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公開番号2024157761
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072308
出願日2023-04-26
発明の名称熱交換器
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類F28F 3/08 20060101AFI20241031BHJP(熱交換一般)
要約【課題】流路の内圧による変形を抑制することができると共に、製造性を向上させることができる熱交換器を提供すること。
【解決手段】熱交換器1において、流路4の第一側Z1を覆うプレート部材2の第二側Z2の面を流路側第二面22とし、流路4の第二側Z2を覆うプレート部材2の第一側Z1の面を流路側第一面21とする。また、流路側第二面22に固定された変形抑制部3を第一抑制部31とし、流路側第一面21に固定された変形抑制部3を第二抑制部32とする。このとき、第一抑制部31は、第二抑制部32の一部よりも第二側Z2に位置する第一重なり部311を有する。また、第二抑制部32は、第一重なり部311よりも第一側Z1に位置する第二重なり部321を有する。積層方向Zから見たとき、第一重なり部311と、第二重なり部321とは、互いに重なっている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
互いに積層された複数のプレート部材(2)と、
少なくとも、上記複数のプレート部材の積層方向(Z)において互いに隣接する一対の上記プレート部材に覆われることにより形成されると共に、熱交換を行う流体が流れる流路(4)と、を備え、
上記積層方向の一方側を第一側(Z1)とし、上記積層方向の他方側を第二側(Z2)としたとき、上記流路は、上記積層方向において互いに隣接する一対の上記プレート部材によって、上記第一側及び上記第二側の両側から覆われており、
上記流路の上記第一側を覆う上記プレート部材の上記第二側の面を流路側第二面(22)とし、上記流路の上記第二側を覆う上記プレート部材の上記第一側の面を流路側第一面(21)としたとき、上記流路側第二面及び上記流路側第一面のそれぞれには変形抑制部(3)が固定されており、
上記流路側第二面に固定された上記変形抑制部を第一抑制部(31)とし、上記流路側第一面に固定された上記変形抑制部を第二抑制部(32)としたとき、上記第一抑制部は、上記第二抑制部の一部よりも第二側に位置する第一重なり部(311)を有すると共に、上記第二抑制部は、上記第一重なり部よりも上記第一側に位置する第二重なり部(321)を有し、
上記積層方向から見たとき、上記第一重なり部と、上記第二重なり部とは、互いに重なっている、熱交換器(1)。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
上記変形抑制部は、上記プレート部材に固定された被固定部(33)を有し、上記積層方向から見て、上記第一重なり部と上記第二重なり部とが互いに重なる領域を重なり領域(R)としたとき、
上記積層方向から見たときの、上記第一抑制部の上記被固定部と上記第一重なり部との並び方向(Y)における上記重なり領域の長さ(L1)は、上記変形抑制部の厚み(T1)以上である、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
上記積層方向から見たときの、上記並び方向における上記重なり領域の長さは、上記変形抑制部の厚みの2倍以上である、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
上記第一重なり部と上記第二抑制部とは、隙間(10)を介して、上記積層方向に互いに対向していると共に、上記第二重なり部と上記第一抑制部とは、上記隙間を介して、上記積層方向に互いに対向している、請求項1又は2に記載の熱交換器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、流体の熱交換を行うフラットチューブが知られている。特許文献1に記載のフラットチューブは、流れチャンネルを覆う2つの広幅側部を有すると共に、流れチャンネルを画定する内側曲げ部を有する。この内側曲げ部は、広幅側部の一部を屈曲させることにより形成されていると共に、一方の広幅側部から他方の広幅側部へと伸延している。特許文献1に記載のフラットチューブは、内側曲げ部を形成することにより、流れチャンネルの内圧による変形を抑制し、耐膨張性を向上させようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-174843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のフラットチューブにおいて、内側曲げ部は、その遠位端が、広幅側部にロウ付けによって固定されている。そのため、内側曲げ部によって流れチャンネルの内圧による変形を抑制しようとした場合、広幅側部の一部を屈曲させて内側曲げ部を形成すると共に、ロウ付けにより内側曲げ部と広幅側部とを互いに接合する必要があり、製造工程が複雑になりやすい。それゆえ、製造性向上の観点から、改善の余地があるといえる。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、流路の内圧による変形を抑制することができると共に、製造性を向上させることができる熱交換器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、互いに積層された複数のプレート部材(2)と、
少なくとも、上記複数のプレート部材の積層方向(Z)において互いに隣接する一対の上記プレート部材に覆われることにより形成されると共に、熱交換を行う流体が流れる流路(4)と、を備え、
上記積層方向の一方側を第一側(Z1)とし、上記積層方向の他方側を第二側(Z2)としたとき、上記流路は、上記積層方向において互いに隣接する一対の上記プレート部材によって、上記第一側及び上記第二側の両側から覆われており、
上記流路の上記第一側を覆う上記プレート部材の上記第二側の面を流路側第二面(22)とし、上記流路の上記第二側を覆う上記プレート部材の上記第一側の面を流路側第一面(21)としたとき、上記流路側第二面及び上記流路側第一面のそれぞれには変形抑制部(3)が固定されており、
上記流路側第二面に固定された上記変形抑制部を第一抑制部(31)とし、上記流路側第一面に固定された上記変形抑制部を第二抑制部(32)としたとき、上記第一抑制部は、上記第二抑制部の一部よりも第二側に位置する第一重なり部(311)を有すると共に、上記第二抑制部は、上記第一重なり部よりも上記第一側に位置する第二重なり部(321)を有し、
上記積層方向から見たとき、上記第一重なり部と、上記第二重なり部とは、互いに重なっている、熱交換器(1)にある。
【発明の効果】
【0007】
上記熱交換器は、第一重なり部と第二重なり部とを有する。それゆえ、流路の内圧によってプレート部材が変形することを抑制することができる。また、積層方向から見て、第一重なり部と第二重なり部とが互いに重なるように、プレート部材同士を組み付けることにより、熱交換器を製造することができる。それゆえ、流路の内圧によってプレート部材が変形することを抑制することができる熱交換器を、容易に製造することができる。その結果、製造性を向上させることができる。
【0008】
以上のごとく、上記態様によれば、流路の内圧による変形を抑制することができると共に、製造性を向上させることができる熱交換器を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態1における、熱交換器の斜視図。
実施形態1における、第1流路を覆う外側プレートを第二側から見た図。
実施形態1における、変形抑制部付近の、積層方向に沿った断面図。
実施形態1における、変形抑制部の厚み等を示す断面図であって、図5のIV-IV線矢視断面図。
実施形態1における、第一抑制部及び第二抑制部を積層方向から見た図であって、図4のV矢視図。
実施形態1における、熱交換器の外周部の、積層方向に沿った断面図。
実施形態1における、プレート部材とパイプとの接合部付近の断面図。
実施形態1における、変形抑制部をプレート部材に溶接する様子を示す断面図。
実施形態1における、熱交換器の製造時において、プレート部材を並び方向へスライドさせる様子を示す断面図。
実施形態1における、熱交換器の製造時において、プレート部材をスライドさせる直前の、挿通孔に対するパイプの位置を示す図。
実施形態1における、熱交換器の製造時において、プレート部材をスライドさせた直後の、挿通孔に対するパイプの位置を示す図。
実施形態2における、第1流路を覆う外側プレートを第二側から見た図。
実施形態3における、第1流路を覆う外側プレートを第二側から見た図。
実施形態4における、第1流路を覆う外側プレートを第二側から見た図。
実施形態5における、変形抑制部付近の、積層方向に沿った断面図。
実施形態6における、変形抑制部付近の、積層方向に沿った断面図。
実施形態6における、変形抑制部付近の、積層方向に沿った断面図であって、変形抑制部の長手方向に直交する断面図。
実施形態6における、プレート部材同士を組み付ける様子を示す断面図。
実施形態7における、変形抑制部付近の、積層方向に沿った断面図。
実施形態7における、変形抑制部付近の、積層方向に沿った断面図であって、変形抑制部の長手方向に直交する断面図。
図20から、断面となっている第一抑制部及び第二抑制部を除いた断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態1)
熱交換器に係る実施形態について、図1~図11を参照して説明する。
本形態の熱交換器1は、図1、図3、図4、図6に示すごとく、互いに積層された複数のプレート部材2と、熱交換を行う流体が流れる流路4と、を備える。流路4は、図3、図4、図6に示すごとく、少なくとも、複数のプレート部材2の積層方向Zにおいて互いに隣接する一対のプレート部材2に覆われることにより形成される。
(【0011】以降は省略されています)

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