0
として、前記導光体は、sinφ
1
>n
0
/n
1
を満たす、光学部材。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記導光体は、単一部材である、請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記導光体は、前記平滑面を有する光透過性のある導光部(21)と、前記射出部を有する光透過性のあるプリズムシート(23)と、前記導光部と前記プリズムシートとを接着する光透過性のある透明層(22)とによりなる、請求項1に記載の光学部材。
【請求項4】
前記導光部の屈折率をn
1
とし、前記透明層の屈折率をn
3
とし、前記プリズムシートの屈折率をn
4
とし、前記導光部から前記透明層に入射する光の進む方向と前記平滑面に対する法線方向とのなす角度をφ
2
として、
前記導光体は、sinφ
1
≦n
3
/n
1
、およびsinφ
2
≦n
4
/n
3
を満たす、請求項3に記載の光学部材。
【請求項5】
前記導光体は、前記入射面と対向配置された終端面(2e)を有し、
前記平滑面に沿って、前記入射面から前記終端面に向かう方向を導光方向(D2)として、複数の前記反射層は、前記導光方向における幅(Wr)が、前記導光方向において隣接する複数の前記反射層のピッチ(P2)よりも小さい、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光学部材。
【請求項6】
複数の前記プリズム部は、前記射出面と、前記射出面に隣接する隣接面(3b、5b)とを有し、
前記隣接面は、外部からの光を前記導光体の内部に入射することを遮る、光吸収性または光拡散性の遮光部(6)により覆われている、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光学部材。
【請求項7】
前記導光体は、前記入射面と対向配置された終端面(2e)を有し、
前記平滑面に対する法線方向に沿った方向を厚み方向(D1)とし、前記平滑面に沿って、前記入射面から前記終端面に向かう方向を導光方向(D2)とし、
複数の前記プリズム部のうち前記入射面の側の端部に位置する前記プリズム部を入射端プリズム部(31)とし、前記入射端プリズム部の前記射出面から射出される射出光のうち前記射出部の側に位置するユーザの目に入射する光を第1射出光とし、前記入射光のうち前記第1射出光として射出される光の前記厚み方向に対する角度をφ
h
とし、
複数の前記プリズム部のうち前記導光方向の中心に位置する前記プリズム部を中心プリズム部(32)とし、前記中心プリズム部の前記射出面から射出される射出光のうち前記ユーザの目に入射する光を第2射出光とし、
前記射出面のなす平面に沿った幅であって、前記導光体の側の根元から先端までの幅をW1とし、
前記射出面の前記厚み方向に対する傾斜角度をψとし、
前記中心プリズム部の前記射出面のうち前記第2射出光が通る点である中点(Pb)と、複数の前記反射層のうち前記射出部の側の面(4b)との前記厚み方向における距離をLとして、
前記導光体は、W1≧2L(1-tanφ
1
/tanφ
h
)/cosψを満たす、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光学部材。
【請求項8】
前記中点を第一の中点とし、複数の前記反射層のうち隣接する2つの前記反射層の前記導光方向における中間に位置する点を第二の中点(Pa)とし、前記第一の中点と前記第二の中点との前記導光方向における距離をHとして、
前記導光体は、Hが(Ltanφ
1
)±0.1mmの範囲内である、請求項7に記載の光学部材。
【請求項9】
複数の前記反射層は、前記導光体よりも低屈折率n
2
の材料または空気が充填された空洞層で構成されており、
前記導光体は、sinφ
1
>n
2
/n
1
またはsinφ
1
>1/n
1
を満たす、請求項2に記載の光学部材。
【請求項10】
複数の前記反射層は、前記導光部よりも低屈折率n
2
の材料または空気が充填された空洞層で構成されるとともに、前記導光部に形成され、
前記導光体は、sinφ
1
>n
2
/n
1
またはsinφ
1
>1/n
1
を満たす、請求項4に記載の光学部材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射面から入射した光の一部を内部で反射させ、入射した光およびその反射光を入射面とは異なる面から外部に射出する光学部材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、この種の光学部材としては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1に記載の光学部材は、透光性の導光体で構成され、導光体の入射面から入射した外光の一部が内部で全反射により導光されるとともに、入射面とは異なる射出面から外部に射出されることで、射出面側にいるユーザに死角の外景を視認させる。これにより、射出面側に導光体とは異なる反射性材料で構成されたハーフミラーが不要なハーフミラーレス構造となり、導光体内部における導光での外光の吸収による損失が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-028532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光学部材は、射出面が導光体内部の導光を外部に射出する突起状のプリズム部と導光を全反射する反射面である平坦面とにより構成されており、平坦面では全反射により導光を反射する。この光学部材は、平坦面から外光が入射すると、当該外光がプリズム部から射出される光に重畳し、ノイズが生じるおそれがある。しかしながら、この光学部材は、平坦面における全反射の条件を満たす構成とする必要があり、平坦面を遮光膜で覆うことができない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、ハーフミラーレス構造としつつも、射出面側からの外光によるノイズが低減された光学部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の光学部材は、外景光を内部で反射させて導光する光学部材であって、外景光が入射する入射面(2a)と、複数の突起状のプリズム部(3、5)が連続して繰り返し配列されてなり、入射面に交差する方向に延設される射出部(2b)と、射出部と対向する平滑面(2c)と、射出部と平滑面との間において互いに離れて同一平面上に配置される複数の反射層(4)とを有してなり、光透過性材料により構成される導光体(2)を備え、複数の反射層は、導光体の内部に配置されるとともに、平滑面と向き合う面である反射面(4a)が平滑面と平行であり、複数のプリズム部は、入射面と平行な面である射出面(3a、5a)を有し、反射面は、入射面からの入射光を平滑面の側に反射し、反射面で反射された入射光の平滑面に対する入射角をφ
1
とし、導光体の屈折率をn
1
とし、導光体に接する媒質の屈折率をn
0
として、導光体は、sinφ
1
>n
0
/n
1
を満たす。
【0007】
これによれば、入射面、射出部および平滑面を有し、射出部と平滑面との間に複数の反射層が配置された導光体を備え、射出部が複数の突起状のプリズム部が連続して繰り返し配列された構成とされた光学部材となる。この光学部材は、入射面から外景光が導光体内部に入射して入射光となり、入射光の一部が射出部に向かうとともに、入射光の残部が反射層で反射されて平滑面に向かい、反射層からの光が平滑面で全反射され、反射層または射出部に向かう構成となっている。つまり、この光学部材は、入射光の一部が反射層と平滑面との間で繰り返し反射されるため、射出部に反射面を設ける必要がなく、射出部が複数のプリズム部のみで構成されたハーフミラーレス構造となる。また、この光学部材は、プリズム部が平滑面に対して平行な面を有しないため、射出部から外光が導光体に入射したとしても、当該外光が射出面からの射出光に重畳しにくくなり、当該外光によるノイズが低減される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態の光学部材を示す断面図である。
図1の光学部材における導光の説明図である。
射出部側に位置する視認者の目への射出光の角度分布を示す図である。
反射層間の中点と射出面の中点との関係および射出面の幅についての説明図である。
比較例の光学部材および射出部側からの外光に起因するノイズについての説明図である。
第1実施形態の光学部材の変形例を示す断面図である。
第2実施形態の光学部材を示す断面図である。
第2実施形態の光学部材の第1変形例を示す断面図である。
第2実施形態の光学部材の第2変形例を示す断面図である。
第2実施形態の光学部材の第3変形例を示す断面図である。
反射層の他の形状例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(【0011】以降は省略されています)
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