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公開番号
2024158361
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073507
出願日
2023-04-27
発明の名称
二酸化炭素の回収脱離濃縮装置および二酸化炭素の回収脱離濃縮方法
出願人
株式会社豊田中央研究所
代理人
弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類
B01D
53/32 20060101AFI20241031BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】水分解反応を利用した二酸化炭素含有気体からの二酸化炭素の回収において、低いエネルギー消費で二酸化炭素を水分解生成物と分離し、回収、濃縮することができる、二酸化炭素の回収脱離濃縮装置および二酸化炭素の回収脱離濃縮方法を提供する。
【解決手段】電気化学触媒として機能する材料(例えば電気化学触媒11g)にイオン交換膜11fを密接させた電極と、電気化学触媒として機能する材料とイオン交換膜11fとの界面を密着する密着機構11hと、を有する電気化学セルを用いて、電気化学反応を行いながら二酸化炭素含有気体からの二酸化炭素の回収と、回収した二酸化炭素の脱離と、を行い、二酸化炭素を濃縮することを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置1である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電気化学触媒として機能する材料にイオン交換膜を密接させた電極と、前記電気化学触媒として機能する材料と前記イオン交換膜との界面を密着する密着機構と、を有する電気化学セルを用いて、電気化学反応を行いながら二酸化炭素含有気体からの二酸化炭素の回収と、回収した二酸化炭素の脱離と、を行い、二酸化炭素を濃縮することを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
前記電気化学セルは、水の電気分解反応で生じる気体生成物とイオン生成物とを空間的に分離する分離手段を有し、
前記電極は、前記イオン生成物を前記イオン交換膜に局在化する電極であることを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
前記密着機構は、前記電気化学触媒として機能する材料および前記イオン交換膜が液体または気体と接触することを可能として、前記電気化学触媒として機能する材料と前記イオン交換膜との界面を密着する機構であることを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項4】
請求項3に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
前記密着機構は、前記電気化学触媒として機能する材料と前記イオン交換膜とを互いに押さえ込んで密着させる構造を有し、前記電気化学触媒として機能する材料と前記イオン交換膜の表面を押さえ込む柱状もしくは壁状の構造体、または多孔質構造体を利用して密着する機構であることを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項5】
請求項1に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
前記電気化学セルは、水の電気分解反応で生じる気体生成物とイオン生成物とを空間的に分離する分離手段を有し、前記電極は、前記イオン生成物を前記イオン交換膜に局在化する電極であり、
前記密着機構は、前記電気化学触媒として機能する材料および前記イオン交換膜が液体または気体と接触することを可能として、前記電気化学触媒として機能する材料と前記イオン交換膜との界面を密着する機構であり、
前記電気化学セルは、電解液を流通させながら電気化学反応を行うセルであることを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項6】
請求項5に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
前記二酸化炭素の回収は、前記電気化学セルを用いて水を電気分解して水酸化物イオンとプロトンとを生成する水電解反応を行い、前記生成した水酸化物イオンに二酸化炭素を接触させることによって前記二酸化炭素を炭酸イオンへと変換することを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項7】
請求項6に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
前記回収した二酸化炭素の脱離は、前記生成したプロトンに前記変換した炭酸イオンを接触させることによって前記炭酸イオンを二酸化炭素へと変換することを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項8】
請求項5に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
前記電気化学触媒として機能する材料が酸化イリジウムであり、前記イオン交換膜が陽イオン交換膜であり、
前記電気化学セルは、カソードとして白金を含む電極、アノードとして前記陽イオン交換膜を密接させた前記酸化イリジウムを含む電極を有し、前記カソードと前記アノードとの間の電解液槽に、前記カソードと前記アノードとを隔てる陽イオン交換膜を有し、
前記密着機構は、前記アノードの前記陽イオン交換膜と前記酸化イリジウムを含む電極とを互いに押さえ込んで密着させる構造を有し、前記陽イオン交換膜と前記酸化イリジウムを含む電極の表面を押さえ込む柱状の構造体を利用して密着する機構であることを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項9】
請求項8に記載の二酸化炭素の回収脱離濃縮装置であって、
上記水の電気分解反応において、前記電解液槽に電解液を送液することによってカソード側の電解液に二酸化炭素を回収し、前記回収した二酸化炭素をアノード側の電解液で脱離することを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮装置。
【請求項10】
電気化学触媒として機能する材料にイオン交換膜を密接させた電極と、前記電気化学触媒として機能する材料と前記イオン交換膜との界面を密着する密着機構と、を有する電気化学セルを用いて、電気化学反応を行いながら二酸化炭素含有気体からの二酸化炭素の回収と、回収した二酸化炭素の脱離と、を行い、二酸化炭素を濃縮することを特徴とする二酸化炭素の回収脱離濃縮方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素の回収脱離濃縮装置および二酸化炭素の回収脱離濃縮方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)
【背景技術】
【0002】
地球温暖化問題等に対する対策の一つとして、大気中等の二酸化炭素(CO
2
)を分離、回収、貯留する技術が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、塩化ナトリウム水溶液の電気分解により水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を生成し、生成した水酸化ナトリウム水溶液に空気を供給し、その空気中の二酸化炭素を溶け込ませ、生成した炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを含む水溶液に対し、生成した塩酸を供給して溶け込んだ二酸化炭素を気体として取り出す二酸化炭素回収システムが記載されている。
【0004】
特許文献2には、アミノ基含有化合物を含む吸収液に、二酸化炭素を含む排ガスを気液接触させて二酸化炭素を吸収し、この二酸化炭素吸収液を電気分解および気液分離して二酸化炭素の脱離と吸収液の再生を行う二酸化炭素回収装置および二酸化炭素回収方法が記載されている。
【0005】
特許文献3~6には、水酸化ナトリウムと塩化カルシウムを含む混合液に二酸化炭素を接触させ、二酸化炭素を炭酸カルシウム(CaCO
3
(固体))として固定し、副生成物である塩化ナトリウムの電気分解で水酸化ナトリウムを生成し再利用する、二酸化炭素の固定方法、固定化二酸化炭素の製造方法、および二酸化炭素の固定装置が記載されている。
【0006】
非特許文献1には、水分解反応で生じる水酸化物イオン(OH
-
)と電解液中のカルシウムイオン(Ca
2+
)を利用し、二酸化炭素を炭酸カルシウム(固体)として回収し、これを水分解反応で生じるプロトン(H
+
)と反応させることによって二酸化炭素を脱離する技術が記載されている。
【0007】
非特許文献2には、電気化学フローセルによる水分解反応で生じる水酸化物イオンとプロトンを二酸化炭素回収と脱離に利用する技術が記載されている。
【0008】
非特許文献3には、水分解反応で生じる水酸化物イオンとプロトンを利用した二酸化炭素の回収脱離と、生成する二酸化炭素/水素の混合ガスからのメタノール製造技術が記載されている。
【0009】
非特許文献4には、電解槽の隔膜にバイポーラー膜を用いた電気化学セルによる水分解反応を利用した二酸化炭素の回収技術が記載されている。
【0010】
非特許文献5には、金属電極とイオン交換膜からなる多槽型の電気化学セルでの電解反応を利用した二酸化炭素の回収技術が記載されている。
(【0011】以降は省略されています)
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