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公開番号2024159063
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074807
出願日2023-04-28
発明の名称ボールねじ
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16H 25/24 20060101AFI20241031BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】潤滑剤含有材由来ではない潤滑剤の供給量や供給頻度を低減可能なボールねじを提供する。
【解決手段】ボールねじは、外周面に螺旋状の雄ねじ溝12とランド部が形成されたねじ軸と、内周面に螺旋状の雌ねじ溝が形成されたナットと、雄ねじ溝12と雌ねじ溝との間に形成される転走路に沿って転動自在に配置された複数の転動体と、潤滑剤を含有する潤滑剤含有材30と、を備える。雄ねじ溝12及びランド部の少なくとも一方に、複数の微小ディンプルを有する表面処理部12aが形成され、潤滑剤含有材30が、外周面のうち少なくとも表面処理部12aが形成された部位に接触するように配置される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
外周面に螺旋状の雄ねじ溝とランド部が形成されたねじ軸と、
内周面に螺旋状の雌ねじ溝が形成されたナットと、
前記雄ねじ溝と前記雌ねじ溝との間に形成される転走路に沿って転動自在に配置された複数の転動体と、
潤滑剤を含有する潤滑剤含有材と、を備え、
前記雄ねじ溝及び前記ランド部の少なくとも一方に、複数の微小ディンプルを有する表面処理部が形成され、
前記潤滑剤含有材が、前記外周面のうち少なくとも前記表面処理部が形成された部位に接触するように配置される、
ボールねじ。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
前記雄ねじ溝及び前記ランド部の両方に前記表面処理部が形成され、
前記潤滑剤含有材が前記雄ねじ溝及び前記ランド部の両方に接触するように配置される、
請求項1に記載のボールねじ。
【請求項3】
さらに、前記ナットの前記内周面に前記表面処理部が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載のボールねじ。
【請求項4】
さらに、前記複数の転動体のうち少なくとも一部の表面に前記表面処理部が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載のボールねじ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールねじに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ボールねじでは、転動体と転走面の間の摩擦を低減させること等を目的として、潤滑剤を供給することが行われている。例えば、特許文献1では、ボールねじのねじ軸とボールねじナットとの間に、樹脂と潤滑剤を含む混合物の焼結体である多孔質体に更に潤滑剤を含浸させて得られる潤滑剤含有材を介在させ、該潤滑剤含有剤をシール部材として用いることで、ボールねじへの潤滑剤供給と、ナット内に供給した潤滑剤のシールを行っている。
【0003】
また、例えば、特許文献2では、ボールねじに潤滑剤含有材を備えさせるのではなく、ショットピーニング処理によってねじ軸の軌道面(雄ねじ溝)又はナットの軌道面(雌ねじ溝)のうちの少なくとも一方に多数の微小な凹凸を形成し、該凹凸を油溜りとして機能させることで、軌道面に供給した潤滑剤の保持能力を高めることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-69329号公報
特開2020-67153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のボールねじでは、潤滑剤含有材から吐出される潤滑剤の量が少ない場合が考えられ、ナット内への潤滑剤の追加供給が必要な場合があった。ここで、潤滑剤の吐出量が少なくなる原因として、特許文献1の段落0010に記載されているように、特許文献1では潤滑剤の吐出量を必要最小限に抑制するという思想があることに加え、ねじ軸の転走面の表面が、切削又は研削仕上げによって、加工方向に方向性を持った表面(異方性表面)となっていることが挙げられる。特許文献1では、ねじ軸の切削目又は研削目の方向が回転方向であるため、潤滑剤含有材とねじ軸の接触部の摩擦係数が小さくなって潤滑剤含有材から吐出される潤滑剤の量が少なくなり、結果として、ナット内への潤滑剤の追加供給が必要な場合が生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、潤滑剤含有材由来ではない潤滑剤の供給量や供給頻度を低減可能なボールねじを提供することを目的とする。
【0007】
なお、特許文献2には、潤滑剤含有材を用いることが開示されておらず、また、ナット内への潤滑剤の供給頻度を低減するという目的も開示されていない。また、特許文献2では、軌道面に多数の微小な凹凸が形成され、軌道面が等方性粗さを有する表面(等方性表面)になっている。特許文献1の軌道面を特許文献2のような等方性表面を有するものに変更すると、軌道面と潤滑剤含有材との摩擦係数が大きくなって発熱量が増加することにより、潤滑剤含有材からの潤滑剤の吐出量を大きくすることができるが、このような変更は、特許文献1における潤滑剤の吐出量を必要最小限に抑制するという上述の思想に反してしまう。また、特許文献1に特許文献2を組み合わせるその他の動機づけも存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るボールねじは、
外周面に螺旋状の雄ねじ溝とランド部が形成されたねじ軸と、
内周面に螺旋状の雌ねじ溝が形成されたナットと、
前記雄ねじ溝と前記雌ねじ溝との間に形成される転走路に沿って転動自在に配置された複数の転動体と、
潤滑剤を含有する潤滑剤含有材と、を備え、
前記雄ねじ溝及び前記ランド部の少なくとも一方に、複数の微小ディンプルを有する表面処理部が形成され、
前記潤滑剤含有材が、前記外周面のうち少なくとも前記表面処理部が形成された部位に接触するように配置される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、潤滑剤含有材由来ではない潤滑剤の供給量や供給頻度を低減可能なボールねじを提供することができる。
具体的には、雄ねじ溝及びランド部の少なくとも一方に表面処理部を形成することによって、雄ねじ溝及びランド部の少なくとも一方が切削目又は研削目の方向以外の表面粗さ(等方性粗さ)を有するようにしている。また、ねじ軸の外周面のうち少なくとも表面処理部が形成された部位と接触するように潤滑剤含有材を配置している。これらの結果、ねじ軸と潤滑剤含有材の接触部の摩擦係数が大きくなって発熱量が増加することにより、潤滑剤含有材からの潤滑剤の吐出量を大きくすることができる。また、表面処理部に形成されたディンプルによって油だまり効果が生じるため、潤滑剤含有材から吐出された潤滑剤をディンプルに保持し、吐出された潤滑剤が流れ出ることを抑制できる。以上のように、本発明によれば、潤滑剤含有材からの潤滑剤の吐出量増加と、潤滑剤の保持という2つの効果が得られるため、結果として、潤滑剤含有材由来ではない潤滑剤の供給量や供給頻度を低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本発明の第一実施形態に係るボールねじの側面図である。
図2は、図1の軸Lを通る平面によってボールねじを切断した場合における、潤滑剤供給材とボールねじの外周面を示す模式断面図である。
図3は、図1のIII-III線に沿ってボールねじを切断した場合における、潤滑剤供給材とボールねじの外周面を示す模式断面図である。
図4は、本発明の第一実施形態に係るボールねじの外周面を示す模式図である。
図5は、本発明の第一実施形態に係るボールねじの外周面を撮影した写真である。
図6は、従来例のボールねじを軸方向に垂直な断面で切断した場合における、潤滑剤供給材とボールねじの外周面を示す模式断面図である。
図7は、従来例のボールねじの外周面を示す模式図である。
図8は、従来例のボールねじの外周面を撮影した写真である。
図9は、第一実施形態の第一変形例に係る、潤滑剤供給材とボールねじの外周面を示す模式断面図である。
図10は、第一実施形態の第二変形例に係る、潤滑剤供給材とボールねじの外周面を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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