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公開番号
2024162336
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023077735
出願日
2023-05-10
発明の名称
水電解セル用アノード触媒層、膜電極接合体及び固体高分子形水電解セル、並びにIr/IrOxファイバー触媒及びその製造方法
出願人
国立大学法人九州大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C25B
11/091 20210101AFI20241114BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】発生ガスの排出を促し、アノード触媒層の構造変化を抑制し、耐久性を向上した水電解セルを与えることができるアノード触媒層を提供する。
【解決手段】金属イリジウム(Ir)及びイリジウム酸化物(IrOx)からなるIr/IrOxファイバー触媒と、プロトン伝導性電解質材料とを含有する水電解セル用アノード触媒層。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
金属イリジウム(Ir)及びイリジウム酸化物(IrOx)からなるIr/IrOxファイバー触媒と、プロトン伝導性電解質材料とを含有することを特徴とする水電解セル用アノード触媒層。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記Ir/IrOxファイバー触媒の繊維径が20~300nmであり、繊維長さが0.3~5μmである請求項1に記載の水電解セル用アノード触媒層。
【請求項3】
前記Ir/IrOxファイバー触媒の、X線光電子分光分析法(XPS)により測定される表面近傍の分析領域におけるIr(0)の含有量が、3原子%以上30原子%以下である請求項1に記載の水電解セル用アノード触媒層。
【請求項4】
固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方面に接合されたカソード触媒層と、前記固体高分子電解質膜の他方面に接合されたアノード触媒層と、を有する膜電極接合体であって、前記アノード触媒層が、請求項1から3のいずれかに記載の水電解セル用アノード触媒層である膜電極接合体。
【請求項5】
請求項4に記載の膜電極接合体を備えてなることを特徴とする固体高分子形水電解セル。
【請求項6】
金属イリジウム(Ir)及びイリジウム酸化物(IrOx)からなり、繊維径が20~300nmであり、繊維長さが0.3~5μmであるIr/IrOxファイバー触媒。
【請求項7】
X線光電子分光分析法(XPS)により測定される表面近傍の分析領域におけるIr(0)の含有量が3原子%以上30原子%以下である請求項6に記載のIr/IrOxファイバー触媒。
【請求項8】
請求項6または7に記載のIr/IrOxファイバー触媒の製造方法であって、
以下の工程(1)~(3)を含む製造方法。
工程(1)イリジウム前駆体化合物と増粘ポリマーを含む混合溶液を準備する工程
工程(2)前記混合溶液を電界紡糸して前駆体ファイバーを得る工程
工程(3)電界紡糸して得られた前記前駆体ファイバーを熱処理する工程
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子形水電解セル等の水電解セルに用いられる水電解セル用アノード触媒層、これを備えた膜電極接合体、及び固体高分子形水電解セルに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
水電解セルとしては、固体高分子形燃料電池(PEFC)と同様に固体高分子膜を隔膜に用いた固体高分子形水電解セル(PEM水電解セル)が知られている。PEM水電解セルは、水のみを用いて水素を発生させることができる、水素ガス中に水以外の不純物は含まれない、作動温度が低い、などの利点がある。
【0003】
図1に示すように、PEM水電解セルでは、水の電気分解反応(H
2
O→2H
+
+1/2O
2
+2e
-
)によりアノード側で酸素が発生し、カソード側で水素が発生する。水電解セルは高い電位(1.5V~2.0V程度)で電位変動の激しい状況下で用いられ、アノード雰囲気は強酸性かつ高電位であり、電極触媒として使用できる材料が貴金属に限られる。
一方、同様に貴金属触媒を使用するPEFCにおける電極触媒では、貴金属ナノ粒子をカーボン担体上に担持させた電極触媒が広く使用されている。しかしながら、PEFCに比べ、PEM水電解セルのアノードではさらに高電位で使用され、急激なカーボン酸化劣化が起こるため、水電解セル用アノードには、PEFC用アノードのようにカーボン担体を使用することができない。
【0004】
従来のPEM水電解セルでは、アノード触媒層に酸化イリジウム(IrO
2
)が1~5mg/cm
2
程度使用されている。酸化イリジウムは、1.5V~2.0Vの高電位でも安定であり、水電解におけるアノード反応(酸素発生反応)に対する高い触媒活性を有する。現在、一般的に市販・使用されている水電解用のアノード触媒層は、数ミクロン径の酸化イリジウム粉末をそのまま使用していることが多い(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-209379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
PEM水電解セルの実用化のためには、アノード触媒層における貴金属材料の使用量をできるだけ少なくする必要がある。酸化イリジウム粉末をそのまま用いた従来の水電解セルのアノードは、高コストであることに加え、酸化イリジウム粒子が凝集しやすいため、電極構造が密になりやすく、水電解で発生したガスが上手く排出できなくなり、ガスの滞留による性能低下や、アノード触媒層の膨張、亀裂などの構造変化が生じるという長期耐久性の課題がある。
このように従来の電極設計のままでは、酸化イリジウム触媒の量を減らすことができず、かつ、長期耐久性の課題があるため、新たなアノードの設計が求められていた。
【0007】
かかる状況下、本発明の目的は、発生ガスの排出を促し、アノード触媒層の構造変化を抑制し、耐久性を向上した水電解セル用アノード触媒層、これを備えた膜電極接合体及び固体高分子形水電解セルを提供することである。
また、本発明の他の目的は、水電解セル用アノード触媒層の形成に適したIr/IrOxファイバー触媒及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水電解セルのアノード触媒層におけるガスの停滞・ガスの排出に着目し、ファイバー構造のIr系触媒であるIr/IrOxファイバー触媒を導入することで、発生ガスの排出を促し、アノード触媒層の構造変化を抑制し、耐久性を向上することを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 金属イリジウム(Ir)及びイリジウム酸化物(IrOx)からなるIr/IrOxファイバー触媒と、プロトン伝導性電解質材料とを含有する水電解セル用アノード触媒層。
<2> 前記Ir/IrOxファイバー触媒の繊維径が20~300nmであり、繊維長さが0.3~5μmであるる<1>に記載の水電解セル用アノード触媒層。
<3> 前記Ir/IrOxファイバー触媒の、X線光電子分光分析法(XPS)により測定される表面近傍の分析領域におけるIr(0)の含有量が、3原子%以上30原子%以下である<1>または<2>に記載の水電解セル用アノード触媒層。
<4> 固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方面に接合されたカソード触媒層と、前記固体高分子電解質膜の他方面に接合されたアノード触媒層と、を有する膜電極接合体であって、前記アノード触媒層が、<1>から<3>のいずれかに記載の水電解セル用アノード触媒層である膜電極接合体。
<5> <4>に記載の膜電極接合体を備えてなる固体高分子形水電解セル。
【0010】
<1a> 金属イリジウム(Ir)及びイリジウム酸化物(IrOx)からなり、繊維径が20~300nmであり、繊維長さが0.3~5μmであるIr/IrOxファイバー触媒。
<2a> X線光電子分光分析法(XPS)により測定される表面近傍の分析領域におけるIr(0)の含有量が3原子%以上30原子%である<1a>に記載のIr/IrOxファイバー触媒。
<3a> <1a>または<2a>に記載のIr/IrOxファイバー触媒の製造方法であって、以下の工程(1)~(3)を含む製造方法。
工程(1)イリジウム前駆体化合物と増粘ポリマーを含む混合溶液を準備する工程
工程(2)前記混合溶液を電界紡糸して前駆体ファイバーを得る工程
工程(3)電界紡糸して得られた前記前駆体ファイバーを熱処理する工程
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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