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公開番号2024155901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2024069108
出願日2024-04-22
発明の名称色素増感型太陽電池作製キット及び色素増感型太陽電池の組み立て方法
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類H01G 9/20 20060101AFI20241024BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】色素増感型太陽電池作製キットの工作者が、自由に文字や絵柄を着色又は描画することができる色素増感型太陽電池キットを提供する。
【解決手段】電解質層を、色素増感された半導体粒子を有する半導体電極と対向電極とで挟むことにより構成される色素増感型太陽電池の作製キットは、電極基材11上に、導電体12を介して半導体粒子13からなる半導体層14が形成された染色用基板10と、増感色素を有するインクを含む筆記具20と、電解液を収容した電解液容器30と、電解液を封止するための枠体40と、対向電極50とを、有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電解質層を、色素増感された半導体粒子を有する半導体電極と対向電極とで挟むことにより構成される色素増感型太陽電池の作製キットであって、
電極基材上に、導電体を介して前記半導体粒子からなる半導体層が形成された染色用基板と、
増感色素を有するインクを含む筆記具と、
電解液を収容した電解液容器と、
前記電解液を封止するための枠体と、
対向電極とを、
有することを特徴とする、色素増感型太陽電池作製キット。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記筆記具が、前記インクが充填されたマーキングペン、前記インクが充填された筆ペン、及び筆と前記インクを収容したインク容器とのセットのうち少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池作製キット。
【請求項3】
前記筆記具が、インクの色が異なる多色セットにより構成されることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池作製キット。
【請求項4】
前記電解液が、ヨウ素-ヨウ化物系レドックス対を含むとともに、ヨウ化物イオンのモル量に対する三ヨウ化物イオンのモル量の割合が1%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池作製キット。
【請求項5】
前記対向電極を構成する電極基板が、透明又は半透明であることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池作製キット。
【請求項6】
前記電解液に含まれる溶剤が、イソプロパノール又は3-メトキシ-3-メチルブタノールであることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池作製キット。
【請求項7】
前記半導体層上に、滲み防止用の複数の微粒子からなる下地層が更に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池作製キット。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池作製キットを用いて色素増感型太陽電池を組み立てる方法であって、
前記染色用基板における前記半導体層が形成された部分に、前記筆記具を用いて文字や絵柄を着色又は描画した後、前記枠体を装着し、更に前記枠体内に前記電解液を充填し、その後、前記枠体に前記対向電極を装着することを特徴とする、色素増感型太陽電池の組み立て方法。
【請求項9】
請求項7に記載の色素増感型太陽電池作製キットを用いて色素増感型太陽電池を組み立てる方法であって、
前記染色用基板における前記下地層が形成された部分に、前記筆記具を用いて文字や絵柄を着色又は描画した後、前記枠体を装着し、更に前記枠体内に前記電解液を充填し、その後、前記枠体に前記対向電極を装着することを特徴とする、色素増感型太陽電池の組み立て方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、色素増感型太陽電池の作製キット及び色素増感型太陽電池の組み立て方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
次世代の太陽電池として、低温でより低コストで製造が可能な有機太陽電池の開発が期待されている。有機太陽電池の中でも色素増感型太陽電池は、製造コストを大幅に削減できる可能性があること、アモルファスシリコン太陽電池と同等な性能を持つこと、着色透明な太陽電池が作れることなど、従来の太陽電池にはない魅力を持つことから、特に注目を浴びている。
【0003】
色素増感型太陽電池は、一般に導電性基材上に、増感色素を吸着した半導体粒子からなる半導体電極と、対向電極と、半導体電極と対向電極との間に保持された電解質層から構成されている。なお、増感色素により光の吸収エネルギーが増し、光電変換効率が高まる。
【0004】
また、色素増感型太陽電池は、簡単に作製することができ、また薄膜シリコンに近いエネルギー変換効率が得られるため、学習教材や研究用途において、色素増感型太陽電池の組み立てキットに対する需要が高まっている。
【0005】
例えば、特許文献1には、光電極部材と、対向電極部材及び電解液から構成される色素増感型太陽電池作製キットが記載されている。この色素増感型太陽電池作製キットでは、対向電極部材が、金属箔からなる不透明導電性基板の上に、鉛筆を用いて黒鉛を含む導電性酸化還元触媒層が形成されている。また、光電極部材では、その中央部分に、導電性基板上に色素増感された半導体微粒子層が形成されている。そして、色素増感型太陽電池キットを用い、導電性酸化還元触媒層の上に、スポイトを用いて電解液を滴下した後、光電極部材の色素増感された半導体層と対向電極部材の導電性酸化還元触媒層とが対面するように対向させて、両電極部材を貼り合わせることにより、色素増感型太陽電池を製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第5172166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の色素増感型太陽電池作製キットは、予め半導体微粒子に増感色素が吸着されているため、色素増感型太陽電池作製キットの工作者が、自由に文字や絵柄を着色又は描画することができない。
【0008】
そこで本発明は、色素増感型太陽電池作製キットの工作者が、自由に文字や絵柄を着色又は描画することができる色素増感型太陽電池キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、色素増感型太陽電池作製キットに係る下記[1]の構成により達成される。
【0010】
[1] 電解質層を、色素増感された半導体粒子を有する半導体電極と対向電極とで挟むことにより構成される色素増感型太陽電池の作製キットであって、
電極基材上に、導電体を介して前記半導体粒子からなる半導体層が形成された染色用基板と、
増感色素を有するインクを含む筆記具と、
電解液を収容した電解液容器と、
前記電解液を封止するための枠体と、
対向電極とを、
有することを特徴とする、色素増感型太陽電池作製キット。
(【0011】以降は省略されています)

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